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固定資産管理とは?目的と業務内容から運用のポイントまで解説

最終更新日:(記事の情報は現在から595日前のものです)
固定資産管理とは何か?といった基本知識から目的、運用のポイントまで解説します。固定資産管理の業務内容、必要性、注意点などを紹介しているので、固定資産管理をこれから始める方や概要を知りたい方におすすめです。

固定資産管理とは

固定資産管理とは、企業が所有する固定資産を正確に把握・管理することです。固定資産を正確に把握・管理することで、費用や税金などの急な出費を避けられます。企業は、事務所や敷地などの不動産、業務で使う機械や設備といった高額な償却資産を持っています。これら固定資産の把握が、健全な企業運営には欠かせません。

固定資産とは

固定資産とは、次の条件をみたすものを指します。

  • 企業が1年以上の長期に渡って保有する資産
  • 一定額以上(10万円以上)の資産
  • 自社内で使用する資産

固定資産は主に「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」の3つに分類されます。

分類 詳細
有形固定資産 土地や建物、車両、機械設備、デスクや椅子、パソコン、社用車など形のある資産
無形固定資産 ソフトウェア、のれん、特許権など形のない資産
投資その他の資産 投資有価証券、長期貸付金、出資金などの資産

固定資産管理台帳とは

固定資産台帳とは、固定資産の取得から処分までの履歴を管理するためのものです。

各固定資産の取得年月や取得価格、数量、管理担当部署などの項目を記載し、この履歴から、当該固定資産を「いつ」「どこから」「いくらで購入したのか」を一目で把握可能できます。また、管理責任者を明記すれば、問題が生じた際の責任の所在を明確にできます。

なお、固定資産台帳は税務申告に必要ではあるものの、記載する内容について規定がありません。そのため、記載項目を決めて統一しておきましょう。

固定資産管理を行う目的

減価償却を適正に行うため

固定資産管理の目的の一つに、減価償却の適切な処理があげられます。

高額な固定資産を取得した際は、一度に計上して損失にならないよう、分割して毎年経費として計上するのが通例です。減価償却が数年にわたって法人税の節税になる点も、固定資産管理が必要な理由です。

固定資産税の節税のため

固定資産管理は、固定資産税の節税にもつながります。

処分済みの資産を把握したり、不要な固定資産の除去および廃棄を行ったりすることで、固定資産税を減らして節税効果が得られます。

適切な資産運用のため

固定資産管理は、固定資産の有効活用に貢献します。

固定資産は企業にとって、経営を継続していくために必要な資産です。固定資産管理が不適切だと、資産が破損したままになったり、十分使えるはずのものが新しく買い換えられたり、勝手に廃棄されたりしてしまうなど無駄な支払いの原因になりかねません。固定資産管理で、処分や買い替えのときを適切に判断するのは、企業経営にとって重要な業務です。

固定資産管理を行うためのポイント

固定資産管理を適切に行うためには、次に挙げるようなポイントに気をつけることが必要です。

一貫した管理ルールを設ける

固定資産の管理においては、一貫した管理基準の下での管理が求められます。もし管理基準が一貫していなかったり、不十分なルールしか設けられていなかったりした場合、固定資産台帳の表記と実際の資産に差異が出てきます。

それが日常化すると、台帳そのものが形骸化する恐れも。まずは明確な管理基準を設けて、各部署に守ってもらいましょう。

固定資産の「取得」や「処分」は必ず稟議にかける

固定資産に対してアクションを取る場合は、稟議にかけるようにしましょう。

通常、固定資産は不動産やソフトウェアなど重要な資産がほとんどです。そのため取得や導入にあたっては、綿密な計画を立て、各方面への周知および承認が推奨されます。稟議にかけておくことで、導入後の運用がスムーズになるでしょう。

固定資産管理の方法

固定資産管理の業務内容は多岐に渡りますが、大きく分けると次の項目に集約できます。

固定資産管理台帳を準備する

Excelまたは固定資産管理システムなどを使って、固定資産管理台帳を準備しましょう。リース資産がある場合はリース物件管理台帳も必要です。

Excelは費用がかからず導入が簡単ですが、手入力に時間のかかるデメリットがあります。一方で固定資産管理システムはコストがかかるものの、最低限の入力で減価償却の計算まで行ってくれます。管理する固定資産が多い場合は、システムを導入すると手間が省けるでしょう。

