BOXILが発表した「2026年上半期 BOXIL資料請求数ランキング」において、Molton株式会社が提供する企業法務アウトソーシングサービスALSP(代替法務サービスプロバイダー)「クラウドリーガル」が、契約書レビューで総合1位を獲得しました。
全国で専門性の高い法務人材が不足するなか、中小企業では1人法務体制だったり、専任者を置けずに他業務と兼務で法務をこなしていたりする一方、大手企業でも法務部のリソースが足りないという状況が生まれています。リーガルテックを導入しただけでは細かな判断までは解決できず、かといって外部の法律事務所にすべてを依頼すれば、大きなコストと時間がかかります。
こうした課題に新しい形で応えるのがクラウドリーガルです。同サービスは、弁護士が監修・設計した法律特化のリーガルAIを搭載したSaaSと、弁護士をはじめとする専門士業によるBPOを組み合わせた契約・法務BPaaSです。契約書レビュー・リーガルチェックから契約書の作成、法務や労務・知的財産・税務の相談サポート、社内規程の整備・作成、法令・ガイドラインQAや判例調査まで、1つの画面で対応できます。
今回は受賞を記念し、Molton株式会社 CSMOの金沢 由樹氏にお話をうかがいました。1週間から半月かかることもあった法令改正への対応が半日〜1日で済んだ例や、中小企業と大手企業それぞれの活用法、そして金沢氏が「第3の選択肢」と語るリーガルサービスの考え方まで紹介します。

<お話をうかがった方>
Molton株式会社
CSMO (最高営業・マーケティング責任者/Chief Sales & Marketing Officer)
金沢 由樹氏
SaaSだけのリーガルテックでは解決できない契約業務や法務を専門家が補う リーガルAIと弁護士体制を融合した契約・法務BPaaS

——契約書レビューでの総合1位、おめでとうございます。まずは、クラウドリーガルがどのようなサービスなのか教えてください。
金沢氏: ありがとうございます。クラウドリーガルは、国内では目新しい企業法務アウトソーシングサービスALSP(代替法務サービスプロバイダー/Alternative Legal Service Provider)です。法律事務に精通した弁護士が監修・設計した、法律特化のリーガルAIを搭載したSaaSと、弁護士、司法書士、弁理士、行政書士、社会保険労務士、税理士のスケール体制による専門家BPOを掛け合わせた契約・法務BPaaS(Business Process as a Service)で、インターネットWebサービスとして地域や場所を問わず全国に高度な法務サービスを提供しています。
昨今、企業や機関では今までにない範囲やスピード感で法的サポートを必要としています。サイバー攻撃で個人情報や機密情報が漏洩した際のインシデント対応などのIT法務・サイバーセキュリティ法務の整備・強化や、経済安全保障、国際取引の拡大やグローバル法規制の対応、生成AIの普及にともなう知的財産対策、危機管理や企業ガバナンスの在り方、複雑化する税制度、さらには人材の多様化による労務対応の負荷、対応範囲が広がり義務化されるハラスメント対策やコンプライアンス対策など、その内容は多岐にわたります。
このような広範囲な法務課題に、社内の法務人材や単独の顧問弁護士や顧問社労士だけで対応することは難しくなっている現状があります。
クラウドリーガルでは法律や労務・知的財産・税務のご相談サポートから、契約書レビュー・リーガルチェックや契約書作成・ひな型の提供、社内規程の整備・作成、広告審査・薬機法チェック、法令・ガイドラインQAや判例調査(リーガルリサーチ)、法令改正アラート、株主総会・取締役会の支援や株主対策、内部通報窓口(法令違反・ハラスメント対策)、知的財産権等の商標登録・調査、会社設立や登記変更、M&A法務、IPO準備支援、法務デューデリジェンス(DD)まで、企業法務・コーポレートに必要なものを幅広くそろえています。
これらを、リーガルAIへの相談サポートも弁護士や専門士業への相談サポートや実務依頼も含めてワンストップで提供しています。従来は、リーガルテックのツールを使うならシステムにログインし、外部の法律事務所の人に頼むならメールを開く、といった運用の分断がありましたが、クラウドリーガルなら1つのサービス画面で両方を使えます。
