DX/ITコンサルティングサービスとは
DX/ITコンサルティングサービスとは、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）やIT活用を支援するサービスです。経営者が抱える「デジタル化をどう進めれば良いのかわからない」「IT投資の効果が見えない」といった悩みを解決する伴走者の役割を果たします。
DX/ITコンサルティングサービスでは、企業の状況や目標に応じた最適なデジタル戦略の策定から、システム導入、実行支援、さらには組織変革までをトータルでサポートします。
DXとITの違い
DXとIT化には違いがあります。IT化が既存業務の効率化を目指すのに対し、DX化はデジタル技術を活用して事業モデルそのものを変革し、新たな価値を生み出す取り組みです。たとえば、紙の請求書をPDFにするのはIT化ですが、受発注システムを刷新して取引先との関係性まで変えるのはDXといえます。
DX/ITコンサルティングサービスの支援内容
DX/ITコンサルティングサービスでは、サービスや会社によってさまざまな支援を提供しています。例として次のようなものがあります。
| 支援内容 | 詳細 |
|---|---|
| DX戦略策定・ロードマップ作成 | 経営課題の分析から始まり、IT化・DX推進の目的を明確化。数か月〜数年単位の段階的なロードマップを策定し、投資効果が最大化する優先順位を決定する。KPIの設定や将来的なビジョン構築も含む |
| 業務プロセス改善 | 現状の業務フローを可視化・分析し、無駄や非効率を特定。ツールやワークフロー見直しを通じて、業務プロセスを抜本的に改革する |
| ITシステム選定・導入 | 企業の課題に最適なITシステムを比較・選定し、導入をサポート。導入後の定着化まで一貫して支援する場合もある |
| データ活用・分析基盤の構築 | 散在する社内データを統合・整理し、経営判断や業務改善に活用できる基盤を構築する |
| セキュリティ対策 | セキュリティリスクの評価と対策を実施。セキュリティポリシーの策定、ぜい弱性診断、インシデント対応計画の立案、従業員教育などのセキュリティ体制を構築する |
| デジタル人材育成・組織文化改革 | デジタルリテラシー向上のための研修プログラム開発や、変化を受け入れる企業文化の醸成、デジタル人材の採用戦略の立案などを行う |
これらの支援内容は、各社がクライアントの状況やニーズに応じて、柔軟に組み合わせて提供しています。
DX/ITコンサルティングサービスを利用するメリット
DX/ITコンサルティングサービスを利用することで、自社の状況に即した最適なアプローチを見つけ出して、成果へとつなげられます。具体的なメリットについて詳しく解説します。
業務効率化とコスト削減の実現
DX/ITコンサルティングサービスを活用することで、業務効率化とコスト削減を期待できます。専門家の視点で業務プロセスを分析することで、自社では気づかなかった非効率な部分や、改善ポイントが明らかになります。
たとえば、紙ベースの業務をデジタル化するだけでも、年間数百時間の作業時間削減が実現することもあります。手作業による入力ミスの削減や、情報共有の円滑化によって、業務品質の向上も同時に達成できるでしょう。
競争力強化と新規ビジネス機会の創出
DX/ITコンサルティングを活用するメリットとして、競争力強化と新たなビジネスチャンスの創出があります。デジタル技術の活用は、顧客体験の向上や新たな価値提供につながります。
たとえば、顧客データを分析してニーズを的確に把握することで、効果的なマーケティング戦略を立案できるようになります。また、オンラインプラットフォームやECサイトの構築により、市場拡大を狙えるかもしれません。
デジタル技術を活用すれば効率化に留まらず、こうした企業成長も期待できます。
専門知識と成功事例の知見を得られる
DX/ITコンサルティングサービスの大きなメリットとして、外部の専門知識と他者の成功事例を自社に取り込めることが挙げられます。最新のテクノロジーや業界動向に精通した人材を社内に抱えることが難しい場合が多く、この点でコンサルタントの支援に価値があります。
コンサルタントは複数の企業でのプロジェクト経験をもち、「何が成功し、何が失敗するのか」を実践的に知っています。この知見を活かして、自社に最適なアプローチを提案してくれるため、一から試行錯誤する時間と労力を節約できます。
また、プロジェクト進行中もコンサルタントから最新の技術動向や市場情報を得られるため、自社の知識やスキルが向上します。さらに、プロジェクトに参加する社員がコンサルタントから学ぶことで、社内にDXを推進できる人材が育成されるといった副次効果も期待できるでしょう。
DX/ITコンサルティングサービスの選び方
