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自粛でVRに脚光、企業活用すすむ - ECや観光案内、リモートライブにも立体感を

最終更新日:(記事の情報は現在から1612日前のものです)
接客や営業でもビデオ通話を活用する動きはあるが、平面的な映像では物足りない。そのためか、臨場感を提供できるVRコンテンツを業務で活用する例が目立つようになってきた。VR市場は急拡大が見込まれており、2024年にかけての年平均成長率は81.5%に及ぶという。

コロナ対策でVRの企業利用が進む

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため出されていた緊急事態宣言が解除され、多くの企業が従業員を在宅勤務からオフィス勤務へ戻したようだ。ただし、人と人の接触機会が増えると感染リスクも高まり、たとえば東京都では新たな感染者がなかなか減らない。やはり、テレワークを活用する在宅勤務は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の封じ込めに有効らしい。

もっとも、あらゆる仕事がテレワークで完了させられるわけではない。インターネット経由のビデオ通話やWeb会議で済ませられそうなタイプの接客や営業といった業務でも、平面的な映像では物足りない。

そのためか、企業の業務で仮想現実(VR)技術を使う例や、企業向けVRサービスが目立つようになってきた。360°全方位を見渡せる画像や映像、場合によってはそれにVRゴーグルを組み合わせると、その場にいるかのような感覚を提供できる。

今回は、そうした企業向けのVR活用事例を紹介しよう。

360°コンテンツで顧客体験を高める

360°画像のようなコンテンツは臨場感が高く、顧客体験を高められる。

VR内覧を360°カメラで

不動産業界では、住宅やオフィスなどの物件を紹介する手段の1つとして、少し前から360°写真が利用されている。その種の写真撮影には、リコーの360°カメラ「RICHO THETA」がよく使われる。

リコーは企業向けにTHETA活用を積極展開中だ。たとえば、野村不動産アーバンネットはリコーのサービス「RICOH360 - VRステージング」を採用し、何も置かれていない室内に家具などを仮想配置して物件を紹介する取り組みを行っている。このサービスを利用すると、THETAで撮影した空室の360°画像に、CGで表現したテーブルやソファといった家具、カーテンやカーペットなどを配置できる。

実際の物件やショールームに家具を仮配置する従来のホームステージングと異なり、家具の種類や配置場所を容易に変更できて、顧客にさまざまなパターンを提案することが可能だ。何よりも、顧客と直接対面しないリモート接客でも、物件のイメージを伝えやすくなるだろう。

RICOH360 - VRステージングイメージ 出典:リコー / ホームステージングをVRで実現する「RICOH360 - VRステージング」を不動産仲介トップクラスの野村不動産アーバンネットが採用

ショールームをVR空間に再現

電通は、仮想的に訪問可能なショールームの構築サービス「クイックDXソリューション」を開発した。

このサービスは、店舗やショールームを仮想的に体験できる3D空間として実現するもの。PCやスマートフォンから閲覧可能な店舗や施設の360°空間を制作し、VRゴーグルにも対応するそうだ。リアルな来店体験をオンライン提供し、対面に近い顧客サービスで接客が可能になる。

電通によると、同サービスを利用すれば、顧客と直接接触できない状況でもビジネスの機会損失を減らし、顧客離脱を防げるという。さらに、地理的な制約や時間的な問題で従来だと獲得が難しかった顧客へもアプローチ可能となり、顧客拡大にもつながるとしている。

観光・エンタメもVRで“体感”

VRは、観光やエンターテインメントの世界でも利用されつつある。

360°コンテンツで観光地の魅力を発信

ここでもリコーの活躍が見られる。ゴーガという企業が、RICOH360 - VRステージングのベースでもあるリコーのクラウドサービス「THETA 360.biz」を使った観光情報提供アプリ「めぐるっと」を配信開始したのだ。

めぐるっとは、観光地の360°画像や360°映像を用意しており、仮想的な旅行体験を提供できる。2Dの写真やビデオよりも観光地の魅力が伝わりやすいはずだ。さらに、スポット情報掲載やクーポン配布、スタンプラリー開催といった機能も備え、多角的な仕掛けで地域内の周遊を促進できるとしている。文学作品や漫画、映画、テレビドラマの舞台やロケ地を巡る“聖地巡礼コース”を紹介するなどすれば、集客力の強化も可能だ。

実のところ、国土交通省は以前から刊行分野でのVR活用を低減し、官公庁観光資源課が「最先端ICT(VR/AR等)を活用した観光コンテンツ活用に向けたナレッジ集(PDF)」を公開している。観光産業でVR技術を使う場合に役立つ情報が整理されており、基本的な知識を得たり、全体像を把握するのに良いだろう。COVID-19パンデミック前の文書であるが、ここに来て価値が急速に高まった。

音もVR化して新たな音楽体験を

COVID-19の影響で、コンサートや演劇といったステージでは無観客ライブ、プロスポーツの分野では無観客試合が行われるようになった。こうしたコンテンツも2D映像でなくVR映像だと、没入感が高まって魅力的になる。

KDDIは、VRコンテンツを映像だけにとどめず、音にまで拡張する試みをiOS向けアプリ「新音楽視聴体験 音のVR」で実施中だ。具体的な取り組みとして、オーケストラなどによる演奏映像を配信している。

音のVRは、再生中の動画を拡大表示してある部分だけに注目するのと同様に、拡大表示した場所からの音を中心に聴くことができるアプリ。360°の8Kビデオと360°の3Dオーディオに対応しており、ズーム操作に合わせて音場をリアルタイムに合成して再生するという。

公開されている新日本フィルハーモニー交響楽団と東京混声合唱団による演奏で試すと、オーケストラで演奏している特定の人、コーラスで歌っている特定の人に合わせてズームインすると、まるでその人に近づいて聴いている感覚が味わえる。実際のコンサートでは不可能な、舞台や客席を自由自在に移動しながら音楽を楽しむ新しい体験も可能だ。

バーチャルコンサートを「音のVR」配信イメージ 出典:KDDI / 119名のミュージシャンがリモート演奏!バーチャルコンサートを「音のVR」で配信

VR市場は年平均80%以上で成長予想

IDCの調査レポートによると、2020年上半期におけるVRおよび拡張現実(AR)用ヘッドセットの世界出荷数は、COVID-19パンデミックの影響で以前より減少するという。

具体的には、第1四半期が前年同期比10.5%減、第2四半期が同24.1%減という大幅な市場縮小と見込んだ。ただし、2020年なかばに状況が改善し、下半期は前年同期比23.6%増と予測している。そして、その後も成長し、2020年から2024年にかけての年平均成長率(CAGR)は81.5%にもなるとした。

VRゴーグルに限ったCAGRは、スマートフォンの画面を流用するスクリーンレス型が29.16%減と振るわないものの、PCなどに接続して使うテザー型が37.30%増、単体で機能するスタンドアロン型が69.06%増と順調だ。

Moguraの調査レポートでも、VRに対するニーズ増加や、COVID-19によって生ずる新しい商機を指摘する声が見受けられる。VRゲームやVR映画のような消費者向けコンテンツの増加でVRゴーグルに対する需要が高まるのだろうが、今後は注目する業務目的で導入する企業も増えていくはずだ。

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