フィルタリングソフトとは？おすすめ9選 - 導入すべきセキュリティ問題の背景

「フィルタリングソフト」をご存知ですか？主に未成年者をインターネット上のさまざまな犯罪や有害な情報から守るために取り入れられてきたもの、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし、近年では、企業のセキュリティ対策の一つとしての面も強くなってきているのです。

そこで本記事では、フィルタリングソフトの概要の説明からニーズの高まっている背景、そして主に企業向けの具体的なソフトの紹介をしていきます。

フィルタリングソフトとは？

フィルタリングソフトとは、特定の条件に合うWebサイトだけを閲覧可能にできるソフトウェアのことです。もともとは、主に子供に悪影響を及ぼす可能性のあるサイトへのアクセスを禁止する目的で、導入されてきました。

ただし近年では、子供向けだけではなく、ネットワークセキュリティの一環として、フィルタリングソフトを導入する企業が急激に増えています。企業のセキュリティ対策としてのWebフィルタリングという側面も強くなっているのです。

フィルタリングソフトの必要性

では、フィルタリングソフトのニーズが高まっている背景について、簡単に説明しておきましょう。

増加し続ける未成年被害者

個人用パソコンの家庭への普及はもちろん、最近ではスマートフォンなどの携帯端末を子供達が日常的に利用するようになりました。それに伴って、未成年者がインターネット上でさまざまな犯罪に巻き込まれてしまう事件が、急激に増えています。

とくに学校や外出先など両親の目の届かないところで、未成年者が悪質な書き込みの多い掲示板やいわゆる「出会い系サイト」にアクセスする機会が増えています。そこで犯罪に巻き込まれてしまうケースも、けっして少なくありません。現在では、出会い系サイト関連事件の被害者の8割以上が未成年者ともいわれているのです。

そういった背景の下、未成年者が安全に正しくインターネットの利用が可能になる環境を整えるために、発達してきたのがフィルタリングソフトです。子供達の生活の細かいところまで目の行き届かない両親に代わって、悪質なサイトへのアクセス自体を制限してくれるソフトは、もはや必要不可欠だといえるでしょう。

企業への導入事例が増えている

また、近年はこういったフィルタリング機能を導入する企業が増えています。社員が集中して仕事のできる環境を整えたり、余計なトラブルに巻き込まれたりしないためのサポートを目的として、フィルタリングソフトを取り入れる会社も出てきました。

とくに、業務に無関係な作業を防止してくれるソフトのニーズが増加しています。従業員が仕事中に必要作業以外でPCを利用したり、不正に企業情報を収集したりすることを監視する意味で、フィルタリング機能のあるソフトを導入するケースが増えているのです。

企業の場合はマルウェアのネットワーク内への侵入を防いだり、あるいは内部から機密情報が漏えいしてしまうことは何としても避けなければならないでしょう。いまや外部からの脅威を監視するのみならず、組織の内部の監視にも力を入れなければなりません。そういう意味でも、企業のネットワークセキュリティの一環として、Webフィルタリング機能をもつソフトについて知っておくことは、今後ますます重要になるでしょう。

フィルタリングソフトの選び方

次に、フィルタリングソフトを導入する際に、注目したいポイントを3つ紹介します。

導入実績

フィルタリングソフトを選ぶ際には、ソフトの導入実績を確認しましょう。

提供会社のWebサイトには、導入実績が掲載されています。まずは、導入実績を確認して、どのような企業で導入され、どのような使い方がされているのかをチェックしてみましょう。それにより、自社で利用したときの運用のイメージを持てるようになります。

また、厳格なセキュリティ設定が必要な場合には、官公庁などの実績があるかどうかを判断基準の一つにするとよいでしょう。

設定の柔軟性

フィルタリング設定の柔軟性についても確認しましょう。

フィルタリングソフトには、部署やグループごとに制限の基準を設定するものや、コンテンツの中身に応じてカテゴリごとにフィルタリング設定を行えるものなどがあります。制限の仕組みや種類はさまざまなため、自社でどの程度設定ができるのか確認しておきましょう。

ソフトの使用により、不適切なサイトへのアクセスを制限できますが、制限が強すぎると必要なWebサイトへのアクセスができず、かえって業務効率が下がる可能性もあります。そのため、自社に合った運用ができるのか、必要な機能や制限を明確にしたうえで、ソフトを選ぶ必要があります。

