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ダブルトランザクションとは?仕組み、導入メリットと注意点

最終更新日:(記事の情報は現在から46日前のものです)
ダブルトランザクションとは、倉庫内をストックエリアとピッキングエリアの2つに分けて商品を保管する方法です。エリアを分けることでムダな移動を減らしたりスペースの有効活用ができたりします。本記事では、ダブルトランザクションの仕組みや導入メリット、導入に際する注意点について解説します。

ダブルトランザクションとは

ダブルトランザクションとは、倉庫内をストックエリアとピッキングエリアの2つに分けて商品を保管する方法のことです。

倉庫内を2つに分けることで、出荷と補充の動きを同時に行えるようになり、倉庫内業務の効率化が図れます。また、ピッキングエリアに保管スペースを確保する必要がなくなり、作業スペースが確保しやすくなります。

限られた倉庫スペースを有効活用したり従業員の移動を減らせたりすることで、生産性の向上や機会損失の防止につながります。

ダブルトランザクションの仕組み

ダブルトランザクションの仕組みは次のとおりです。

  • ストックエリアとピッキングエリアを分ける
  • 在庫がなくなったらピッキングエリアへ補充する
  • ピッキングエリアにある必要な商品を出荷する

ストックエリアとピッキングエリアを分けることで、ストックエリアでは保管作業に専念でき、ピッキングエリアでは出荷作業に専念できます。

また、レイアウトの方法には縦配置と横配置の2つの方法があります。縦配置は、ピッキングエリアの上にストックエリアを配置する方法です。縦に積み上げる形になるため、省スペースでの運用ができます。

横配置は、それぞれのエリアを横に並べて配置する方法です。商品移動が横移動だけで済むため、移動が容易になり、落下による破損リスクの低減ができます。

いずれの方法もエリアを分けることで、やるべき作業を厳選できます。不必要な作業がなくなるため、業務効率が向上します。

固定ロケーションの違い

固定ロケーションとは、商品の保管場所を固定しておく保管方法です。どこにあるのかを覚えておきやすいといったメリットがある一方で、需要によって在庫数が変動しても保管場所を確保しておかなければならず、保管効率が悪くなることがデメリットとして挙げられます。

固定ロケーションの対になる保管方法にフリーロケーションがあり、こちらは倉庫内の空き状況に応じて柔軟に保管場所を決める方法です。

ダブルトランザクションは、ストックエリア管理を固定ロケーションで管理し、ピッキングエリアをフリーロケーションで保管する方法です。それぞれの保管方法の良い所を活用できるため、作業効率の観点からダブルトランザクションの方が優れているケースは多くあります。

ダブルトランザクションのメリット

ダブルトランザクションのメリットは次のとおりです。

  • 業務効率の向上
  • ピッキング移動距離の短縮
  • 保管効率の向上

それぞれ詳しく解説します。

業務効率の向上

ダブルトランザクションを導入することで、業務効率の向上が可能です。ストックエリアとピッキングエリアを分けることで、ピッキングエリアのスペースを広く取れます。

そのため、ピッキング作業がしやすくなり、業務効率の向上や作業時間の短縮が可能です。また、ピッキングがしやすいように商品を並び替えるのも容易になるため、ピッキングしやすい状況にできます。

さらに、通路幅を広く確保できるようになります。通路幅を広く確保することで移動がしやすくなり、荷物を運びやすくなったり、商品の検索による時間のロスを減少させることが可能です。

ピッキング移動距離の短縮

ダブルトランザクションを導入することで、ピッキング移動距離を短縮できます。ピッキングが必要な商品を特定の場所へ集められるため、ストックエリアまで移動する必要がありません。

したがって、移動距離をピッキングエリア内に限定することが可能です。たとえば、倉庫の奥にストックエリアを配置し、ピッキングエリアを倉庫の入口付近に設置しておけば、ピッキングした商品をすぐに運び出せます。また、必要以上にストックエリアに移動する必要がないため、業務に集中できます。