情報を一元管理することができるので、社内でのナレッジ共有や蓄積が進み、法務基盤としても活用していただけます。法務人材不足に加え、長年勤めていたベテランの法務担当者の退職によって、社内にナレッジが残らず、後任が運用に苦戦することも多いです。
——ツールと弁護士・専門士業への依頼の両方を、1つのサービス画面で使えるのですね。今回の受賞では、どんなところが支持されたとお考えですか。
金沢氏: 1つは、新しいサービスモデルであることだと思います。リーガルサービスのほとんどは、いわゆる100%ITのリーガルテック、つまりSaaSです。ただ、法務や法制度の領域には非常に細かい部分や高い精度が求められる部分が多く、SaaSだけでは解決できないことも少なくありません。
ITサービスだけでは小回りがきかない部分を、弁護士や専門士業による文書チェック・レビューで補う。国内では目新しいALSPとして、こうした専門士業体制を完備したハイブリッド構成が、大きな評価ポイントになったと考えています。
また、顧客の反応を見ていると契約書だけではなく社内規程書類・規約・約款・受発注書・申請書類・議事録などの文書レビューにもクラウドリーガルが対応している点が、大きなポイントでもあったと思います。両方のいいとこ取りができるのは弊社の大きな魅力ですので、企業規模や業種を問わずご支持いただけたと実感しています。
中小企業は兼務、大手でも1人法務の実情 社内にも外部にも頼れる先がない
——細かな判断や高い精度が求められる部分ほど、人の目が必要になるのですね。導入前の企業は、どんな課題を抱えていることが多いのでしょうか。
金沢氏: 企業規模によって課題は異なります。国内の多くを占める個人事業主や中小企業では、法務の専任者や法務部がなく、管理部や総務、役員の方が法務を兼任されているケースがほとんどです。
片手間で回しているためレスポンスが落ち、競争力に影響しているというお話をよくお聞きします。外部に頼むにもコストの壁があるため、顧問弁護士や顧問社労士がいない企業も少なくありません。時代背景として、人材不足は弁護士や社会保険労務士も同じです。地方にいくと相談できる法律事務所や専門士業が近くにいないという、司法アクセスの課題もあります。
一方で大手・上場企業も、深刻な人材不足に直面しています。法務部があっても実態は「1人法務」というケースも珍しくありません。事業部からの依頼に対応しきれず、現場のスピード感を損なっているのが現状です。既存業務もさばききれないなかで新規事業の展開など経営に直結する対応が後手に回ってしまいます。
日本企業にありがちなことなのですが、人力で無理やり回したり、本来チェックすべきレベルを落として対応したりと、ギリギリの状態で運用している企業も多いと思います。契約社会である海外との温度差は明確です。
この課題は民間企業だけでなく地方公共団体や行政機関でも起きています。地方の人口減少や地域性から、行政法や地方自治法に詳しい専門家が近くにいないという実態があります。法的サポートが年々増加し複雑化しているなかで、国民生活にも関わる重要な課題です。
——社内だけで回すのがそこまで難しいと、顧問弁護士に頼る場面も増えそうですね。
金沢氏: はい。特に大手企業には必ず顧問弁護士がいらっしゃいます。ですが法務領域の拡大や、多言語契約書への対応、ハラスメントをはじめとする労務問題の複雑化により、既存の顧問弁護士や顧問社労士だけでは対応しきれないケースが増えています。
また、顧問弁護士は他社の案件も抱えて多忙なため、「レスポンスが遅い」「ちょっとした相談がしづらい」といった、外部専門家ならではの壁があるというお悩みもよくお聞きします。
——社内にも外部にも、すぐに頼れる先がない状態なのですね。法務部のない中小企業では、それがどのような形で表れるのでしょうか。
金沢氏: 専門知識がないことによる判断の遅れとして表れ、これがビジネスの機会損失などに直結してしまいます。兼務による片手間のため対応が後回しになり、自社で分からないから外部に投げる。そうしたたらい回しによって、業務が大幅に遅れてしまうのです。ふたを開けてみると、コストが重複していたというケースもあります。
