社内システムを自社で開発・改善できれば、現場の変化にすばやく対応できます。一方で、「高度なプログラミングスキルが必要なのでは」「担当者が異動・退職したら保守できなくなるのでは」と不安を感じる企業も少なくありません。
Claris International Inc. は、BOXIL会員のうち社内業務システムの導入に携わった経験を持つ111人を対象に、内製開発に関するアンケートを実施しました。調査からは、コスト削減や柔軟な仕様変更への期待と同時に、保守運用・人材育成・コスト管理・AI活用に関する課題が明らかになりました。
本記事では、調査結果から見えた「内製化のメリット」と「つまずきやすい壁」を整理し、ローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」が、現場主導のシステム改善とAI活用をどのように支援できるのかを紹介します。
内製開発への期待は「コスト削減」と「仕様変更への柔軟な対応」

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Q.社内業務システムを自社で開発(内製開発)するメリットだと思われることをすべて選択してください。
| 選択肢 | 回答人数(n=111、複数選択可) |
|---|---|
| 「開発コスト=人件費」なので外注する場合と比較してキャッシュアウトが少ない | 51 |
| 開発中およびリリース後の仕様変更、仕様追加に柔軟に対応できる | 51 |
| 社内で保守・運用することによりコストを抑えられる | 41 |
| システムの内容を自社ですべて把握できる | 40 |
| 業務手順や内容の見直しなどによりDXが期待できる | 36 |
| 開発者への業界用語/専門用語や業務フローなどの説明が不要 | 33 |
| システムに蓄積されたデータを分析などに自由に利用できる | 33 |
| 仕様決定から開発までのスピードが速い | 30 |
| システム開発のノウハウを自社に蓄積でき、人材のスキル向上が期待できる | 28 |
| 内製を契機に職場でのコミュニケーションを活性化できる | 18 |
| その他 | 1 |
社内業務システム導入経験者111人に「内製開発のメリットだと思うこと」を聞いたところ、最も多く選ばれたのは「コスト削減(人件費のみで開発可能)」と「仕様変更への柔軟な対応」で、いずれも51人が回答しました。以降は「社内での保守・運用によるコスト抑制」(41人)、「システム内容を自社で完全把握」(40人)と続きます。
回答からは、内製開発が単なる「開発費の削減策」ではなく、業務の変化に合わせてシステムを育てていくための手段として期待されていることがうかがえます。
この背景には、多くの企業が外注開発で直面してきた共通の課題があります。外注開発では、要件定義や仕様変更のたびに追加費用や調整時間が発生しやすく、現場特有の業務知識を開発会社へ正確に伝える負担もあります。
その点、内製化では業務をよく知る担当者が主体となってシステムを開発し、業務の変化に合わせて柔軟にシステム改修・拡張できます。「自分たちの手でコントロールできる」という感覚は、外注では得にくいものです。
内製化の壁は、「保守の属人化」、「人材育成」、「コスト」
一方で、同じ調査で「内製開発のデメリット」を尋ねると、現実的な課題が浮かび上がってきます。
内製化の価値を理解しながらも、いざ取り組もうとするとこうした課題に直面した経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

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Q.社内業務システムを内製開発するデメリットだと思われることをすべて選択してください。
| 選択肢 | 回答人数(n=111、複数選択可) |
|---|---|
| 開発メンバーの離職や配置換えによって仕様追加・変更、保守・運用が難しくなる | 49 |
| 仕様変更・追加などによって開発スケジュールが遅延しがちで、開発コストも増える | 45 |
| 開発メンバーの確保や育成が予算面、時間面で難しい | 45 |
| システムの品質が安定しない、あるいは、外注する場合に比べて劣る | 40 |
| セキュリティ面で不安 | 28 |
| 各部門・部署が自由に内製したシステムが林立して全社的に統制が取れない | 27 |
| 開発資料やマニュアルなどのドキュメント作成に十分なリソースが確保できない | 27 |
| 現状の業務プロセスや慣習に囚われてDXを進めにくい | 25 |
| 最新技術(AI連携など)を取り込むことが難しい | 23 |
| 不具合発生時の責任の範囲が不明確になる | 22 |
| その他 | 1 |
最も多かったのは「開発メンバーの離職・配置換えによる保守困難」(49人)で、「仕様変更でスケジュール遅延・コスト増」「開発メンバーの確保・育成が困難」がともに45人で続きました。
興味深いのは、メリットで「コスト削減」が挙げられている一方で、デメリットでも「仕様変更でコスト増」が上位に挙げられていることです。内製化によって初期費用は抑えられたものの、度重なる仕様変更・追加などで想定外の出費を伴ったり、担当者の異動・退職による引き継ぎや再構築で大きなコストが発生したりするケースも少なくありません。
内製化は有効な選択肢である一方、開発環境や運用ルールを整えないまま始めると、担当者依存や変更コストの増大につながる可能性があります。成功の鍵は、「誰でも理解しやすく、引き継ぎやすく、改善を続けやすい仕組み」を選ぶことです。
Claris FileMakerで目指す、属人化しにくい内製開発と継続的な改善
多くのメリットや一部のデメリットを認識されながらも、企業におけるシステムの内製化は確実に広がっています。そして、この内製化の潮流を強く後押ししているのが「ローコード開発ツール」の普及です。
もっとも、ローコード開発ツールを導入するだけで内製化が成功するわけではありません。重要なのは、現場担当者が理解しやすい開発環境、学習しやすい教材、必要に応じて相談できる支援体制を組み合わせることです。
そうした課題を踏まえた上で、現実的な改善をもたらすのが「Claris FileMaker」です。
Claris FileMaker

