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離職率にも影響?若手テレワーカーの不幸せ実感を解消する施策とは

最終更新日:(記事の情報は現在から959日前のものです)
パーソル総合研究所が発表した「はたらく人の幸せに関する調査」。テレワーカーは出社者より幸せ実感が高まっていました。しかし、20代では疎外感や自己抑圧などが強くなり、不幸せ実感が顕著になるというショッキングな結果が明らかになりました。

パーソル総合研究所が発表した「はたらく人の幸せに関する調査」。

前回記事「20代テレワーカーの幸せ実感が低いという衝撃 パーソル総研『はたらく人の幸せに関する調査』 では、テレワーカーの幸せ実感が高まる一方、20代では疎外感や自己抑圧などが強くなり、不幸せ実感が顕著になるという結果をご紹介しました。

この調査結果を踏まえ、企業は今後、テレワークをどう実施するべきなのでしょうか。パーソル総合研究所の井上亮太郎・主任研究員に解説してもらいました。

パーソル総合研究所の井上亮太郎・主任研究員

なぜテレワークで不幸せを感じるの?

上司が部下と直接、面と向かって対話する機会が減るテレワーク。仕事をする態度が見えにくく、成果物や実績だけが評価軸となりがちなので、“実力主義の働き方”と見る向きもあります。となると、テレワーカーのほうが自身の評価に満足しているのでしょうか。

しかし、今回の調査結果では出社者と同様に、「評価不満因子(自分の努力は正当に評価されない、努力に見合わないと感じている状態)」のポイントが最も高くなりました。井上さんによると、働く上で評価不満因子は常につきまとうものですが、他の因子との相関関係も分析すると意外な事実が見て取れるそうです。

「今回の調査で『(働く上で)どの因子を重視しますか?』と質問したところ、多くの人が不幸せ因子では『オーバーワーク因子』と『評価不満因子』を挙げ、幸せ因子の中では『リフレッシュ因子』を挙げました。つまり、過労がなく努力に見合った評価・収入があり、精神的・身体的にリフレッシュでき、プライベートに煩わされないことが働く上での幸せだと感じる人が多いのです」(井上さん)

テレワーク、出社別のはたらく不幸せ実感

思い込みがギャップを生む?

「しかし、実際の不幸せ実感と各因子の相関関係を見ていくと『オーバーワーク因子』と『評価不満因子』は相関の度合いが高いというわけではありません。ゆえに、重視している因子だけが高まっても、総評としての幸せ/不幸せ実感が高まるとは言えない。フォーカシングイリュージョンとも言える現象が起こっているとも考えられます」(井上さん)

「フォーカシングイリュージョン」とは、「〇〇さえあれば幸せになれる!」と思い込んでしまうことを指します。すなわち、「こうであれば幸せだ/不幸せだ」という思い込みです。これにより、実感との間にギャップが生まれてしまいます。

つまり、多くの人が「オーバーワーク」と「評価不満」という二つの因子を意識しているのは、「この二つの問題が解決すれば幸せだ」と思い込んでいるからと考えられます。

しかし、実際には、オーバーワーク因子と評価不満因子の相関はそう強くあるません。つまり、この2点だけを改善しても、働く幸せには直結しないということ。井上さんによると、幸せ因子も不幸せ因子も影響し合っています。ですから、オーバーワーク因子と評価不満因子を潰しても、幸せ実感が増すとは限らないのだそうです。

「具体的には幸せ/不幸せの7因子の得点をみて、高い因子・低い因子という特徴をつかみます。そのうえで、どの因子を改善すべきか(あるいは向上すべきか)に焦点をあてた施策を打つことが有効だと考えます。ただ、すべての因子は影響しあっています。特定の一つの因子だけではなく、まんべんなくそれぞれの因子について『良い状態』にしておくことが大事だと思っています」(井上)

20代テレワーカーの不幸せ実感を解消するには

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