いつも通りの業務なら過去のナレッジで対応できても、新規事業の立ち上げや大きな法令改正など、新たな法的サポートが必要な場面では膨大な時間を費やしてしまいます。
——法令改正は、業種を問わずどの企業にも関わってくる話ですね。
金沢氏: ええ。たとえば最近の大きな法改正イベントとして、下請法(下請代金支払遅延等防止法)が取適法(中小受託取引適正化法)に改正されました。多くの業種業界で法改正の対応に追われましたが、特に協力会社が多い業種や、委託構造を持つ建設業・物流業・製造業・小売流通業・飲食業などで大きな影響が出ました。自社の運営に直結する重要な変化ですが、中小企業の場合は「何をどうすればいいか」「どこから手をつければいいか」という初歩的な段階でつまずき、SOSを出す先も見つからないのが実情です。
その結果、本来リスク管理としてあってはならないことですが、指摘を受けるまで放置したり、古い法令のまま運用を続けてしまったりするケースも珍しくありません。企業側の意識次第で、対応スピードに大きな差が出てしまっています。
リーガルAIで即答、難しい案件だけ弁護士・専門士業へ 社内に法務ナレッジがたまり、コストも大幅削減
——どこから手をつければいいか分からない状態から、クラウドリーガルを導入するとどう変わるのでしょうか。
金沢氏: SaaS機能として法律特化のリーガルAIを搭載しているため、その場ですぐにサポートが可能です。「何をすればいいか」という初歩的な疑問からかみ砕いて対応でき、法令改正のアドバイスや現行契約書のチェックも導入直後から受けられるため、スピード感は圧倒的に上がります。クラウドリーガルでは、契約書レビュー機能以外にも、法務や労務・知的財産・税務の相談サポート機能やリーガルリサーチ機能もあるため契約書レビュー前後のサポートも可能です。
「この契約書は締結するべきか」「契約書を新規で作成したい」「契約内容に関連した法令やガイドラインQAを調べておきたい」「この文書はペーパーレスの電子契約(電子署名)で締結できるか」「過去に締結した契約書との差分をチェックしたい」など、契約業務を支援することもできます。
これまで大小に関係なく法改正には、外部の弁護士と対話しながら1週間から半月かけてじっくり対応するケースも多かったと思います。しかし、リーガルAIなら即座に返答が得られるため、半日や1日で対応を済ませてしまったユーザーもいらっしゃいます。
——半月かかっていた対応が半日で済むとは、大きな違いですね。
金沢氏: 企業の競争力にとって対応スピードは重要かと思います。ただ一方で、リーガルAIでもなかなか解決できない、スムーズに進まない部分もあります。リーガルAIもAIである以上、ちょっとしたかみ合わせでずれが起きることはあり得ます。
また、心理的に「この部分だけは弁護士・専門士業の人に聞きたい」という場面もあるかと思います。そうした部分は速やかに法務BPOとして弁護士や専門士業をアサインし、そのまま継続対応して解決までたどり着けます。
ご相談から解決まで対応でき、必要に応じて契約書や社内規程など書類の作成・整備まで進められるのが、BPaaS形式のクラウドリーガルの特徴です。
——スピードだけでなく、コスト面でも変化はありますか。
金沢氏: はい。大きな法令改正などをすべて外部の法律事務所に依頼すると、それなりのコストがかかります。クラウドリーガルは定額のSaaS機能があり、ハイブリッド形式で外部依頼を必要最小限に抑えられるため、コストを半分から3分の2ほど削減することも可能です。ポイントは、既存の顧問弁護士や顧問社労士との契約はそのままに、併用・使い分けることです。もちろん顧問弁護士がいない場合は、クラウドリーガルが顧問弁護士のような役割として利用されているケースも多くあります。
また、これまで外部に丸投げしていた業務を自社で回せるようになる点も大きいです。運用するうちに社内へ自然と法務ナレッジが蓄積されていくため、中長期的にはコスト削減の効果がさらにはっきりと表れてきます。
——実際の導入事例も教えていただけますか。
金沢氏: 法務部門がないある中小企業では、これまでコストをかけて、ほとんどの業務を外部の顧問弁護士に依頼していました。クラウドリーガル導入後は「自社で判断できるものはSaaSで処理し、難しい案件のみBPOへ回す」という運用に切り替え、スピードアップとコスト削減を実現されています。
