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「ハイブリッドワーク」で業務効率向上、職場のコミュニケーションも円滑に

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記事の情報は最終更新日時点のものです。
オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせる「ハイブリッドワーク」が多方面から評価されています。リモートワーク中心、あるいはオフィス勤務中心の働き方よりもコミュニケーションが円滑だと感じている人が多く、また会社に対する愛着と信頼の強さも上回っています。働き方の選択肢として、在宅勤務の重要性が増しているようです。

進む在宅勤務の制度化

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの対策として在宅勤務の導入を強いられた企業でも、業態などによって新しい働き方と相性が良く、在宅勤務やリモートワークを制度化したところもあるでしょう。

特に、以前から柔軟な働き方を模索していた企業は、勤務制度を根本的に見直し始めています。たとえば、ヤフーは月5回までとしていたリモートワークの上限回数を廃止し、在宅勤務を原則とする体制へ移行するそうです。そして、社内外の会議、採用活動、社内研修などがすべてオンライン化されているため、「無制限リモートワーク」が可能になります。フレックスタイム勤務のコアタイムも廃止し、働き方の自由度を高めます。

凸版印刷も、在宅勤務とサテライトオフィス勤務、モバイル勤務という3種類の勤務形態を包括した新たな勤務制度を導入します。ヤフー同様、在宅勤務の回数制限およびコアタイムを廃止し、「一度も出社することなく勤務可能な『フル在宅勤務』」を可能にするとしました。さらに、在宅勤務中に業務を一時中断できるようにして、仕事と生活を両立しやすくするとのことです。

フル在宅勤務より「ハイブリッドワーク」

ヤフーによると、リモートワークは好意的に受け入れられました。現時点で従業員の95%が在宅勤務していて、ヤフーの調査に対して92.6%が「リモート環境でもパフォーマンスへの影響がなかった」または「向上した」と回答しています。

ただし、オフィスにまったく出社しない働き方がもっとも好まれる、というわけではありませんでした。「生産性高く働くために必要なオフィス出社日数」という質問に対し、「週1~2回」との回答が最多で、「週0回」は2番目だったのです。

在宅勤務を含むリモートワークと、オフィスでの勤務を組み合わせる「ハイブリッドワーク」が、満足度と生産性を高める働き方なのでしょうか。

評価の高いハイブリッドワーク

ハイブリッドワークがどのように受け止められているかについては、パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)の実施した調査が参考になります。調査では、1週間の出社日数が0日から1日を「ほぼ在宅勤務」、2日から3日を「ハイブリッドワーク」、4日から5日を「ほぼ出社」とし、在宅勤務の影響などを分析しました。

まず、仕事が効率的にできているかどうか尋ねたところ、「とてもあてはまる」という回答は「ほぼ在宅勤務」が33.3%、「ハイブリッドワーク」が12.3%、「ほぼ出社」が14.4%と、大きな差があります。ところが、「ややあてはまる」という回答を含めると3者の差は小さくなり、とりわけ「ほぼ在宅勤務」は76.4%、「ハイブリッドワーク」は76.9%と同程度の満足度でした。

在宅でも効率的に仕事ができているか 出典:パーソルP&T / 会社への愛着心・信頼感が最も強いのはオンライン×オフラインを組み合わせる“ハイブリッドワーク”を実施している社員であることが判明!

同僚や後輩、上司とのコミュニケーションが円滑かどうかは、「ほぼ出社」より「ハイブリッドワーク」の方が高くなりました。「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」の合計は、「ハイブリッドワーク」が69.2%でもっとも高く、「ほぼ出社」は62.7%で2番目です。これが「ほぼ在宅勤務」だと、58.8%まで下がります。

コミュニケーションの状況 出典:パーソルP&T / 会社への愛着心・信頼感が最も強いのはオンライン×オフラインを組み合わせる“ハイブリッドワーク”を実施している社員であることが判明!

面白いことに、会社に対する愛着と信頼の強さも、72.3%の「ハイブリッドワーク」が、60.2%の「ほぼ出社」と51.0%の「ほぼ在宅勤務」を引き離しました。

会社に対して愛着を感じている 出典:パーソルP&T / 会社への愛着心・信頼感が最も強いのはオンライン×オフラインを組み合わせる“ハイブリッドワーク”を実施している社員であることが判明!

