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高齢者にもEC定着、事業者の課題は? コロナ対策よりもマーケティング

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記事の情報は最終更新日時点のものです。
“巣ごもり消費”が拡大しECサイトの利用が増えました。緊急事態宣言解除後も利用者数は減っておらず、高齢者も含めて生活スタイルの一つとして定着したといえそうです。事業者からすると、マーケティングに対する関心が高く、既存顧客のCX向上が課題。ITセキュリティを重要視する声も多く挙がりました。

COVID-19で拡大した“巣ごもり消費”

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の影響で、人の移動や接触が要の飲食店、交通機関、観光業界などは大打撃を受けています。一方、外出自粛で行き場を失った人々の消費行動は、多くがオンライン通販(EC)へ向かったようです。

緊急事態宣言の出されていた4月ごろは、「内食・中食」「ゲーム・書籍・コミック」「動画・音楽の配信サービス」への支出が増加しました。米国の調査でも、ストリーミング映像サービス(OTT)の利用や、ECサイトおよびニュースサイトのアクセスが増え、“巣ごもり消費”の拡大が見られます。

ECは緊急事態宣言解除後も好調

緊急事態宣言が解除された5月末以降も、ECは好調だったのでしょうか。三井住友カードと顧客時間の調査レポート「コロナ影響下の消費行動レポート 第2弾」で確認します。クレジットカード決済などの利用状況を分析し、COVID-19拡大がもたらした消費行動の変化を可視化したものです。

ECは増加して定着

全体的なクレジットカード決済金額は、4月初めに急減少し、宣言が解除されてから緩やかに回復し始めました。

ECで利用されたクレジットカード決済に限ると、3月から金額が伸び続け、5月以降は高い水準を保っています。これに対し、EC以外は大幅に落ち込んでいました。外出自粛要請や緊急事態宣言でEC利用が増えたうえ、それまで使っていなかった層が「その便利さに」気付いて使い続けたのだと思われます。

消費分野(カテゴリー)別にみても、ECの拡大は明らかです。決済金額全体のうち対EC利用の占める割合は、2019年2月から6月は20%弱で推移していました。それが、2020年3月に26%、4月36%と急増しています。EC利用とクレジットカード決済がコロナ禍をきっかけに広まり、定着したようです。

クレジットカード決済金額の推移 出典:三井住友カード/顧客時間 / コロナ影響下の消費行動レポート 第2弾

カテゴリー別の決済金額シェア推移 出典:三井住友カード/顧客時間 / コロナ影響下の消費行動レポート 第2弾

高齢者もECサイト利用者に

カテゴリー別の決済金額シェアは、どの年代もECが新型コロナウイルスの影響で伸ばしていました。その傾向は70歳以上も同様で、2月に13%、3月に17%だった対EC利用シェアが、4月に23%へ増え、その水準で移行しています。

この年代のスマートフォン所有率は、すでに50%を超えました。スマートフォンに慣れてオンラインサービスへの抵抗がなくなったタイミングで、外出自粛中の高齢者もECを使い始めた、と考えられます。今後は、高齢者向けの商品やサービスであっても、EC展開の検討が必要です。

カテゴリー別決済金額シェア推移性別、年代別 出典:三井住友カード/顧客時間 / コロナ影響下の消費行動レポート 第2弾

売上拡大が最大のビジネス課題

ECサイトを手がける事業者は、利用が伸びる中で何を課題と捉えているのでしょうか。ECサイト構築などを手がけるエルテックスの「第15回 通信販売調査レポート Part2」によると、感染症対策よりもマーケティングやセキュリティを重視する企業が多いようです。

感染症対策は意外にも重視されない

エルテックスは、以前から実施しているこの調査で、2020年に「新型コロナウイルスなどの感染症対策」という選択肢を追加しています。調査対象のECサイト運営企業にビジネス上重要と思われる項目を複数回答方式で尋ねたところ、31.7%が重要な感染症対策を課題と捉えていました。

ただし、全体的にみると80.3%の「売上げの拡大」、69.3%の「新規の顧客の獲得」などに比べ、優先度は低い状態です。しかも、約3分の2が、感染症対策を課題としていませんでした。感染症対策を重視しない傾向は、ECサイトの年商によらず同様です。

ECサイト運営企業の多くは、「売上げの拡大」「新規の顧客の獲得」「既存のお客様へのサービス向上」「コストの削減」を優先課題としています。感染症対策は、「ビジネス上の大きな課題」とされていません。

通信販売事業の課題 通信販売事業の課題 年別推移(出典:エルテックス / 第15回 通信販売調査レポート Part2)

通信販売事業の課題 年商別 通信販売事業の課題 年商別(出典:エルテックス / 第15回 通信販売調査レポート Part2)

セキュリティへの関心高まる

前年と比べた場合、「事故が起きない安全なシステム」の急増が目立ちます。2019年に32.3%だったこの項目が、2020年は11.7ポイント増の44.0%です。

増加の理由として、エルテックスは報道された情報システム障害の件数を挙げました。2017年に48件、2018年に66件だったこうした報道が、2019年は122件と多く、システムの安全性に対する関心が高まったから、と分析しています。

そして、システム安全性を選んだ企業の割合は、年商によって大きく異なります。年商が1億円から10億円未満だと35.7%だったのに対し、100億円以上だと過半数の53.6%が課題と考えていました。このように大きな相違は、ほかの項目にはほとんど見られません。

課題はマーケティング

ビジネスにおける優先度をスコア化して時系列で比べた場合、単一回答だと「新規客の獲得や集客方法」の低下傾向、「既存の顧客の満足度の向上」の上昇傾向が浮かび上がりました。複数回答でも、「既存の顧客の満足度の向上」は増加しています。

消費行動におけるECサイト利用は一般的になっているため、新たに顧客を獲得することよりも、既存顧客への良質な顧客体験(CX)提供で繰り返し利用してもらいたい、という意識が強まっているのでしょう。

EC/通販事業者の「悩み事・困りごと」単一回答 EC/通販事業者の「悩み事・困りごと」単一回答(出典:エルテックス / 第15回 通信販売調査レポート Part2)

また、複数回答のなかで増加が目立つのは、2016年比で約1.5倍になった「広告メディアの使い方や広告投下の配分」でした。顧客を新たに獲得したり、つなぎ止めたりするのに広告は重要な役割を果たすものの、その効果は計測しにくく、マーケティングに苦慮しているようです。

EC/通販事業者の「悩み事・困りごと」複数回答 EC/通販事業者の「悩み事・困りごと」複数回答(出典:エルテックス / 第15回 通信販売調査レポート Part2)

CX向上にはパーソナライゼーションを

既存顧客のCXを向上する方策の1つとして、以前「パーソナライゼーション」というものを紹介しました。これは、個々の顧客に関する購入履歴や活動状況などさまざまな情報を組み合わせて分析し、より顧客個人に適したサービスや商品を提案するマーケティング手法です。収益の増加につなげられるだけでなく、顧客とのよい関係を長く続ける効果も見込まれ、注目されています。

ただ、顧客のプライバシに関わる大量のデータを集めるので、堅牢なセキュリティの確保が欠かせません。「事故が起きない安全なシステム」の構築を優先課題としたうえで、パーソナライゼーションなどの効果的なマーケティングを展開しましょう。

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