AIカメラのおすすめ製品比較9選!選び方のポイントや活用事例

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- AIカメラとは
- 従来のネットワークカメラとの違い
- AIカメラの種類
- エッジAIカメラ
- クラウドAIカメラ
- AIカメラでできること
- 物体検知
- 領域検知
- 個人識別
- AIカメラの選び方
- スペック
- 機能性
- 初期費用・運用コスト
- エッジAIカメラのおすすめ4選
- AIネットワークカメラ - パナソニックコネクト株式会社
- SiNGRAY I - キヤノンITソリューションズ株式会社
- エッジAIカメラ - 株式会社JVCケンウッド
- High Performance IoT AIカメラ M73 - 株式会社K.J.フェロー
- クラウドAIカメラのおすすめ5選
- OPTiM AI Camera - 株式会社オプティム
- ALSOK AIカメラシステム - 綜合警備保障株式会社
- AI flewence Lite
- TRINITY AI人検知システム - 株式会社トリニティー
- AMPER - AMPER株式会社
- AIカメラのメリット・デメリット
- メリット
- デメリット
- AIカメラの活用事例
- 株式会社ブリヂストン
- 株式会社大塚商会
- 愛知製鋼株式会社
- 目的を明確にしたうえで最適なAIカメラを選ぼう
AIカメラとは
AIカメラとは、映像を撮影すると同時に、AIによる分析や特定の処理を行えるカメラ製品を指します。ただ映像をカメラで記録できるだけでなく、対象物の自動検知やデータの自動解析を行えるのが特徴です。
AIカメラではAIが自動的に作業を行ってくれるため、検知や識別、分析といった作業の効率化につながります。近年ではAIカメラのメリットを活かし、防犯や顧客分析、勤怠管理などの領域で活用が進んでいます。
従来のネットワークカメラとの違い
AIカメラと従来のネットワークカメラの違いは、機能にあります。ネットワークカメラはインターネット接続をして映像を撮影することで、モバイル端末から映像を確認したり、インターネット上にデータを保存したりできます。一方で、AIカメラはインターネット接続機能に加えて対象物や領域の検知、顔の検知、パターン識別などの機能まで備えています。
AIカメラの方が機能が豊富なので、取得した映像データを効率良く活用するならAIカメラのほうが向いています。
AIカメラの種類
AIカメラには、「エッジAIカメラ」と「クラウドAIカメラ」の2種類があります。いずれもAI機能が搭載されている点は同じですが、細かい仕様や使い方が異なります。それぞれの違いを理解して適切なAIカメラを導入しましょう。
エッジAIカメラ
エッジAIカメラとは、端末本体(エッジ)でAIの処理を行うカメラ製品です。インターネットに未接続の状態でも、カメラ単体で映像の撮影からデータ解析までの処理を実行できます。そのため、リアルタイムでのデータ解析に向いています。
映像解析に必要な機能が端末本体に備わっているため、カメラ以外の機材を導入せずに済むのもメリットです。また、データをインターネット上にアップロードする必要がない分、サイバー攻撃に遭うリスクを抑えられます。
クラウドAIカメラ
クラウドAIカメラとは、カメラで撮影した映像をクラウド上にアップロードしてデータ解析するカメラ製品です。データ解析を行うには、カメラ以外にもインターネット環境やクラウド上の解析システム、セキュリティシステムなどが必要です。そのため、エッジAIカメラに比べて導入コストや運用コストが高額になりやすい傾向があります。
ただし、カメラのスペックに左右されずに高精度でデータを処理できるのが強みです。膨大な量のデータを1か所に集約したり、複数のデータをまとめて解析したりと、活用の幅も広がります。また、インターネットに接続した状態であれば、遠隔でデータ解析を行えるのも強みです。
AIカメラでできること
AIカメラを利用すると、主に次のようなことが可能になります。
- 物体検知
- 領域検知
- 個人識別
物体検知
AIカメラでは、映像を撮影する際に自動で物体を検知できます。映像のなかに含まれるオブジェクトが人なのか動物なのか、あるいは車や機械なのかなど、細かく識別できるのが強みです。物体検知の仕組みを活用すれば、商品の検品やセキュリティ監視、交通量調査などに展開できます。
領域検知
領域検知とは、映像内の特定の境界線やエリアを自動的に識別する手法です。ピクセル単位で領域を検知できるため、重要なエリアに人が侵入した際や、特定領域を不正利用した際などに早期発見につながります。領域検知の仕組みは、小売店におけるコーナー別の滞在時間分析や、工場内での危険箇所における事故防止などに活用されています。
