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マネーフォワード×スマートキャンプ会見質疑応答全文

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スマートキャンプは2019年11月11日、マネーフォワードグループへの参画を発表。代表・古橋とマネーフォワード代表取締役社長CEOの辻氏が会見を行い、趣旨を説明した。会見で交わされた質疑応答全文を掲載する。

スマートキャンプ、MFグループに

弊メディア「ボクシルマガジン」を運営するスマートキャンプは、2019年11月期をもってマネーフォワードグループへ参画。11日に会見を行い、スマートキャンプ代表取締役社長・古橋智史、ならびにマネーフォワード代表取締役社長CEO・辻庸介氏が概要や目的を説明した。

スマートキャンプは、SaaS比較サイト「BOXIL(ボクシル)」、インサイドセールス支援BPO「BALES(ベイルズ)」、インサイドセールス特化型CRM「Biscuet(ビスケット)」などを展開。

スマートキャンプの事業領域(資料提供:マネーフォワード)

一方マネーフォワードは、クラウド型会計ソフトや経費精算ソフトなどを含む8つのサービスから成るSaaS「マネーフォワード クラウド」に加え、自動記帳ソフト「STREAMED」や経営分析ソフト「Manageboard」を提供し、バックオフィス業務の効率化を支援している。

両社は国内SaaS市場の発展へ向けて、マーケティングとプロダクトの両面から協業を加速する。

グループ参画の目的

マネーフォワード辻氏は会見で、目的を次の3点から説明した。

(1)Money Forward Buisinessの事業領域拡大
(2)シナジー創出による両社事業の成長加速
(3)経営人材獲得による営業力の強化

マネーフォワード代表取締役社長CEO・辻庸介氏

(1)Money Forward Buisinessの事業領域拡大

マネーフォワードが提供するバックオフィス向けSaaSは、「Money Forwardクラウド」「STREAMED」「Manageboard」の3サービスで構成される。これに、スマートキャンプの「BOXIL」「BALES」「Biscuet」をあわせ、SaaSマーケティング領域へと事業領域拡大を目指す。

マネーフォワードの試算によると、バックオフィスSaaSの潜在市場規模は約1兆円にのぼる。事業者数に基づく内訳は、個人事業主が450万、従業員19名以下の小規模事業者が150万、同20〜999名の中規模事業者が30万。

さらに、国内SaaS市場が拡大するにつれSaaSマーケティングの潜在市場規模も拡大、約0.9兆円に達すると見込む。マネーフォワードグループが持つ潜在市場規模(TAM)は計1.9兆円と、約2倍になる計算だ。

左:バックオフィスSaaSの潜在市場規模/右:国内SaaSマーケティングの潜在市場規模(資料提供:マネーフォワード)

今後もアライアンスやM&Aを通じ、バックオフィスSaaSおよびSaaSマーケティング領域で「圧倒的No.1」を目指す。2021年11月期にはEBITDA黒字化、そして早期の東証一部上場を目指す。

(2)シナジー創出による両社事業の成長加速

目的の2点目「シナジー」については3つの観点を挙げた。

A.「BOXIL」「BALES」利用者の拡大

これまでグループに参画した各社事業は、グループ化以降に成長を加速している。マネーフォワード クラウド利用事業者にサービス利用を促進し、スマートキャンプのサービス利用者増を目指す。

また、各社サービスのデータを活用したSaaSレコメンドエンジンの開発も予定している。

「BOXIL」「BALES」利用者の拡大イメージ(資料提供:マネーフォワード)

B.オフラインマーケティング事業への展開

国内B2B市場約3兆円のうち、オフラインの展示会事業は1.3兆円(44%)を占める。全国に展開するマネーフォワードグループのパートナーシップを活用し、オフラインマーケティング事業を強化する。

C.マネーフォワードクラウド事業の強化

スマートキャンプが行ってきたWebマーケティングの知見をいかし、マネーフォワード クラウドの新規顧客獲得の強化も目論む。

「以前から(スマートキャンプは)メディア力が非常に強い会社だと認識していました。われわれよりノウハウを持っているので、マネーフォワード クラウド事業を助けていただきたいと考えています」。(辻)

(3)経営人材獲得による営業力の強化

スマートキャンプはマネーフォワード上場後4社目のグループ参画企業であり、過去最大規模のM&Aとなる。これまで参画した3社の起業家は、自社経営だけでなくグループ全体の事業運営にも深く関与。スマートキャンプの経営陣も同様に携わり、国内SaaS市場の拡大に向けて協業を加速する。

辻氏は説明を次のようにしめくくった。「われわれも創業から7年目ですし、スマートキャンプも5年目と、若い会社どうしが一緒になることは非常に珍しいパターンだと思います。ベンチャー業界の新たな流れとして成功裏に導いて、いい取り組みにしていきたいと思っています」。

質疑応答全文

続いて質疑応答が行われた。質問と回答をすべて掲載する。(以下、敬称略)

Q. スマートキャンプ単体で19年3月期の損失が約10億円あるが、どのくらいで黒字化できる見通しか。

古橋:主要事業のBOXILはすでに単体で黒字化しており、今はBALESとBiscuetに投資している状況です。今後はマネーフォワードの黒字化に向けた事業計画に沿って、計画を策定していく予定です。

Q. 今回の買収額(約20億円)判定の合理性は?

辻:DCF法(代表的な企業価値算定手法)を適用したり、成長予測を見たりしています。正直、シナジーの部分はあまり含んでいませんが、本日当社の取締役会でも承認されており、必要なプロセスは踏んでいる認識です。

Q. SaaS支援企業と一緒になることで顧客からの見え方が変わると思うが、メリットと課題をどう捉えているか。

辻:スマートキャンプは引き続き独立した会社として運営を続けるので、中立性の担保は必ず行います。また先ほど申し上げたシナジー3点を中心に進めていくことになるかと思います。