また別の中小企業では、長年法務を兼務していたベテラン社員が退職し、サポート体制がなくなってしまったという課題がありました。そこでクラウドリーガルを「法務担当者の代わり」兼「法務ナレッジ基盤」として導入いただいています。人に依存しない仕組みができたことで同じミスを繰り返さなくなり、今では法務だけでなく、労務や知財、税務などの幅広い業務も任せていただいています。
大手企業・上場企業での導入も拡大しています。やはり大手企業でも専門の法務部門やコンプライアンス部門がありますが、リソース不足となっています。大手企業ですと多くの事業部・支店・拠点などから毎日のように契約書審査・レビュー依頼が法務部に集約されてきます。契約書審査は言わば反復作業のため、これをクラウドリーガルに法務BPOとして任せ、自社の法務要員は経営に直結するコア事業へシフトするような事例もあります。
——ベテランの退職は、どの企業にも起こりうることですね。特に効果が出やすいのは、どんな企業でしょうか。
金沢氏: 法務業務の量(契約業務・調査などリーガルリサーチ)が圧倒的に多い企業や、幅広い事業を展開している企業は特に効果が高いです。多角的に事業を行っているとそれだけ多様な専門知識が必要になります。そのため複数の法律事務所や専門士業と契約して使い分けているケースもありますが、クラウドリーガルならさまざまな専門領域をワンストップで最適化・自動化してカバーできるため、振り分け業務も必要なく、大きなコスト削減につながります。
また、組織体制の面で相性が良いのは法務を兼務している中小企業と、法務部のリソースが足りない大手・上場企業です。大手企業でも、不足している人材の穴埋めとしてご活用いただいているケースは多くあります。
——人材の穴埋めという使い方もあるのですね。導入した企業がうまく使いこなすためのコツはありますか。
金沢氏: これまでは、外部の法律事務所や専門士業にちょっとした法律などの相談は気が引けてしまうというスタンスが多くの企業に根付いていたと思います。
ですがクラウドリーガルなら、初歩的なご相談やちょっとした疑問から具体的な解決まで幅広くサポートが可能です。まずは何かあればクラウドリーガルにアクセスする、という意識を持っていただければ、企業の競争力やリスク管理に大きく寄与できると考えています。
そのため私たちは、いつでも気軽に相談できる「企業内弁護士」や「社内法務担当者」のように使っていただくようご案内しています。

ALSPだからできる、リーガルAIと全国の弁護士・専門士業ネットワークの融合 顧問弁護士も既存リーガルテックツールもそのまま併用可能
——社内に弁護士がいる感覚で使えるのは心強いです。リーガルAIと弁護士・専門士業を組み合わせたこの仕組みは、他社にはなかなか実現しづらいのではないかと思います。どこにその難しさがあるのでしょうか。
金沢氏: 弊社は立ち上げ当初から、リーガルAIを搭載したALSPとして、「契約・法務BPaaS」というコンセプトでサービスを設計してきました。SaaS部分には弁護士が監修・設計した法律特化のリーガルAIを搭載し、汎用AIに比べて非常に精度の高い専用AIに仕上げています。
汎用AIは殆どが海外製になるため国内法への対応など温度差もあるのが事実です。また汎用AIの規制議論もあり、ある汎用AIでは、利用ポリシーとして特定の専門分野(法律・医療・金融)の利用は専門家に限定する趣旨が記載されています。このような環境下で、リーガルAIを搭載した契約・法務BPaaSを仕立てることができるのは、国内のALSPのパイオニアである弊社だからこそだと思います。
加えて、弊社自身が組織として強い弁護士体制を持っているため、全国の経験豊富な専門士業ネットワークを構築できました。単独の法律事務所ではなく、ALSPとして事業を運営しているからこそ、こうした柔軟性のある独自のハイブリッド構成が可能になっているのです。現在ではそのネットワークは国内だけではなく、海外の現地法律事務所・専門士業との連携に拡大しています。
——ALSPとして国内外の経験豊富な専門士業とつながれるのは、利用する企業にとって大きな安心材料になりそうですね。
