契約DXの最初の一歩に?株式会社Holmes、契約書の電子化代行サービス「ホームズクラウドSCAN」をリリース
契約マネジメントシステム「ホームズクラウド」を提供する株式会社Holmes※は3月、契約書のスキャンと電子化を代行する「ホームズクラウドSCAN」をリリースしました。
※株式会社Holmesは、2021年8月21日にContractS株式会社へと社名変更
「ホームズクラウドSCAN」は、紙の契約書スキャンと電子化移行をフルサポートするサービスです。紙の契約書をまとめて郵送するだけで、スキャニングとPDFファイル化、自社が提供する契約マネジメントシステム「ホームズクラウド」へのデータ取り込みを代行します。
さらに、契約管理台帳の作成、導入後の活用方法のミーティングサポートに至るまでをお任せできるそうです。
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ハードルの高い契約書の電子化
ペーパーレス化を目指すうえで、高いハードルとなるのが準備作業です。同社の安養寺鉄彦執行役員COOによると、これまでの契約書のスキャンや電子化のサポートは、依頼前の準備に手間暇がかかったり、入力項目にも制限があったりと、使い勝手の悪いサービスが多かったそう。
そのため、電子化への意欲はあっても、最終的にサービス依頼そのもののハードルが高くなっていました。「ホームズクラウドSCAN」は、そうした契約書のスキャンと電子化の負担を軽減するサービスとしてリリースされました。
契約書の電子化にあたって重要なセキュリティ面では、同社が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS/ISO27001:2013)の認証を取得するとともに、ISMS、Pマーク(プライバシーマーク)を取得している機密書類・文書の廃棄や保管の専門業者である日本パープルと提携。
機密保持を担保しつつ、まとめて送られてきた契約書のホッチキスや付箋を取り外し、スキャンを重ねていく作業を可能にしました。
電子化とともに紙の契約書を倉庫に保管
契約書を電子化した後も、紙の契約書は保存しておくのが一般的です。また、電子契約書として扱われるためには、電子帳簿保存法で定められた条件を満たす必要があります。
安養寺COOは「原本を破棄する場合、さまざまな法令上の要件を満たす必要があるなど、一定のハードルがあるのが現状です。裁判などが起きる場合に備えて、原本は残しておいた方がよいです」と話します。
そこで、「ホームズクラウドSCAN」では日本パープルと提携を行い、紙の契約書を保管するサービスも用意しました。日本パープルのセキュリティを強化した外部倉庫に、紙の契約書を保管することも可能です。
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電子化によって現場の作業が煩雑に?
安養寺COOは「今は“DX”という言葉が一人歩きをしていますが、実現可能なDXは世の中にまだまだ少ないと感じています。リモートワークの普及によって部分的にDXツールを入れたり、一部に電子契約を取り入れたことで、紙と電子の両方を管理しなければならなくなり、逆に困っている現場も少なくありません」と話します。
そのうえで、「契約のDX化に向けて、一つひとつのペインを取り除き、最適なトータルシステムを提供していきたい。『ホームズクラウドSCAN』は、一度外部の電子化サービスの利用を検討したがある企業ほど、有用性を実感してもらえるはず」と自信をのぞかせていました。
スポットor定期発注が可能
料金は要見積もりで、取り込み件数や紙契約書の発生タイミング、保管する契約書の数などで変動するとのことです。大量の契約書を一度に取り込みたい場合や契約書の数に変動が多い場合はスポット発注、定期的に契約締結が発生する場合は月額定額発注と、柔軟に対応します。
契約DXの裾野を広げることを目的に、今後もさまざまなサービス展開や他社との連携を狙う株式会社Holmes。収益増やコンプライアンス強化の実現など、電子化や作業の効率化のその先を見据えた事業を進め、日本の契約DXという市場の拡大を目指していくとしています。