座席管理システムおすすめ比較!選び方や導入メリット【2024年最新】
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座席管理システムとは
座席管理システムとは、オフィスの座席使用状況をオンラインの座席表で可視化し、座席の予約や利用状況の確認、管理などを行えるシステムです。リモートワークやハイブリッドワークが普及してフリーアドレス制が浸透した状況で、座席や出勤状況にまつわる課題を解決し、従業員が自分で座席を選択して予約する「ホテリング」を効率化してくれます。
座席管理システムの使い方は、リアルタイムで反映される座席表から空席を探して予約し、スマートフォンやQRコードからチェックインする方法が一般的です。当日になってから空いている席を探し、選んだ座席へのチェックインも可能です。
在席管理システムとの違い
座席管理システムと在席管理システムは、どちらもオフィスの座席に関する情報を扱うシステムですが、目的と機能には違いがあります。
在席管理システムは、主に出退勤状況や在席状況の把握に重点を置いています。出勤時刻や退勤時刻、休憩時間などを記録し、勤怠管理に役立てるのが主な目的です。一方、座席管理システムは、オフィスの座席利用状況の可視化と効率的な座席の割り当てに重点を置いています。
在席管理システムでは、固定席を前提としていることが多く、座席の予約機能や利用状況の可視化機能は限定的です。対して、座席管理システムは、フリーアドレス制を前提としており、座席の予約や利用状況のリアルタイム確認、データ分析などの機能が充実しています。業務内容や気分にあわせて自由に座席が選べるような柔軟性を提供し、オフィススペースの有効活用を促進します。
また、在席管理システムは、主に勤怠管理や労務管理の目的で導入されることが多いのに対し、座席管理システムは、オフィスの効率化やコミュニケーション活性化、生産性向上などの目的で導入されることが多いといった違いがあるのも特徴です。
ただし、最近では在席管理システムと座席管理システムの機能を兼ね備えた製品も登場しており、両者の垣根は徐々に低くなってきているのも事実です。
座席管理システムの導入メリット
座席管理システムを導入することで、オフィスの効率的な運用やコミュニケーションの活性化、コスト削減などさまざまなメリットが得られます。主なメリットは次のとおりです。
オフィススペースの有効活用につながる
座席管理システムを導入することで、オフィススペースを最大限に活用できることがメリットです。リアルタイムな座席の利用状況を可視化し、データにもとづいて最適な座席数を割り出せるため、無駄なスペースを削減し、オフィスの稼働率を高められます。
また、部署や役割に応じて座席を柔軟に割り当てられるため、プロジェクトごとにチームを組んで作業するような場合にも対応が可能です。
コミュニケーションの活性化と生産性の向上ができる
フリーアドレス制と座席管理システムを組み合わせることで、社内のコミュニケーションが活性化し、生産性の向上につながります。
固定席では交流が限られがちである一方で、フリーアドレス制では異なる部署のメンバーと隣り合わせになる機会が増え、自然とコミュニケーションが生まれやすくなります。
また、適材適所の座席選択により、集中して作業できる環境を整えられるため、業務の効率アップも実現可能です。
感染症対策とBCP(事業継続計画)への備えになる
昨今の感染症の脅威により、オフィスでの感染対策が重要な課題となっています。座席管理システムを活用すれば、座席の間隔を適切に保ったソーシャルディスタンスの確保や、万が一感染者が発生した際における濃厚接触者の特定などがスムーズに実施可能です。
また、自然災害といった緊急事態における従業員の安否確認や、代替オフィスでの座席割り当てにも役立つため、BCPの強化にもつながります。
働き方改革の推進とエンゲージメントの向上ができる
座席管理システムは、働き方改革の推進とエンゲージメントの向上にも一役買います。フレキシブルな働き方を支援するテレワークやリモートワークとの連携により、多様なニーズへの対応が可能なこともメリットです。
