AI類似図面検索システムのおすすめ比較!料金やメリット・選び方のポイント
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AI類似図面検索システムとは
AI類似図面検索システムは、AI(人工知能)を活用し、所与の図面・画像に似たものを検索できるシステムです。製造業や建築・ファッション業界などで導入が進んでいます。
これらの業界は過去の類似図面や画像などを参考に、業務を進める場面が多くあります。AIの活用で類似図面をすぐに見つけられるようになれば、大幅な業務効率化を実現できるでしょう。
すでにAI類似図面検索システムを活用した業務フローを確立している企業も多く、短時間での過去図面の検索や、不良部品の洗い出しなどに活用されています。
AI類似図面検索システムの選び方
AI類似検索システムを選ぶ際には、次の流れで自社に合ったものか検討しましょう。
- AI類似検索システムの導入目的を確認する
- AI類似検索システムの機能を確認する
- AI類似検索システムを導入する際の注意点を確認する
- AI類似検索システムの料金・価格相場を確認する
AI類似検索システムの導入目的を確認する
AI類似検索システムの導入を検討する際には、まず導入目的を明確にする必要があります。そのうえで、必要な機能や操作性・拡張性などを備えたサービスを選びましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
過去のものも含めて、多くの図面を効率的に活用したい | 検索性に優れたシステムを選ぶ |
図面だけではなく、さまざまな文書も管理したい | AIによる検索が可能な文書管理システムを選ぶ |
さまざまなツールやシステムと連携させたい | 外部システムとの連携性に優れたものを選ぶ |
AI類似図面検索システムの機能を確認する
AI類似図面検索システムでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題を解決できる機能を有しているか、確認しましょう。
機能 | 詳細 |
---|---|
検索 | 単一・類似形状の検索やあいまい検索など、AIがスムーズに図面を検索できる機能。特定のキーワードで図面を検索できるシステムも多い |
学習 | AIが図面を学習し、新たに検索対象として認識できる機能 |
データベース管理 | 図面のデータベースを構築したり、効率的に管理したりする機能 |
多言語対応 | 英語をはじめ、さまざまな言語に対応する機能を有するシステムも多い |
基本的には検索機能がメインですが、データベースの管理機能に優れたシステムも少なくありません。
AI類似図面検索システムを導入する際の注意点を確認する
AI類似図面検索システムを導入する際には、失敗しないためにも、次の項目も確認しましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
対応しているファイル形式 | どのような形式の図面・ファイルに対応しているか、確認する |
連携できるシステム | どのようなツールやシステムと、連携できるか確認する |
拡張性 | 必要に応じて機能の拡張が可能か、確認する |
セキュリティ | 安全に図面の検索・利用ができるシステムか確認する |
導入形態 | クラウド型のシステムか、オンプレミス型のシステムか確認する |
サポート体制 | サービスベンダーによるサポート内容を確認する |
AI類似図面検索システムの料金・価格相場を確認する
自社のニーズに応じて、納得できる料金プランで利用できるかも調べておきましょう。AI類似図面検索システムの料金は非公開のベンダーが多いため、基本的には問い合わせる必要があります。
ただし、費用が公開されているシステムもあり、導入費用が100万~300万円程度、月額費用が30,000~50,000円程度の製品が多いようです。ただし、大規模なシステムの場合、利用料金が600万~800万円程度必要なシステムもあります。
管理できる図面の数や、ユーザー数などによっても料金は大きく変わってくるので、詳しくは各サービスベンダーに確認してみましょう。
AI類似図面検索システムのおすすめ比較【効率的な図面検索が可能】
おすすめのAI類似図面検索システムを紹介します。まずは効率的に図面検索ができる、代表的なシステムを押さえておきましょう。
brox - 株式会社インフォディオ
broxは、画像やPDFに加え、WordやPowerPointなどの横断検索に対応したAI検索システムです。設計図や仕様書、契約書など多様な紙文書をテキストデータ化し、全文検索できます。
