企業データベースとは?
企業データベースとは、事業内容や業績だけでなく関連会社や特許など、企業のさまざまな情報を掲載したデータベースの総称です。掲載されている情報は任意の条件で検索が可能で、リストアップもできるため、主に営業先リストの作成に活用されています。
近年では、取引先の信用調査やリスク調査などに利用する企業も珍しくありません。
企業データベースに収録されている情報
企業データベースには、次のような情報が収録されています。
- 企業の基本情報(企業名/住所/電話番号/業種/資本金/従業員数など)
- 企業の財務情報(売上高/利益/資産/負債など)
- 企業のニュース(新商品・サービス/M&A/事業提携/人事異動など)
- 企業の特許情報(出願中の特許/登録済み特許など)
- 企業の取引先情報(主要取引先/仕入先/販売先など)
収録されている情報は企業データベースによって異なりますが、一般的には上記のような情報が含まれています。これらの情報を活用することで、企業の規模や業績、事業内容などを詳しく調査可能です。
企業データベースの主な活用シーン
企業データベースは、次のようなビジネスシーンで活用されています。
営業活動での新規開拓先の探索や、営業リストの作成
企業データベースを活用することで、自社の製品・サービスに合致する見込み客を効率的に探し出せます。業種や規模、地域などの条件で絞り込んで営業リストを作成することで、営業活動における生産性の大幅な向上が可能です。
マーケティングにおける市場調査や競合分析
企業データベースには、各企業の事業内容や財務情報などが収録されているため、市場調査や競合分析に役立ちます。自社の強みや弱みを把握し、競合他社との差別化ポイントを明確にすることで、効果的なマーケティング戦略を立案できます。
与信管理での取引先の信用力チェックやリスク評価
企業データベースを活用することで、取引先の信用力チェックによる、取引リスクの評価も可能です。信用調査会社が提供するデータベースには、企業の信用格付けや財務状況などの情報が含まれており、与信管理業務に役立ちます。
人事・採用における応募者の勤務先情報の確認
応募者の経歴を確認する際、企業データベースを活用することで応募者の勤務先情報を詳しく知れます。応募者の業務内容や企業規模などを把握することで、適切な人材評価や採用判断が可能です。
経営戦略立案での業界動向の把握や自社のポジショニング分析
企業データベースには、業界動向や各企業の事業戦略などの情報も収録されています。これらの情報を分析することで、自社の強みを生かした事業戦略立案と競争優位性を確立可能です。
企業データベースの選び方
企業データベースを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- 企業データベースの導入目的を確認する
- 企業データベースの機能を確認する
- 企業データベースを導入する際の注意点を確認する
- 企業データベースの料金・価格相場を確認する
企業データベースの導入目的を確認する
企業データベースの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
| 導入目的 | 詳細 |
|---|---|
| 営業リストを効率的に作成したい | 企業情報の検索・絞り込み機能に特化した企業データベースがおすすめ |
| 市場調査や競合分析をしたい | 業界レポートや企業の財務情報に特化した企業データベースがおすすめ |
| 取引先のリスク管理をしたい | 与信情報や反社情報のチェック機能に特化した企業データベースがおすすめ |
| 営業活動の効率化を図りたい | 営業支援機能や他システム連携に特化した企業データベースがおすすめ |
| グローバル展開を視野に入れたい | 海外企業の情報にも強い、多言語対応の企業データベースがおすすめ |
企業データベースの機能を確認する
企業データベースでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 検索機能 | 企業名や業種、地域などの条件で目的の企業を素早く検索できる |
| リスト作成・抽出機能 | 検索結果から必要な企業情報をリストとしてダウンロードできる |
| 取引先管理機能 | 取引先企業の情報を一元管理し、変更履歴などを追跡できる |
| 企業情報の閲覧 | 企業の基本情報、財務情報、ニュースなどを網羅的に閲覧できる |
| レポート機能 | 業界動向や市場調査に役立つレポートの作成・閲覧ができる |
| APIやデータ連携 | 自社システムとのデータ連携により、情報活用の幅が広がる |
| アラート機能 | 特定企業の重要な変更点を自動で通知してくれる |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 与信管理機能 | 取引先の信用力を評価し、与信限度額の設定や評価などに役立つ |
| コンプライアンスチェック | 反社会的勢力のチェックのような、コンプライアンス対策に役立つ |
| 営業支援機能 | コールドコールのリスト作成のような、営業活動を支援する機能 |
| 人事・採用データ | 応募者の勤務先情報を確認するといった、採用業務での企業調査に役立つ |
| 業界特化データベース | 金融/製造/IT/医療/食品など、特定業界に特化した企業情報がある |
企業データベースを導入する際の注意点を確認する
企業データベースを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
| 確認事項 | 詳細 |
|---|---|
| 検索できる項目 | 必要な条件で検索できる項目が揃っているか |
| データベースへの登録量 | 網羅したい業界や地域の企業がどの程度登録されているか |
| アップデートの頻度 | 情報の鮮度を保つために、どのくらいの頻度で更新されるか |
