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DX銘柄初応募でグランプリ ソニー発SREホールディングスは不動産業界をどう変えたか

最終更新日:(記事の情報は現在から848日前のものです)
設立からわずか7年で東証一部に上場し、翌年には、DX銘柄2021グランプリを受賞するなど、快進撃を続けるSREホールディングス。元々はソニー不動産として設立され、クラウドや不動産事業を展開しています。その原動力を探りました。

今回は、同社でDX推進担当役員を務める清水考治氏に、同社の過去・現在・未来について語っていただきます。インタビューの前半では、同社の事業概要やDXへの取り組みぶりなどを聞きました。

【インタビュー】
清水考治氏 SREホールディングス株式会社執行役員DX推進担当兼クラウド&コンサルティング事業本部長兼DX推進部門長

【profile】
大手ネット企業に入社後、ネットサービスの企画、事業開発に従事。
2016年よりAIベンチャー企業で取締役に就任。
2021年よりSREホールディングス(株)に参画し、社内DXと不動産をはじめとした各業界のDXを推進するためのクラウドビジネス、AIコンサルビジネスの統括を行っている。

ソニーの強みで不動産業界を変える

―なぜ、不動産業界に着目されたのですか。

当社は2014年、ソニー不動産として設立されました。ソニーが不動産業界に参入すると言うことで、日本経済新聞をはじめさまざまなメディアで大きく取り上げられ話題となりました。

どうして、不動産業界に注目したのかというと3つの理由があります。一点目が、不動産業界が市場規模の大きな業界であることです。新しいビジネスに参入しても、マーケット自体が小さければビジネスを伸ばすことは難しくなります。その点、不動産市場は40兆円超と言われています。我々が着実に成長していければ、大きな業績を上げる可能性があると考えました。

二点目は競合プレイヤーがいなかったことです。不動産業界にはさまざまな会社がありますが、ITやAIを活用して新しい不動産のビジネスモデルを構築していこうという会社は、当社の参入当時あまり見かけられませんでした。そうしたところでも、可能性を感じました。

三点目は、我々の強みを活かせる業界であると考えたことです。ソニーはもともとハードウェアに定評がありますが、AIやソフトウェアも非常に強い会社です。それらの資産を使って不動産のビジネスモデルを変えることができると思いました。不動産業界は物件の価格であるとか、色々なデータが存在しています。ビッグデータをもとにAIを駆使してさまざまな新しいサービスが、開発できる可能性があるということで参入しました。

不動産テック、AIクラウド&コンサルティングが柱

―事業内容は

大きくわけて2つあります。1つは不動産テック事業。もう1つがAIクラウド&コンサルティング事業といってAI/ITの外販を中心にした事業です。

不動産テック事業は、AI/ITツールを最大限に活用して、お客様にとってメリットがあるだけでなく、営業マンも生産性が高い不動産仲介業務を行っているビジネスです。こちらは、創業当時から手掛けています。その不動産テックのビジネス自体も徐々に拡大し、不動産仲介事業だけでなく、「AIFLAT」というブランドでマンション等の住宅そのものにIoT×AI環境を実装して、我々が販売するというビジネスも展開しています。

また、今後はオフィスなどの新たな種別のデベロップメントとテクノロジー実装の取り組も検討しております。このように、現在にない価値を創出していくという事業を進めています。

一方、私が統括しているAIクラウド&コンサルティング事業は、AIを基軸としたクラウドサービスの提供とAIを多様な業界に適応するコンサルティングをビジネスの柱としています。AIを用いたクラウドサービスとして、不動産仲介会社向けに不動産価格査定のAIサービスであるとか、ネット上で集客するデジタルマーケティング支援、契約書などをクラウドで簡単に作成できるサービスをご提供しています。

このビジネスを開始してまだ3年ですが、現在契約していただいている企業は1400社超と順調に増えています。また、AIコンサルティングのビジネスでは、不動産に限らず金融や物流業界など色々な業界に対して、AIを活用したDX推進をご支援しながらお客様企業の課題解決に努めています。

5分で不動産査定ができるAIツール

―AI不動産査定ツールとはどのようなものですか

クラウドサービスの一つのラインアップです。もともと、不動産業界では「不動産を売りたい」というお客様が相談にいらした時、その不動産の価値がどのくらいなのかを営業マンがさまざまな情報を収集・比較し、レポートを作成して提出するという作業がありました。その作業だけでも、人が行うと3時間も4時間もかかってしまいます。お客様からすれば、「価格を知るだけなのでもう少し早く出して」と言いたくなってしまうわけです。

そこを我々は、不動産に関するビッグデータや過去の物件情報、エリアの犯罪率などをAIに学習させることで、不動産の価格がAIによって算出され、レポート化されるツールを作り上げました。そのツールを使えば、早ければ5分でマンションの価格を査定することができてしまいます。

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