ヒット箇所はハイライトで表示されるため、目的の書類を探しやすく、オンプレミス機での利用にも対応しています。文書はタグを自動付与して分類できるほか、カテゴリーやジャンルごとにアクセス制限を設定できるので、セキュリティに配慮した運用が可能です。
テクノアのAI類似図面検索
テクノアのAI類似図面検索は、AIにより図面が瞬時に判断可能で、必要な図面をすぐに探し出せるシステムです。人間の手で過去の図面を探す手間がなくなり、現場作業を効率化できます。過去の図面データから類似画面をAIが即座に検索できる機能により、見積精度が向上し、担当者の負担を軽減できます。
また、図面管理機能にも優れており、版管理でスムーズに最新の図面との比較が可能です。図面比較により差分を視覚化し、変更された点をすぐに確認できます。ソフトウェア本体とライセンス管理のためのPCが1台あれば運用できるので、現場ですぐに活用できるでしょう。
高志インテックのAI類似図面検索システム
高志インテックのAI類似図面検索システムは、図面や形状からAIが学習した特徴により、類似の画面・形状を素早く検索できるシステムです。キーワードによる検索ではなく、図面の形状からデータ検索が可能なので、過去の図面を必要なタイミングで確認できます。
優れた検索機能に加えて、ほかのシステムとの連携も可能なので、すでに図面の管理システムを運用している企業にもおすすめできます。既存のシステムに合わせてカスタマイズが可能です。検索対象の図面に合わせたAIモデルを構築しており、自動学習機能により継続的に検索精度を高められます。
アクティブクリエイトの図面検索システム
アクティブクリエイトの図面検索システムは、指定した図面に類似する過去図面を、自動で検索できるシステムです。過去の取引履歴の確認やデータ分析も可能で、図面に関連する部品の在庫管理にも対応しています。
AIにより継続的に検索精度を向上できるので、学習を重ねるほど、スムーズに必要な図面データを入手・確認できるようになります。検索した図面情報は、生産管理システムと連携できるので、うまく併用すれば現場の生産性を継続的に向上できるでしょう。
ワイ・エス・エスの類似画像検索
ワイ・エス・エスの類似画像検索は、これまで目視での確認や人海戦術に頼りがちだった作業を自動化し、人的リソースをよりクリエイティブに活用できるソリューションです。AIにより大量の図面から類似図面を素早く発見でき、過去の部品図の流用もしやすくなります。
部品単位で図面を検索できるようになるので、データ検索にかかる時間と手間を大幅に削減できるでしょう。多数の画像から、形状が似ているものを類似度の順に検索できるので、多くの図面から特定の部品を探すのに役立ちます。さらに伝票・帳票の形状により、自動で仕分ける機能も有しています。
ATTA
ATTAはAIを活用したものづくり企業や、商社向けの図面検索システムです。AIにより設計図や図案・デザイン・絵柄など、類似の図面をスムーズに検索できます。図面検索に特化した独自のAI学習モデルが実装されており、簡単なボタン操作でAIの学習が可能です。
学習図面を増やして再学習ができるので、継続的に学習させることで検索精度も向上します。効率的に図面を検索・活用したい企業はもちろん、学習モデルの育成に興味のある企業も、導入を検討してみましょう。見積業務の改善にも役立ちます。
図面活用AI DiCA
図面活用AI DiCAは、目視による図面の確認作業をサポートするAIで、工数の削減のみならず、人間の手によるチェック漏れも防止できます。過去図面のデジタル化により、必要な人員が必要なタイミングで、図面を確認できる体制の構築が可能です。
事前に学習させた記号やマークを図面上で検出し、個数や座標情報をデジタル化することで、チェックの手間を大幅に削減できるのが特徴です。シンプルで使いやすい確認画面により、抽出結果を素早くチェックできます。オンプレミスでの提供が基本ですが、希望によりクラウド型の導入にも対応しています。
創屋のAI類似図面検索
創屋のAI類似図面検索は、部品の製作図や設計図を対象として、すでに登録してある図面の中から、類似するものを検索できるシステムです。AIが膨大な図面の中から、素早く類似する図面を検索するので、製造業の開発・生産設計における図面の流用を効率化できます。
似たような事例の見積額を調べる場合や、過去に生産歴のあるものに対して、当時の加工プログラムの使用可否を確認する場合などに重宝します。
さらに、既存の販売管理システムや生産管理システムと連携すれば、見積作成の時間の短縮や、生産時の品質改善につなげられるでしょう。社内ネットワークにAIマシンを追加するだけなので、すぐに導入・運用が可能です。
ATON – if2
