いまさら聞けないCSR活動とは?10項目に分けて解説
CSR活動の重視というが、何をすればいいの?と悩みませんか?
そもそもCSR活動の直訳は「企業の社会的責任」です。その言葉から日本では、企業のボランティアや寄付活動、また法令順守や環境保護活動といったあたりのことで、「重要だろうが、本業に関係がない」という理解がまだまだ多いようです。
しかし、実際にはCSR活動とはもっと企業活動と密接関連しており、今後の経営はその観点なしでは進められません。ここではどういう風にCSR活動を考え、それをどう実践すればいいのかを、事例も交えて10個の項目で紹介します。
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- CSR活動の重視というが、何をすればいいの?と悩みませんか?
- CSR活動とは?その意味は?10項目に分けて解説
- そもそもCSR活動にはどのようなものが入るのか
- 1.正しい理解によるCSR活動の意味とは何なのか?
- 2.CSR活動がしっかりしていないと、企業の発展はあり得ない
- 3.具体的に何をすることがcsr活動になるのか?
- 比較的CSR活動が進んでいる日本企業の事例
- 4.オムロンが取り組んでいるCSR活動の事例とは?
- 5.レオパレス21が取り組んでいるCSR活動の事例とは?
- 6.トヨタ自動車が取り組んでいるCSR活動の事例とは?
- CSR活動の最先端事情。ヨーロッパはここまで来ている。
- 7.ヨーロッパにおけるCSR活動の定義は今こうなっている
- 8.ヨーロッパのCSR活動では、特に人権問題が重点的
- 9.ヨーロッパの企業は、CSR活動の情報開示にも注力
- 10.グローバル展開には、ヨーロッパ標準のCSR活動が必須
- CSR活動とは?その意味は?10項目に分けて解説。のまとめ
- BOXILとは
CSR活動とは?その意味は?10項目に分けて解説
そもそもCSR活動にはどのようなものが入るのか
先ほど述べたようにCSR活動とは企業の社会的責任という定義ですが、それが指し示す範囲は非常に広いです。企業が自社の利益を追求するだけでなく、自らの組織活動が社会へ与える影響に責任を持ち、あらゆるステークホルダー※1にとってプラスになること全般を指します。日本では利益を目的としない慈善事業と理解されることが多いですが、それでは範囲が狭すぎます。
※1ステークホルダー=利害関係者(消費者、取引関係先、投資家等、及び社会全体)
1.正しい理解によるCSR活動の意味とは何なのか?
企業は、活動を続けていく上で様々なステークホルダーと関わります。ですので彼らと積極的に対話し良好な関係を保たなければ、その企業の活動は理解も評価も支持もされず、結果業績も上がらないということです。
したがって代表的なCSR活動とは、そもそもの利益を上げてしっかり納税することや法令を順守して企業活動をする、といった当たり前のことももちろん含みます。さらにその上で安心・安全な商品やサービスの提供、人権の尊重、欺瞞のない公正な競争のもとでのな事業活動の推進、コーポレートガバナンスの向上、環境への取り組み、地域課題への取り組みなどもCSR活動に含まれます。
2.CSR活動がしっかりしていないと、企業の発展はあり得ない
現代社会では、人類の持続的な成長に対する脅威が多くあります。例えば環境汚染、資源・エネルギー・食糧の逼迫、児童労働などの人権問題、自然災害などがあげられます。
こういう環境の中で、企業が持続的に成長するためには、企業自らが社会の一員である以上、「社会そのもの」が持続的に成長していくことが前提で、企業もその一員としてそれに貢献していくことが必要です。
つまり企業が自身の利益のみを追求し、社会の発展に寄与しないもしくは反する行為をすれば、社会からの信頼を得られません。すると結果として、企業の持続的な成長は難しくなってしまいます。
3.具体的に何をすることがcsr活動になるのか?
典型的なCSR活動として挙げられ、比較的多くの企業で行われているのは、「地球環境への配慮した商品の開発や生産体制」や「ボランティア活動支援などの社会貢献」「地域社会参加などの地域貢献」などです。
このほかにも企業によっては、「安全や健康に配慮した職場環境と従業員支援」「関連法規の遵守やコンプライアンス」「適切な企業統治と情報開示」「誠実な消費者対応」「誠実な取引先との関係」なども行われています。これらがまず取り組むべき、「初歩の」CSR活動だということが言えるでしょう。
比較的CSR活動が進んでいる日本企業の事例
日本の企業やその企業の経営者の中には、依然としてCSR活動を「儲けにならないボランティア」だということで力を入れていない例もまだ多いですが、その中でも本来のCSR活動の意味と主旨に沿って、その活動を展開している企業も出てきています。次のページではその中から3例紹介します。
4.オムロンが取り組んでいるCSR活動の事例とは?