ムダに移動する必要がなくなるため、移動時間や商品の検索時間の短縮が可能です。さらに、移動距離を減らせれば作業員の負担を軽減できます。

保管効率の向上

ダブルトランザクションを導入することで、保管効率の向上が可能です。ストックエリアとピッキングエリアを分けることで、それぞれに特化した保管ができます。

たとえば、保管することが中心のストックエリアは作業頻度が低いのが特徴です。そのため、取り出しやすさをあまり考えずにスペースを詰めて保管することで、より多くの商品を保管できます。

ピッキングエリアは、ピッキング以外にも検品、梱包、発送とやることが多いため、ある程度の作業スペースが必要です。ストックエリアと分ければ保管のためのスペースを作業に当てられるため、効率よく業務を進められます。

とくに、出荷頻度が高く在庫の移動が頻繁な企業において、効果的に活用できます。

ダブルトランザクションを導入する際の注意点

ダブルトランザクションは、在庫がなくなる前にストックエリアから補充しないと、思わぬ事故につながるといった点が課題です。また、他にも適切なピッキングエリアを確保する必要があったり、大型商品や出荷量が多い場合は不向きだったりします。

導入に際して、具体的にどのような点に注意してダブルトランザクションを導入すればよいか、詳しく解説します。

適切なピッキングエリアの確保が必要

ダブルトランザクションを導入する際は、一定のピッキングエリアを確保することが必要です。ストックエリアと分けるため、ピッキングエリアのスペースを少なくしがちですが、一定の作業スペースがないと、かえって作業効率が悪くなる可能性があります。

たとえば、ピッキングエリアを広く取るとともに、大きな荷物が運び出せるスペースを確保しておけば、作業効率を下げることなく業務が進められるでしょう。また、従業員の移動が最低限で済むように、頻繁に入出荷する商品は運び出しやすい場所へ置くといった導線確保も重要です。

また、倉庫内が狭く十分なスペースを確保できない場合は、ストックエリアを縦配置にするとピッキングエリアを確保できます。

徹底した在庫管理が必要

ダブルトランザクションは、ピッキングエリアの在庫がなくなるたびにストックエリアから補充する仕組みのため、徹底した在庫管理が行われていない場合は、期待される効果を得ることが難しくなります。

たとえば、補充する基準があいまいだと、ピッキングする商品が不足する事態が起こりやすくなります。このような欠品が発生すると、商品の補充が完了するまで業務が停滞し、結果として納期に遅れる可能性があります。

また、納期を間に合わせるために無理に急ぐと、思わぬ事故やトラブルが多発するかもしれません。このような事態を防ぐために、ダブルトランザクションの導入時は運用ルールを確立し、業務がスムーズに運べる仕組み作りが重要です。

大型商品や出荷量が多い場合は不向き

ダブルトランザクションは商品が大きい、出荷量が多い場合は不向きといった特徴があるため、導入の際は自社がシステムに適しているかの確認が必要です。

大きな商品が多い場合、小さい商品と比べて移動に労力が必要です。そのため、補充に時間がかかってしまい、業務の効率化につながらない可能性があります。

また、出荷量が多い場合は、ストックエリアとピッキングエリアの往復する回数が増えてしまい、ピッキングエリアへの補充が間に合わない可能性があります。

ダブルトランザクションが向いているのは、少ない人数で簡単に運べる商品を扱っている企業です。自社がダブルトランザクションに向いているかを吟味してから導入を決めましょう。

ダブルトランザクションの導入で業務効率化を図ろう

ダブルトランザクションは、倉庫内をストックエリアとピッキングエリアに分けることで、スペースを有効活用する、従業員の移動を減らすといった業務効率化につながるシステムです。また、保管効率の向上も期待できます。

システムを導入する際は、適切なピッキングエリアを確保する、在庫管理を徹底する、大型商品や出荷量が多い場合は不向きといった点に注意が必要です。

ストックエリアからスムーズにピッキングエリアへ商品が補充できないと、業務の停滞や、納期に間に合わせようとして事故が発生する可能性があります。

システムを導入する際は各ツールを比較し、気になるシステムの資料をダウンロードして自社に合うのか検討してみましょう。

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