MAのデータを毎日の商談につなげる 判断を更新し続ける“継続解析型”営業向けAIエージェント「LisCore」

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MAのデータを毎日の商談につなげる 判断を更新し続ける“継続解析型”営業向けAIエージェント「LisCore」

MAを導入している企業の担当者134名のうち、商談・売上に貢献できていると答えたのは約3割※。株式会社 Sells upが2026年9月にBtoB企業でマーケティング・営業に関わる480名を対象に行った調査の結果です。見込み客の行動データは日々溜まっていくのに、多くの企業ではその使い道がメール配信にとどまっています。

そのデータを毎日の営業アクションに変えるのが、同社の営業向けAIエージェント「LisCore(リスコア)」です。2026年11月2日にβ版の提供を開始し、2027年10月頃の正式版リリースを予定しています。AIが行動データを毎日解析し、「今日この人に何を届けるべきか」という提案とメールの文面までを自動で用意します。

今回は、同社代表取締役の武田 大氏に、サービスの特徴や他社との違い、成果を出すための運用のポイント、今後の展開まで詳しくお話をうかがいました。

※出典:LisCore「BtoB企業のMA活用実態調査(第0回)」調査主体:株式会社Sells up/調査ツール:Surveroid(2026年10月29日閲覧)

株式会社sellsup 代表取締役 武田 大氏

<お話をうかがった方>
株式会社 Sells up
代表取締役
武田 大氏

MAのデータから毎日トスアップを届ける 「一対一の営業」をAIで取り戻す

LisCore利用イメージ

――まずは、LisCoreがどのようなサービスなのか教えてください。

武田氏: LisCore(リスコア)は、HubSpotと連携して動く、BtoB営業向けのAIエージェントです。カテゴリとしては営業向けAIエージェント、インサイドセールス支援ツールにあたります。

MAには、見込み客が「どのページを見たか」「どのメールを開いたか」といった行動データが毎日溜まっていきます。

LisCoreはそのデータをAIが毎日解析し、「今日はこの人に、この内容を届けるべき」という提案と、送るメールの文面までを自動で用意します。営業担当者は、内容を確認して承認するだけで済みます。

――データはあるのに活かしきれていないというのは、多くの企業が抱えていそうな悩みですね。開発の背景にはどのような課題があったのでしょうか。

武田氏: 私はBtoBマーケティングの支援で100社以上に関わってきました。その中で繰り返し聞いてきたのが、「MAは入れたが、メール配信以上のことができていない」「どのリードに営業が動くべきか、誰も判断していない」という声です。

典型的なのは、MAのKPIは商談創出数なのに打てる手がメール配信しかなく、配信を続けても商談が増えない状態です。外注している運用費を商談数で説明できない、データは溜まっているのに施策に変える方法がわからない、支援会社に頼っても成果が頭打ちで社内に判断する力が育たない、といった状態もよく見られます。

当社の調査では、MA導入企業のつまずきの上位は「社内にノウハウがない」「営業との連携が取れていない」「費用対効果が見えない」でした。

――現場で繰り返し聞いてこられた声が出発点なのですね。

武田氏: はい。そうした声に応えながら、LisCoreで実現したいのは、インターネットが効率化と引き換えに失わせた「一対一で相手を見て動く営業」を、AIで取り戻すことです。

一斉配信で反応を待つのではなく、一人ひとりに対して「今日この人に何を届けるか」を毎日判断する。その判断を人の手で毎日続けるのは難しいので、仕組み化しました。

判断を更新し続ける「継続」が最大の違い 特許3件と判断根拠の記録で真似されにくい仕組みに

――一斉配信ではなく一人ひとりに向き合う、という考え方にはとても共感します。他のサービスと比べて、最も大きな違いはどこにありますか。

武田氏: 「継続」です。多くのスコアリングやレポートは、ある時点のデータを切り取って判断を出す仕組みで、基準は一度決めたら固定されます。

LisCoreは、データが更新されるたびに判断を見直し、毎日新しいトスアップ(有望な見込み客を営業に引き渡すこと)を生成します。営業に渡した後の結果も取り込んで次の判断に反映するので、使うほど自社のデータに合った判断になっていきます。

