【30秒で分かるこの記事の結論】
・ペネトレーションテストサービスは、攻撃者視点で疑似攻撃を行い、システムの防御を「どこまで突破できるか」を実戦形式で検証するサービス
・選定時は、特定ゴールの達成可否を追う「目的達成型」か、脆弱性の悪用による被害拡大を追う「診断拡張型」かを、検証目的に合わせて選ぶ
・ペネトレーションテストサービスを提供している主な会社は「ラック」「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」「NECセキュリティ」など
ペネトレーションテストサービスとは?
ペネトレーションテストサービスとは、攻撃者の視点で疑似攻撃を行い、不正侵入や情報窃取がどこまで成立するかを検証するサービスです。ペネトレーションテストサービスの対象は、Webアプリケーションやネットワーク、クラウド環境などです。攻撃シナリオの設計から侵入試行、結果の分析と改善提案までを依頼できます。
ペネトレーションテストを実施すると、ぜい弱性が悪用された場合の被害範囲や、既存のセキュリティ対策がどの工程で破られるかが具体的にわかります。ぜい弱性診断だけでは見えにくい権限昇格や横展開のリスク、運用や設定の弱点も可視化できるため、優先順位を付けた対策につなげやすくなるでしょう。
近年は攻撃手法が高度化し、侵入後に複数の弱点を組み合わせて被害を拡大させるケースが増えています。ゼロトラストやクラウド活用が進むほど攻撃対象が広がるため、実際に突破される前提で耐性を検証し、現実的なリスクを把握して対策を強化する取り組みが欠かせません。
ペネトレーションテストサービスの選び方
ペネトレーションテストサービスを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- ペネトレーションテストサービスの種類を確認する
- ペネトレーションテストサービスの内容を確認する
- ペネトレーションテストサービスの比較ポイントを確認する
- ペネトレーションテストサービスの料金・価格相場を確認する
ペネトレーションテストサービスの種類を確認する
ペネトレーションテストサービスは、検証の考え方によって2つのタイプに分けると比較しやすくなります。自社が知りたいのが「突破されるかどうか」なのか、「ぜい弱性が悪用されたときの影響」なのかを先に整理すると、委託先の選定がスムーズです。
目的達成型は、攻撃者のゴールを明確に置き、侵入から目標達成までの現実的な到達度を確かめるテストです。診断拡張型は、ぜい弱性診断を起点にして、悪用された場合の被害の広がりや運用上の弱点まで具体化するテストが中心です。
| タイプ | 特徴 | 適した企業 |
|---|---|---|
| 目的達成型 | 攻撃シナリオのゴールを設定し、侵入から情報窃取・権限奪取などの達成可否を検証する。防御の抜け道や検知・対応の弱点を、攻撃者視点で洗い出しやすい。 | 重要情報の持ち出しや停止など、最悪シナリオの成立可否を確認したい企業。SOCやCSIRTを含め、検知・対応までの実力を現実に近い形で確かめたい企業。 |
| 診断拡張型 | ぜい弱性診断で見つかった問題を起点に、実際に悪用するとどこまで影響が広がるかを具体化する。設定不備や運用面の穴も含めて、対策の優先順位付けに直結しやすい。 | ぜい弱性の有無だけでは対策判断ができず、影響範囲を根拠に投資判断したい企業。定期診断の結果を、実務的な改善計画や改修優先度に落とし込みたい企業。 |
ペネトレーションテストサービスの内容を確認する
ペネトレーションテストサービスは「攻撃者の視点でどこまで到達できるか」を確かめるため、実施前の設計と実施中の制御が重要になります。どの項目まで対応してもらえるかを整理しておくと、見積もりの前提がそろい、成果物に対する期待を共有しやすくなるでしょう。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的・ゴール設計 | 「侵入できるか」「機密情報を取得できるか」「権限を奪取できるか」など、攻撃者のゴールを明確にして検証範囲を定義します。 |