金沢氏: そうですね。現在、国内では専門性の高い法務・コンプライアンスや知的財産の人材が圧倒的に不足しています。さらに、地方に行くほど身近に相談できる弁護士がいないという「司法アクセスの過疎化」による地域格差も深刻です。国際取引や現地法人を運営する企業では、国内の国際弁護士では対応しきれず、現地の法規制に精通したサポートが必要になる場面もあります。
インターネットWebサービスであるクラウドリーガルなら、そうした物理的な障壁をなくし、場所を問わず、高度な専門家を即座にアサインできます。そのうえでリーガルテックの機能も使い分けられる点が、今までにない解決策として高く評価いただいています。
——導入にあたって、いまの体制を変える必要はありますか。
金沢氏: 今の環境を変える必要はありません。既存の顧問弁護士や顧問社労士との契約や、導入済みのリーガルテックの各種ツールはそのまま維持し、クラウドリーガルと併用・使い分けができます。こうした柔軟なサービスとして、月額1万円から低コストで気軽にスタートできる点も大きなポイントです。まずは小さく導入し、そこから業務量やスコープを拡大させることもできます。
また、画面はシンプル・イズ・ベストを徹底し、直感的なインターフェースを意識しています。そのため操作講習はほとんど行っておらず、多くのお客様がマニュアルを見ずともすぐに使いこなされています。
——講習なしで使い始められるのは、導入する側にとってありがたいですね。新しいサービスモデルを知ってもらううえで、工夫されていることはありますか。
金沢氏: 「インターネットWeb上でリーガルAIと専門家の両方に相談・実務依頼できる」というのは新しいコンセプトゆえに、専門的で難しそうという先入観を払拭する必要がありました。特に国内では「内製:社内法務人材」と「外部:法律事務所・専門士業へ依頼」の2択という考え方が根強くあります。海外ですとここへ第3の選択肢として「ハイブリッド外部:ALSP」があります。実際、第三者機関の調査でも、海外ではALSPの導入や依頼量が増加傾向にあります。
そこで、BOXILのような外部メディアでの発信や、お客様への丁寧な説明を通して、サービスの仕組みや導入効果を分かりやすくご案内しています。
——法務の情報を安心して預けてもらうために、セキュリティやサポートの面ではどのような体制を整えていますか。
金沢氏: リーガルサービスという性質上、セキュリティや情報管理には非常に力を入れています。初期段階からISMS(ISO/IEC 27001)を取得し、AIに入力される個人情報の取り扱いにも配慮して設計しています。
また、サポートもWeb、メール、電話で対応できる体制を整えていますので、安心してご利用いただければと思います。
弁護士が汎用性を見極めて機能を開発 企業法務に必要な機能をすべて搭載したサービスへ
——サービス開発で、最も大切にしていることは何ですか。
金沢氏: サービスの品質、法令適合性、セキュリティ、安定性です。そのうえで、企業法務の現場が必要としている機能や業務支援を意識しながら設計しています。リーガルサービスという性質上、設計は法務省のガイドラインに従っています。もちろん個人情報保護法や弁護士法にも則った設計になっています。
——お客様の要望は、どのように開発に取り入れているのでしょうか。
金沢氏: カスタマーサクセスの対応やサポート窓口に寄せられたご依頼を1件1件吟味し、日々の機能拡張に反映しています。その際、お客様の要望が「より汎用的な法務業務に適用できるか」を、実務経験豊富な弁護士のエキスパートが判断しています。
弊社はITサービスベンダーではなく、弁護士組織が強いALSPベンダーです。求められた機能をただそのまま作るのではなく、法務の現場でより使いやすい形にリビルドして実装する。それが最大の強みであり、メンバー全員が意識しているポイントです。
——弁護士の実務視点が、機能の選び方にまで生きているのですね。
金沢氏: その通りです。弊社には国内や海外で企業法務のど真ん中で実務を回してきた弁護士も多く、さらに企業の業務改善・改革を上流からも提案してきたアカウント・エグゼクティブメンバーなども在籍する、まさにエキスパート集団です。だからこそ、現場にとって本当に使いやすいインターフェースや機能を追求できます。もしITサービスベンダーが同じサービスを作ったら、画面の作り方や機能設計はまったく違うものになると思います。