また、システムから収集したデータを分析することで、働き方の傾向や課題が明らかになり、よりよい職場環境づくりに役立てられます。快適で効率的な職場環境は、モチベーションとエンゲージメントの向上につながります。
オフィスのレイアウト調整がしやすくなる
座席管理システムを導入すると、オフィスのレイアウト調整がしやすくなるのもメリットです。システムから得られる座席の利用データを分析することで、よく使われる座席や余っている座席、部署ごとの利用傾向などが明らかになります。
このデータをもとに、たとえば利用率の低い座席を減らして共有スペースを増やしたり、部署間の連携を促進するためにレイアウトを変更したりするなど、データドリブンなオフィス設計ができます。
座席を確保できない人や探す時間が減る
フリーアドレス制オフィスでは、出社したときに座席を見つけられないといったストレスがつきものでした。しかし、座席管理システムを使えば、このような問題を解消可能なこともメリットです。
好みにあった座席を事前に予約することで、出社してからの座席探しに無駄な時間を費やす必要がなくなります。また、リアルタイムの座席利用状況を確認できるため、空いている座席をすぐに見つけられます。
誰がどこにいるかの在席状況を把握できる
座席管理システムを導入すれば、誰がどの座席を利用しているかをリアルタイムで把握可能です。
在席状況や席替え履歴などの情報を一元管理することで、必要なときにすぐに連絡を取れます。これはとくに、フリーアドレス制オフィスや大規模オフィスで威力を発揮します。
同僚や上司、部下の居場所がわからないために発生するコミュニケーションロスを防ぎ、スムーズな協働を促進可能です。
現在使われている席かどうかの確認がしやすくなる
フリーアドレス制オフィスでは、席が空いているように見えても実際には使用中といったことがよくあります。座席管理システムを使えば、このような問題も防げます。
座席の利用状況をリアルタイムで可視化できるため、現在使われている席かどうかを一目で確認可能です。これにより、無駄に席を探し回ったり、使用中の席に誤って座ってしまったりするようなトラブルを避けられます。
空予約が多い人を可視化できる
座席管理システムを導入すれば、予約したにもかかわらず実際には利用しない「空予約」の問題にも対処できます。
システムに蓄積された予約データと実際の利用データを比較分析することで、空予約が多い人を特定可能です。このデータをもとに、従業員への注意喚起やルールの見直しを行えます。
また、システムによっては一定時間経過しても利用されない予約を自動的にキャンセルする機能も備わっており、空予約を減らすことで限られたオフィススペースをより有効に活用可能です。
複数人のグループでもまとめて座席を確保できる
プロジェクトチームでの作業やミーティングなど、複数人でまとまって座る必要がある場合も、座席管理システムが役立ちます。
グループ単位での座席予約機能を使えば、必要な人数分の座席を事前に確保可能です。チームメンバーが離れ離れになることなく、円滑に交流できる環境を整えられます。
また、定期的に行われる会議用の座席を事前に確保できるため、ミーティングの準備にかかる手間を大幅に削減できます。
座席管理システムの選び方
座席管理システムを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。この流れで確認することにより、座席管理システムの導入失敗を避けられます。
- 座席管理システムの導入目的を確認する
- 座席管理システムの機能を確認する
- 座席管理システムを導入する際の注意点を確認する
- 座席管理システムの料金・価格相場を確認する
STEP1. 座席管理システムの導入目的を確認する
座席管理システムの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | おすすめサービス |
---|---|
座席探しの手間をなくしたい | 座席予約や空席確認など座席管理に特化したシンプルなシステムがおすすめ |
フリーアドレスを定着させたい・交流を生みたい | 座席予約時にランダムで抽選できる座席管理システムがおすすめ |
施設予約や施設連携を行いたい | 会議室やフリースペースの予約、受付との連動もできる座席管理システムがおすすめ |