ATON – if2は、部分指定と差分の表示にも対応している、AIによる類似画像検索システムです。PCやサーバー内の類似写真や図面のデータ探しに適しており、類似画像検索の実行後、類似度の高い順に検索結果をサムネイル表示します。
ベースとなる画像との差異を明確に把握できるので、製造現場における品質管理や、金属製品のメッキ不良検査などの分野で役立ちます。施設内の建築物の傷の有無を確認する際にも、写真の細かな差異を認識できるのでおすすめです。
フアクトのAI類似図面検索システム
フアクトによるAI類似図面検索システムは、部品の製造図や設計図などを対象に、すでにシステムに登録済みの図面から、類似のものを検索できます。対応しているファイル形式は「JPG」「PNG」「PDF」で、AIが検索対象図面の特徴を抽出し、登録されている図面との類似度を計算する仕組みです。
差異を確認したい図面をすぐにチェックできるのに加えて、カスタマイズ機能により部品の付帯情報の設定が可能です。設定に応じて、任意に検索精度を高められます。
LearningBook
LearningBookは、図面内に記載されている部品や文字・記号情報を個別、あるいは組み合わせることで、当該情報を含む図面を検索できるAIサービスです。図面ファイル群の中から、対象物を検出・蓄積する機能を有するAIエンジンにより、必要な図面をすぐに閲覧・入手できます。
該当する部品を含む図面を検索できるのはもちろん、部品・注書きなどの位置や文字情報の認識も可能です。さらに、熟練の設計者が検索する際に注目した点を記録し、若手設計者と共有できる機能も有しています。認識エンジンの追加や再学習といった管理機能も優れています。
MIIDEL
MIIDELは書類や図面で変更があった場所を、AIで瞬時に検出できるソフトです。対象図面に歪みやレイアウト違いがある場合には、自動で補正したうえで、ユーザーが本当に知りたい差分のみを見分けられます。
製造図面の検図から設計図・施工図の比較、パッケージデザインの校正や文書チェックなど、さまざまな用途に活用が可能です。汎用性の高さから製造業や建設業をはじめ、各種メーカーや自治体など、多くの組織で利用が広がっています。Windows環境があれば、手軽に導入が可能です。
meviy Finder
meviy Finderは、図面に記載されているテキストや寸法・記号などの情報を、高度な図面認識AIが自動解析できるサービスです。手入力によるデータ登録作業が不要となり、現場の業務効率化を後押しします。さらに、AIが蓄積した情報をキーワード検索できるので、過去の図面を探す手間を大幅に削減可能です。
図面データの類似性を判断する機能も有しているので、図面探しの手間が軽減され、社員がスムーズに必要な図面を活用できます。
AI類似図面検索システムのおすすめ比較【見積りの作成や文書管理が可能】
次に、見積書の作成や文書管理も可能な、AI類似図面検索システムを紹介します。製造現場での見積書の作成を効率化したい企業や、組織全体の文書管理体制の刷新を図りたい企業などは、導入を検討してみるとよいでしょう。
匠フォース - 匠技研工業株式会社
匠フォースは、最速1週間以内で利用開始できる見積改善クラウドサービスです。類似図面検索やOCRに対応し、アップロードした図面から図面番号や材質、顧客名などの情報を解析し自動入力できます。
材料費や電気代などの変動を、マスタ情報の更新によりリアルタイムに反映できるほか、顧客ごとに異なる形式で見積書を出力したり、各社ごとに原価計算ロジックを設定したりが可能です。
図面バンク
図面バンクは、AI類似図面検索と図面自動解析機能により、現場の担当者が図面を探す時間を短縮するとともに、人件費の削減にも役立つクラウドシステムです。5〜40名の工場や製作所のために開発されたシステムであり、図面と関連資料を紐づけて保存できるのに加えて、3Dデータのプレビューにも対応しています。
システムに図面をアップロードするだけで、簡単に解析が可能で、AI類似検索により過去の類似データを素早く確認できます。保管できる図面の数は無制限で、昔の図面もすぐに検索・閲覧できるのも強みです。クラウドサービスのため外出先でもデータの確認が可能で、作業場で働いている社員も問題なく利用できます。
SellBOT
SellBOTは類似図面の検索をはじめ、差分の表示やテキストの抽出・解析が可能なサービスで、AIによる見積書の作成もできます。機械加工や表面処理加工などに対応しており、鉄やセラミック・ゴムなどの素材の取り扱いも可能です。
材質な形状・厚さ・幅などをOCR化された図面から選択し、AIが過去の類似実績から数秒で見積もりを行います。さらに表面処理や熱処理・高精度処理など、付帯加工の自動計算が可能です。さらに顧客ごとに、価格の差別化を自動でつけられるのも特徴です。見積もりから受注まで、システム上で一括管理できるので、営業効率と受注率アップにも寄与します。