固定資産の取得・会計処理

固定資産を取得した場合は、適正な社内手続きを行い、支払いを済ませたら会計処理に移ります。

減価償却の対象となる償却資産の場合は、資産の耐用年数や償却率をもとに、減価償却額を算出して計上しましょう。固定資産は高額なうえ、長期にわたって運用していくものです。そのため、取得の際には初期費用やランニングコストを考慮し、リースやレンタルなど直接購入以外の方法も検討する必要があります。

固定資産管理台帳の記載

新たに固定資産を取得したら、固定資産管理台帳に管理や減価償却に必要な情報を記載します。固定資産台帳に記載する内容は次のような項目です。

  • 資産名
  • 資産番号
  • 取得年月日・供用年月日・除去年月日
  • 設置場所・管理部門(管理責任者)
  • 用途
  • 取得価額
  • 数量
  • 償却方法
  • 耐用年数

また、リースを利用する場合には固定資産管理台帳のほかに「リース資産台帳」を作成します。リース資産台帳にはリース期間、支払回数、支払間隔、基本リース料、リース開始日・終了日などを記載して管理します。

固定資産台帳やリース資産台帳をExcelで管理する企業も多いですが、固定資産管理システムやソフトを利用すると、他ソフトとの連携もあって担当部署の業務負担を軽減可能です。効率化したい場合は、固定資産管理システムの導入を検討してみてください。

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管理ラベルの貼付

固定資産の現物管理のために、機械や設備に資産番号の記載された管理ラベルを貼付しておくと、識別しやすく棚卸作業がスムーズになります。管理ラベルに記載する内容は次のような項目です。

  • 資産名
  • 資産番号
  • 型式
  • 取得年月日
  • 管理者名
  • 購入先
  • 保守契約先

最近ではバーコードの管理ラベルを使用する企業も多く、バーコードリーダーで読み取って棚卸業務を効率化させています。また、固定資産管理システムの中には、管理ラベルやバーコードラベル印刷ができるソフトもあります。

固定資産の棚卸・現物実査

固定資産は長期にわたって使用するため、年に1~2回の棚卸で現物実査を行い、固定資産台帳と実際の資産の状況を照合します。「実査」とは会計監査の分野において、監査人が資産の現物を実地にて調査する監査手続きをいいます。必ずしも公認会計士のような監査人だけの仕事ではなく、経理部でも適切な固定資産管理のために必要とされる業務です。

棚卸では、固定資産の移動や売却、廃棄が、正確に固定資産台帳へ反映されているかチェックします。固定資産が勝手に処分されていないか、把握していない新しい資産が加わっていないかも確認。管理ラベルを貼付した固定資産については、管理ラベルの記載項目と照合して現物実査を行います。

固定資産管理の棚卸では、次の点に注意するとよいでしょう。固定資産のある・なしだけでなく、適切に稼働しているか破損していないかのチェックが大事です。

  • 報告が事実を反映しているか
  • 資産は稼働しているか
  • 資産は破損していないか

固定資産の除却や移動

固定資産は、耐用年数が到来したり寿命が尽きてしまったりすると廃棄されます。ただし、廃棄するまでは会計処理上は「除却」という位置づけになります。資産を捨ててしまう「廃棄」とは違い、企業が「これ以上は使用しません」と会計上宣言するようなものです。「除却」を行うのも、固定資産管理の業務といえます。

固定資産の移動を報告し、移動先の役所に償却資産税を支払うのも固定資産管理の業務範囲です。典型的な例は事務所の移転でしょう。本社オフィスとは別に、工場や地方営業所の移転などをする際も固定資産の移動という位置づけになります。

固定資産管理システム導入で管理業務を効率化

固定資産はその取得から運用、廃棄にいたるまで多数の工程があります。それぞれの段階にある資産を適切に記録し、今現在それがどういう状況にあるのかを、できるだけ正確に把握しておくのが固定資産管理の重要な役割でしょう。

非常に手間のかかる仕事ではありますが、固定資産管理システムの導入によって効率的かつ低コストで資産状況を把握できるようになります。あなたが資産管理の担当者ならば、ぜひこういった便利なシステムの導入を検討してみてください。

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