勤怠管理やオフィスレイアウトの見直しまで行いたい | 打刻機能やGPS管理、ステータス管理と分析ができる座席管理システムおすすめ |
リモートワークとオフィスワークのハイブリッド環境を管理したい | 在宅勤務者の勤怠管理や、出社予約機能を備えた座席管理システムがおすすめ |
STEP2. 座席管理システムの機能を確認する
座席管理システムでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
座席の事前予約 | 何時〜何時まで・数週間〜数か月後といった時間単位予約、座席の条件を指定して予約など、事前に予約できる機能 |
座席のランダム抽選 | 席の固定化を防ぐために、座る席をランダムで決定する機能 |
グループでの座席予約 | 「〇〇部」「〇〇チーム」のようなグループ単位で座席を予約できる機能 |
複数座席予約 | 複数席を予約できる機能 |
代理予約 | 誰かの代わりに席を予約できる機能 |
固定席の確保 | 固定で席が必要なメンバーや役職者のために、固定席を用意できる機能 |
即時チェックイン | 誰も該当の席を使用していないときに、利用開始登録ができる機能 |
自動キャンセル | 空予約や開始時間が過ぎた予約を自動でキャンセルする機能 |
自動チェックアウト | 座席を登録したものの別の場所に移ったり会議が入ったりして登録の場所にいない場合には、自動でキャンセルする機能 |
従業員の位置の検索 | 名前、部署、フロアなどの条件で誰がどこにいるか検索できる機能 |
座席使用状況・空席状況の確認 | 該当する席の空き状況や使用予定をタイムラインで確認できる機能 |
座席の利用開始時間・終了時間の表示 | 確保した席が使用できる時間を表示できる機能 |
従業員の状況の確認 | 離席・休暇・外出・出社など、該当する従業員がどの状態なのかを確認できる機能 |
フロアレイアウトの編集 | オフィスの座席やテーブルの位置などを編集できる機能 |
予約エリアの制限 | 役職や権限ごとに座れるエリアを制限する機能 |
予約時間の通知 | 予約した席を使用する数分前に通知できる機能 |
無断利用の防止 | 予約せず利用している場合や延長している際にアラートを出す機能 |
出社予約 | リモートワークとオフィスワークのハイブリッド環境で、出社する日時を事前に予約できる機能 |
在宅勤務者の勤怠管理 | リモートワーク中の勤怠状況を管理・把握できる機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
施設予約・連携 | 会議室や架電ブース、駐車場などのオープンスペース予約や、受付システム・スマートロックとの連携 |
サイネージ表示 | オフィスの入り口に巨大な座席表・フロアマップを表示できる機能 |
ソーシャルディスタンス対応・濃厚接触者の確認 | 使用しない席の設定やソーシャルディスタンス範囲の可視化、過去に遡って陽性の従業員の周りに座っていた濃厚接触者の特定など、感染症対策関連の機能 |
位置情報取得 | スマートフォンアプリで自動的に位置情報を取得し、在席状況を検知・更新できる機能 |
ログ管理・分析 | 出社率、人単位・席単位・時間単位の予約率、施設の利用状況、空予約の原因特定、入退室管理、出社対リモートワークの比率、座席の予約率、頻繁に同エリアに座っているメンバーを分析する機能 |
出退勤記録の取得・管理 | 出退勤の打刻や着席情報の共有により出退勤記録を残せる機能 |
マルチテナント対応 | 複数のテナントが入っている場合でも座席情報を共有できる機能 |
シングルサインオン(SSO) | GoogleやMicrosoftのアカウントでログインできるようになり、既存の社内システムとの連携を容易にする機能 |
資産管理との連携 | 備品や機器などの資産管理システムと連携し、座席ごとの備品状況を管理できる機能 |
フリーアドレス制を浸透させたい場合は座席使用状況の確認や事前予約機能、行動データをもとにオフィス状況やレイアウトの改善を試みたい場合であれば、ログ管理や位置情報取得のあるサービスがおすすめです。
