「配送先や時間指定が多く、毎日の配車計画づくりに時間が掛かる」「配車を決められる担当者が限られている」とお悩みではありませんか。
AIを搭載した配車システムではこうした計画の案をAIが作るため、配車担当者の手間を減らせます。
【30秒でわかるこの記事のポイント】
・AI配車は配車計画をAIで作る仕組み。車両への割り当てまで決めるかは製品で異なる
・国の実証(小口回収2社)では、人による配車よりも走行時間が約25%短縮
・LinkRoute Bizは、車両ごとの配送先からルートをAIで作る
AI機能以外の観点も含めて配車システムを比べたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>配車システムのおすすめ比較と選び方
※掲載料金は税区分の記載を含め、各社公式サイトの表記に基づいています。
AI配車とは
AI配車とは、配送先・時間指定・車両などの条件から、配車計画や配送ルートをAIで自動作成する仕組みです。
AIが対応できる範囲は製品ごとに異なります。「車両への荷物割り当て」から「最適な巡回ルートの作成」まで一気通貫で行うものもあれば、ルート作成のみに特化したものもあります。
従来の自動配車との違い
自動配車システムのうち、AIを用いて計画を作成するものを「AI配車」と呼びます。
システムによって「AI」や「独自アルゴリズム」など呼称は異なります。製品を比較する際は、呼称に惑わされず「どこまでの作業を自動化できるか(ルート作成のみか、車両割り当てまでか)」を確認しましょう。
配車計画は「割り当て」と「回る順番・ルート」に分かれる
配車計画づくりは、大きく2つの作業に分かれます。1つは、どの配送先の荷物をどの車両で運ぶかを決める割り当てです。もう1つは、それぞれの車両がどの順番で、どの道を通って回るかを決めるルートづくりです。
この計画づくりは、最適化の研究では配送計画問題と呼ばれます。配送計画問題は「様々な制約条件の下で複数の車両を用いて顧客を訪問する経路の中で、コストが最小のものを求める問題」です※。
AIがルートだけを作る製品では、「どの配送先をどの車両で運ぶか」はこれまでどおり配車担当者が決める必要があります。
※出典:日本オペレーションズ・リサーチ学会 研究部会「最適化とその応用」「OPTA #4」(2026年10月27日閲覧)
AI配車の仕組み
配車計画の計算では、配送先・車両・ドライバーの条件を守りながら、よい計画を短い時間で探します。
最適に近い計画を、短時間で出力する
日本オペレーションズ・リサーチ学会の研究部会の講演概要によると、配車計画は条件が複雑なため、完璧な正解(最適解)を出すのが非常に難しいとされています※1。
そのためAI配車では、今の計画を少しずつ入れ替えながら、短時間で「限りなく正解に近い実用的な計画」を算出します。同概要では、実用的な計画を導き出すための基本的かつ有効なアプローチとして「局所探索法」が挙げられています※1。
局所探索法は、今の計画を少しずつ入れ替えながら、よりよい計画を探していく方法です。
計算時間の例として、国の制度の研究で開発されたAI自動配車のアルゴリズムは、訪問する拠点300程度の計算を約7分で終えました※2。研究が実際の運用に使える目安とした10分以内に収まる速さです。
※1出典:日本オペレーションズ・リサーチ学会 研究部会「最適化とその応用」「OPTA #4」(2026年10月27日閲覧)
※2出典:国土交通省「交通運輸技術開発推進制度 研究成果報告書(ダイジェスト版) 小口輸送を対象とした多業種汎用型AI自動配車アルゴリズムの開発と普及拡大を目指した利用実証」(2026年10月27日閲覧)
計画は、配送先・車両・ドライバーの条件を守って作る
配車計画は、多くの制約条件を守るように作ります。主な条件には、次のようなものがあります。
- 配送先ごとの到着時刻の指定
- 車両の大きさや積める量
- ドライバーの労働時間のルール
ドライバーの労働時間には、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)によるルールがあります※。例えばトラック運転者の連続運転時間は、原則として4時間を超えないものとされています。
自社の配送で守る必要がある条件を書き出しておくと、製品ごとに設定できるかを確認できます。
※出典:厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(2026年10月27日閲覧)
AI配車が注目される背景
トラック運転者の労働時間に上限がかかり、輸送力不足も見込まれるなか、国も配車計画の最適化を求めています。
トラック運転者の時間外労働は臨時的な場合も年960時間まで
2024年4月から、トラック運転者にも時間外労働の上限規制が適用されています。原則は月45時間・年360時間以内です。臨時的にこれを超える必要がある場合でも、年960時間以内です※1。