自社に最適なパートナーを選ぶことは、DX推進の成否を左右する重要なポイントです。サービスを選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
自社の課題・目的を明確にする
DX/ITコンサルティングサービスを選ぶ前に、まず自社が抱える課題と目指す目的を明確にすることが重要です。「なぜDXに取り組むのか」「何の課題を解決したいのか」の問いに対する答えを社内で共有することで、パートナー選びの基準ができます。
具体的には、「業務効率化が目的なのか」「新規事業創出を目指すのか」「顧客体験の向上が課題なのか」といった点を整理しましょう。また、「短期的な成果を求めるのか」「中長期的な変革を目指すのか」の時間軸の視点も重要です。
自社の課題を洗い出すには、次のような点に注目するとよいでしょう。
- 現在の業務で時間がかかっている作業
- 従業員や顧客からのよくある不満や要望
- 競合他社と比べて遅れている分野
- 今後の事業展開において障壁となりそうな点
これらの問いに答えていくことで、自社にとって優先度の高い課題が見えてきます。その上で、「その課題をDX/IT化で解決できるか」「どのような支援が必要か」を整理しておきましょう。明確な課題意識をもって依頼することで、より適切な提案を受けられます。
同業界・同規模の支援実績を確認する
自社の業界や企業規模と近い企業への支援実績をもつコンサルティングサービスを選ぶことが重要です。なぜなら、業界や企業規模によって求められるデジタル化の方向性や課題は異なるからです。
たとえば、製造業では生産工程の効率化やIoT活用が重要である一方、小売業では顧客体験向上やオムニチャネル戦略が重要となるでしょう。そのため、次のような点を確認しておきましょう。
- 自社と同業界・同規模の企業での支援実績があるか
- 導入事例に具体的な数値成果（効率化率、コスト削減額など）が示されているか
- 長期的に支援を続けている顧客がいるか（継続的な信頼関係を築けているか）
- 支援チームにはどのような専門スキル・資格をもった人材がいるか
自社と同業界・同規模の企業での支援実績があるコンサルタントを選ぶことで、業界特有の課題や中小・大企業特有の制約を理解したうえで、現実的かつ効果的な提案をしてくれるでしょう。
コミュニケーションの相性を確認する
DX/ITコンサルティングサービスを選ぶ際、コミュニケーションの相性も確認しましょう。DXプロジェクトは、長期にわたって協働するパートナーシップが必要です。そのため、実績だけでなく、コミュニケーションがスムーズに取れる相手かどうかは重要なポイントです。
そのためには、相談時の対応を観察しましょう。たとえば、次のような点がチェックポイントとなります。
- 自社の課題や状況を丁寧に聞いてくれるか、一方的に話していないか
- 専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で説明してくれるか
- 質問に対して具体的で明確な回答をしてくれるか
- レスポンスの速さや約束の履行度合いはどうか
実際のプロジェクトでは、コンサルタントと自社の担当者が密に連携する必要があります。そのため、最終決定の前に、実際にプロジェクトを担当するコンサルティングメンバーと面談する機会を設けることもおすすめします。相手の雰囲気や相性を確かめることで、長期的な協力関係を築けるパートナーかどうかを判断できるでしょう。
料金・見積もり内容を比較する
DX/ITコンサルティングサービスは企業の状況によって提供する支援が異なるため、ヒアリングのうえで見積もりが必要なケースがほとんどです。月数十万円程度で済むケースもあれば、月数百万円必要なケースもあります。
料金が高額である傾向のため、次のポイントを確認しておきましょう。
- 見積もりに含まれるサービス範囲は明確か
- 想定される成果・KPIが具体的に示されているか
- 追加費用が発生する条件が明示されているか
- 中間段階でのレビューや方向修正の機会があるか
- 補助金や助成金の活用提案があるか
また、複数の企業から見積もりを取り、サービス内容と価格のバランスを比較することも重要です。単純な価格の高低だけでなく、「その費用でどこまでのサービスが受けられるか」「どのような成果が期待できるか」を総合的に判断しましょう。
おすすめDX/ITコンサルティングサービス14選
おすすめのDX/ITコンサルティングサービスを紹介します。
業務デザインコンサルティング
ナレッジラボの業務改善コンサルティングは、500社以上※のバックオフィスクラウド化支援実績をもつサービスです。中小企業から大手企業まで幅広い業種・規模に対応し、現状の業務プロセスの課題特定から最適なシステム選定、カスタマイズ設計、実装、運用支援まで一貫サポートが可能です。