| 操作性や検索性 | 直感的に使える画面で、目的の情報に素早くたどり着けるか |
| 他のシステムとの連携性 | SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)、あるいは MA(マーケティングオートメーション) など、他システムとつなげられるか |
| 与信チェックや反社に関する調査が可能か | リスク管理の観点から必要な機能が備わっているか |
| 多言語対応 | 社内に外国人従業員がいる場合やグローバル企業の場合は多言語対応が重要 |
| 導入形態 | クラウド型かオンプレミス型か、自社に適した導入形態を選べるか |
| サポート体制 | 導入時の支援体制や、利用開始後のユーザーサポートの質が高いか |
| アプリ対応 | 外出先からもスマートフォンやタブレットで利用できるか |
導入前にしっかりと比較検討し、自社の目的に合った企業データベースを選ぶことが重要です。
企業データベースの料金・価格相場を確認する
企業データベースの料金は、月額従量課金タイプか月額固定費用タイプで異なります。
月額従量課金タイプの場合、データの件数によって料金が変動します。一方月額固定費用タイプの場合、データのダウンロードが無制限のプランや、一定数までダウンロード無制限で、上限を超えた分は従量課金に移行するプランなどさまざまです。
企業データベースを導入するメリット
企業データベースを利用するメリットとして挙げられるのは、主に次のとおりです。
情報収集にかかる時間と手間を削減できる
企業データベースでは、任意の条件で必要な情報を得られます。オンライン上でリスト化できるサービスが多く、質の高い企業情報を活用できるようになります。
情報収集にかかる時間と手間を削減できるのは、営業担当者やマーケティング担当者にとって大きなメリットです。良質な情報をすぐに活用できる体制にしておけば、一人ひとりの営業担当者の行動も最適化されるので、組織全体のパフォーマンスの向上にもつながります。
営業にかかるコストを抑えられる
企業データベースの導入・利用には、原則として費用がかかるものの、長い目で見れば営業・マーケティングにかかるコストを抑えられます。
最新の情報をもとに営業リストを作成し、確度の高い相手に集中してアプローチすれば、そうでない場合に比べて成約率の向上も可能です。データベースにかける費用を考慮しても、成約に至るまでの営業コストを抑えられます。
営業リストの作成を効率化できる
任意の条件でデータベースから情報を抽出することで、自社にあった営業リストを効率的に作成できます。クラウドサービスの場合は、オンラインでスムーズに営業リストの作成ができるので、直接営業担当者が活用したり、社内のデータベースと組み合わせたりして、有効な営業戦略の構築が可能です。
リストの共有もしやすいので、営業・マーケティングの両部門が必要なタイミングで活用する環境を構築できます。社内で独自の営業リストを活用している企業は、新たに外部のデータベースと組み合わせれば、最新の情報を反映した有効なリストにアップデート可能です。
企業の信用力やリスクを評価できる
信用調査会社が提供する企業データベースを活用することで、取引先の信用力やリスクを評価できます。これらのデータベースには、企業の財務情報や信用格付けなどが収録されているため、取引先の与信管理に役立ちます。また、企業の信用力を定期的にモニタリングすることで、取引リスクを早期に発見し、適切な対策も可能です。
経営戦略の立案に役立つ
企業データベースは、経営戦略の立案にも活用可能です。企業データベースには、業界動向や競合他社の情報が収録されているため、自社の強みや弱みを分析し、競争優位性を確立するための戦略を立案できます。また、企業データベースから得られる情報をもとに、新規事業の可能性を探ることも実現します。
人材採用の質を高められる
企業データベースは、人材採用の場面でも活用可能です。応募者の経歴を確認する際、企業データベースを利用して、応募者の勤務先情報を詳しく調べられます。応募者の業務内容や企業規模などを把握することで、応募者の実務経験やスキルセットをより正確に評価できます。これにより、自社に適した人材の採用につなげられ、採用の質の向上も可能です。
ビッグデータ分析による新たな価値創出
企業データベースに蓄積された膨大なデータは、ビッグデータ分析の対象としても価値があります。
たとえば企業情報と自社の販売データを組み合わせることで、新たな市場トレンドや顧客ニーズを発見できる可能性があります。また、機械学習やAIを活用したデータ分析により、企業の成長性や与信リスクの予測など、より高度な分析も可能です。
企業データベースを活用したビッグデータ分析は、新たなビジネスチャンスの創出につながります。
企業データベースの活用で効果的なリスト作成を
企業データベースは、情報収集の効率化や営業コスト削減、与信管理の強化やグローバル展開の支援といったメリットがあり、営業・マーケティング活動を積極的に行っている企業や新規事業の立ち上げ、市場調査を行う企業、与信管理の強化や人材採用の質を高めたい企業などにおすすめのサービスです。選定の際は次のポイントに注意して選ぶのをおすすめします。
- 企業データベースの導入目的を確認する
- 企業データベースの機能を確認する
- 企業データベースを導入する際の注意点を確認する
- 企業データベースの料金・価格相場を確認する
企業データベースのサービスをより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較しましょう。
ただし、良質なデータベースを利用できたとしても、社内でうまく活用できる体制でなければ意味がありません。誰がデータを活用するのか、どのように共有するかなど、データベースを生かして効果的に営業・マーケティングできる環境を整えることが重要です。必要なタイミングで必要な情報をすぐに活用できる体制にしておきましょう。
