URLフィルタリングとは?仕組み・必要性・種類 - ネットワーク接続管理
URLフィルタリングという言葉自体になじみのある方は、あまり多くないかもしれません。本記事では、URLフィルタリングの概要や種類について、特に情報漏えい対策の観点から解説します。
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URLフィルタリングとは
URLフィルタリングとは、主に公序良俗に反するサイトや閲覧するだけでウイルスなどのマルウェアに感染してしまう悪質なサイトにアクセスさせないための技術の一つです。
かつては、未成年者がそのような悪質なサイトにアクセスできないようにする技術として、テレビなどで取り上げられ有名になりました。また、企業においても、スタッフの生産性向上を目的として導入が進められてきた技術です。
しかし、近年では情報漏えい対策として利用される側面が強くなってきています。その背景は、情報セキュリティに関する社会的関心の増大や、さまざまな情報漏えい事件の増加が挙げられるでしょう。
URLフィルタリングの仕組み
URLフィルタリングとは、企業内などの限られたネットワーク内において、そこに所属するコンピュータからアクセスできるWEBサイトを制限することをいいます。あるいは、そういった方法でアクセス制限をかけるソフトウェアのことを指す場合もあります。
具体的な制限方法としては、閲覧を許可または拒否するURLをリスト化する方式が用いられ、該当するURLを制限したり、逆に該当しないものを全面的に排除する方法が一般的です。
URLフィルタリングはなぜ必要?目的は?
URLフィルタリングは簡単にいえば、特定のWEBサイトをユーザーに閲覧できないようにするための技術ですが、特に企業では主に次のような目的で導入されます。
スタッフの仕事の生産性を向上させる
スタッフが業務時間中に仕事と無関係なWEBサイトへアクセスすることで、本来の業務が疎かになってしまうケースが多くの企業で課題となっています。仕事で必要とされるサイトのみに閲覧を許可し、それ以外は遮断することで、スタッフの生産性向上を目指しています。
YouTubeなど、業務と関係のないサイトを仕事中に閲覧できないようにすることも、URLフィルタリングの一例です。

ウイルスなどのマルウェア対策
怪しいサイトにアクセスしたことによって、ネットワーク内のコンピュータがマルウェアに感染してしまうリスクを防ぐ目的もあります。マルウェアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
情報漏えい対策
マルウェア対策と同様に、企業のスタッフが詐欺サイトやフィッシングサイトなどにアクセスしてしまい、その結果コンピュータ内の情報が抜き取られてしまうことを防ぐ目的もあります。
また、掲示板などへの書き込みによって企業が特定されてしまったり、企業内の情報を書き込んだ結果、それがインターネット上に拡散してしまうリスクを減らすことも目的の一つです。
特に近年は情報漏えいが社会的な問題となっており、企業の情報漏えい案件の8割以上がインターネット経由であるとの調査結果もあります。そのため、フィルタリング技術を積極的に活用し、企業の内部統制を強化する必要性は今後ますます高まっていくでしょう。その他の情報漏えい対策についてはこちらの記事もご覧ください。
URLフィルタリングの種類
次に、URLフィルタリングの種類について簡単に紹介します。
主に「該当するURLを禁止するもの」と「該当URL以外のサイトをすべて禁止するもの」の2つがあります。また、近年ではカテゴリの分類によるフィルタリングの手法もよく使われています。
ホワイトリスト方式フィルタリング
スタッフがアクセスできるWEBサイトの一覧を「ホワイトリスト」として事前に登録し、登録されていないURLへのアクセスを一切禁止する方式です。許可されたサイトのみ閲覧可能となるため、強力なフィルタリング効果が得られます。
ただし、業務上必要になった情報を仕入れる用途に社内のコンピュータを使えなくなるケースもあります。
現代では、ビジネスシーンでもインターネットからさまざまな情報を入手する場面が増えています。そのため、一部のサイト以外の閲覧を全面的に禁止してしまうことで、逆に仕事の生産性が落ちてしまう可能性もあります。
ブラックリスト方式フィルタリング
ホワイトリスト方式とは逆に、閲覧させたくないWEBサイトのURL一覧をあらかじめリストに登録しておき、該当したサイトへのアクセスを遮断する方式です。
閲覧させないサイトを限定することで、業務でも広くインターネットの恩恵を受けられるようになります。
ですが、ネット上に無数に存在する有害サイトを逐一ブラックリストに登録し続けるのはけっして効率的ではありませんし、そのようなサイトを管理者が独自に調査して、その都度登録しなければならないという手間があります。
リスト自体も定期的に見直さなければならないので、ホワイトリストに比べて運用に手間と時間がかかってしまうことが多いです。
カテゴリフィルタリング
閲覧制限をかけるURLをリスト化する前に、まずは無数に存在するWEBサイトをカテゴリ分けしてデータベース化し、それをもとにフィルタリングをかけていく方式です。

2.管理者が閲覧禁止にしたいカテゴリを選択
3. 選択されたカテゴリに当てはまるWEBサイトが閲覧禁止に
ほとんどの場合、上記で挙げたようなカテゴリに当てはまる有害サイトのデータベースは、すでにセキュリティソフト会社やフィルタリングサービスを提供している企業が作成しています。
したがって、企業はフィルタリングサービスを利用するだけで簡単にカテゴリごとのフィルタリングを実現できるようになっています。これによって、ブラックリスト方式のように当該企業の管理者がフィルタリングをかけるサイトをピックアップして登録する作業を省けるため便利です。
ただし事前に具体的なデータベースの内容について、ある程度は知っておく必要があるでしょう。
そうでなければ、業務で利用する可能性のあるサイトをブロックしてしまったり、逆に有害なサイトが閲覧可能なままだったりする危険も皆無ではありません。
データベースの精度は、それを作成する企業や組織の質に依存する点に注意が必要です。
フィルタリング技術で情報漏えい対策を徹底しよう!
もともと、企業の各スタッフが仕事に集中し、生産性を高めることを目的として導入される傾向が強かったのが、URLフィルタリング技術です。
しかし、近年企業における情報漏えい事件が増加する中で、徐々に企業内部のヒューマンエラーによる情報漏えいや、マルウェア対策としての役割が強まってきています。
未だ多くの企業はこの技術を取り入れておらず、企業内部からあらゆるWEBサイトへの閲覧が可能になっている状態の会社が多いです。
そういった企業では、簡単なフィルタリングソフトを取り入れるだけでもセキュリティレベルを向上させられますし、スタッフの生産性の向上も実現できるでしょう。
もしあなたがセキュリティ担当者ならば、この機会にURLフィルタリング技術の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
フィルタリングソフトを検討している方はこちらも合わせてチェックしてみてください。
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