非IT職が隙間時間にアプリ構築、経営管理から人事評価まで内製化 - 「Forguncy」導入事例
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事例概要
グレープシティ株式会社が提供する、「Forguncy」の活用事例です。
サービス導入企業
- 企業名:株式会社テック長沢
- 業種:メーカー/製造
- 従業員規模:101~200人
- 所在地:新潟県
- 設立年:1963年
受賞部門
「BOXIL SaaS AWARD 2023」総合1位
「BOXIL SaaS AWARD 2023」導入事例セクション中小企業(SMB)部門1位※
※対象
従業員数101名から500名以下の企業の生産性向上に貢献した事例を対象とする
導入前の課題
株式会社テック長沢は、金属切削加工を中心とする加工技術を用い、自動車や建設機械、印刷機などの部品を受注生産する企業です。受注情報や顧客情報、工具の購入履歴といった経営に必要な情報は、すべて基幹システムで管理していました。
売上予測などの経営指標は、基幹システムのデータベースを検索し、Excelで集計します。そうしたExcelファイルは増え続け、管理は煩雑を極めており、経営状況の全体把握と迅速な判断が困難な状態でした。
たとえば、以下のような課題がありました。
- 営業部門は、基幹システムの売上実績を検索して探し、売上予測をExcelで作成
- 製造部門は、基幹システムの資材状況などから製造状況を取り出し、Excelで算出して報告
- 経営陣は、各それぞれのExcelファイルを毎月突き合わせ、売上見込みから経営指標を算出
手間がかかるうえ、精度が低く、固定した指標以外を把握できていません。
導入による効果
課題解決には、製造条件などを一元管理するシステムの構築が必要です。しかし、開発の外部委託は、時間やコストがかかる割に、使いやすいシステムが完成する保証もありません。
そこで、Webアプリケーションの内製を検討し、ノーコード開発ツールのForguncyを導入したところ、以下のような効果が得られています。
業務に適した売上予測システムを内製
まず、基幹システム管理下のデータベースにアクセスするサブシステムを、Forguncyで構築。そして、顧客ごとの売上実績と製造・出荷状況を参照する「マネジメントサポートシステム」を内製し、売上予測と製造・出荷の進捗確認がシステム上で行えるようにしました。
ちなみに、システム構築は、ITの専門家ではない社員1名が仕事の合間に作業し、1カ月しかかかっていません。基幹システムとのデータ連携、画面デザイン、業務ロジック実装まで、すべてノーコードで済んだからです。
新機能が必要になった場合でも、迅速な開発スタートが可能なうえ、多くの機能は0.1~2人日ほどの工数で追加できます。
1人当たり月間8時間の作業を削減
基幹システムから受注実績や資材状況などのデータを探し出し、必要な情報を整理し、営業部門や製造部門で集約する作業が不要になりました。さらに、予実データと突き合わせる作業も廃止できました。
その結果、作業時間の削減効果は、1人当たり月間8時間にもなります。
デジタル化に対する現場の意識も向上
副次的な効果として、システム開発と縁のなかった現場の社員が、自然とデジタル化を意識するようになりました。使う側の意見を反映させた開発や改良が容易なため、現場から「この作業をForguncy化しませんか」と提案されることもあります。
さらに、人事業務でのForguncy活用も始まり、確定拠出年金制度(401k)対応システム、タレントマネジメントシステムの内製、といった事例がみられます。
製品ごとのスキル管理システムを自作
2022年には、製品ごとのスキル管理システムをForguncyで内製するなどし、社員のスキル評価に役立てています。
ITや業務管理など汎用性のあるスキルとは別に、現場では製造に関する特殊なスキルが必要です。これらをExcelで管理していましたが、人事評価時に複数ファイルを開いた作業が必要で時間がかかっていました。さらに、別の製品を製造する課へ異動すると、保有スキルの評価がなくなってしまいます。こういった製造業ならではの事情が評価を困難にしていました。
これも“Forguncy化”で解決を試みました。取り組みと成果は次のとおりです。
<取り組み>
- 製品ごとのスキル管理システムをForguncyで内製
- 基幹システムのデータベースと接続し、製品や生産工程のIDにその作業に必要なスキルを関連づけ
<成果>
- 誰がどの程度、評価期間中にスキルアップしたのか一目でわかるようになった
- 異動で部門が変わっても、過去のスキル評価が残るようになった
- 作業者のスキル保持欄に最終作業日を表示できるようになり、再教育要否確認などの手間が減った
- マスタデータが基幹システムに集約され、二重管理の手間がなくなり、品名入力ミスの防止に
効果をもたらした機能
- 外部データベース内の任意のテーブルと直接接続し、Forguncy内のテーブルと自由に組み合わせてデータ処理する「データベース機能」
- Excelライクにデザインできる「画面レイアウト機能」
- 業務プロセスに合わせたロジックを柔軟に構築できる「コマンド機能」
- 高度な分析が可能で、情報が得やすく、使い慣れている人の多いExcel関数をそのまま使える機能
- 本番稼働後でも、画面や業務ロジックの修正をすぐに反映できる運用環境
参照)グレープシティ株式会社「『Forguncy』でExcelでの管理をWebシステムに移行。業務効率化や迅速な経営判断を実現し、従業員の積極的なIT活用も促す」https://www.forguncy.com/case/tec-naga, 2023/2/10確認
BOXIL SaaS AWARDとは
「BOXIL SaaS AWARD(ボクシル サース アワード)」は、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS(ボクシル サース)」を運営するスマートキャンプ株式会社が、優れたSaaSを審査、選考、表彰するイベントです。年1回、SaaSの日(※)を記念し発表しているほか、Spring、Summer、Autumn、Winterの四半期ごとにも、優れたSaaSを表彰しています。
「BOXIL SaaS AWARD 2023」では、エントリー式で審査する「導入事例セクション」と、データを元に定量評価する「BOXIL SaaSセクション」「BOXIL EXPOセクション」「BOXIL SaaS質問箱セクション」の計4つのセクションを設けています。各セクションの選考基準に従い、部門ごとにもっとも評価の高いサービスを部門1位として選出します。さらに部門1位の中から総合1位を選出し、その証として「Best SaaS in Japan」の称号を付与します。
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※スマートキャンプが独自に定めた記念日で、毎年3月4日です