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製造業のAI活用、64%が日常業務で 品質やサプライチェーンの管理に導入

記事の情報は2021-07-29時点のものです。
本格活用が期待されるAIは、今後市場規模が拡大すると予測されています。さまざまな技術革新を受け入れてきた製造業界では、すでに64%が日常業務でAIを利用していました。いよいよAIは黄金期を迎えそうです。

AI市場は順調に拡大

便宜的に人工知能(AI)と称される機械学習(マシンラーニング)や深層学習(ディープラーニング)、ニューラルネットワークといった技術が利用しやすくなった影響か、テレビや新聞、インターネットなどのニュースでAIという言葉を見かけない日はありません。当然、AI市場も順調に拡大しています。

以前の記事で紹介したIDCの調査レポート(2021年2月公開)によると、2021年の世界AI市場は売上高が3,275億ドル(約36兆152億円)規模へ成長し、2020年に比べ16.4%増となる見通しです。そして、この成長ペースは衰えず、2024年には5,543億ドル(約60兆9,397億円)になると予想しました。

世界の流れと同様に、国内企業もAI利用が徐々に増えています。ただし、導入ペースは遅く、本格活用はこれからといった状況のようです。

製造業はAI導入に積極的?

最新のAI導入状況については、グーグルが6月に公開した調査レポートが参考になります。特に、先端技術の活用に積極的と考えられる製造業の企業を対象とした調査なので、ほかの業界におけるAI導入の将来を占うのに役立つでしょう。

64%がAIを日常的に利用

この調査は、日本のほかフランス、ドイツ、イタリア、韓国、英国、米国の7カ国で、従業員数500人以上の企業を対象に実施されました。製造業界では、AIなどのデジタル技術導入が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックで急速に進んだとのことです。

業務でAIを日常的に使っているかどうか調べたところ、全体の64%が活用していました。こうした企業の利用目的は、38%が「事業継続(BC)」、同じく38%が「従業員の効率向上」、34%が「全般的な従業員支援」でした。また、日々活用している企業の66%は、AIへの信頼感が高まってきている、と回答しています。

また、このようなAI活用を行っていない企業でも、AIに対する期待を抱いています。具体的には、37%が「従業員の効率向上」、31%が「全般的な従業員支援」に期待していました。

AIを活用している業務は?

製造業において、AIは主に品質管理とサプライチェーン最適化で活用されているようです。AIを日常業務で活用している企業の回答は、以下に示す結果となりました。

活用している業務 割合
品質検査 39%
製品/製造ラインの品質検査 35%
サプライチェーン管理(SCM) 36%
サプライチェーンのリスク管理 36%
在庫管理 34%

国によって異なるAI導入状況

続いて、国別の状況をみてみます。

AI活用のトップはイタリア

一口に製造業界でAI導入が進んでいるといっても、日常業務で活用している割合は国によって80%から39%と大きく異なります。

割合
イタリア 80%
ドイツ 79%
フランス 71%
英国 66%
米国 64%
日本 50%
韓国 39%

出典:グーグル / New research reveals what's needed for AI acceleration in manufacturing

一方、日常業務におけるAI活用が増えた国は、活用している割合の低い国ほど高くなりました。つまり、世界的にはAI活用が急速に広まっていることの表れなので、現在みられる差異は小さくなっていくのでしょう。

割合
韓国 85%
日本 83%
米国 81%
ドイツ 64%
フランス 61%
英国 57%
イタリア 50%

日本の対AI支出は最下位

グーグルは、AI活用に投ずる金額についても調査しています。それによると、世界平均ではIT支出の36%がAIで使われていました。国別の数字は以下のとおりです。

IT支出に占める割合
英国 40%
ドイツ 38%
フランス 36%
イタリア 36%
韓国 34%
米国 36%
日本 33%

やはり、現時点で活用している割合の低い国が、対AI支出の割合も低い傾向になりました。日本は最下位の33%ですが、トップの英国との差は大きくなく、導入が進めば日本の対AI支出も増えると考えられます。

「AIの黄金期」が訪れる?

AIを導入するまでには、多くの障壁があります。グーグルの調査でも、「適切にAI活用できる人材がいない」(25%)、「AI導入に使えるITインフラがない」(23%)、「コストが足りない」(21%)といった項目が多くなりました。そのほかに、「AIは実績のない技術」という点が導入を妨げている、という意見も19%ありました。

これに対しグーグルは、製造業界はこれまで何度も革新をしてきた、と指摘します。たとえば、大量生産やリーン生産といった生産方式、シックスシグマのような品質管理手法、経営資源を管理するエンタープライズリソースプランニング(ERP)など、さまざまな技術革新を受け入れてきました。

AIも、こうした革新をもたらす技術の1つです。AIで製造業が直面する多くの問題を解決できるようになるにつれ、グーグルは「AIの黄金期」を迎えるとしています。

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