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メタバースのブームは“二度目の正直”になるか - 2028年に95兆円規模、大手参入相次ぐ

最終更新日:(記事の情報は現在から711日前のものです)
メタバースに対する注目は高まる一方で、世界的な大企業が次々と参入しています。日本でもさまざまな取り組みが日々発表され、情報を追いかけきれないほど。変化の激しいメタバース市場について、最近の大きな動きを振り返りましょう。

メタバース巡る各社動向を整理

メタバース」という技術に関心が集まっています。特に、フェイスブック(現社名はメタ)が仮想現実(VR)空間で会議などを行うためのサービス「Horizon Workrooms」を発表したことが、メタバースブームを起こしました。そのフェイスブックは、メタバース事業への注力度をアピールするため、社名をフェイスブック(Facebook)からメタ(Meta)へ変更したほどの入れ込み具合です。

メタバースに注目している企業は、もちろんメタだけではありません。多くの企業が参入方針を示したり、試験的な取り組みを開始したり、ブームは静まるどころか高まる一方です。

今回は、最近のメタバース市場でみられた大きな動きを振り返ります。

世界的な大企業が次々参入

2000年代初めにメタバース「Second Life」が登場した当時も、新たな巨大市場が誕生すると考えられ、世界的な大企業が参入しました。

今のメタバースを取り巻く状況も、当時とよく似ています。

「Horizon Worlds」のユーザーが300万人超に

メタは、招待制ベータサービスとして運営していたメタバース「Horizon Worlds」(旧名称は「Facebook Horizon」)を、一般向けに提供開始(※1)しました。米国かカナダの18歳以上の人なら、誰でも無料で、招待されなくても参加可能になったのです。

メタが運営しているメタバースは、ユーザー同士の交流を目的とするSNS的なVR空間であるHorizon Worlds以外にも、VRイベント開催用の「Horizon Venues」、冒頭で紹介したビジネス向けのHorizon Workroomsがあります。

なお、The Vergeの報道(※2)によると、Horizon WorldsとHorizon Venuesを合わせたユーザー数は30万人を超えているそうです。



※1 メタ『Opening Horizon Worlds to Everyone 18+ in the US and Canada』,https://about.fb.com/news/2021/12/horizon-worlds-open-in-us-and-canada/

※2 The Verge『Meta's social VR platform Horizon Worlds hits 300,000 users』,https://www.theverge.com/2022/2/17/22939297/meta-social-vr-platform-horizon-300000-users

ディズニーもメタバースを計画

メタバースは企業のビジネス用途も想定されていますが、今のところSNSやエンターテインメント、ゲームなどでの利用が中心になりそうです。世界的なエンターテインメント企業であるウォルト・ディズニーも、当然メタバースを手がけようとしています。

通信社のReutersは、ディズニーがメタバース市場への参入を準備していると報じました(※3)。そして、最高経営責任者(CEO)のBob Chapek氏は、「動画配信サービス『Disney+(ディズニープラス)』の延長線上にメタバースが存在し、『3Dのキャンバス』上で物語を見せる新しいやり方を考えている」と述べています。

また、Reutersの報道(※4)によると、メディア&エンターテインメント配信部門幹部のMike White氏がメタバース事業の責任者(次世代ストーリーテリングおよび消費者体験担当の上級バイスプレジデント)に任命されました。ディズニーからも、近いうちに具体的なサービスが発表されるのではないでしょうか。

※3 Reuters『Disney wants to become the happiest place in the metaverse』,https://jp.reuters.com/article/walt-disney-results-metaverse-idCNL1N2S200T

※4 Reuters『EXCLUSIVE Disney names executive to oversee metaverse strategy -memo | Reuters』,https://www.reuters.com/business/media-telecom/exclusive-disney-names-executive-oversee-metaverse-strategy-memo-2022-02-15/

音楽分野ではワーナーが

ワーナーミュージックグループ(WMG)も負けていません。ゲーム系VR空間「The Sandbox」上で、音楽関連のメタバース「Warner Music Group LAND」を構築すると発表(※5)しました。

WMGはさまざまな世界的アーティストと契約しているので、海外へ行かないと見ることのできなかったライブも、自宅にいながら臨場感たっぷりに楽しめるかもしれません。

※5 WMG『WMG The Sandbox Partners with Warner Music Group to Create Music-Themed World in the Metaverse』,https://www.wmg.com/news/sandbox-partners-warner-music-group-create-music-themed-world-metaverse-36116

ファッション業界もメタバース

ファッション業界も、メタバースを活用しようとしています。コンデナスト(Condé Nast)の企業向けメディア「Vogue Business」が、メタバースイベント「The Metaverse Experience」を3月に開催すると発表(※6)しました。

Vogue Businessの会員企業に対し、ファッション業界がメタバースへ参入する意義、メタバースと非代替性トークン(NFT)の関係、メタバースで行われる商取引の現在と未来、メタバースで取引される仮想商品の法律問題といったテーマで情報提供するそうです。

出典:Vogue Business / Vogue Business and Yahoo Metaverse Experience

※6 Vogue Business『Vogue Business and Yahoo Metaverse Experience』,https://events.voguebusiness.com/metaverse_experience