個人識別
人間の顔や服装を読み取り、個人を自動識別できるのもAIカメラの特徴です。個人識別の仕組みは、入退室管理でよく利用されています。あらかじめ特定の人物の特徴を登録することで、未登録の人物が入室しようとした際にアラートが発動し、不正な入室を防ぐ仕組みです。

AIカメラの選び方
AIカメラを選ぶ際は、次のような基準を参考にするのがおすすめです。それぞれの比較基準について詳しく解説します。
- スペック
- 機能性
- 初期費用・運用コスト
スペック
AIカメラは製品ごとのスペックに大きな差があります。また、スペックにも画素数や解像度、認証速度などの種類があるため、複数の項目を細分化して製品ごとに比較することが重要です。AIカメラのスペック項目としては、次のようなものがあげられます。
- 画素数
- 画角
- 解像度
- センサーの読み取り精度
- 認証速度・認証距離
- 防水・防塵耐性
- 衝撃耐性
スペックを比較する際は、AIカメラの用途をイメージしたうえで、それぞれの要素に優先順位を付けると良いでしょう。たとえば、小さい物体を検知する機会が多いなら画質が重要な要素となり、屋外で利用する場合は強力な防塵耐性や衝撃耐性が求められます。
機能性
機能性もAIカメラを選ぶうえで重要な要素です。AIカメラの機能は、先ほど紹介した物体検知や領域検知、個人識別などの種類に分かれます。また、夜間でも正確にオブジェクトを検知できる赤外線機能や、肩や首、手首などの位置を特定できる骨格推定機能などを備えた製品もあります。複数の機能が搭載された製品もあれば、特定の機能に特化した製品も存在するため、用途に合わせて選び分けましょう。
多くの機能が搭載されたAIカメラほど操作性が複雑になりがちです。従業員によっては複雑な機能を使いこなせない、あるいは慣れるまでに時間がかかることもあるでしょう。目的や課題をもとに、本当に必要な機能のみに絞り込むことが重要です。
初期費用・運用コスト
AIカメラを導入する際は、カメラの購入費が必要です。なかには既存のカメラ製品をそのまま利用できるケースもあり、この場合は初期費用を最小限に抑えられます。カメラを新たに新調する必要があるのか、それとも既存の機器を活用できるのか、あるいは既存のものを買い替える必要があるのかといった点をよく検討しましょう。
運用コストとしては、機材のメンテナンスコストが発生します。また、クラウドAIカメラの場合、定期的なシステム利用料や通信費が生じます。導入コストだけでなく運用コストも念頭に、あらかじめ費用対効果を検証することが大切です。
エッジAIカメラのおすすめ4選
AIカメラのなかでも、エッジAIカメラのおすすめ製品を紹介します。それぞれの特徴を理解したうえで最適なAIカメラを選びましょう。
AIネットワークカメラ - パナソニックコネクト株式会社
AIネットワークカメラは、パナソニックコネクト株式会社が提供するカメラ製品です。AIによるデータ解析機能がカメラ本体に搭載されており、サーバーにかかる負担を最小限に抑えられるメリットがあります。
映像処理システムにはi-PRO社の製品が組み込まれています。同社のインテリジェントオート機能を活用することで、シャッタースピードや露光、ガンマ値が自動的に調整され、視認性を向上できるのが利点です。また、物体検知領域の圧縮率を最大限にまで高められることから、保存する映像データの容量を最大50%削減できます。
SiNGRAY I - キヤノンITソリューションズ株式会社
SiNGRAY Iは、キヤノンITソリューションズ株式会社が提供するエッジ型のAIカメラです。高精細な画像センサーと組み込み画像処理装置を搭載しており、目視では判別しにくいオブジェクトを正確に検知できます。そのため、外観検査用のAIカメラとして活用するのがおすすめです。
イメージセンサーには、ソニー製の5Mピクセルおよび8Mピクセルの部品を採用しています。業界トップクラスの画質を誇るため、極めて小さいオブジェクトにも対応が可能です。
エッジAIカメラ - 株式会社JVCケンウッド
エッジAIカメラは、株式会社JVCケンウッドが株式会社ビズライト・テクノロジーと共同開発したカメラ製品です。撮影した映像はカメラ本体でデータ解析が行われ、処理結果のみをクラウド上に送信します。クラウドAIカメラに比べて処理速度が速いため、不審者の侵入防止や危険区域への侵入予防など、迅速な対応が求められる現場に即しています。
アナログメーターや7セグメーターといった多様なメーター機器と連携できるのも特徴です。メーターで読み取った情報を取得して数値化が可能なので、検針業務にも活用できます。
High Performance IoT AIカメラ M73 - 株式会社K.J.フェロー