在宅で生産性の上がる理由は?

在宅勤務だと、なぜ生産性が上がるのでしょうか。在宅勤務した人に理由を挙げてもらったところ、「集中して作業をする時間が取りやすくなった」(65.5%)、「移動の時間が減った」(63.2%)、「自分の裁量で仕事を進められるようになった」(43.7%)という答えが多くなりました。

また、部下の生産性向上について上司に質問すると、回答は「集中して作業をする時間が取りやすくなった」(62.3%)、「移動の時間が減った」(49.1%)、「部下の裁量で仕事を進められるようになった」(43.4%)となり、部下と上司で見解が一致しています。

管理職の評価はやや低い

一方で、ハイブリッドワークに対する管理職の評価はやや低いようです。

パーソルP&Tによると、在宅勤務によって生産性がどう変化したか尋ねたところ、在宅勤務者の58.4%が「上がった」「どちらかというと上がった」と答えたのに対し、管理職の55.8%は部下の生産性が「下がった」「どちらかというと下がった」と答えています。

ハイブリッドワークに対するマネージャーの評価 出典:パーソルP&T / 会社への愛着心・信頼感が最も強いのはオンライン×オフラインを組み合わせる“ハイブリッドワーク”を実施している社員であることが判明!

生産性が下がった主な理由は、部下も上司も同じ理由を選んでいて、デメリットについても認識のずれはないようです。

生産性が下がった主な理由 部下 上司
社内の同僚や後輩、上司と円滑なコミュニケーションが取りづらい 51.6% 52.2%
テレワークで働く環境(仕事場)が整っていない 48.4% 41.8%
仕事を進めるうえでの確認などが非対面なので難しい 33.9% 40.3%

出社が増えるも、在宅勤務はなくならない

在宅勤務やハイブリッドワークにメリットを感じる人が多いものの、COVID-19の影響が薄れるにしたがい実施率は低下しているようです。しかし、職場へ求める条件としてリモートワーク制度を重視する人も増え、導入を避けられない状況になりつつあります。

在宅勤務の実施率は低下

カオナビが8月に実施した調査によると、「毎日リモートワーク」している人は7.5%、「出社とリモートワークを併用(週に2~3日出社し、その他はリモートワーク)」している人は15.7%で、リモートワーク実施率は23.2%でした。

5月の調査では「毎日リモートワーク」が17.4%、「出社とリモートワークを併用」が18.4%で、合計35.5%あったものの、3カ月で12.3ポイントも減少してしまいました。

カオナビ調査、リモートワークの実施率 出典:カオナビ / 「リモートワーク実施率」緊急事態宣言下から約3カ月で12.3pt減少し23.2%

人材確保にもリモートワーク制度

企業の業種や業態、職場環境によっては導入が困難な在宅勤務であっても、できるだけ導入した方が良いでしょう。転職サービス「doda」を運営しているパーソルキャリアによると、20代から30代のdoda会員は転職時にリモートワークを重視しているからです。

転職時に検討する条件として「テレワークの実施」や「テレワーク制度・環境の充実」を「とても重要」と考える人は20.5%、「重要」と考える人は27.9%いて、半分近くの人が重要な検討材料としていました。これらの回答者に希望するリモートワークの頻度を質問すると、「週3日」(29.5%)、「毎日」(26.1%)、「週2日」(21.3%)、「週4日」(12.2%)という順番で、ここでもハイブリッドワークが人気でした。

転職先の条件としてテレワーク環境を重視するか 出典:パーソルキャリア / 転職サービス「doda」、20~30代のdoda会員1,200人に「リモートワーク・テレワーク企業への転職に関する意識調査」を実施

アフターコロナの時代になったとしても、働き方はリモートワークをベースとする在宅勤務とハイブリッドワークへ向かっています。この調査結果から分かるように、対応しないでいると、優秀な人材を振り向かすことすらできなくなってしまうでしょう。

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