SAP S/4HANA Cloudとは、大企業向けに展開されているSAPのERPです。SAP ERPやSAP R/3の後継としてのポジションを担っている本サービスは、SAP HANA インメモリーデータベースによるスピード改善、クラウドとオンプレミスという導入形態における選択肢などが特徴。クラウドはSAP S/4HANA Cloud、オンプレミスはSAP S/4HANAと棲み分けがなされているので、要件を調べる際には気をつけましょう。
SAP S/4HANA Cloudの代表的な機能は次のとおりです。なお、人事に関連した機能が必要な場合は、SAP SuccessFactorsにて補うのをおすすめします。
・財務会計および管理会計
・資産管理
・仕入管理
・購買管理
・プロジェクト管理
・CRM
・BI(ビジネスインテリジェンス)
以下では、SAP S/4HANAおよびSAP S/4HANA Cloudと類似したサービスについて、違いを紹介していきます。なおこの文脈においては、類似したSAP S/4HANAとSAP S/4HANA Cloudをひとくくりにして比較します。
【SAP S/4HANAとSAP HANAの違い】
SAP S/4HANAとSAP HANAは、サービスとサービスを支えるデータベースという関係にあります。SAP HANAはインメモリデータベースである点が特徴で、従来のデータベースより処理を高速で実行可能です。SAP S/4HANAは、SAP HANAをベースに構築されているため、スピーディーにデータ処理が行われます。つまり、SAP S/4HANAとSAP HANAの違いは、ERP自体とそのERPのベースになっている技術だといえます。
【SAP S/4HANAとSAP ERP, SAP R/3の違い】
SAP S/4HANAとSAP ERP, SAP R/3の違いは、開発された時代にあります。SAP S/4HANAはSAP ERPをもとに、SAP ERPはSAP R/3をもとに制作。よって、これら3サービスのなかで最新のバージョンがSAP S/4HANAだといえます。そのため、導入を検討するのであればSAP S/4HANAをチェックしましょう。
【SAP S/4HANAとSAP Business Suiteの違い】
SAP S/4HANAとSAP Business Suiteの違いは、利用する企業の対象です。SAP S/4HANAは大企業に、SAP Business Suiteは中小企業に使われることを想定しています。また、両者の中間にはSAP Business ByDesignというサービスも存在。SAPのERPを導入したいのであれば、これら3サービスを比較するのがおすすめです。