使いやすく、学びやすく、引き継ぎやすい 保守しやすい仕組みで属人化リスクを解消する
内製化のデメリットとして「離職・配置換えによる保守困難」と「人材の確保・育成が困難」が挙がりましたが、これらは「人への依存」という課題です。スクラッチ開発では仕様が担当者の頭の中に宿りやすく、その人が抜けた途端に誰も触れないシステムが残ります。
Claris FileMakerでは、画面レイアウトを直感的に作成でき、処理の流れも日本語化されたスクリプトステップを組み合わせて設計できます。業務を理解する現場担当者が、開発者と同じ目線でアプリの構造を把握しやすい点が特長です。高度なプログラミング言語の知識を必要としないため、アプリの構造を把握しやすく、担当者が変わっても引き継ぎがしやすい設計になっています。
学習環境の充実も特徴のひとつです。無料の学習テキスト、解説動画、Clarisコミュニティ、ユーザー会など、初学者から実務担当者まで段階的に学べる環境が用意されています。担当者が変わっても学び直しやすいことは、内製化を継続するうえで大きな安心材料になります。
また、Clarisパートナーに企画・開発段階から伴走支援を依頼するという選択肢も有効です。最初から保守や機能拡張がしやすい枠組みで開発を進められます。将来的に社内での対応が困難になっても、経緯を把握しているパートナーへスムーズに相談できるため安心です。
仕様変更に強い開発へ その場で直し、改善を重ねる
「仕様変更でスケジュール遅延・コスト増」は、外部業者との折衝が必要な外注開発で深刻になりやすい課題です。
一方で内製開発においては、メリットであるはずの「柔軟な仕様変更」が、逆にスケジュール遅延やコスト増の原因になることがあります。特にローコード開発では手軽に修正できる反面、現場から次々と要望が出ることで、改修担当者のリソースが消費されやすいという懸念があります。
Claris FileMakerでは、画面上のレイアウトや色・形状をスライド作成ツールと同じ要領でその場で変更・確認できます。関係者がリアルタイムで実画面を確認できるため、認識のずれや手戻りが減り、開発サイクルの高速化を実現可能です。
また、データベースのスキーマ変更(項目の追加・変更)も柔軟です。すでにデータが登録されている状況でも項目を追加しやすく、テーブル間の関連付け(リレーションシップ)も視覚的に定義・変更できます。「運用を始めてから仕様が変わった」という場面にも対応しやすくなっています。
このように、その場で変更・確認しながら必要な部分だけを積み上げていける開発スタイルは、アジャイル開発との親和性が高いです。ウォーターフォール型開発に比べ、仕様変更・追加による手戻りが少なく、スケジュールやコストへのインパクトを抑えやすくなっています。
AI時代の内製化へ:業務データとAIをつなぐClaris FileMaker
「将来的にAIが入ってくると、今の内製システムはどうなるのか」という疑問を持つ担当者もいるのではないでしょうか。