SaaSによくある「多機能すぎて使いづらい」という問題も排除しています。多機能=使いやすいではないため、あくまで法務の業務フローに沿った設計を徹底しています。リーガルAIの精度を日々チューニングして進化させる一方で、AIを操作する画面のボタン配置やレイアウトも都度調整し、直感的な操作性にこだわっています。
この2点については、私が長年SaaSメーカーやソフトウェアメーカーにいたこともあり、自分自身もしっくりきています。
——最近、特に力を入れている開発テーマはありますか。
金沢氏: 1つは、AIとの「コミュニケーション機能」の強化です。リーガルAI自体の回答精度はもちろんですが、実務で使いこなすにはAIといかにスムーズに対話できるかが重要になります。
そのため、「弁護士であればこうヒアリングするだろう」といった企業法務の実務観点を取り入れ、自然な対話で的確な回答を引き出せる仕組みを作り込んでいます。
もう1つは、データの活用です。SaaSとして長くお使いいただくほど、過去のナレッジを生かしたいというニーズが高まります。現状でもナレッジ蓄積や法務案件の管理機能は備えていますが、蓄積されたデータをさらに実務へ有効活用できるような機能拡張を今後も進めていく予定です。
——今後、クラウドリーガルではどのような展開を考えていますか。
金沢氏: 現在対応している法務・労務・知財・税務の法律業務にとどまらず、今後はさらに幅広いコーポレート業務やBPOへと対応範囲を広げていきます。たとえば会計や財務・請求取引・決済・電子契約・契約管理なども含め、企業のバックオフィス業務全般をクラウドリーガル上でどう提供できるか、すでに設計を進めているところです。
この将来ビジョンに向けて、2025年12月には上場企業グループのコンサルティングファームからコンサルティング事業をロールアップM&Aして事業を強化しました。コーポレート支援として、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)、M&Aコンサルティング、PMI(Post Merger Integration)、コンプライアンス実効性評価、有事対応・危機管理支援、内部通報制度支援、知的財産ROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)など、より経営コアに近い部分を提供できる体制を構築しています。
この実現の鍵となるのは、リーガルAIの進化と弁護士・専門士業ネットワークの機能化・柔軟な融合化だと考えています。予算が限られる中小企業でも手軽に利用できるよう、シンプルで使いやすい設計を徹底し、高度かつ安価なリーガルサービスを提供し続けます。さらには官公庁・地方公共団体や行政機関向けにデジタルガバメントプランの提供も開始しているため、民間企業だけではなく、国民の生活基盤ともなっている自治体や行政機関に対しても、ビジネスパートナーと共に支援していきます。最終的には、企業法務やコーポレート業務に必要なすべての機能が揃う社会インフラ基盤を目指しています。
——最後に、導入を検討している企業の方へメッセージをお願いします。
金沢氏: 企業の法務課題に対する解決策は、これまで「リーガルテックなどのITツール/SaaSの導入」か「外部の法律事務所への依頼」という2択になりがちでした。そこに登場した第3の選択肢が、リーガルAIと専門家のハイブリッドである契約・法務BPaaSの「クラウドリーガル」です。このクラウドリーガルであれば、これまでは両立が難しかったコスト、スピード、対応範囲の課題を総合的に解決できます。
多彩な機能を備えた総合法務パッケージですが、スモールスタートが可能な設計になっています。契約書レビューやちょっとした相談先として、まずは使ってみてください。弊社のリーガルAIは汎用AIとは一線を画す精度を誇りますので、ご案内の際はぜひ、お客様の実際の文書サンプルや相談内容を用いた実機デモでその実力を体感していただければと思います。
※本記事の内容は、取材当時の情報を含みます。
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