先ほどの調査では、MAが商談・売上に貢献している企業とそうでない企業で、営業への通知機能を運用しているかどうかには差がありませんでした。差が出たのは営業との連携や成果の測定、つまり判断を更新し続ける運用の有無です。LisCoreはその「更新し続ける」部分を仕組みにしています。

――通知機能の有無ではなく運用で差がつくというのは興味深い結果です。技術や設計の面で、他社が真似しにくい部分はありますか。

武田氏: 見込み客の行動データの解析に基づく営業アクション(メール文面・架電トーク)の自動生成、および商談情報の解析について、特許を3件取得しています。

また、設計思想として、AIに「なぜその判断をしたか」を必ず残させています。スコアの内訳や判断の根拠を後から遡れるようデータとして保存しており、提案を鵜呑みにせず確かめられる構造です。生成AIに丸ごと任せて答えだけを出す作り方とは根本的に違い、後から真似するのが難しい部分だと考えています。

毎朝届くメールを承認するだけ 代表自らが30日間、最初の商談獲得まで伴走

――判断の根拠を後から確かめられるのは安心ですね。実際に使う営業担当者にとっては、どのような体験になるのでしょうか。

武田氏: 意識しているのは、営業担当者が判断しなくて済むことです。毎朝、今日動くべき相手と文面が揃った状態でメールが届き、承認するだけで送れるようにしています。

管理画面に張り付く必要はありません。人が判断していた「誰に・何を」をAIが提案するので、営業は承認と会話に集中できます。

――営業は承認と会話に集中すればいい、というのは現場にとって大きな変化ですね。ですが便利そうだとは感じつつも、導入には二の足を踏む企業もありそうです。どんな点がハードルになりやすいのでしょうか。

武田氏: 最大のハードルは「AIの提案を信じられるか」という心理面です。そのため提案には必ず理由を添えて画面で示し、数字は点ではなく幅で見せ、送るかどうかは人が決める設計にしています。

もう一つは、最初の1ヶ月で成果が出るのかという不安です。初年度契約は初月を初期設定・データ読み込みの準備期間として無償にし、導入後30日間は私自身がオンボーディングに入って、HubSpot接続から最初のトスアップ、商談獲得までを一緒に進めます。最初の1件が取れるかどうかが、その後使い続けられるかを決めると考えているからです。

――代表ご自身が最初の1件まで一緒に走ってくれるのは心強いですね。サービスそのものは、どのような体制でつくられているのでしょうか。

武田氏: 自社開発です。代表である私がBtoBマーケティング支援とMA導入支援の実務出身なので、要件を机上ではなく運用の実感で決めています。

セキュリティ面では、データは国内(AWS東京リージョン)に保管し、テナントごとに論理的に分離、通信・保存データともに暗号化しています。利用規約・プライバシーポリシーは法律事務所の監修のもとで整備しました。サポートはメールで対応し、β期間中は私が直接やり取りします。

HubSpotを1年以上運用する企業ほど成果が出やすい 差を生むのは営業が動き結果を記録する運用

――導入後は、どのくらいの効果が期待できるのでしょうか。

武田氏: 効果の大きさは企業のデータの厚みや営業体制によって幅があるため、具体的な数値は導入後に各社で計測していただく形にしています。この点は正直にお伝えしています。

――数字を盛らずに伝える姿勢は、検討する側にとっても信頼できます。では、成果が出やすいのはどのような企業ですか。

武田氏: HubSpot Marketing Hub Professional以上を1年以上運用し、リードが数百件以上蓄積されている企業です。データが厚いほど判断の精度が上がります。従業員50〜300名規模のBtoB企業を主な対象としています。