PCへの負荷

フィルタリングソフトは、PCへの動作に影響が少ないものを選ぶことも大切です。

フィルタリングソフトは、ソフトにより形態が異なり、自社でサーバー構築の必要がない「クラウド型」、自社で用意したサーバーにソフトウェアをインストールする「インストール型」があります。また、クライアントPCにインストールが可能なインストール型のソフトもあります。

ソフトウェア型の場合は、PCやサーバーの動作に影響しないか確認が必要です。フィルタリングソフトをインストールしたサーバーに、多数のクライアントPCが同時にアクセスすると、動作が遅くなり、業務効率を下げる恐れがあります。

導入前には無料トライアルを活用して、どの程度の影響があるのかを確認するとよいでしょう。

フィルタリングソフトおすすめ比較

それでは、先述したようなニーズのある企業向けのフィルタリングソフトにフォーカスして、代表的なものをいくつか紹介していきます。

• 官公庁、学校、教育機関での導入実績多数
• 専用サーバーの設置が不要
• フィルタリングからデータ消去まで可能

i-FILTER ブラウザー&クラウドは、クラウド型のエンドポイントWebセキュリティサービスです。メールセキュリティサービス「m-FILTER」と合わせ、1,100万人の利用実績があります。サーバー設置が不要なため低コストで利用でき、アプリケーションを問わないWebフィルタリングが可能。端末のログ・レポート作成による可視化、機密データの消去まで、PCやスマートフォン、タブレット端末の問題を解消します。

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• 必要なセキュリティ機能を自由に選択可能
• リアルタイムの動作状況を確認できる
• 充実したサポート体制

USEN GATE02は、USENが提供するネットワークセキュリティソフトです。Webフィルタリングはもちろんですが、ファイアウォールやウイルス対策など総合的に安全なネットワーク環境を整えてくれます。

• さまざまなマルウェアをリアルタイム防御
• 多言語対応
• 動的な出口対策を実施可能

Blue Coat WebFilterは、日本ではマクニカネットワークスが提供しているフィルタリングソフトです。開発元のBlue Coat社ではさまざまなマルウェアのソースを監視することによって、疑わしいサイトが実際に攻撃をしかける前にブロックする体制を整えています。それによって、ネットワークに対する脅威のほとんどを事前に排除できるのです。

• IP Geolocationテクノロジー搭載
• 不正アクセス対策に強み
• 提供情報のコントロールが可能

どこどこJPは、ネットワークのIPアドレスからユーザーの位置情報などのさまざまな場所に関する情報を判定できる、「IP Geolocation」テクノロジーを搭載しているAPIです。国や都道府県といった位置情報を判定して、オンラインでの情報配信を制限する地域設定ができます。また、Webサイトに訪問したユーザーを評価して、競合企業だった場合は情報を与えないといった提供情報のコントロールもできます。

• ネットワーク内のPC画面のキャプチャが可能
• PC稼動時間のチェック
• 内部からの情報漏えいを徹底防止

LOOOCは、企業での内部不正を防ぎ、大切な企業情報の漏えいを未然に防ぐための情報セキュリティシステムです。ネットワークにおけるすべてのPC画面をキャプチャできるほか、キーボードの入力ログやUSBなどの外付けメモリの着脱に関しても徹底して監視できます。

• フィルタリングソフトでは13年連続シェアNO.1
• 高精度データベースに基づく精密なフィルタリング
• アクセスログ管理による内部統制も

InterSafe WebFilterは、アルプスシステムインテグレーション株式会社が提供しているフィルタリングソフトです。優れたサイバー攻撃対策や高精度のWebフィルタリング機能をもっており、外部からの脅威だけではなく不正なサイトへの内部からのアクセスや書き込みを防止してくれます。企業の情報漏えい対策として評価が高いソフトです。

• 正確なアクセスコントロールを実現
• 社員のWeb利用状況を正確に把握
• マルウェア対策としても有効

GUARDIANWALL WebFilteは、キヤノンITソリューションズが提供するWebフィルタリングソリューションです。URLやコンテンツのフィルタリングだけではなく、ネットワーク内のアクセスログ管理やマルウェア対策としても非常に有効です。当然、フィルタリングに必要不可欠な機能はひととおり網羅しています。