特定のシステムやブランドに依存せず、クライアント企業に最適な組み合わせを提案しています。会計、経費精算、勤怠管理、給与計算など多様なバックオフィスシステムに精通したコンサルタントが、窓口を一本化してプロジェクトを実行します。
コミュニケーションを重視しており、Web会議ツールを活用した遠隔での対応や訪問によるヒアリングを実施。漠然とした相談から具体的な要件まで、企業の経営管理体制構築に向けた伴走型支援を提供しています。
※出典：ナレッジラボ「 経営コンサルティング 」（2025年4月14日閲覧）
ROUTE06のDX支援サービス
ROUTE06のDX支援サービスは、DXプロジェクト成功の鍵を握る要件定義に独自の強みをもつサービスです。アナログ業務を含めた徹底的なヒアリングと可視化により、現場で活躍するシステムを実現します。
独自の要件定義ツールを活用することで、開発に即座に着手できる高品質な設計書を作成。これにSaaSソリューション（Shopify、Salesforce、Microsoft Power Platformなど）を組み合わせて確実な開発を実施します。
さらに、開発メンバー（エンジニア、デザイナー、PM）がプロジェクトに参画し、技術検証を徹底することで実現可能性を担保しています。事業部門や現場部門、IT部門など全関係者が理解できる「共通言語」での設計で、プロジェクト全体の透明性と品質向上を図ります。
DX推進
株式会社GeNEEの「DX推進」サービスは、ビジネスディレクション・UI/UXデザイン・テクノロジーを融合した三位一体型チームが特徴のDXコンサルティングです。組織全体のDX化、業務IT化、新規事業立上げなど多様な課題に対応し、350件※を超える開発実績をもとに伴走型の支援を提供しています。
同社が設計・開発するシステムやアプリケーションは、表面的な機能だけでなく、セキュリティ性、堅牢性、保守性、可用性に優れた内部設計にこだわっています。目に見えない部分まで技術的配慮が行き届いている点が大きな強みです。
ITサービスのスケール支援に関する豊富なノウハウとナレッジ、独自のプロフェッショナルネットワークを活かし、クライアント企業のDX推進におけるさまざまな障壁を取り除き、持続的な成長を支援します。
※出典：GeNEE「 GeNEEのシステム開発 」（2025年4月14日閲覧）
株式会社モンスターラボ
株式会社モンスターラボは、世界各国に複数の拠点をもつ国際的なデジタルコンサルティング企業です。テクノロジーと多様な人材を活用し、クライアントのDX推進を包括的にサポートしています。
新規事業の企画段階から参画し、ビジネスコンサルタント、エンジニア、デザイナーが協働して、戦略立案からプロダクト開発、ローンチ後の成長戦略まで一貫して支援。事業戦略や業務最適化のロードマップ策定では、AIやIoTをはじめ、ブロックチェーン、AR/VRといった先端技術の活用可能性の検証も進めます。
LIXIL、クボタ、JTBなどの日本の大手企業との取引実績があり、各業界特有の課題に応じたDX支援を提供しています。
株式会社日立コンサルティング
株式会社日立コンサルティングは、日立グループのコンサルティングファームとして、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）を支援しています。
デジタル技術が必要とするデータ、システム、業務処理を明確化し、企業のDX推進と新サービスを実現するアーキテクチャを策定。IT組織・人財育成、データ管理基盤や業務・ITシステム基盤の変革などを取りまとめたIT中期計画の策定まで支援します。
環境や社会、ガバナンスに配慮した経営戦略の策定からデータ収集・可視化、改善施策の実行までをアジャイル方式で支援し、企業価値向上をサポートします。
株式会社クロス・コミュニケーション
株式会社クロス・コミュニケーションは、企業のDX化を支援する多様なサービスを提供しています。
AI導入支援では、AIスペシャリストが戦略立案からシステム実装、運用、改善までをワンストップでサポート。企業の課題解決につながるROIの高いAI活用施策を提案し、PoC計画策定やMVP構築・検証を通じて、効果的なAI導入を実現します。
データ収集、可視化、分析を通じてデータドリブンなマーケティング支援も対応しています。KPI設計やPDCAサイクルのプランニングなど、運用面でのサポートも行い、データに基づいた意思決定を促進します。
プロプラスのコンサルティング
プロプラスのDX推進サービスは、Webサイトを中核として営業、採用プロセスの課題解決に特化した総合支援サービスです。
営業DX支援では、コーポレートサイトの再構築からMAツール導入、運用まで一貫サポートしており、新規顧客獲得から商談までの全領域の仕組化をサポートします。