| 対象範囲の確定 | Webアプリ、ネットワーク、クラウド、端末などの対象を決め、許可する操作や禁止事項も含めてスコープを固めます。 |
| 事前調査・偵察 | 公開情報の収集や構成把握を行い、攻撃の入口になり得る箇所や攻撃経路の候補を洗い出します。 |
| ぜい弱性の特定と悪用 | ぜい弱性診断で見つかった問題や設定不備を手がかりに、実際に侵入や権限昇格が成立するかを試行します。 |
| 侵入後の到達度確認 | 横展開、権限拡大、機密情報へのアクセスなど、侵入後にどこまで被害が広がるかを検証します。 |
| 検知・対応の評価 | SOCやCSIRTの監視、アラート、初動対応が機能するかを観察し、運用面の弱点も含めて整理します。 |
| 安全管理と影響抑制 | 本番環境で実施する場合は、影響が出ない手順や時間帯、ロールバック手順などを設計し、業務停止リスクを抑えます。 |
| 報告書・改善提案 | 攻撃経路、成功要因、被害想定、再現方法、優先度付きの対策案をまとめ、経営判断と実装判断につながる形で提示します。 |
ペネトレーションテストサービスの比較ポイントを確認する
ペネトレーションテストサービスは、実施内容が似て見えても、進め方や体制の違いで成果の質が変わります。特に、社内説明に使える根拠が示されるか、改善まで伴走してくれるかは、提案書や見積もりの段階で差が生じやすいポイントです。
| 比較ポイント | 確認したい内容 |
|---|---|
| 実績・専門性 | 同業種や同規模の支援実績があるか、攻撃手法や環境(クラウド、AD、APIなど)の経験があるかを確認します。 |
| 担当体制とスキル | 担当者が専任か、複数名体制か、資格や経歴が開示されるかを見て、属人化や品質ブレのリスクを減らします。 |
| コミュニケーション設計 | 事前ヒアリングの深さ、途中報告の頻度、緊急時の連絡手段など、実施中に意思決定できる運用になっているかが重要です。 |
| 本番影響の抑止策 | 本番環境での実施可否だけでなく、負荷試験の扱い、停止リスクの回避策、ロールバック方針まであらかじめ確認しておくと安心です。 |
| 守秘・取り扱いルール | 取得データの扱い、ログや証跡の保管期間、成果物の共有範囲など、情報漏えいを防ぐ運用設計があるかを確認します。 |
| 報告書のわかりやすさ | 技術者向けの再現手順だけでなく、経営層向けの要約や優先度が整理されているかで、社内の合意形成のしやすさが変わります。 |
| 改善支援の範囲 | 報告で終わるのか、再診断や修正確認、対策の設計レビューまで支援するのかで、導入後の実務負担が大きく変わります。 |
| 対応領域の広さ | Webだけでなくネットワーク、端末、クラウド、SaaS設定など、周辺領域も一緒に見られるかどうかで、追加発注の手間を減らせます。 |
| 契約・進行の柔軟性 | スコープ変更の扱い、追加作業の見積もり条件、短期対応の可否など、想定外が起きたときの動きやすさを確認します。 |
ペネトレーションテストサービスの料金・価格相場を確認する
ペネトレーションテストサービスは、シナリオ設計から疑似攻撃、報告までを個別設計する「スポット契約」が一般的です。料金は対象範囲や期間によって変わるため、要問い合わせとなるケースが多いです。目安としては数百万円以上、企業全体を想定した検証では700万〜1,000万円程度になることもあります。
料金が高額になりやすいのは、対象が多い、シナリオが複雑、オンサイト実施や長期化が前提になるケースです。TLPTのように脅威分析や組織の検知・対応まで評価する場合は、体制も工程も増えるため金額が高くなりやすいです。
ペネトレーションテストサービスのおすすめ比較5選【目的達成型】
目的達成型のペネトレーションテストサービスを紹介します。攻撃者視点でシナリオを立てて疑似攻撃を実施し、侵入から目標達成までのプロセスを検証したい企業におすすめのサービスを取り上げます。
情報システムペネトレーションテスト- 株式会社ラック
- セキュリティ専門家が多様な侵入経路から疑似攻撃
- APT攻撃など高度な脅威シナリオで多層防御を検証
- 侵入深度や情報持ち出し可否を調査し対策を評価