Hi-PerBT 図面検索AI
Hi-PerBT 図面検索AIは、流用設計業務での図面検索の効率化を支援するシステムです。高度な図面管理機能加えAIを導入することで、作業者のリテラシーに依存しない、効率的な図面検索をサポートします。
過去の図面を検索して素早く見積書を作成できるほか、図面の流用により設計業務も簡略化できます。作業者が過去の図面を知らなくても、必要な情報をみずから得られるようになるため、製造現場の生産性が向上するでしょう。更新・類似図面の差分もわかりやすく表示されるので、指摘漏れによるトラブルの発生も防止できます。
無制限ライセンスにより、ユーザー数が増えても料金はそのままです。人数の増減に依存せずに使い続けられるのも魅力です。
AI類似図面検索システムを利用するメリット
AI類似図面検索システムを利用するメリットは、主に次のとおりです。
- 現場担当者の生産性が向上する
- 設計作業の効率がアップする
- 現場のペーパーレス化にも寄与する
現場担当者の生産性が向上する
AI類似図面検索システムにより類似図面を短時間で発見できるため、人間の手による検索の手間を削減し、作業効率が大幅にアップします。短縮した作業時間を、より重要な業務に割り当てれば、現場の生産性も大きく向上するでしょう。
また図面管理に関する機能を有するシステムも多く、図面データの一元管理も可能です。情報共有のスピードと精度が向上し、担当者同士が素早く必要なデータをやりとりできるようになります。
設計作業の効率がアップする
過去の図面や画像を活用しやすくなるので、設計作業が効率化するのも、AI類似図面検索システムを導入する大きなメリットです。
過去の設計書や図面を再利用しやすくなり、特定の部品がどの図面で使われているか調べられるシステムもあるため、一から設計作業を始める必要がなくなります。担当者の作業時間が大幅に短縮され、設計プロセスの最適化にもつながるでしょう。
現場のペーパーレス化にも寄与する
AI類似図面検索システムは、現場のペーパーレス化のきっかけにもなります。図面管理に加えて、文書管理が可能なシステムも多く、社内の紙の資料を削減し、必要なデータをシステム上で確認できる体制を構築できます。
上記のように、社内の情報共有のスピードが向上するのみならず、物理的な図面・文書の保管や、管理の手間を大きく軽減できるでしょう。紙の使用量が減ることで、印刷や保管に伴うコストも削減できます。
AI類似図面検索システムの注意点
AI類似図面検索システムは、現場に大きなメリットをもたらしますが、次の点には注意しなければいけません。デメリットを理解したうえで、どのように運用すべきか検討しましょう。
運用が定着するまで手間と時間を要する
システムの導入から運用が定着するまでに、手間と時間がかかります。特に、初めて本格的に図面の管理システムを導入する企業は、担当者が操作に慣れるまで、現場が混乱するケースは珍しくありません。
社内にITに詳しい社員がいない場合は、遅々として導入が進まない場合もあります。ベンダーの支援をうまく活用しながら、計画的に導入を進めることが大事です。システムの使い方をマニュアルにまとめたり、研修を開いて担当者に操作方法をレクチャーしたりして、スムーズに運用が定着するように取り計らいましょう。
図面の運用・保管方法には配慮が必要
AI類似図面検索システムを導入すれば、図面データのスムーズな検索・活用が可能になり、上記のようにペーパーレス化にも寄与します。ただし、データ化により情報漏えいのリスクもあるので、安全にシステムを運用できる体制づくりが欠かせません。
基本的なセキュリティ対策に加えて、外部とやりとりするデータは暗号化し、アクセス権限管理も徹底しましょう。安全にデータをやりとりできる環境を整えることが重要です。
AI類似図面検索システムで現場の生産性を向上しよう
AI類似図面検索システムを活用すれば、AIが類似図面を検索してくれるので、人間の手で過去の図面データを探す手間がなくなります。作業時間が大幅に短縮できるため、製造現場や開発現場の業務効率化と生産性の向上が可能です。
導入するシステムを選ぶ際には、次の項目を確認しましょう。自社の環境やニーズに合ったシステムを、慎重に選定することが大事です。
- 対応しているファイル形式は何か
- ほかのツールやシステムと連携できるか
- 十分な費用対効果が望めるか
- 必要に応じて機能を拡張できるか
- セキュリティに問題はないか
- サービスベンダーに十分なサポートを受けられるか
AI類似図面検索システムをより深く検討したい方は、各ベンダーのサービス資料を請求し、それぞれ比較・比較するとよいでしょう。