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Q.業務システムにおいて、AI機能を使用していますか?ただし、業務システム外でユーザーが対話型AI(ChatGPTなど)を使用する場合を除きます。
| 選択肢 | 回答人数(n=111) |
|---|---|
| はい、業務システムにおいて積極的に活用しています。 | 25(22.5%) |
| はい、業務システムにおいて使用していますが、まだ評価段階です。 | 32(28.8%) |
| いいえ、まだ業務システムにおいて使用していませんが、具体的な用途を絞って導入を検討中です。 | 20(18.0%) |
| いいえ、業務システムで使用してみたいのですが、どのように使えるのかわかりません。 | 16(14.4%) |
| いいえ、業務システムで使用しておらず、検討もしていません。 | 18(16.2%) |
※各数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
同アンケートで業務システムへのAI活用について尋ねたところ、「積極的に活用している」(22.5%)と「使用しているがまだ評価段階」(28.8%)を合わせると過半数に達しました。すでに多くの企業が何らかの形でAIを導入していることがわかります。
「AIが進化すれば、ローコード開発ツールは不要になるのでは」と感じる方もいるかもしれません。しかし実際には、AIを業務で活用するには、データを蓄積・管理し、業務フローに組み込むための器が必要です。AIは単体で業務を変えるのではなく、適切に管理された業務データ、現場のワークフロー、利用者が使いやすい画面と結びついて初めて価値を発揮します。
その意味で、Claris FileMakerのようなローコード開発プラットフォームはAIと競合するものではなく、AIを業務に組み込むための基盤として、むしろこれからの時代に価値が増していくと言えます。
Claris FileMakerはスクリプトからAIを直接呼び出せる
最新版のClaris FileMakerでは、専用のスクリプトステップから外部AIモデルを直接呼び出すことができます。OpenAI、Anthropicなどの主要なAIモデルに加え、オープンソースモデルとの連携も視野に入れながら、業務アプリにAI機能を組み込みやすくなっています。API連携の専門知識に不安がある担当者でも、FileMakerのスクリプトの延長で段階的にAI活用へ取り組めます。
「AIを使いたいが、既存システムとつながらない」という課題に対し、Claris FileMakerは業務データとAIをつなぐ基盤として機能します。
現場で始まっているClaris FileMaker×AI活用の実例
FileMakerで構築された業務システムは、現場に蓄積されたデータや帳票、教育コンテンツとAIを結びつける土台になります。実際に、図面分類や教育コンテンツ作成など、業務に直結する領域で活用が始まっています。
ある船舶用操舵システムの専門メーカーでは、PDF形式の図面をAIに読み込ませ、部品情報のデータ化と図面の分類を実現しました。CADから出力された操舵装置の種類や情報をAIが文章化して仕分けし、図面内の部品情報を検索可能にすることで、これまでは営業担当者が設計部門に確認して過去の図面を検索していたものが、営業担当者自らがFileMaker上で図面を検索できるようになりました。
これにより、目的の図面を探す手間が大幅に削減されました。さらに、AIへの指示(プロンプト)を構成していく作業が、そのまま新人への図面の見方の教育としても役立てられているという、嬉しい副次効果も出ています。
また、ある鉄道会社では、職員向けeラーニングの試験問題作成にAIを活用しています。出題範囲の規定類をAIに読み込ませ、問題文と5つの選択肢の生成、正解のエビデンスとなる規定類からの引用表示、さらにAIが想定する難易度とその理由の出力までを自動化しました。
問題作成の工数が大幅に削減されただけでなく、過去に不正解だった問題と類似する設問を生成することで、「わかったつもり」を防ぐ学習設計にも役立てられています。
セキュリティポリシーが厳しい企業にはローカルLLMという選択肢も
AIの活用に前向きな一方で、機密データを外部のサービスに送信することへの不安を感じている担当者も少なくないでしょう。クラウド利用がセキュリティポリシーで制限されている企業にとっては、そもそも導入の検討段階で壁になることもあります。
セキュリティ要件が厳しい企業では、ローカルネットワーク内でAIモデルを運用する選択肢も重要になります。Claris FileMakerは、オンプレミスでAI活用を検討する企業にとっても、業務データとAIをつなぐ基盤として期待できます。
内製化を「続けられる力」に変えるClaris FileMaker
業務システムの内製化には、コスト削減や柔軟な仕様変更といった大きな期待が寄せられています。その一方で、担当者への依存、開発メンバーの育成、変更コスト、AI活用への対応といった課題も無視できません。
Claris FileMakerは、直感的な開発環境・豊富な学習教材・アジャイルな開発サイクルによって、内製化における現実的な課題に対処しやすい設計になっています。そしてAI連携を視野に入れた拡張性により、将来を見据えた選択肢としても検討する価値があるでしょう。
内製化を一度きりの開発で終わらせず、現場が継続的に改善できる仕組みに変えたい企業は、Claris FileMakerの機能や導入事例、学習コンテンツをぜひ確認してみてください。
Claris FileMaker

調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:BOXIL会員 社内の業務で使用するシステムの導入に携わった経験のある人 111人
調査期間:2026年3月17日~2026年4月10日
調査主体:Claris International Inc.
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