ラックの情報システムペネトレーションテストは、多様な侵入経路や攻撃手法を模擬し、組織のサイバー攻撃耐性を総合的に評価するサービスです。セキュリティ専門家がAPT攻撃などのシナリオに基づいて疑似攻撃を行い、侵入の深度や情報の持ち出し可否を確認して現行対策の有効性や被害範囲を報告します。
事前に脅威シナリオを検討し、OSINT調査や社員への標的型メール送付、外部公開サーバへの侵入など現実的な手段を組み合わせた攻撃を実施する点が特徴です。公開情報の収集やぜい弱性悪用を段階的に組み合わせることで、企業の多層防御の弱点や被害拡大のリスクを明確化し、改善策を提示します。
情報システムペネトレーションテストの価格・料金プラン
| メニュー | 費用 |
|---|---|
| 標準マルウェア感染シナリオ | 700万〜1,000万円/1回 |
| その他シナリオ | 要問い合わせ |
ペネトレーションテストサービス – NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
- 顧客と協議した攻撃シナリオで堅牢性を評価
- CREST認定の専門チームが計画から準備・実施・報告まで支援
- マルウェア感染や外部サーバ侵入などを模擬
NRIセキュアのペネトレーションテストサービスでは、顧客と協議のうえで攻撃シナリオを構築し、そのシナリオに基づいた疑似攻撃でシステムの堅牢性を評価します。攻撃者が標的とした場合の影響やリスクを検証し、対策検討まで支援する点が特徴です。
CREST認定を受けた専門チームが計画から報告まで多段階の工程を担当し、攻撃対象のネットワーク構成や業務環境を詳細にヒアリングしたうえで戦略を策定します。マルウェア感染による遠隔操作や外部公開サーバへの侵入といった具体的なシナリオを用いてぜい弱性の悪用と影響範囲を検証し、改善策を提示します。
ペネトレーションテストサービスの価格・料金プラン
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ペネトレーションテスト – NECセキュリティ株式会社
- 攻撃目的や範囲・期間を定め、実攻撃で達成の容易さを評価
- 公開情報調査と疑似攻撃でぜい弱性の影響度を分析
- リモートとオンサイトを組み合わせ、現実の脅威を検証
NECセキュリティのペネトレーションテストは、事前に攻撃目的やテスト範囲、実施期間を定め、現実のサイバー攻撃手法を模擬することで目的達成の容易さを評価するサービスです。テスト期間中に攻撃目的への耐性や検出された問題点を報告し、組織の攻撃耐性向上に役立てます。
テストでは公開情報の調査に加えて、許可された範囲に対する疑似攻撃を行い、発見したぜい弱性が目的達成にどの程度寄与するかをリスク評価します。インターネット経由のリモートテストとオンサイトテストを組み合わせることで、攻撃達成の難易度や影響を現実的な方法で検証し、複数の事象の組み合わせによる大きな影響も分析します。
ペネトレーションテストの価格・料金プラン
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TLPT – 三井物産セキュアディレクション株式会社
- 脅威調査に基づき現実的なシナリオを作成
- Red/Blue/Whiteチームが攻撃検知評価を実施
- 侵入後のリスクや被害範囲を可視化し成熟度を評価
三井物産セキュアディレクションのTLPTは、脅威ベースのペネトレーションテストです。Threat Intelligence Providerが脅威を調査・分析し、現実の攻撃者と同様の手法を用いた脅威シナリオを作成したうえで実施されます。
Red Teamが攻撃を行い、Blue Teamが検知・対応し、その様子をWhite Teamが観察することで組織の対応力やサイバーレジリエンスを評価するサービスです。
一般的なペネトレーションテストが汎用的な脅威を想定するのに対し、TLPTでは現実の脅威に基づく攻撃を実施し、侵入後のリスクや被害拡大の可能性を可視化します。また、サイバーレジリエンス能力や社内規定とのギャップを評価するTo‑Beギャップ分析により、組織の成熟度向上に向けた改善ポイントを明確にします。
TLPTの価格・料金プラン