過去のジョイン事例を見ても、M&A時には価値を試算しづらい人や文化の融合面で、金額以上の非常に大きな価値があったと感じています。今回も、これから両社で情報共有をしながら金額以上の価値を作っていければと思っています。

Q. インサイドセールス支援事業(BALES)のオペレーター規模はどのくらいか。

古橋:現在30名ほど稼働しており、今後も増えていく見込みです。拠点は北海道のみですが、一部、クラウドワーカーとして稼動している方が全国にいます。

Q. マネーフォワードとしても、オフラインとオンライン両方を強化していくという認識でよいか。マネーフォワードもイベントを実施している中で、オフラインで集客しつつ、オンラインではレコメンド機能を共同開発していく、という認識で大枠は相違ないか。

辻:事業でみると、ユーザーがSaaSを探したいときに一番初めに接触するのはBOXILです。そこで会員登録し、BALESやBiscuetを通じて接点ができて、実際にSaaSプロダクトを使うという流れになります。

(今回のM&Aで)われわれがリーチできていなかったSaaSマーケティング領域にアプローチできます。データ共有や方法はご一緒させていただきますけど、スマートキャンプがNo.1の地位を築いていますし、しっかりと伸ばされていくものだと認識しています。

マネーフォワードグループのSaaSビジネス戦略(資料提供:マネーフォワード)

十数万社いらっしゃるマネーフォワードのお客様にいいサービスをご紹介する文脈でもご一緒させていただくというのが、(オンラインの)もう1つの取り組みです。

オフラインに関しては、実は2つ行っています。1つ目が既存のお客様に対してのセミナー。2つ目は、他社の展示会に出展し見込み顧客を獲得するものです。今回ご一緒させていただくのは後者で、拡大する余地がある領域だと思っています。

Q. オンライン強化はマネーフォワードユーザー獲得の拡大につながるという認識か?

辻:はい。ユーザーに聞いても、課題は「いいクラウドサービスがたくさんある中で自分に合ったサービスは何か(わからない)」ところにあります。たとえばPOSレジ1つ選ぶにしても、規模や業態によって得意領域が異なるので、「こういう業態でこういう領域でこれくらいの規模だとこのシステムがいい」と選ぶのが難しい。そういった選択のお手伝いができると思っています。

Q. 多くのSaaSがあり投資も活発な状況下で、選択の難しさや導入後の活用に課題がある。今はリード提供に注力しているが、将来的にカスタマーサクセスまでカバーしていく予定があるか。

古橋:おっしゃるとおり、現状弊社は見込み顧客の提供と営業支援で止まっていて、受注、導入、導入後どうなったかはヒアリングしきれないところもあります。その点、マネーフォワードと組むことで導入後どう運用されているか、LTVはどのくらいかなど、マーケティングの入り口だけでなくより深いところまでわかるようになるというのが、大きなポイントだと思っています。さらに、培ったノウハウをほかのSaaS企業へ展開していくことも可能になると考えています。

スマートキャンプ代表取締役社長・古橋智史

Q. SMBがメインの市場で、いまのところエンタープライズは考えていないという認識でよいか。

古橋:SMBかエンタープライズかはケースバイケース。ただ、BOXILユーザーのうち十数%は大企業の方で、エンタープライズのほうがリテラシーの浸透が早いと感じています。

そこはBOXILのオンラインでカバーできると思うのですが、SMBはBOXILで検索するというのが正直難しい。そこでSCTX(スマートキャンプ主催ITカンファレンス)を開催しました。まだまだ、足を運んで自分の目で見て決める方が多いと思っています。そこをマネーフォワードとともに強化し、SMB領域をしっかりと広げていくことを考えています。

Q. BOXILのようなプラットフォームは、特定のSaaSベンダーの傘下に入ることで中立性が損なわれるように見えたり、ひいてはプラットフォームとしての価値が毀損されるリスクもあると思うが、そこはどう考えているか。

古橋:その可能性は十分あると思っていますが、引き続き独立した会社として運営を続けますし、中立性は担保できると考えています。これまでも、われわれが利用しているSaaSベンダーにBOXILをご利用いただくケースがあったのですが、利用しているからといって恣意的に記載するといったことはしていません。

またBOXILはマーケティングプラットフォームなので、いわゆるメディア媒体の広告と同じような認知獲得目的の施策なども、市場に対するフラット性は担保しながら継続していきたいと思っています。

辻:そういうこともあって今回、取締役に関しては、僕(辻)とビジネス領域を監督している竹田の2名だけが入り、シナジー部分を担います。運営は引き続き現経営陣が行います。

Q. マネーフォワードユーザーへのSaaS提案にBOXILを利用するとのことだったが、それは一つの使い方でしかなく、BOXILを引き続き中立的な媒体として運営してほしいというのが、辻さんの考えか。

辻:そういった形でしっかりやっていけると思いますし、「いいSaaSがわからない」「どれを選んだらいいのかわからない」という課題の方が大きいと思いますので、進めている方向は変わらないと思っています。


辻:最後に1点だけ。われわれが上場した2年前はSaaSという言葉が知られてすらいませんでした。最近ChatWorkやSansan、フリーが上場して盛り上がってきているので、この段階でしっかりと2社でやっていきたいと思います。

ソフトウェア業界は海外が強く、国内で強いプレイヤーが出てきていません。SaaS業界に関してはわれわれが一丸となり、「ソフトウェア業界でも日本はできるんだ」ということをお見せしたいなと古橋さんと話していたので、しっかり果たしていきたいと思います。

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※マネーフォワードプレスリリース
国内No.1のSaaSマーケティングプラットフォームを提供するスマートキャンプ株式会社をグループ会社化

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