High Performance IoT AIカメラ M73は、株式会社K.J.フェローが提供するエッジAIカメラです。サーマルセンサーや赤外線投光器など、最大3つのモジュールを搭載できるため、解析精度や堅牢性に優れています。
画像解析技術にはコニカミノルタ株式会社のシステムが採用されています。同社のシステムは、画像解析に画像IoT技術が組み合わされているため、リアルタイムでの製品検査や品質チェックなど、クラウド上でのデータ活用をより促進できるのが利点です。
クラウドAIカメラのおすすめ5選
クラウドAIカメラにもさまざまな種類があります。なかでも、とくにおすすめの製品について特徴や導入メリットを解説します。
OPTiM AI Camera - 株式会社オプティム
OPTiM AI Cameraは、株式会社オプティムが提供するクラウド型のAIカメラです。オブジェクトとの距離に合わせて3種類の人物検出機能を切り替えられる特徴があります。混雑状況の可視化や物流現場でのヒヤリハット対策、顧客ニーズの測定など、さまざまなケースに対応できるのが強みです。
同サービスには2種類の料金プランがあります。なかでも上位プランには、アラート発報やマルチビューワー・モニタリング、混雑情報公開用のWebページ制作など、さまざまな機能が用意されています。AIカメラの豊富な機能を駆使したい方におすすめです。
ALSOK AIカメラシステム - 綜合警備保障株式会社
ALSOK AIカメラシステムは、綜合警備保障株式会社が提供するクラウドAIカメラです。人物検出に特化している分、高精度に特定の人物を検知できます。たとえば、かがみ歩きといった姿勢で検知したり、傘を差している状態でも体の一部から人物を特定したりできるのが特徴です。
録画した映像はクラウド上に最長3年間保存できます。クラウド上の映像はパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからリアルタイムに確認が可能です。また、RTSP対応のカメラであれば、既存の機器をそのまま利用できるため、導入コストの削減につながります。
AI flewence Lite - 株式会社バルテック
AI Flewence Liteは、株式会社バルテックITソリューションズが提供する、小売店向けのクラウドAIカメラです。同サービスは領域検知に強みを持っており、映像内における特定の位置を通過した人々の動線を追跡・分析できます。顧客や従業員の行動傾向を分析することで、マーケティングや販売、オペレーションの最適化が可能です。
分析できる項目としては、入店者数や入店率、滞在エリア、顧客属性などがあげられます。また、POSに蓄積されたデータと連携することで、来店率や購買率から潜在顧客を割り出せるのもメリットです。
TRINITY AI人検知システム - 株式会社トリニティー
TRINITY AI人検知システムは、株式会社トリニティーが提供するカメラ製品です。防犯カメラが侵入者を検出し、即座にスマートフォンへと通知を送信できる点に特徴があります。株式会社トリニティーはサービスの提供だけでなく、機器の販売や設置工事、保守点検にも対応しています。
通常の料金プランに加え、TRINITY AI Liteのプランを選択可能です。TRINITY AI Liteは導入コストを抑えたいユーザー向けのプランで、レンタルカメラを使ってサービスを利用します。外部機器と接続はできませんが、低価格で利用できるため、設置箇所が限定されている場合や、テスト環境で動作を確認したい場合に向いています。
AMPER - AMPER株式会社
AMPERは、AMPER株式会社が提供するクラウド型のAIカメラです。音声通話やクリップ動画通知、スマートロック連携など、安全性を高める幅広い機能が搭載されています。
具体的には、現場の状況をリアルタイムで確認しつつ、不審者の侵入といった脅威が発生しそうであれば即座に音声通話で連絡が可能です。その際、映像の一部を切り取ってモバイル端末に通知を送信できます。また、スマートロック連携を利用すると、オフィスや自宅に設置されたスマートロックを遠隔から施錠できるようになります。
AIカメラのメリット・デメリット
AIカメラはメリットとデメリットの両面を備えているため、現状の課題によって向き・不向きが異なります。メリットとデメリットを押さえたうえで、本当にAIカメラが必要かどうかを判断しましょう。
メリット
AIカメラを導入するメリットは次のとおりです。
- データ解析の効率性を高めて生産性を向上できる
- 24時間365日稼働できるため、継続的にデータを収集しやすい
- 蓄積されたデータを効率良く活用して売上や利益、顧客満足度を高められる
- 現場での事故や不審者の侵入、機器の故障・不正利用などのリスクを抑えられる
