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どうやってeラーニング(システム)を選べばいいの?
eラーニング(システム)を選定するために、まず必要な要件を洗い出す必要があります。その後比較表でサービスを絞り込んで、試験的に導入する流れがおすすめです。具体的な比較方法は、こちらの記事にまとめています。
【2024年】eラーニングシステム(LMS)比較!比較表と選び方解説
サービス比較
eラーニング(システム)
eラーニングシステムとは
eラーニングシステムとは、その名のとおりeラーニングを効率的に進めるためのシステムで、学習教材の配信や学習者の管理、フィードバックなどが可能なサービスです。
オンラインでの学習環境の構築に欠かせないもので、システム上で学習者と講師、運営が気軽にコミュニケーションをとれるのも特徴です。
【そもそもeラーニング(オンライン学習)とは?】
eラーニング(オンライン学習)とは、インターネット環境を利用した学習サービス全般を指します。学習者はオンラインで講義やテストを受けられ、提供側は受講者の学習状況の管理が可能です。
大学や予備校などのように、学習者を教室に集めて講義をする場合とは異なり、受講側は時間を選んで、自ら選択した講義を受けられます。
インターネット環境が利用できれば、場所を選ばず講義を受けられるため、スマートフォンやタブレット端末を使って学習を進める人も少なくありません。
さらに、学習教材の自主作成も可能なので、社内研修をはじめとして、さまざまな分野の学習プラットフォームとして導入が進んでいます。
eラーニングシステムの基本機能
【提供タイプ】
提供タイプのeラーニングシステムは、利用者が学習者に提供するコンテンツや問題などを作成し、商品として販売したり社員教育やセミナーに活用したりする形態です。
提供タイプのeラーニングシステムの基本的な機能としては、次のものが挙げられます。
・教材作成:Power Pointをはじめ、主にOffice製品で受講者が視聴する教材を作成できる機能
・テスト作成:受講者に受けさせるテストをシステム上で作成できる機能
・受講状況確認:各受講者の学習の進捗状況を確認できる機能
・サービス販売機能:作成した学習コンテンツをシステム上で販売できる機能
教材作成機能は、ビジネスパーソンなら一般的に使い慣れているツールで教材の作成が可能で、わざわざコンテンツの作成のために使い方を覚える必要がありません。また「テスト作成」と「受講状況確認」では、受講者の理解度を図れます。
さらに、「サービス販売」機能はeラーニングシステムを通じて、作成したコンテンツを販売できるサービスです。社内での利用ではなく、一般公開することで販売利益を得られます。
【学習タイプ】
学習タイプのeラーニングシステムは、提供会社が作成済みの教材やテストを用いて、利用者が学習を進める形態のサービスです。学習タイプの基本機能としては、次のものが挙げられます。
・教材コンテンツの視聴:サービス運営者が事前に作成した学習コンテンツを視聴できる
・複数デバイスからの視聴:パソコンをはじめ、スマートフォンやタブレット端末から視聴可能
・単語帳の作成:受講者の希望に合わせて、任意に単語帳や学習のポイント(まとめ)などを作成できる
・講師への質問:システムを通じて講師に質問できる
サービスの利用者が自らコンテンツを作成する提供タイプとは異なり、学習タイプはシステムベンダーが用意したコンテンツを学習者に利用してもらう形態です。
インターネット回線があれば、どこからでもコンテンツの受講が可能で、さらに単語帳の作成をはじめ、ある程度パーソナライズされたサービス利用もできます。
提供タイプと同様、システムを通じて講師に質問することで、テキストや映像では理解できなかった部分の学習が進むでしょう。
eラーニングシステムはなぜ必要か?
