SaaS比較サイト「BOXIL(ボクシル)」を運営するスマートキャンプ株式会社は、全国の企業にお勤めの男女を対象に事前調査を実施。その後、業務で生成AI(ChatGPT、Geminiなど)を利用している1,365人を対象に「生成AIの利用実態調査※」を実施しました。本データに関する概要や引用方法は ▶調査概要 を参照してください。
※インターネット調査にて、20〜60代の9,734人に事前調査を実施。そのうち、現在業務で生成AIを利用していると回答した1,365人を対象に本調査を実施。調査期間は2025年12月4日〜12月19日。本アンケート結果は小数点以下任意の桁を四捨五入しており、合計が100%にならない場合がある。
生成AI導入率の実態:生成AIの利用率は42.8% 実質的な利用層は4割を超える
まず、全国のビジネスパーソン9,734人を対象とした事前調査の結果を確認しましょう。 「現在の業務において、生成AIやAIエージェントを利用していますか?」という質問に対し、「会社として公式に導入している」と回答したのは合計で28.4%(頻繁に利用:15.0%、あまり利用していない:13.4%)でした。
一方で、会社は未導入だが「個人で無料版などを利用している」と回答した層が14.4%に達しており、これらを合わせたビジネス現場での実質的な利用率は42.8%にまで上っています。

従業員数1万人以上の大企業では52.3%が公式導入済み
企業規模別に見ると、組織が大きくなるほど公式導入が進んでいる実態が浮き彫りになりました。従業員数10,000人以上の企業では、公式導入率(頻繁+あまり)が52.3%に達しており、2社に1社が組織的な導入を完了させています。

一方、10〜49人の小規模企業では公式導入率が14.0%に留まるものの、個人利用率が16.2%と公式導入を上回っています。会社側が安全な環境を整備できないうちに、現場のニーズが先行して「シャドーAI」化している危うい現状がうかがえます。
IT・金融業界では2社に1社が公式導入済み
業種別のクロス集計によると、公式導入率(頻繁+あまり)が最も高いのは「情報通信・IT・インターネット業」で51.7%に達しました。次いで「金融業・保険業」が44.9%と、高い水準を誇っています。

これらの業界では、業務効率化への感度が高いだけでなく、早い段階でセキュリティガイドラインが整備されたことが、組織的な利用を後押ししていると考えられます。
一方で、公式導入が極めて遅れているのが「医療・福祉・介護業(10.7%)」や「官公庁・自治体(16.3%)」です。しかし、これらの業界でAIが使われていないわけではありません。
注目すべきは、「教育・学習支援業(24.0%)」や「電力・ガス・エネルギー業(24.1%)」、「不動産業(19.8%)」などにおいて、個人利用(シャドーAI)の割合が非常に高い点です。
特に医療・福祉業界においては、公式導入率(10.7%)を個人利用率(13.8%)が上回るという逆転現象が起きています。現場の社員が日々の膨大な事務作業をこなすために、組織のルールが整うのを待たず「自衛」としてAIを使い始めている実態が浮き彫りとなりました。
文章作成・要約だけでは「月40時間削減」の壁は越えられない
本調査では、生成AIの具体的な削減効果についても詳細に分析しました。そこで判明したのは、活用方法によって時短効果に差があるという事実です。
現在、最も多い用途は「文章作成・要約(73.3%)」ですが、この用途での利用者が月40時間以上の大幅な時間削減を実現している割合はわずか5.3%です。単純なチャット利用だけでは、劇的な生産性向上には限界があることが分かります。


「AIエージェント」活用層の約21.1%が月40時間以上の時短を達成
一方で、特定のタスクを自律的に実行させる「エージェント機能」を活用している層は、21.1%が月40時間以上の削減を達成しています。
AIを「下書きの道具」として使う段階から、一連の業務を自律的に任せる「AIエージェント」へシフトすることが、時短効果を最大化する分岐点となっています。
無料版利用層で月40時間削減できている人は「0%」
AI利用にかける月額費用と削減時間を分析したところ、費用0円(無料版のみ)の層で月40時間以上の削減に成功した人は0.0%でした。無料版利用者の45.4%は、月5時間未満のわずかな削減にとどまっています。