あわせて改善基準告示により、トラック運転者の拘束時間は原則として1年3,300時間・1か月284時間までとされています※2。限られた時間の中で荷物を運ぶには、走行や待ち時間の無駄を減らす配車計画が求められます。
※1出典:厚生労働省「トラック|建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト はたらきかたススメ|厚生労働省」(2026年10月27日閲覧)
※2出典:厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(2026年10月27日閲覧)
トラック運転者の労働時間や拘束時間の管理に使える勤怠管理システムは、次の記事で紹介しています。
2030年度の輸送力不足は、再検証で最大約25%の見通し
2023年8月に国の検討会がまとめた資料には、NX総合研究所の試算が載っています※1。試算の前提は、荷待ち時間を減らすなどの対策をしないまま、2024年度に拘束時間の上限が原則年3,300時間になることです。
このとき、2019年度の貨物輸送量などと比べて輸送能力の14.2%が不足します。ドライバーの減少も加えると、2030年度には営業用トラックの輸送能力の34.1%が不足する可能性があるとされました。
2026年3月の別の検討会の提言によると、2024年度に見込まれた約14%の不足はおおむね克服できました※2。官民の取組の成果などによるものです。
提言はそのうえで、足元の経済動向や物流需要の変化などを踏まえて見通しを試算し直しました。その結果、2030年度には平均で約7%、最大で約25%の輸送力不足が生じうると見込んでいます。
※1出典:持続可能な物流の実現に向けた検討会「最終取りまとめ」(2026年10月27日閲覧)
※2出典:2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会「提言」(2026年10月27日閲覧)
国の大綱と物流効率化法の判断基準が、配車の最適化を挙げている
国の総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)は、2026年3月にまとめられました※1。大綱は、トラック運送事業者に「配車・運行計画の最適化などの取組を積極的に進めていく必要がある」としています。
さらに同大綱では、AIをはじめとする新技術を活用し、配車・運行計画の最適化を図る先進的な取り組みへの支援も明記されています。
物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)は、すべての荷主・物流事業者に物流を効率化する取組の努力義務を課しています※2。この努力義務は2025年4月から始まりました。
同法のトラック事業者向けの判断基準(取り組むべき措置の基準)は、積載効率を上げる取組を挙げています※3。その1つが「配車システムの導入等により、配車・運行計画の最適化を行うこと」です。
判断基準が挙げるのは配車システムの導入などで、AIを使うシステムに限っていません。
※1出典:国土交通省「総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)」(2026年10月27日閲覧)
※2出典:農林水産省「物流効率化法について:農林水産省」(2026年10月27日閲覧)
※3出典:国土交通省「貨物自動車運送事業者等の判断基準等 | すべての貨物自動車運送事業者等の対応 | 「物流効率化法」理解促進ポータルサイト」(2026年10月27日閲覧)
国の実証事例に見るAI配車の効果
国の制度の研究で開発されたAI自動配車のアルゴリズムを試した実証では、人が作った配車より走行時間が約25%短くなりました。報告書は、業務時間の約79%削減とあわせて、人手の配車作業を大幅に減らせる結果としています※。
研究は国土交通省の交通運輸技術開発推進制度によるもので、研究代表者は株式会社イーアイアイです。実証では、段ボールと事業系一般廃棄物の小口回収を行う2社でアルゴリズムを試しています。
| 測った項目 | 2社の平均 |
|---|---|
| 業務時間 | 約79%削減 |
| 走行時間(人が作った配車との比較) | 約25%短縮 |
| CO2の排出量 | 約24%削減 |
業務時間の削減は、研究が目標にした50%を上回りました。CO2の排出量は、走行距離から燃費で換算した値です。
ただし、実証の対象は小口回収の事業者2社です。配送の形や条件が異なれば効果も変わるため、自社のデータで試して効果を見積もる必要があります。
※出典:国土交通省「交通運輸技術開発推進制度 研究成果報告書(ダイジェスト版) 小口輸送を対象とした多業種汎用型AI自動配車アルゴリズムの開発と普及拡大を目指した利用実証」(2026年10月27日閲覧)
AI配車を導入する前に確認すること
導入前には、AIが割り当てまで決めるかと、自社の条件を設定できるかの2点を確認しておきましょう。AIが割り当てまで決めない製品では割り当てを担当者が行い、設定できない条件があれば担当者が計画を手で直すことになります。
