予算管理システムとは
予算管理システムとは、部門やプロジェクト単位で編成した予算と実績を一元管理するサービスです。リアルタイムに差異分析、シミュレーション分析、レポーティングすることで経営判断を迅速化します。権限設定やワークフローで内部統制を強化しつつ、Excelによる属人化も防げる管理ツールです。
予算管理システムのメリット
予算管理システムを導入するメリットは、全社の予実が一元管理されて経営判断をしやすくなることです。具体的には次のようなメリットがあります。
- 部門間の情報共有がスムーズになり、データが一元管理される
- リアルタイム分析によって、経営判断が迅速化される
- 手作業を減らすことで業務効率を向上できる
- ミスの抑制により正確な予算策定ができる
- 過去データとの比較分析をふまえて、将来の予測精度を向上できる
予算管理システムの機能
予算管理システムには予算策定・配分・実績管理を一元的に行える機能が搭載されています。システムによって細かい違いはあるものの、どのシステムにおいても予実管理業務が円滑に進むよう基本的な機能が搭載されています。
| ダッシュボード | 重要な指標を1ページに取りまとめ |
|---|---|
| レポート作成・深堀り | 定点観測したいデータを取りまとめ。気になるデータは詳細に分析可能 |
| シミュレーション分析 | 策定した予算をもとにした強気な予測、慎重な予測などをシミュレート |
| 実績の反映 | 管理シートに実績を上書き |
| シートや科目のカスタマイズ | 入力シートや閲覧シートの作成、科目の作成、組織階層の作成などを設定 |
| 変更履歴 | 誰が、いつ、何の科目を何から、何に変更したといったログを記録 |
| 誤入力チェック | 異常値を入力した際にアラート |
| データの自動集計 | ExcelやCSVを取り込んで自動で集計 |
| コメント管理 | システム上でコメントのやり取りや保管をする機能 |
\ 各サービスの詳しいメリット・機能はこちら /
予算管理システムのシェアTOP5
BOXILが実施したアンケート※によると、シェアが最も多かったのは、Workday Adaptive Planningで14.30%。その後にLoglass 経営管理が13.90%、Manageboardが12.20%、BizForecastが9.70%、DIGGLEが7.60%と続きます。これら5社で全体の57.70%を占めていました。

※調査概要:インターネット調査にて予算管理システムの導入に携わった全国20〜60代の1,742人へ実施。本調査の期間は2025年5月14日〜18日。本アンケート結果は小数点以下任意の桁を四捨五入しており、合計が100%にならない場合がある
予算管理システムの費用相場
BOXILで取得したアンケート※によると、予算管理システムの費用相場※1は、初期費用が15万円、年間費用が10万円でした。年額費用を12で割って計算すると、月額費用の相場は約8,300円ほどです。
ただし、上位10%の企業は初期費用200万円、年間費用100万円と料金が高額でした。大企業やグローバル企業、上場企業の場合にはサービス各社に問い合わせて相見積もりすると、相場から大きく外れることを避けられるでしょう。
| 初期費用 | 年間費用 | |
|---|---|---|
| 費用相場※1 | 15万円 | 10万円 |
| 主な価格帯※2 | 5万円〜60万円 | 4万円〜50万円 |
※調査概要:インターネット調査にて予算管理システムの導入に携わった全国20〜60代の817人へ実施。そのうち、不適切な値(0または1,000円以下、1,111円のように不正な回答)を除外し、得られた522件の回答にもとづいてデータを算出した。回答期間は2025年7月11日〜12日。
※1「費用相場」は対象となる回答の中央値を指す。
※2「主な価格帯」は対象となる回答の四分位範囲を指す。
\ さっそく費用を比較してみる /
予算管理システムのタイプ
予算管理システムのタイプは、企業規模や海外拠点の有無などに応じて、大きく4つに分類されます。

自社に最適なタイプがわからない場合は、下記フローチャートを使って確認してみてください。

\ 各社の詳しい資料はこちらから /
予算管理システムの選び方・比較ポイント

脱ExcelとExcel活用(Excel依存度で決める)
予算管理システムを導入する際にまず意識すべきは、Excelから脱却したシステムを使うか、Excelを活用したシステムを使うかの判断です。脱Excelを掲げるサービスは、ベストプラクティスを追求できる反面、Excelを使えなくなることの社内からの反発が想定されます。反対に、Excelを活かすサービスは、Excelをもとにデータを入出力するので現場に受け入れられやすいものの、Excelの併用が求められます。
たとえばDIGGLEは、システムに直接入力したり会計ソフトと連携したりして表計算ソフトの運用を刷新します。一方のSactonaは、入出力にExcelそのものを使うことで、Excelの関数をはじめとした恩恵を最大限に受けられます。脱ExcelかExcel活用か、現場の声も聞きながら判断しましょう。
連結会計への対応有無
グループ会社の会計をもとに予算管理をすすめるのであれば、ぜひ連結会計に対応したシステムを検討しましょう。反対にグループ会社のない企業であれば、連結会計の機能がないシステムを選ぶとコストを抑えやすいです。予算管理をするうえでは管理会計を連結させればよいものの、財務会計の連結まで見越す場合には大企業向けのサービスがおすすめです。
汎用的 or 各社最適
予算管理システムは、多数の企業に共通するベストプラクティスを用いる汎用的なサービスと、要件に合わせてカスタマイズしやすい各社最適のサービスがあります。それぞれが一長一短なため、型化による運用しやすさを取るか、カスタマイズによる柔軟性を取るかは下表をもとに検討しましょう。
| 汎用的 | 個別最適 | |
|---|---|---|
| 特徴 | ベストプラクティスを利用できる | カスタマイズしやすい |
| メリット | 早く導入しやすい。ガバナンスに強い | 現在の運用に合わせられる |
| デメリット | 運用の変更が大きい | 設計に時間がかかる。形骸化しやすい |
例を挙げると、CCH TagetikやWorkday Adaptive Planningは設計がしっかりしているので、ガバナンスを意識している企業におすすめです。反対に、BoardやAnaplanはカスタマイズしやすいので、独自の要件に合わせて作り込みたい企業に合致しています。
ERPや会計ソフトとの連携
予算管理システムの中には、同じシリーズの製品と連携させることで便利に使えるサービスがあります。同じ会社のERPや会計ソフトと組み合わせて使うことで真価を発揮するので、すでに導入している関連サービスがあるなら、ぜひ導入の候補に入れておきましょう。
Oracle Cloud EPM、Workday Adaptive Planning、Manageboard(マネーフォワード クラウドシリーズと連携)などが該当します。
\ 『比較表』で機能・料金をくらべてみる /
システムの導入で予算管理を効率化
予算管理システムは、データ収集・分析の負担軽減や経営判断をスピーディーに行えるといったメリットがあり、予算管理業務を効率化させたい方におすすめのサービスです。選定の際は次のポイントに注意して選ぶのをおすすめします。
- Excel依存度
- 連結会計への対応有無
- 汎用的 or 各社最適
- ERPや会計ソフトとの連携
サービス選定で失敗しないためには、各サービスの情報収集を念入りに行い、料金や機能を比較することが重要です。まずは、これまで紹介した選び方を参考に、『比較表』を使って自社に合うサービスを絞り込んでみましょう。
各サービスの導入実績や特徴、よくある質問がまとまった資料は下記ボタンから無料でダウンロードできます。導入前の下調べにぜひお役立てください。
\ 稟議や社内提案にも使える!/