STEP3. 座席管理システムを導入する際の注意点を確認する
座席管理システムを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
フロア図の登録方法 | 座席を表示するフロアマップの登録方法を確認しましょう。CADデータやPDFから取り込む方法以外にも、専用の画面上でゼロから作成するサービスもあります。 また、登録もユーザーが行う場合と提供事業者が行う場合に分かれるため、あらかじめ確認するのがおすすめです。 |
座席予約方法 | スマートフォンやアプリ、専用端末の図面から、Webブラウザからなど、対応している座席の予約方法を確認しましょう。 |
座席の予約できる期間 | どのくらい先まで座席の予約ができるのか、期間を確認しましょう。 |
チェックイン方法 | スマートフォンや専用アプリ、Webブラウザなど、どの端末からチェックインできるかを確認しましょう。 また、QRコードを読み取る必要があるのか、位置情報で判断してくれるのか、アプリを起動するだけでいいのか、社員証やNFCカードをタッチするのかなど、端末ごとでのチェックイン方法も確認する必要があります。 |
セキュリティ関連の機能を確認する | 多要素認証やIPアドレス制限など、なりすましを防ぐ機能があるかを確認しましょう。 |
既存システムとの連携 | すでに利用しているグループウェアやチャットツールとの連携を確認しましょう。 Google カレンダーやOutlookカレンダー、Teams、Slackなどと連携できるサービスは多く、業務効率化に貢献します。 |
多言語対応 | グローバル企業の場合は、多言語にも対応しているサービスを選びましょう。 |
導入までにかかる期間 | 座席管理システムは導入完了までに、最短2週間から最大2〜3か月程度の時間がかかります。サービスの導入までにどのくらいの期間がかかるのか確認しておきましょう。 |
トライアル・デモの利用可否 | 本格的に導入する前に、無料トライアルやデモンストレーションを受けられるかどうかを確認しましょう。実際にシステムを触ってみることで、ニーズにあったサービスを選びやすくなります。 |
サポート体制 | 導入後のサポート体制について確認しましょう。問い合わせ方法や対応時間、FAQやマニュアルの有無など、トラブル発生時にスムーズに解決できるかどうかがポイントです。 |
カスタマイズ性 | 運用方法やニーズにあわせてシステムをカスタマイズできるかどうかを確認しましょう。 |
スケーラビリティ | 将来的な組織の拡大やオフィスの増加にあわせて、システムを柔軟にスケールできるかどうかを確認しましょう。ユーザー数や拠点数の増加にも対応できるシステム設計になっているかがポイントです。 |
STEP4. 座席管理システムの料金・価格相場を確認する
座席管理システムの月額料金の相場は、1席単位または1ユーザー単位で200〜300円程度なことが多い傾向にあります。基本的には従業員の方が席より多いので、1席単位の料金体系の方がコストパフォーマンスは高いです。
初期費用が0円のサービスもありますが、初期の設定サポートやサイネージでの座席表示などがある場合は、サポート費用や端末費用などで初期費用がかかります。
座席管理システムで効率的なオフィススペース活用を
座席管理システムは、座席の予約や使っている人を把握できるシステムです。座席や人を探す手間が減り、効率的なオフィススペースの活用を促進するメリットがあります。ABW(Activity Based Working)が浸透し、仕事内容や気分にあわせて、働く場所や時間を自由に選ぶ働き方も浸透しつつある現在で、リモートワーク・テレワーク時に誰がどこで何をしているのかをアナログで把握するのは困難です。
管理者と従業員双方の手間を減らす座席管理システムの、選び方をおさらいします。
- 座席管理システムの導入目的を確認する
- 座席管理システムの機能を確認する
- 座席管理システムを導入する際の注意点を確認する
- 座席管理システムの料金・価格相場を確認する
座席管理システムをより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較するとよいでしょう。