• インターネットに関する総合セキュリティソリューション
• グローバル企業ならではの圧倒的な実績
• トータルで使いやすい製品構成

情報セキュリティSDK CYRENは、CYREN社によるインターネットセキュリティに関する数々の製品の包括的呼称です。同社は、Webフィルタリングはもちろん、スパム対策・マルウェア対策などおよそインターネットに関するさまざまなセキュリティ製品をリリースし、ユーザーのネットワークセキュリティ環境をトータルに整えます。フィルタリングに関しては「CYREN URLフィルタリング」がリリースされています。

• 仮想コンテナ内でアクセスを実行
• 安全なアクセスや無害化された情報のみを提供
• 徹底したマルウェア対策

Menlo Securityも、日本では、マクニカネットワークスが代理店となるセキュリティソリューションです。「コンテナ」と呼ばれる場でコンテンツを実行し、そこで安全とみなされた情報だけをユーザーに渡す手法をとっていることが大きな特徴です。これによって、セキュリティの網を潜り抜けてくるマルウェアなどのネットワーク内への侵入を防げます。

フィルタリングソフトのメリット

企業がフィルタリングソフトを導入するメリットには、次の3つがあります。

内部不正の防止

フィルタリングソフトは、外部から内部だけでなく、「内部から外部」のアクセスも制限できるため、内部不正の防止につながります。

たとえば、従業員が悪意から、不要なファイルをアップロードしたり、外部サイトへの書き込みをするといった行為を防止できます。

また、「誤って不審なメールのリンクをクリックしてしまった」などの不注意や操作ミスから発生する情報漏えいも防止が可能です。ほかにも、「ルール違反とは知らずにネット上に情報を公開してしまった」といった、故意ではない不正防止にも効果的です。

業務以外のサイトへのアクセスを防げる

フィルタリングソフトを導入すると、業務に不要なWebサイトやSNSへのアクセスを制限できます。

そのため、業務用端末での業務と関係ないサイト閲覧を防止でき、勤務中は社員が仕事に集中できるようになります。従業員の業務効率や生産性アップにつながるほか、会社としても安心してインターネットを利用できるようになるでしょう。

また、業務と関係のないサイトを閲覧してウイルスに感染し、情報漏えいにつながるリスク防止効果も得られます。

フィルタリング機能でネットワークセキュリティを強化

近年のフィルタリングソフトは、未成年を悪質なサイトから守るだけではなく、企業のセキュリティ対策としても、おおいに見直されています。とくに、内部からの情報漏えいに関しては、多くの企業が神経質になり、さまざまなWebフィルタリング機能をもつソフト郡が導入されはじめているのです。あなたの企業にそういったニーズがあるならば、ぜひ本記事を参考にフィルタリングソフトの導入を検討してみてください。

人気のセキュリティソフトおすすめ3選

不正アクセス・迷惑メール対策に、セキュリティソフトを導入しておくと安心です。ここからは人気の高いセキュティソフトを3つ紹介します。

ウイルスバスター

ウイルスバスターは、日本で1番売れているトレンドマイクロのセキュリティソフトです。（IDC Japan Semiannual Security Software 2021H2 Final Historical & Forecast コンシューマ エンドポイントセキュリティ製品 ソフトウェア市場ベンダー別売上額シェア（シェア算出全期間）2007～2021年に基づく）

コンシューマ向けセキュリティ製品のシェアでも、41.5%で1位（2021年国内市場ベンダー別売上額シェア）。ウイルスバスタークラウドを1つ導入すれば3台まで利用可能です。

ノートン

ノートンの特徴として、クレジットカードの不正使用保険が付帯しており、対象者には、年間100万円まで補償される点が挙げられます。万が一PCがウイルス感染した場合の復旧費用として年間3万円まで補償されるのも安心です。

カスペルスキー

カスペルスキーは、性能比較テストで、7年連続NO.1の評価（2011年から2017年AV-Comparativesの評価）。ウイルス・ランサムウェア・不正アプリ対策もしっかりと行われています。30日間の無料体験もついているので気軽に利用できます。

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