日本でもメタバース参入相次ぐ

当然、日本でもメタバース市場を取り巻く環境は激しく動いています。

積極展開しているKDDI

積極的な企業として、メタバース用プラットフォーム「VIRTUAL CITY」を提供していたKDDIが最初に思い浮かぶでしょう。

以前から「バーチャル渋谷」「バーチャル原宿」といった仮想空間を運営し、ハロウィーンに合わせたイベントを開催したり(※7)、サッカー日本代表チームの試合をメタバース上でパブリックビューイングしたり(※8)しています。

さらに、5Gを活用する「バーチャルシティ構想」、実物の大阪と連動するメタバース「バーチャル大阪」(※9)など、次々と新しいサービスを追加していく計画です。



出典:KDDI / 都市連動型メタバース「バーチャル大阪」を2月28日から本格展開

※7 KDDI『世界中から延べ55万人が参加!「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021」が閉幕。』,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000048230.html

※8 KDDI『日本代表戦みんなで熱狂メタバース観戦!』,https://www.au.com/sports/soccer/ouen-cp/?aa_oid=ausports_dazn_20220109_05

※9 KDDI『都市連動型メタバース「バーチャル大阪」を2月28日から本格展開』,https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2022/02/24/5904.html

凸版印刷はビジネス向けメタバース

メタバース構築用のプラットフォーム提供は、凸版印刷も行う(※10)としています。ほかのサービスと差別化するためか、現実空間を仮想空間へ正確に取り込んで現実の色や質感をメタバース内で忠実に再現するという「MiraVerse」を4月にリリースするそうです。

本格的なビジネス利用を想定していて、データ管理機能や改ざん対策、3Dアバターのなりすましを防ぐ本人確認技術「AVATECT」(※11)などを用意します。こうした機能をワンストップで提供し、現実の世界と同じように安心して商談できるメタバース構築を可能にするとしています。

出典:凸版印刷 / ビジネス向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」を開発

※10 凸版印刷『ビジネス向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」を開発』,https://www.toppan.co.jp/news/2022/02/newsrelease220221_1.html

※11 凸版印刷『アバターの真正性を証明する管理基盤「AVATECT」を開発』,https://www.toppan.co.jp/news/2022/02/newsrelease220218_1.html

パソナはアバター人材育成など

メタバース上のビジネス空間でも、現実空間と同様にそこで働く人が必要です。そこでパソナグループとAVITAは、アバターを活用してサービス提供できる人材の育成や、アバターを通じた地域情報発信などの事業化を発表(※12)しました。

具体的な取り組みの第一弾として、淡路島の観光情報などをアバター経由で提供する「淡路コンシェルジュアバター」を提供していきます。すでに「淡路アバターセンター」を開設(※13)し、人材育成や遠隔接客などの業務を始めているそうです。

※12 パソナグループ『パソナグループとAVITAが協業『アバター人材雇用創出プロジェクト』開始』,https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=4053

※13 パソナグループ『アバター人材の育成とBPOサービス拠点を開設』,https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=4088

メタバース市場は2028年には95兆円規模に

メタバースへの経済的な期待も大きく膨らんでいます。

エマージェン・リサーチの調査レポート(※16)によると、2020年に476億9,000万ドル(約5兆4,677億円)だった世界メタバース市場の規模は、2028年には8289億5,000万ドル(約95兆391億円)へ拡大するとのことです。その間の年平均成長率(CAGR)は、43.3%にもなります。

ただし、大きく注目されるジャンルはサイバー犯罪者によく狙われるものです。

アトラスVPNが米国消費者を対象に調査(※14)したところ、2021年第1四半期から第3四半期までに投資関連詐欺で累計9億5600万ドル(約1,097億円)の被害が発生しました。詐欺の材料として、メタバースや暗号資産、NFTといった注目度の高い話題が悪用されたと考えられるといいます。

被害の多い詐欺といえば、アトラスVPNによる別の調査(※15)で3億4300万ドル(約393億円)と推定されたロマンス詐欺があります。

被害拡大の理由として、アトラスVPNは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で他者と会える機会が減ったことを挙げました。そのうえ、コロナ対策が直接会うことを避ける口実に使える、という理由もあるそうです。メタバースは、こうした詐欺の温床になりかねません。

セキュリティの確保やビジネス分野での活用方法など、問題や不明確な部分は多々あるものの、メタバースの利用が広まることは間違いないでしょう。良い面でも悪い面でも、メタバースを取り巻く環境は急激に変化していきます。自分のビジネスに活用できるのではないか、必要なのではないか、という視点で情報を集めておくことが大切です。

※14 アトラスVPN『Americans lost a record $3.5bn to cybercrime in 2021 YTD』,https://atlasvpn.com/blog/americans-lost-a-record-3-5bn-to-cybercrime-in-2021-ytd

※15 アトラスVPN『Romance scams cost Americans almost $350 million in 2021』,https://atlasvpn.com/blog/romance-scams-cost-americans-almost-350-million-in-2021

※16 エマージェン・リサーチ『2028年に8,289億5,000万米ドルに達する世界のメタバース市場規模』,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000082259.html

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