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電帳法改正が追い風  契約DXで企業法務はこう変わる【基礎からわかる契約DX③】  

最終更新日:(記事の情報は現在から854日前のものです)
契約DXの現状に迫る企画「契約DX最前線」。第3回はContractS株式会社の笹原健太CEOと安養寺鉄彦COOのインタビューの後編です。適切な契約マネジメントの方法や、CLMの導入によって事業が効率化した事例、改正電子帳簿保存法の受け止めなどについて本音を話してもらいました。

▽連載第1回「米国では2000億円超市場 契約DXの中核となるCLMってなに?【基礎からわかる契約DX①】」
▽連載第2回「契約を電子化しただけでは解決しない 契約DXで目指すべきゴールとは?【基礎からわかる契約DX②】」

【プロフィール】
笹原 健太 代表取締役CEO (Chief Executive Officer)

弁護士として法律事務所に勤務。2014年に弁護士法人PRESIDENTを設立した。その後、「世の中から紛争裁判をなくす」という志を実現すべく、17年に株式会社リグシー(現ContractS株式会社)を設立。 現在は弁護士登録を抹消し、CEOとして同社の提供する契約ライフサイクルマネジメント(CLM)システム「ContractS CLM」の成長に力を注いでいる。

安養寺 鉄彦 執行役員COO
不動産、モバイルゲームのスタートアップで管理部門やIPO準備の責任者を務めた後、グリー株式会社にて、財務・投資領域のマネージャーとして、M&Aやジョイントベンチャー設立を手掛ける。2020年より株式会社Holmes(現ContractS株式会社)に入社し、事業の成長と管理の強化に取り組んでいる。

適切な契約マネジメントとは

ー適切な契約マネジメントはどのように行うべきでしょうか

安養寺:CLMを導入する前に、契約フローや、契約ストックとして自社のビジネスで扱う契約の量を把握することが重要です。

まず契約フローについては、どの部署が権限を持ち、どういった流れで契約書を作成、締結するかなど契約業務の流れを把握・整理することが大切です。申請や承認、決裁といった業務の流れを図式化した汎用ワークフローのように、契約フローを把握することで、契約を適切に一元管理するために不可欠なプロセスの構築が可能となります。

もう一つ大切なのは、契約をストックとして適切に保管・管理するために、どれくらいの量の契約がどの部署で発生しているのか把握することです。契約書をどの部署が管理しているのか、締結した契約書をどの倉庫に保管しているのかといった契約のストック状況を把握しておくことで、どんな状態になっても契約書をタイムリーに確認できます。

このように、契約マネジメントと一言で言っても、契約のプロセスを作ることと契約書そのものの管理の両方の意味があるのです。

笹原:とは言っても、CLMを導入する前に、契約のフローとストックを把握するのは難しいのが実情です。特に、契約のフローなどのプロセス形成は、ツール導入時まで手をつけられていないケースが大半を占めます。

導入前に、会社として契約のフローとストックのあるべき姿を決めておくのが理想ですが、システム導入段階で双方を決めていくのがオーソドックスなスタイルと言えるでしょう。

契約本数は業態によってさまざま

ーそもそも、一企業当たりにどのくらいの契約があるのでしょうか

安養寺:契約本数は、本当にまちまちですね。契約は大きく分けて販売契約などのセルサイド、購買や調達といったバイサイド、雇用契約や監査法人との契約などのコーポレートと3つありますが、それぞれ傾向は異なります。また、契約の単価が高く、1契約で数億円が動くような重要なビジネスは、数が限られます。

逆に、契約単価は高くないが数が多く、年間で何千件発生するようなビジネスもあります。仕入れて販売するといった形態のビジネスを展開する会社だと、セルサイドの契約数がバイサイドの何倍もあるといったケースも少なくありません。

さらに、業態によっても傾向は異なります。飲食ビジネスなど、多店舗ビジネスを展開する会社も契約本数が多くなりがちです。このような会社は毎月アルバイトが入ってくる上、入れ替わりも激しく、雇用契約だけでものすごい数になります。

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