企業のeラーニングシステムの主な導入目的は、社員教育です。
従来の社員教育はOJTや集合研修が中心でしたが、新たな社員教育の方法としてeラーニングが注目されています。実際、多くの業界でeラーニングの導入が進んでおり、新人研修やセミナーなどに活用するところが増えている状況です。
その背景としては、従来のOJTや集合研修などの教育手法では、現在の社員教育に対するニーズを満たすのが難しくなったためです。
市場環境や消費者ニーズの変化に対応するには即時的な教育体制を整える必要があります。しかし、従来の教育方法では実現が難しく、費用もかかるのが実態でした。
一方、eラーニングの場合、コンテンツの作成・配信が低コストかつスムーズに実現できるため、ニーズの変化に対応した社員教育ができます。市場の概観はもちろん、新たな社内スキームへの挑戦など、必要に応じてさまざまな教育コンテンツを迅速に作成し、社員に受講してもらえます。
eラーニングシステムを導入するメリット
【コンテンツの作成や提供にかかるコストを削減できる】
eラーニングシステムを導入すれば、教材の作成や受講者への提供にかかるコストを大幅に削減できます。教材を作成すれば何度も繰り返し利用できるので、紙の教材で講義やセミナーなどをするのに比べて、余計な印刷費を負担せずに済みます。
また、コンテンツに修正すべき点があってもデータを一部変更すればよいだけなので、紙の資料をベースに講義やセミナーを提供するのに比べて圧倒的に手間がかかりません。
【全員に同じ質の学習コンテンツを提供できる】
プロの講師に依頼して研修やセミナーを実施しても、講師によって教え方に違いがあるため、すべての受講者に同様の学習環境を提供できない可能性があります。
一方、eラーニングならば教材をシステム上で配信するので、受講者全員に同じ質のコンテンツで学んでもらえます。
配信するコンテンツを作成する段階では、依頼する講師のレベルや作成するコンテンツの質を、しっかりと担保しなければいけません。しかし、一度コンテンツを作成・登録すれば常に同じ質の講義やセミナーが提供できるので、受講者の反応や成績などを確認しながら改善や修正が可能です。
【受講者の学習管理により習熟度が把握できる】
eラーニングシステムでは各受講者の学習状況の管理ができます。一人ひとりの習熟度を把握できるので、それぞれのレベルに合わせたコンテンツの配信が可能です。
コンテンツを学ぶタイミングや場所などを受講側が任意に決められるeラーニングでは、配信したコンテンツを皆同じように理解してくれるとは限らず、全員が視聴するとも限りません。
そこで、受講者の習熟度をシステム上で把握することで、内容の習得が遅れている者や教材を提供したのに認知していない者などを把握し、適宜フォローできる環境を構築できます。
オフラインでの講義やセミナー中心の社員教育では難しい習熟度の確認も、コンテンツの視聴時間やアンケート調査などを分析することで、ある程度正確にできるようになります。多くの社員に教育をする必要がある企業ほど、eラーニングシステムは多くの恩恵をもたらすでしょう。
eラーニングシステム導入するデメリット
【実技面の習熟度の把握が難しい】
eラーニングは対面式の授業とは異なり、受講者の反応をリアルタイムで見られないので、実技面の習熟度がどれぐらいか確認するのが困難です。
たとえば、受講者のITツールの操作や作業スキルがどの程度のレベルに達しているかは、コンテンツを配信するだけでは把握できません。
ただし、実技に関しては別途確認の場を設けるといった対策がとれます。定期的にテストを実施し、特定の操作がスムーズにできるか、必要な機能を使いこなせているかなどを実地にチェックすれば、習熟度の把握は難しくないはずです。
eラーニングと従来型のOJTを組み合わせて運用するとよいでしょう。
【受講者のモチベーションの維持・管理が難しい】
eラーニングでは、受講者のモチベーションの維持が困難なのもデメリットの一つです。
受講者は自らの都合のつく時間に学習できる反面、学習内容の配分や時間管理などは、基本的に自らの裁量に任せられます。さらに他者の状況もわからないため、同僚やライバルと切磋琢磨して頑張る、といった心境にもなりにくいのが実態です。
自己管理がうまくできない人にとっては、なかなかモチベーションを維持するのが難しい環境といえるでしょう。
【コンテンツの受講そのものが目的にされてしまう可能性がある】
オンラインでの学習はどうしても単調になりがちなため、必要な事柄の習得に意識を向ける以上に、学習記録を埋める作業に集中してしまう受講者が出てくる可能性があります。
定期的なテストで習熟度の確認は可能ですが、対面で講義やセミナーを実施するのに比べると、どうしても臨場感には欠けてしまうので、内容を聞き流してしまう人も出てくるでしょう。集中して受講してもらえるように、作成するコンテンツの質や構成などに工夫が求められます。
システム上で他者のQ&Aが閲覧できたり、講師と直接質問ができる機能を増やしたりすれば、学習のマンネリ化防止につながるでしょう。
適度な緊張感をもってコンテンツを受講してもらうために、定期的なテストに加えて成果発表をする機会を設けるといった取り組みもおすすめです。