月額50万〜100万円以上の投資が「1人あたり月数十時間」の余力を生む
対照的に、月額100万円以上を投資している企業では、18.6%が月40時間以上の削減を実現しています。
高度なAPI利用やセキュアな法人プランへの投資こそが、結果として従業員1人あたり数日分の「余力」を生み出し、高いROIで回収できることがデータで証明されました。
業種別に見る企業のガイドライン・ガバナンス状況
最後に、企業のガバナンス状況を確認します。業種によって、活用のルール整備には大きな開きがありました。
「全社的に推奨されガイドラインがある」と回答した割合が最も高かったのは情報通信(54.4%)や金融(54.4%)でした。一方で、医療・福祉(50.2%)や教育(50.0%)では「特にルールはなく個人判断」という回答が半数を占めています。

導入後の壁は「精度」「プロンプト」「セキュリティ」の3大障壁
生成AIを導入し、一定の時短効果を得ている企業であっても、その運用において多くの課題に直面していることが分かりました。アンケートによると、活用における懸念点は上位3つに集中しています。
最も多かったのは1位の「回答精度の不備(ハルシネーション)」(39.8%)ですが、僅差で2位の「プロンプト(指示)の難しさ」(37.2%)、3位の「セキュリティ・情報漏洩リスク」(34.9%)が続いています。

この結果から、企業が生成AIを定着させるためには、AI特有の誤情報(ハルシネーション)を見抜くチェック体制の構築、誰でも成果を出せるプロンプトのテンプレート化、そして法人向けプラン導入によるセキュリティ担保という、「技術・運用・環境」の3軸での対策が急務であると言えます。
また、4位には「従業員間のリテラシー格差(30.5%)」がランクインしており、高度に使いこなす層とそうでない層の間で、生産性の二極化が始まっている現状も看過できません。単にツールを導入するだけでなく、組織全体としての習熟度を底上げする「教育」の視点も、今後の業務効率化には不可欠となるでしょう。
AIを正しく導入して業務効率の大幅な改善を目指そう
今回の調査結果から、生成AIを単なるツールではなく「実務のパートナー」として導入することで、業務効率を大幅に改善し、組織の生産性を高めるための道筋が見えてきました。
- 「事務過多な部署」への法人プラン優先提供:現場の切実なニーズを汲み取り、安全な法人環境を正式に提供する
- 「AIエージェント」へのステップアップ:単純な要約・検索から、一連の業務を自動化する高度活用へ投資をシフトする
- 「ルール」と「教育」のセット提供:ガイドラインを整備し、リテラシー格差を埋めることで、組織全体の削減時間を底上げする
無理な禁止は「シャドーAI」を加速させる恐れがあります。企業が取るべき道は、AIを「コスト」ではなく「将来の時間を生み出すための投資」と捉え直し、社員が安全に活用できる強力な手段を提供することではないでしょうか。
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「どのツールなら安全に導入できるか分からない」「コスト感を知りたい」という課題を解決するには、法人向けに特化したAIサービスの比較が有効です。 BOXILでは、セキュリティ機能が充実した生成AIツールや、業務特化型のAIエージェントの資料をまとめて請求できます。来期の予算策定やガイドライン整備に向けて、まずは情報収集をご検討ください。
調査概要
タイトル: 生成AIの利用実態調査
調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
調査主体: スマートキャンプ株式会社
※本アンケート結果は小数点以下2桁を四捨五入しています。合計が100%にならない場合があります。
【事前調査】
調査対象: 全国の企業にお勤めの20〜60代 9,734人
調査期間: 2025年12月4日〜12月11日
【本調査】
調査対象: 業務で生成AI(ChatGPT、Geminiなど)を利用している担当者 1,365人
調査期間: 2025年12月12日〜12月19日
【引用に関するお願い】
本調査を引用する際は、出典として「BOXIL」と記載し、ウェブの場合は本記事URLへのリンクを設置してください。 記載例:BOXIL「生成AIの利用実態調査」, 2026年1月XX日確認, https://boxil.jp/mag/aXXXXX/
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