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9割がオンライン面接を導入、コロナで変わる人事 - テレワーク最大の課題は人事評価

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で、人事業務のオンライン化が迫られている。日本でも約9割がWeb面接を実施、多くの研修がオンラインになった。またテレワーク経験者は増えたが、人事評価に対する不安は以前から解消されておらず、疑心暗鬼を生んでいる。ポストコロナでは、人材評価や採用方法の見直しが必要だ。

コロナで「人事」の変革が迫られる

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の防止策として、外出や集会といった活動の自粛が浸透した。こうした動きは、生活のさまざまな場面に大きな影響を及ぼしている。

企業ではオフィスへの出勤を減らすために在宅勤務が広まり、会議はオンラインで行われるようになってきた。なお、緊急事態宣言が発出されたこの時期は、学生の就職活動が盛んになるタイミングでもある。企業説明会の開催が見送られるなど、企業と学生の双方が初めての事態に戸惑っていることだろう。

COVID-19パンデミックは、企業の採用プロセスや人事評価、働き方を変化させ始めた。その兆候が現れている調査データを紹介する。

採用プロセスが急速にオンライン化

米国の一部地域はCOVID-19患者が急増し、かなり厳しい状況に陥った。それにともない、企業の採用面接はオンライン化が進行している。

米国では86%がWebで面接

調査会社のガートナーが人材採用に関する調査を行ったところ、米国では企業の86%が選考時の面接をオンラインで実施していたという。こうした企業の多くは、濃厚接触を避ける目的でオンラインにしたのだろう。

面接をオンライン化すると距離の制約から解放されるため、従来は出会うことが難しかった候補者とのマッチングが可能になる。より広い地域の、より多くの人材候補にアクセスできるようになり、企業にとっても求職者にとってもメリットは大きい。面接を実施する際の負担も小さくなる。

そのためガートナーは、今後COVID-19対策のソーシャルディスタンス確保が不要になったとしても、オンライン面接は「新たな標準」になる可能性がある、としている。ただし、面接そのものや、採用決定後のオンボーディングにおいて、従来の対面方式と遜色のない情報提供が欠かせないとした。

採用ストップ時は配置転換を

COVID-19パンデミックは、実体経済に直接的な悪影響を与えている。経済の先行きが不透明なこともあり、採用計画を見直した企業も少なくない。ガートナーによると、「新規採用者の勤務開始日を遅らせた」(54%)、「インターシップ受け入れの中止」(31%)、「採用予定だった職種の半数以上を凍結」(63%)といった具合だ。オンライン面接で優れた人材と出会いやすくなるものの、予算の問題などで新たな雇用は難しい状況になってしまった。

これに対しガートナーは、必要な人材を組織内で探す方法を勧める。企業内では、別職種への異動を明確には希望していない従業員でも39%が移動を受け入れるからだという。そこで、求人情報を組織内で共有し、人材を募るのがよいとした。

以前紹介した調査レポートのなかでも、ガートナーは人材不足の対策に社内教育が有効としており、人材を外部から得るという発想を見直し、社内の既存人材を教育する方法へシフトすることを提案していた。

日本でも9割がWeb面接、オンボーディングは8割

日本の採用状況はどうだろう。4月に調査が実施されたHERPのレポート「リモートワーク下での採用活動および労働環境に関する調査」が参考になる。

「面接・面談のオンラインへの移行を行っていますか?」という質問に対しては、「全ての面談・面接をオンラインに移行した」という回答が65.0%もあった。「一部の面談・面接をオンラインに移行した」(22.5%)と合わせると、9割弱がオンライン面接を実施していた。オファー面談・入社後に行われるオンボーディングのオンライン化については、完全移行が44.4%、一部移行が34.7%あり、こちらも約8割がオンラインになっていた。

面接・面談のオンライン化率 出典:HERP / リモートワーク下での採用活動および労働環境に関する調査レポート

オファー面談・オンボーディングのオンライン実施率 出典:HERP / リモートワーク下での採用活動および労働環境に関する調査レポート

米国に比べテレワークやオンライン化が遅れているように見える日本企業だが、予想外に遜色のない状況だった。

オンライン面接にはメリットが多いものの、実際に行ってみると課題もあるらしい。「採用をリモートワーク移行したことに伴う課題について当てはまるものすべてにご回答ください」と尋ねたところ、「候補者とのカルチャーフィットをジャッジするのが難しくなった」(142件)、「入社後のオンボーディング対応が難しくなった」(132件)という回答が多い。

