モチベーションサーベイでウィルゲートはどう変わったか 大量離職乗り越え【変革のキーマンに聞く】/後編
同社は、Great Place to Work Institute Japan(GPTWジャパン)が選定する「働きがいのある会社」ランキングに9年連続で選出されました。社員の大量離職などのピンチを乗り越え、定期的なモチベーションサーベイで課題を抽出し、より良い組織づくり、働きやすい職場づくりに活用してきたそうです。
前編では、導入までの経緯や組織改革のプロセスを聞きました。後編では、モチベーションサーベイによって明らかになった課題、コロナ禍における組織作りの難しさなどを人事部門執行役員の北林賢太さんに語ってもらいました。
価値観の変化をキャッチ、制度改革
―モチベーションサーベイを運用し、どんな課題があることが分かりましたか
今から5,6年ほど前の話になりますが、事業が多角化し、メンバーの働き方も多様化してきたタイミングがありました。その当時、サーベイの結果を通じて分かったのが、メンバーの多様な働き方に対応した人事制度などの仕組みがないという課題でした。
それまでは単身者の比率も高く、ハードワークありきの働き方が広がっていたように思います。しかし、様々な職種の方が入社するようになり、既存社員もライフステージが変わり産休・育休を取得するケース増え、社員全体の働き方や価値観に変化が見られるようになってきました。働き方やキャリアなど、いくつかの項目で女性社員の満足度が低く、サーベイの男女のスコアに10ポイントぐらいの差が生じた時もあったほどです。
そのような状況を踏まえ、出社時間を選べるようにしたり、1時間単位で有休を取れるようにしたり、副業を解禁したりと新たな制度や仕組みを設けました。当時からそういった課題を自分ごととして捉える社員は多かったので、人事だけで決めてトップダウンで進めるのではなく、現場社員からの意見を吸い上げ、時には制度設計や運用も任せました。
きちんとアクションにつなげる
―サーベイの結果をどう分析し、アクションに結び付けているのですか。
サーベイの結果を元に、部門ごとの課題整理を行っています。課題整理をした後は、各部門のマネージャーと連携しながら課題解決のためのアクションを推進したり、人事施策の改善に活かしたりすることが多いです。時には人事が横断的に課題解決に当たるケースもあります。ほかにも、コミュニケーションに課題がある部門の上司向けに研修を実施したり、連携に課題がある部門同士の意見交換の場を用意したりしています。
リンクアンドモチベーションのコンサルタントの方には、導入初期の2011年から数年間にわたり、表の見方を教えてもらったり、サーベイの結果を踏まえた相談に乗ってもらったりしました。今はだいぶ慣れてきたので、業界水準や他社の成功・失敗事例などを踏まえ、自分たちでディスカッションしながら解決策を導いていけるようになりました。
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