【その1 事業を通じてよりよい社会をつくること】
・雇用機会の提供や納税などで社会貢献すると同時に、優れた技術、商品を提供
・環境問題などの解決のために、「安心、安全、環境、健康」に着目
【その2 社会の課題に当事者として取り組むこと】
人・権・労働問題や地球環境保全、貧困と人口増加、少子高齢化といった課題に対して、社会の当事者として取り組み
【その3 企業活動を進める上で常に公明正大であること】
・法令遵守、企業倫理、説明責任、情報開示など透明で公正な企業活動
5.レオパレス21が取り組んでいるCSR活動の事例とは?
【その1 良質なサービスと豊かな暮らしの提供】
・「安全で安心」な住まいの提案
・良質なサービスで顧客満足度を向上
【その2 クリーンキャンペーンによる住みよい地域づくり】
・義援金・救援募金活動
・献血の協力
・ボランティア・ベンダー
【その3 快適な職場環境の構築】
・働きやすい職場づくり
・従業員の健康づくり
・障がい者雇用促進の取り組み
【その4 地球環境にやさしい社会の実現】
・太陽光発電事業の推進
・事業活動による環境負荷の低減
【その5 ステークホルダーと積極的なコミュニケーション】
・積極的なIR活動
・アパートオーナー様との対話
6.トヨタ自動車が取り組んでいるCSR活動の事例とは?
【その1 社会への取り組み】
・安全、品質などに取り組み
【その2 安全への取り組み】
・人・クルマ・交通環境の「三位一体」に商品開発
【その3 お客様第一・品質第一】
・安全・安心と満足度向上
【その4 豊かな社会づくり】
・福祉車両、バイオ・緑化、パートナーロボット等への取り組み
【その5人権の尊重】
・人権およびその他の権利を尊重します。
【その7 ビジネスパートナーとともに】
・ビジネスパートナーと一体となったCSRに取り組み
【その8 従業員とともに】
・働く環境づくり、従業員の安全・健康に配慮
CSR活動の最先端事情。ヨーロッパはここまで来ている。
以上が日本のCSR活動の、その中でも「進んでいるほうの」状況でした。
しかし、ヨーロッパのCSR活動はさらに先を行っています。仮に「CSR=ボランティア」という認識だとしたら、グローバルのCSRスタンダードから大きく遅れています。
ヨーロッパの企業は、従業員だけではなく、顧客・NGOなどの社外の人々を巻き込み、環境・社会の持続可能性に貢献してようとしています。
7.ヨーロッパにおけるCSR活動の定義は今こうなっている
ヨーロッパではCSRとは、「企業の社会への影響に対する責任」と定義されています。具体的には「ステークホルダーと社会の間での共通価値の創造(CSV)の最大化」と、「企業の潜在的悪影響の特定、防止、軽減」の2つを推進することです。
このために、法令順守や労働協約の尊重はそのための極基本的な前提条件と位置づけ、「社会」「環境」「倫理」「人権」「消費者の懸念」を「企業活動の中核戦略そのもの」として統合しようとしています。
8.ヨーロッパのCSR活動では、特に人権問題が重点的
企業にかかわる人権問題の推進もあります。これは国連から2011年3月に発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」を基本として、欧州連合加盟国とその企業に活動を促すものです。欧州連合は、加盟国にこの指導原則に沿った法制化を求めており、英国はすでに2013年9月に国家行動計画として「グッドビジネス:国連ビジネスと人権に関する指導原則の実践」を発表しています。
9.ヨーロッパの企業は、CSR活動の情報開示にも注力
CSR活動をしているということを自社だけでアピールしても、それが客観情報でなければ正当性はないという認識がヨーロッパの企業にはあります。その上で「環境」「社会」「人権」「腐敗防止」「贈賄」などの、今まであれば社外には漏らさなかった絶対秘匿の非開示の財務情報の開示の拡大も進めています。
日本ではIRの積極的な推進程度のレベルですが、ヨーロッパではそのような経営上の機密も開示して、社会と寄り添って行こうとしているのです。
10.グローバル展開には、ヨーロッパ標準のCSR活動が必須
現在のCSR活動の世界的な潮流は、ヨーロッパ連合が政策的に進めて加盟国へその推進を促しながら、企業・NGO・その他のステークホルダーを巻き込んで展開しています。この潮流は、このままおそらく世界をけん引し、席巻していくでしょう。
その時に、多国籍でグローバルに企業活動を展開している日本企業は、日本国内を中心とした日本標準のCSR活動では世界で受け入れてもらえません。グローバル展開のためには、ヨーロッパ標準を軸にしたCSR活動を迅速に取り入れ、実践していくことが、企業としての成長の必須条件だといえます。
CSR活動とは?その意味は?10項目に分けて解説。のまとめ
これまでCSR活動を「利益の出ないボランティア活動」だと捉えていた方には目から鱗の内容だったと思います。日本でCSR活動が進んでいる企業でさえ、ヨーロッパを軸に展開している潮流と比較するとまだまだこれからという部分が多いようです。
持続的な企業の成長を望むのであれば、この新しい潮流のCSR活動を早急に取り入れ実践していくことが、事業戦略の推進と同レベルで重要になってくるでしょう。
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