そのほかに、企業魅力の訴求、候補者のスキルジャッジが困難になった、という意見も目立つ。

採用オンライン化に伴う課題 出典:HERP / リモートワーク下での採用活動および労働環境に関する調査レポート

テレワークで浮かび上がる人事評価問題

テレワークで在宅勤務中の既存従業員については、人事評価が困難という声が多く挙がっている。

東京都の産業労働局が2018年7月に実施した調査では、テレワーク経験者から「社内の評価に不安がある」「昇給、昇任に不安がある」といったデメリットが挙げられた。2年近く経過した現在でも、テレワークに対するこうした問題は残っているようだ。

部下も上司も「疑心暗鬼」

人事評価クラウドを手がけているあしたのチームによると、管理職も部下も不安を抱えたり、疑心暗鬼になったりしていた。

管理職が部下に関して不安を感じること

  • 生産性が下がっているのではないか:48.0%
  • 報連相をすべき時にできないのではないか:32.7%
  • 仕事をサボっているのではないか:32.7%
  • 仕事ぶりが見えない期間の人事評価をしにくいこと:30.0%
  • 適切な指導ができず人材育成ができなくなりそうなこと:22.7%
  • 隠れ残業をしているのではないか:18.7%
  • 部下本人の健康状態:18.7%

テレワーク時に部下が不安を感じること

  • オフィスより仕事がはかどらないこと:38.7%
  • 上司・同僚・部下に相談しにくいこと:28.7%
  • サボっていると疑われているのではないか:28.0%、
  • 残業申請がしにくいこと:27.3%
  • 仕事ぶりを評価してもらいにくいのではないか:16.7%
  • 適切な指導が受けられず成長機会が少なくなりそうなこと:14.7%
  • 体調不良を伝えにくいこと:6.0%

管理職が部下に関して不安を感じること 管理職が部下に関して不安を感じること(出典:あしたのチーム / テレワーク時の人事評価「難しい」73.7%)

テレワーク時に部下が不安を感じること テレワーク時に部下が不安を感じること(出典:あしたのチーム / テレワーク時の人事評価「難しい」73.7%)

オフィスに縛られてきた評価制度

テレワーク時の人事評価を難しいとする声が多い。具体的には、部下を人事評価する管理職の73.7%が「オフィス出社時と比べて難しい」と答えている。

難しいと感じる理由については、以下のとおり業務の成果そのものに関係しない項目が多く、人事評価がこれまでオフィスに縛られていたことが浮き彫りになった。

テレワーク時の人事評価が難しいと感じる理由

  • 勤務態度が見えないから:72.6%
  • 成果につながる行動(アクション数、内容等)を細かく把握しづらいから:67.1%
  • 勤務時間を正確に把握しづらいから:45.2%
  • 会社をよくする行動(掃除、挨拶等)を評価しづらいから:31.5%
  • 評価面談がしにくいから:21.9%
  • 自社の評価制度がテレワークを想定した内容でないから:20.5%

テレワーク時の人事評価が難しいと感じる理由 テレワーク時の人事評価が難しいと感じる理由(出典:あしたのチーム / テレワーク時の人事評価「難しい」73.7%)

そのせいか、テレワークを前提にすると管理職の52.4%が人事評価制度を「見直し・改定する必要がある」としている。

テレワークを前提とした場合、現在の人事評価制度のままで良いと思うか テレワークを前提とした場合、現在の人事評価制度のままで良いと思うか(出典:あしたのチーム / テレワーク時の人事評価「難しい」73.7%)

オンライン化にはツール活用が不可欠

テレワークやオンライン面接が当たり前になると、従来の働き方や採用プロセスに固執していては無理が生ずる。同一労働同一賃金やジョブ型雇用といった方向へ舵を切る必要もあるだろうし、これからの社会に適した採用プロセスを考えなければならない。学校の9月入学という大変革が起きれば、新卒一括採用という慣習を捨てる判断もあり得る。

勘や人海戦術に頼ってきた面のある人事業務を最適化するクラウド人事ツールには、人事評価システムタレントマネジメントシステムがある。1on1ミーティング、従業員同士で“目に見えない貢献”を可視化するピアボーナス制度を取り入れて、コミュニケーションを活性化し、心理的安全性を低くする取り組みも考えられる。

ポストコロナに向けて、人事の大変革が迫られている。

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