――データが蓄積されているほど精度が上がるのは、運用を続けてきた企業にとって嬉しいポイントですね。導入後、企業側で意識しておくべきことはありますか。

武田氏: 二つあります。一つは、トスアップを受けて営業が実際に動くことです。AIが提案しても、営業が追わなければ結果は戻ってきません。提案を放置せず承認・送信する運用が回るかどうかが、仕組みより効きます。

もう一つは、営業の対応結果をHubSpotに記録する習慣です。商談になったか、ならなかったかが戻ってくることで、次の判断が良くなります。調査でも、成果が出ている企業の約8割はマーケと営業がスムーズに連携できていると答えています。

β版は10社限定で提供開始 「営業の手が動くか」を基準に企業単位の提案まで広げる

――今後の展開についてもお聞かせください。まずはどのような形で提供を始めるのでしょうか。

武田氏: 2026年11月2日にβ版の提供を開始します。β版は10社限定にしています。一社ごとの運用を私が直接見て、どこで提案が使われ、どこで止まるかを確認しながら改善するためです。数を追うより、最初の10社で深く学ぶことを優先しています。

提供開始前のため公開できる事例はまだありませんが、β企業の取り組みは順次事例として公開していく予定です。

――数よりも一社ごとの深さを優先されているのですね。機能開発の優先順位は、どのように決めているのでしょうか。

武田氏: 「それは営業の手が動くか」を判断基準にしています。私自身、営業・マーケティング・カスタマーサクセスを一人で回していた時期があり、マーケが集めたリードから受注が生まれないときは自分でアポを取って営業していました。

その経験から、分析画面を充実させるよりも、毎日のトスアップの質に直結する提案の精度と、営業が動きやすい形を優先しています。見栄えのいい機能より、営業が承認ボタンを押したくなる提案を出せるかが基準です。

――ご自身でアポを取って営業されていた経験が、そのまま開発の基準になっているのですね。今後1〜2年では、どのような領域に力を入れていきますか。

武田氏: 直近では、HubSpotへの書き戻しの精度と、承認フローの使いやすさに力を入れています。

2027年10月頃には正式版を予定しており、HubSpot App Marketplaceへの掲載や、Account EngagementやMarketoなど他のMAへの対応を進めます。あわせて、データの扱いは事前に同意を得たうえで、複数の企業のデータを横断して、自社の商談転換率が同じ業種・規模の中でどの位置にあるかを見られる業界ベンチマーク機能も提供する予定です。

さらにその先では、個人単位の判断に加えて、同じ企業の複数人が同時に動き出す「企業単位の購買兆候」を捉え、アカウント単位の営業アクションを提案する領域に広げていきます。

――個人だけでなく企業単位で購買の兆しを捉えられるようになれば、営業の打ち手がさらに広がりそうです。市場や技術の変化はどのように見ていますか。

武田氏: 生成AIの普及で、分析自体はどんどん安くなります。差がつくのは、毎日動き続ける仕組みと、自社データの蓄積です。

当社の調査では、生成AIをマーケ・営業で「活用して効果が出ている」と答えた企業はまだ1割強でした※。MAを入れた企業がそのデータを活かせるかどうかで、営業成果の差はこれから広がっていくと見ています。

目指しているのは、営業担当者が朝メールを開くと、その日動くべき相手と文面が揃っている状態を、すべてのBtoB企業で当たり前にすることです。

※出典:LisCore「BtoB企業のMA活用実態調査(第0回)」調査主体:株式会社Sells up/調査ツール:Surveroid(2026年10月29日閲覧)

――最後に、導入を検討している企業の皆さまへメッセージをお願いします。

武田氏: MAを入れたのに商談が増えていないなら、それはツールの問題ではなく、データの活かし方の問題です。HubSpotを運用していてリードは溜まっているのに営業が動けていない企業、支援会社に頼らず社内で判断が回る仕組みを作りたい企業、MAの外注費を商談数で説明できずにいる企業に、ぜひ使っていただきたいです。

β版の募集は2027年3月末までです。実際の自社のHubSpotデータでトスアップを受け取れるので、まずは「今日この人に」という提案が自社のデータからどう出てくるかを見ていただきたいです。

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