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INTELLILINK 脅威ベースペネトレーションテストサービス – 株式会社NTTデータ先端技術
- 現実の攻撃事例を収集しシナリオベースで疑似攻撃
- 攻撃者目線で安全性を評価し対策の有効性を検証
- インシデント被害を可視化しレジリエンス強化を提案
INTELLILINK脅威ベースペネトレーションテストサービスは、疑似攻撃を行うことでセキュリティ対策状況を評価するサービスです。現実世界で発生している攻撃やインシデント事例をもとにシナリオを構築します。
セキュリティ脅威の高度化や被害範囲の見える化に対応するために開発された発展形のペネトレーションテストで、組織や人的要素を含めたレジリエンスの評価を目指します。
攻撃者目線でシステムの安全性を評価し、現実世界の攻撃を再現するシナリオで疑似攻撃を実施することで対策の有効性を検証するのが特徴です。また、疑似攻撃を通じてインシデント発生時の被害を可視化し、経営層やCISOに対してレジリエンス強化のための改善策を提案します。
INTELLILINK 脅威ベースペネトレーションテストの価格・料金プラン
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ペネトレーションテストサービスのおすすめ比較5選【診断拡張型】
ぜい弱性診断と組み合わせて被害範囲を具体的に把握できるペネトレーションテストを紹介します。ぜい弱性の有無だけでなく実際にどこまで悪用されるか知りたい企業におすすめのサービスです。
脆弱性診断(セキュリティ診断)ペネトレーションテスト サービス – GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社
- 12,600件超※の診断実績と高精度評価
- 攻撃シナリオに基づき疑似攻撃を実施
- 世界大会で活躍するホワイトハッカーが在籍
GMOサイバーセキュリティ byイエラエの脆弱性診断サービスは、高精度なリスク評価と累計12,600件を超える診断実績を持つペネトレーションテストサービスです。攻撃者が設定した侵入の起点と目標を定め、疑似攻撃を行ってゴール到達の可否や被害範囲を検証します。
環境や制約に合わせて攻撃シナリオをカスタマイズし、標的メールによる感染から内部ネットワーク侵入、セキュリティ製品の設定確認や物理的侵入まで幅広く検証する点が特徴です。DEF CON優勝のホワイトハッカーが診断を担当し、わかりやすい報告書と改善策を提供します。
※出典:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ「脆弱性診断(セキュリティ診断)・ペネトレーションテスト サービス」(2026年2月3日閲覧)
脆弱性診断(セキュリティ診断)ペネトレーションテスト サービスの価格・料金プラン
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ペネトレーションテスト – 株式会社セキュアスカイ・テクノロジー
- 年間1,000IP以上※を診断する豊富な実績
- 侵入リスクを可視化し被害範囲を分析
- 高いぜい弱性検知技術と0day発見実績
セキュアスカイ・テクノロジーのペネトレーションテストは、攻撃者のゴールやテスト範囲を決めて疑似攻撃を行い、実際の攻撃を受けた場合の影響や被害を確認するサービスです。年間1,000IP以上※を対象とした診断から得たノウハウを活用し、独自開発した攻撃コードで多角的な評価を行います。
侵入可能性だけでなく、管理者権限取得後に得た情報を使った他の攻撃の試行まで分析することで被害範囲を可視化します。ツールに頼らず自らExploitコードを開発する高いぜい弱性検知技術を持ち、未公開のぜい弱性を発見した実績もあります。
※出典:セキュアスカイ・テクノロジー「ペネトレーションテスト | 脆弱性診断とクラウド型WAFのセキュアスカイ・テクノロジー(SST)」(2026年2月3日閲覧)
ペネトレーションテストの価格・料金プラン