採用EX支援では、採用サイト構築や内定者フォロー体制構築などを総合的に支援します。成果を確認しながら、予算に応じて段階的に進められるため、一括で予算確保が難しい中小企業にもおすすめです。
GitHouseのSalesforceコンサルティング
GitHouseのSalesforceコンサルティングは、Salesforceに特化したコンサルティングサービスです。
現状分析をもとに、営業支援システムのSales CloudやTableauなど、Salesforce製品全般を組み合わせ、個別課題に合ったシステムの導入から運用定着までをサポートします。
業務をどのようにシステムに落とし込み、どう活用するかといった、業務フローの最適化から、課題に応じたデータ連携と運用方法などの提案が可能です。Salesforceの活用支援にも対応しており、導入したものの活用しきれていない、といった課題にもおすすめです。
Microsoft 365 Copilot コンサルティングサービス
Microsoft 365 Copilot コンサルティングサービスは、Microsoft 365 Copilot活用を多角的にサポートするサービスです。課題に応じた提案が可能なため、導入初期から業務改善、教育まで柔軟に活用可能です。
利用状況や効果を可視化するダッシュボード、業務に役立つファイル生成プラグインなどにより日々の作業効率化をサポートします。Microsoft 365をすでに導入し、Copilotの活用や業務への適用を検討したい組織に適しています。
情シス君
情シス君は、DXやIT活用推進も含むIT支援、コンサルティングサービスです。IT戦略策定から、環境の整備、日常的な運用サポート、トラブル対応までサポートします。
全国の47都道府県で、オンラインや現地対応が可能です。サポートは24時間365日受けられるので、急なトラブルにも迅速に対応できます。業務の内容や難易度に応じ、専門知識をもつコンサルタントが柔軟に担当します。
RICE CLOUDのOracle NetSuite導入支援
RICE CLOUDのOracle NetSuite導入支援 は、クラウドERP Oracle NetSuiteに特化した導入支援サービスです。Oracle NetSuiteの公式ソリューションプロバイダーパートナーで、要件定義からユーザートレーニング、情シス業務まで包括サポートを提供します。
Oracle NetSuiteの既存機能を活かした業務フローの見直しにより、不要なカスタマイズを最小限に抑え、開発コストやシステムの複雑化を低減可能です。業務改革の観点を織り込んだDX推進により、経営課題解決にも役立ちます。
RICE CLOUDのOracle NetSuite導入支援の料金プラン・価格例
要問い合わせ
情シスSourcing
情シスSourcingは、幅広い情報システム業務を委託できるサービスです。コンサルティングから日々の運用サポートまで、必要な業務だけを半日から頼めるのが特長です。
ヘルプデスクやシステム運用管理、ベンダー対応などを、状況に応じて柔軟に依頼できます。また、導入時には業務の流れやマニュアルを整理するため、作業の標準化も進められます。依頼範囲や作業内容を状況に応じて選びたい企業におすすめです。
オフィス番
オフィス番は、業務整理やITツールの選定、操作方法の説明などもサポートするバックオフィス業務の代行サービスです。経理や人事採用、労務、営業事務など幅広いバックオフィス業務の代行に加え、必要なITツールの導入や運用もサポートしています。
単にITツールを導入するだけでなく、業務プロセス自体を見直し、ITツールを使って効率をさらに高める方法を、バックオフィス業務の経験が豊富なプロが提案します。ITツールの導入や運用に課題をもつ企業、ITツールを使って業務改善を進めたい企業におすすめです。
ソフトロードのマイグレーション「システムリフォーム」
ソフトロードのマイグレーション「システムリフォーム」は、レガシーな業務システムを最新技術へ移しつつ、不要なプログラムや重複処理を削減、統合してシステム全体をスリム化するサービスです。
データベースや帳票、インタフェース方式の最新化、セキュリティ機能の追加にも対応し、不足していた機能も柔軟に追加できます。移行前後のシステムがきちんと動作するか比較テストを行い、動作品質を担保しています。
DX/ITコンサルティングサービスを選ぶならBOXIL
外部の専門家に依頼するだけでは真の変革は実現しません。コンサルタントのサポートを最大限に活かしながら、自社主導でDXを推進することが成功への鍵となります。
そのうえで自社の課題を明確にし、課題解決に最適なコンサルティングパートナーを慎重に選定しましょう。サービス比較を負担に感じているのであれば、BOXILでのサービス資料請求がおすすめです。BOXILならサービス提供会社が作成した紹介資料をまとめて入手できます。