AIカメラと一概にいっても、その活用手段はさまざまです。たとえば、小売業では顧客の属性や行動傾向を分析して、品揃えやレイアウト、オペレーションを最適化できるため顧客満足度の向上に寄与します。ほかにも、製造業では手荷物検査や工程のモニタリングなどに活用でき、安全管理の強化や業務プロセスの効率化に貢献が可能です。
本来なら人の手を介して行っていた解析業務も、AIであれば時間を気にせず作業できます。最小限の人員で効率良くデータ解析を行えるのは、AIカメラならではのメリットといえるでしょう。
デメリット
AIカメラを導入することで生まれるデメリットは次のとおりです。
- カメラの購入費やシステムの維持費などでコスト増につながりやすい
- AI技術を正しく運用するための人材やノウハウが必要
- サイバー攻撃をはじめとする新たなセキュリティリスクが生じる可能性がある
- 目的や課題に沿った最適なAIカメラを比較・検討するのに時間や手間がかかる
一般的なカメラ製品に比べてAIカメラは、AI技術やデータ活用に関する高度な知識・技術が求められます。状況によっては専門人材の採用や教育を検討しなければならないため、採用コストや教育コストが発生しやすい点に注意が必要です。
また、インターネット接続下でデータ解析を行う機会が多いAIカメラだからこそ、外部からの攻撃や不正アクセス、マルウェア感染などのリスクにさらされます。そのため、ベンダーと協力して堅牢なセキュリティ対策を講じる必要があります。
AIカメラの活用事例
AIカメラを導入する際は、他社の事例を参考にすることが大切です。自社の課題や目的に近い事例を参考にすることで、具体的な活用方法をイメージしやすくなります。
株式会社ブリヂストン
株式会社ブリヂストンは、作業現場の危険エリア付近で作業する従業員の安全性を確保したり、無人設備を効率良くモニタリングしたりする課題を抱えていました。大規模な製造工場を運営しているだけあり、管理者の目が行き届かない箇所が多いためです。
そこで、全方位での物体検出が可能なAIカメラを作業現場内に配置しました。全方位に対応するAIカメラを導入したことで、工場内の死角が少なくなり、より広い範囲のモニタリングが可能に。撮影した映像は事務所内の大型ディスプレイからリアルタイムで確認できるため、現場まで確認に出向く必要がなく、効率性が大幅に向上しています。
出典:Panasonic CONNECT 事例「人と無人搬送車を識別するAI動体検知で危険エリアへの侵入を見守り。確かな品質の維持やスムーズな生産管理へも貢献。」(2025年1月23日閲覧)
株式会社大塚商会
株式会社大塚商会は、毎年2月に開催している実践ソリューションフェアでAIカメラを活用しています。AIカメラを導入した理由は顧客接点を強化するためです。同社はイベント中に商談を開いており、その混雑状況をAIカメラを使ってリアルタイムに可視化しています。
また、商談コーナーの混雑状況を大型モニターに表示させ、来場者にAIカメラの価値を訴求しているのもポイントです。結果として来場者の行動傾向を分析できるだけでなく、イベントの目玉商品として訴求もできるため、相乗効果が生まれています。
出典:OPTiM AI Camera 導入事例「大塚商会の大規模イベントで『OPTiM AI Camera』が活躍!ラーメン店や自転車店からも熱視線」(2025年1月23日閲覧)
愛知製鋼株式会社
愛知製鋼株式会社は、従業員向けの平面駐車場を立体駐車場に改修するに伴い、AIカメラを導入しました。駐車場が平面から立体になると監視カメラの死角が増え、不審者の侵入や不正利用といったセキュリティリスクが生じかねません。そこで、全方位のマルチセンサーカメラを使って常時監視を実行しています。
また、AIカメラとナンバー認識システムを連携したのもポイントです。あらかじめ登録された車の登録番号と、入退出した車の登録番号を自動的に照合し、登録されていない車の入退出があれば守衛室のパトランプが発動します。不審車両に対して迅速に対応できるのがメリットです。
出典:Panasonic CONNECT 事例「新立体駐車場のセキュリティを強化し、従業員が安心して働ける職場づくりに貢献。」(2025年1月23日閲覧)
目的を明確にしたうえで最適なAIカメラを選ぼう
AIカメラは、映像の撮影と同時にデータ解析を行える点から、ビジネスのさまざまなシーンで活用が進んでいます。製品の検品や不審者の侵入防止、顧客に対する定点観測など、方法次第で幅広い活用が可能です。
ただし、AIカメラにはさまざまな種類があり、それぞれ価格や機能、用途が異なります。そのため、まずは現状の課題を洗い出し、それに合わせて明確な目的を設定することが大切です。本記事で紹介した選び方のポイントやおすすめ製品を参考に、最適なAIカメラを探してみてください。