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ペネトレーションテスト – SCSKセキュリティ株式会社
- 攻撃者目線で不正侵入可否を検証
- 情報資産取得や影響範囲を分析
- ぜい弱性診断と併用し被害を具体化
SCSKセキュリティのペネトレーションテストは、攻撃者目線で不正侵入ができるか、指定された情報資産を取得できるかなどを検証します。テストではインターネット経由で外部公開サーバへ侵入を試みたり、乗っ取った社内PCからファイルサーバやActive Directoryへの不正アクセスを試みたりする複数のシナリオを実施します。
重大なぜい弱性が見つかった場合には実際に悪用して具体的な被害範囲を調査し、聞き取りや目的に合わせてシナリオとテスト期間を設定する点が特徴です。ヒアリング・シナリオ設定・見積・テスト・報告という工程で進め、ぜい弱性診断と組み合わせることで被害をよりリアルに把握できます。
ペネトレーションテストの価格・料金プラン
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セキュリティ診断 – 富士通株式会社
- ネットワーク機器やサーバのぜい弱性診断
- 手動オペレーションによる詳細な診断
- アドバンストでは侵入試験で影響を確認
富士通のネットワーク・サーバぜい弱性診断サービスは、セキュリティ検査ツールと専門家による手動操作を組み合わせてネットワーク機器やサーバのぜい弱性を診断し、対策方法を提案します。ベーシック、スタンダード、アドバンストの3つのプランから選べ、リモート診断とオンサイト診断に対応する点が特徴です。
検出されたぜい弱性を利用して専門スタッフが手動で侵入試験を行い、不正侵入により被害がどこまで拡大するかを評価します。自動ツールでは検出が難しい問題を熟練の技術者が調査するため、最新の攻撃手法を反映した精度の高い診断が受けられます。
セキュリティ診断の価格・料金プラン
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セキュリティ診断ソリューション – 株式会社インターネットイニシアティブ
- 複数メニューから必要な診断を選択
- プラットフォームやクラウド等を診断
- ペネトレーションテストも希望に応じ実施
IIJのセキュリティ診断ソリューションは、セキュリティコンサルタントが企業のビジネスやシステム構成を踏まえて適切な診断メニューを提案するサービスです。プラットフォームやWebアプリケーション、スマートフォンアプリの診断、クラウド設定診断、標的メール攻撃訓練などの豊富なメニューから必要な診断を選択できます。
料金は個別見積もりで、ぜい弱性診断に加えてペネトレーションテストを希望する場合にも相談できます。セキュリティレベルに応じた最適な組み合わせを提示してくれるため、幅広いシステムに対応できる柔軟性があります。
IIJ セキュリティ診断ソリューションの価格・料金プラン
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ペネトレーションテストサービスを利用するメリット
ペネトレーションテストサービスは、攻撃者の視点で疑似攻撃を行い、机上では見えにくいリスクを現実的に洗い出せる取り組みです。ぜい弱性診断の結果を実務の改善につなげたい企業にとっても、有効な施策となり得るでしょう。
ぜい弱性が悪用された場合の被害範囲を具体的に把握できる
ペネトレーションテストでは、ぜい弱性や設定不備を悪用した場合に、どこまで侵入できるかを実際の手順で検証します。単にぜい弱性があるかどうかではなく、横展開や権限昇格が成立するかまで確認するため、被害の広がり方を具体的に把握可能です。
たとえば外部公開システムのぜい弱性が起点になり、社内ネットワークへ侵入し、重要データへ到達できるかを確認できます。結果として、被害想定が曖昧な状態から脱し、対策の必要性を社内で説明しやすくなります。
既存のセキュリティ対策が実戦で通用するか検証できる