AIが車両への割り当てまで決めるかを確認する
まず、配車担当者が時間をかけているのは配送先を車両に割り当てる作業か、ルートを組む作業かを確認しておきましょう。
そのうえで、AIが割り当てまで決めるのか、ルートだけを作るのかを製品の資料や問い合わせで確認しましょう。
割り当てに時間が掛かっているなら、割り当てまで決められる製品を選ぶと、担当者の手間を減らしやすくなります。ルートを組む作業に時間が掛かっているなら、この記事で紹介するLinkRoute Bizが候補になります。
自社の配送の条件を設定できるかを確認する
経済産業省の調査で紹介された自動配車の導入事例では、「計算上は問題がなくても現実には障害になり得る制約条件」をクリアするために試行錯誤がありました※1。
国の制度の研究の報告書も、自動配車システムで利用者ごとの個別の要望に応える機能は、短期間には実現しないとしています※2。
自社の時間指定や車両の条件を設定できるかは、導入前にデモなどで確認しておきましょう。
※1出典:経済産業省「令和4年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(サプライチェーンにおけるデジタル技術活用実態等調査)報告書」(2026年10月27日閲覧)
※2出典:国土交通省「交通運輸技術開発推進制度 研究成果報告書(ダイジェスト版) 小口輸送を対象とした多業種汎用型AI自動配車アルゴリズムの開発と普及拡大を目指した利用実証」(2026年10月27日閲覧)
AIで配送ルートを作れる配車管理システム
LinkRoute Bizは、回る順番とルートをAIで作る配車管理システムです。
LinkRoute Biz ~AIかんたん巡回ナビアプリ~
- 車両ごとの巡回ルートをAIでまとめて作る
- 1車両あたり最大200地点の巡回ルートを作れる
- 車両台数による課金がない
AIに渡すのは、車両ごとに決めた配送先のデータです。ルートを作るときは、到着時刻の指定・作業時間・休憩時間・車両の大きさ・渋滞の予測も考慮されます。
作ったルートはドライバーの端末で経路案内として使え、事務所からは各車両の現在地や状況をリアルタイムで確認できます。
LinkRoute Bizは、ルートづくりの手間を減らしたい企業におすすめです。配送のほか、ルート営業や点検の巡回・送迎など訪問先が多い業務にも使われています。
LinkRoute Bizのプラン・料金
導入までの期間は、通常は要件が決まってから約1〜3か月程度です。
| 費用の種類 | 内訳 | 金額 |
|---|---|---|
| 初期費用 | SaaS基本パッケージ | 1,800,000円(税抜) |
| 初期費用 | クラウドサーバー構築 | 120,000円(税抜) |
| 月額費用 | システムサポート(API利用料等を含む) | 45,000円(税抜) |
| 月額費用 | クラウドサーバー利用料 | 約19,500円(税抜) |
※基幹システムと連携するためのカスタマイズは別料金です。
AIによる自動配車についてよくある質問
配車システムの導入は物流効率化法の義務ではなく、無料トライアルを用意している配車管理システムもあります。
物流効率化法で、配車システムの導入は義務になりましたか?
物流効率化法がすべての荷主・物流事業者に課しているのは、物流を効率化する取組の努力義務です。配車システムの導入は、トラック事業者向けの判断基準で取組の例として挙げられています。
年度末に保有する事業用自動車が150台以上のトラック事業者は、特定事業者に当たります※。区分の名前は特定貨物自動車運送事業者等です。特定事業者に義務付けられるのは、中長期的な計画の作成や定期の報告などです。
※出典:国土交通省「特定事業者の指定 | 「物流効率化法」理解促進ポータルサイト」(2026年10月27日閲覧)
配車システムは無料で試せますか?
1か月の無料トライアルを用意している配車管理システムもあります。
ただし、無料トライアルがあっても、AIでルートや計画を作る機能まで使えるとは限りません。AI配車として試すなら、トライアル中にAIの機能まで使えるかを申し込む前に確認しておく必要があります。
AI配車で配車計画づくりの負担を減らそう
2024年4月からトラック運転者の時間外労働に上限がかかり、2030年度にも輸送力不足が見込まれています。国の大綱や物流効率化法の判断基準も、配車計画の最適化を挙げています。導入前には、AIが割り当てまで決めるかと、自社の時間指定や車両の条件を設定できるかを確認しましょう。
自社に最適なAI配車システムを効率よく見つけるなら、複数サービスの資料を一括ダウンロードできるBOXILの活用がおすすめです。各社の機能や料金を手軽に比較検討できます。
\手元でじっくり比較/
AI機能以外の観点も含めた配車システムのおすすめ製品や選び方は、次の記事で紹介しています。
配送の計画から進み具合の確認まで、配送業務をまとめて管理できるシステムは、次の記事で比較しています。