eラーニングシステムの比較ポイント
【機能と導入コストのバランスはとれているか?】
eラーニングシステムに限らず、いかなるサービスを導入する際にもコストと機能性のバランスに注目しなければいけません。
使用しない機能が多く実装されている製品やサービスの導入に、多大なコストをかける必要がないのは明らかです。
まずはeラーニングに関する社内ニーズを明確にして、必要な機能を洗い出しましょう。そのうえで、最もコストパフォーマンスが高いと考えられるシステムを選ぶことが大事です。実際にシステムを利用する社員とよく話し合いながら、導入するシステムを絞り込んでいきましょう。
【クラウド型かオンプレミス型か?】
eラーニングシステムには、クラウド上でシステムを管理するクラウド型と、システムを社内サーバーに導入して運用するオンプレミス型があります。
クラウド型は、インターネットに接続できれば場所を選ばずシステムにアクセスができ、スマートフォンやタブレット端末からも利用可能です。
一方、オンプレミス型は社内ネットワークに組み込む形になるため、導入に手間やコストがかかります。しかし、強固なセキュリティの下で運用できるのに加えて、環境に応じて柔軟なカスタマイズができます。
社外からのアクセスも視野に入れるならば、基本的にはクラウド型を導入する方がよいでしょう。ただし、クラウド型は従量課金制のサービスが大半なので、利用人数が多いとオンプレミス型よりも割高になる可能性があるので注意が必要です。とくに大企業が導入する場合は気をつけましょう。
【システムの使いやすさは問題ないか?】
システムのユーザビリティーに加えて、教材の作成のしやすさも重要な選択基準です。ユーザビリティーの高い製品・サービスは受講者にとって使いやすく、受講するコンテンツに対する満足度も高くなるでしょう。
さらに、教材が作成しやすければ講師やシステム管理者の負担を軽減できます。たとえ多機能なシステムでも、操作性や使い勝手が悪ければ、作業時間の無駄が発生する可能性があります。
機能性と操作性のバランスをとるのは簡単ではありませんが、機能に関しては後から追加できるケースも多いので、迷ったら使いやすいシステムを選択するようにしましょう。
eラーニングシステムの導入に失敗しない方法は?成功するためのポイント
【システムを導入する目的を明らかにする】
eラーニングシステムに限った話ではありませんが、導入目的が曖昧なまま製品やサービスを選んでしまう企業は少なくありません。周りの企業が続々と導入しているからといって目的をはっきりさせずに導入しても、結局使われなくなってしまう可能性があります。
一口にeラーニングといっても、社内教育に適した製品やコンテンツを販売するためのサービス、あるいは購入者自らが学習するものなどの種類があります。
eラーニングシステムで具体的に何を達成したいのか、どういった効果を得たいのかを明らかにして、自社の環境に合った製品・サービスを導入することが大事です。
また、導入するシステムが決まったら早い段階でスムーズに運用できる体制を構築しておきましょう。導入の担当者を決めておき、サービスベンダーに適宜相談しながら、操作マニュアルの作成や利用ルールの設定などを進めておく必要があります。
社内にITシステムに詳しい社員がいない場合はベンダーによる導入支援を積極的に活用しましょう。
【受講者数を正確に把握し、規模に合ったサービスを選ぶ】
受講者の人数を正確に把握したうえで、規模に合ったサービスを選びましょう。全社員が受講する可能性がある企業もあれば、新入社員の研修のみeラーニングを利用する企業もあるはずです。特定の部門や社員のみが受講するケースもあるでしょう。
どういった運用を想定しているにせよ、適正なコスト負担で導入するためには利用する人数を明らかにすることが大事です。
ただし、将来的に利用人数が増える可能性がある場合は状況の変化に応じて柔軟にプランを変えられるシステムにしたり、ユーザー数の上限に余裕を持たせてサービスを契約したりする工夫が必要です。
【受講者が積極的にシステムを利用したくなる仕組みをつくる】
すでに説明したように、eラーニングは一人ひとりの受講者が自らの裁量で学ぶのが基本であるため、モチベーションの維持が課題になります。
一方的にコンテンツを配信して任意のタイミングで受講者に学んでもらうだけでは、想定した効果を上げられない場合もあるでしょう。受講がなかなか進まない社員も出てくるはずです。
そこで、受講者が高いモチベーションをもちながら、継続的にシステムを利用したくなる仕組みづくりが重要です。
定期的に熟練度を確かめるテストを実施して、一定の水準をクリアしたらインセンティブを与えたり、人事評価の要素に組み入れたりするなど、受講者の学習意欲を高める工夫が求められます。
金銭的な報酬やキャリアアップのきっかけにするといった施策に加えて、テストの成績をランキングにして発表したり、周囲とチャットでコミュニケーションを取って構わないルールにしたりなど、楽しみながらコンテンツを受講できる環境づくりにも注力しましょう。
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