ペネトレーションテストは、導入済みのWAFやEDR、アクセス制御などが、実際の攻撃手順に対してどこまで機能するかを確かめられます。攻撃者は単発の弱点だけでなく複数の穴を組み合わせるため、対策が機能する前提が現実とずれていないかを検証することが重要です。
たとえば防御製品の設定不備や運用の抜け道が原因で、想定より容易に突破されるケースが判明する可能性があります。 結果として、対策の「導入有無」ではなく「有効性」を根拠に改善できるようになり、運用設計も現実に合わせて見直せます。
優先順位付きの改善点が明確になり対策投資を判断しやすくなる
ペネトレーションテストの報告書では、攻撃経路と成功要因が整理され、対策の優先順位を付けやすくなります。被害のインパクトや再現性を踏まえて改善点が示されるため、限られた予算や人員でも効果の高い対策から着手できます。
たとえば「入口対策だけ直しても内部で横展開される」といった構造上の課題が見えると、投資の方向性が変わるでしょう。結果として、場当たり的な改修から脱し、経営判断と実装判断をつなぐ根拠のある対策計画に落とし込めるようになります。
ペネトレーションテストサービスを利用するデメリットや注意点
ペネトレーションテストサービスは実戦に近い検証ができる一方で、進め方を誤ると、コストや工数に見合った成果が得られない場合があります。 導入前に注意点を押さえ、社内の準備と運用設計まで含めて検討することが大切です。
実施範囲や目的を誤ると期待した効果が得られない
ペネトレーションテストは、目的とスコープの置き方で得られる結論が変わるため、設計を誤ると「確認したかったリスクが残る」状態に陥りやすくなります。たとえばゴールが曖昧なまま進めると、ぜい弱性の指摘は増えても、重要情報への到達可否のような意思決定に必要な答えが得られません。
対策として、攻撃者のゴールを1〜2個に絞り、対象範囲と禁止事項を明文化して合意しておくと安全です。想定シナリオを複数用意し、どこまでを今回の検証対象にするか優先順位を付けると、費用対効果がぶれにくくなります。
本番環境での実施には業務影響への配慮が欠かせない
ペネトレーションテストは疑似攻撃を行うため、対象によっては負荷増大や一時的なサービス不安定化など、業務影響が起きる可能性があります。特に本番環境で実施する場合、監視や制御が不十分だと、意図せずシステム停止やデータ破損につながるリスクも否定できません。
悪影響を抑えるには、実施時間帯の調整、負荷をかける手法の扱い、緊急停止の連絡手順などを事前に決めておくことが重要です。テスト中の連絡窓口を一元化し、監視担当や運用担当が同席できる体制を作ると、万一の際も被害を最小化しやすくなります。
一度の実施で恒久的な安全が確保されるわけではない
ペネトレーションテストで見つかるのは「現時点の環境で成立する攻撃経路」であり、対策後も環境変更や新機能追加でリスクは再び生まれます。攻撃手法も更新され続けるため、単発の実施だけで安全が固定化されると考えると、時間がたつほどギャップが広がりやすいでしょう。
継続的にリスクを抑えるには、重要システムは定期的に再実施する、改修後に再テストで確認する、といった運用を組み込むことが効果的です。ぜい弱性管理やログ監視の改善と併せて運用すると、ペネトレーションテストの結果が一過性で終わらず、実務の改善サイクルとして機能します。
ペネトレーションテストサービスの導入を検討しよう
ペネトレーションテストサービスは、攻撃者の視点で疑似攻撃を行い、ぜい弱性が悪用された場合にどこまで被害が広がるかを具体的に把握するのに役立ちます。
ぜい弱性診断だけでは見えにくい権限昇格や横展開、運用や設定の弱点まで可視化できるため、対策の優先順位付けや社内合意の材料としても有効でしょう。
ペネトレーションテストサービスを選ぶ際には、次のポイントを意識することが重要です。
- 検証したい攻撃と対象範囲が明確か
- 同業種・同環境の実績があり、担当体制が信頼できるか
- 本番影響を抑える進め方や緊急時の連絡体制が整っているか
- 報告書がわかりやすく、改善の優先順位まで示されるか
- 再テストや改善支援など、導入後の伴走範囲が明確か
ペネトレーションテストサービスをより詳細に検討したい場合は、各ベンダーへ見積もりや提案を依頼し、条件をそろえたうえで比較・検討するとよいでしょう。
