ネット・グロスとは？意味・違い・マージンとの関係・計算方法【図解】

ネット・グロスとは？意味を解説

ネット・グロスという言葉は、ゴルフのスコアや自動車のエンジンパワー、食品の重量表示など、さまざまな場面で使われることがあります。

ビジネスの現場では、広告業界の価格に関して使われることが多くなっています。

これは、広告プロモーションを行う際に、Webポータルサイトやテレビなどの広告媒体が広告枠を広告代理店に販売するという慣習が一般的になっていることが背景にあります。

この記事では、ネット・グロスの意味について解説します。

ネット（Net）とは

ネット（Net）には、純量、正味などの意味があり、広告業界では「広告媒体の原価」のことを指しています。

たとえば、海外の家電製品仕様などを見ると、「Weight」と「Shipping Weight」が記載されていますが、この場合は、家電製品本体のみの重さを表す「Weight」がネットにあたります。

グロス（Gross）とは

グロス（Gross）には、総量、総計などの意味があり、広告業界では「広告プロモーションの総額」のことを指しています。

先ほどの家電製品の例で言えば、配送に必要な梱包材などを家電製品本体の重さに加えた、発送重量全体を表す「Shipping Weight」がグロスにあたると考えてよいでしょう。

マージン（Margin）とは

マージン（Margin）には、販売価格と原価の間、利ざやなどの意味があり、広告業界では「代理店の手数料」のことを指しています。

これも先ほどの例で説明すると、発送重量全体を表す「Shipping Weight」から家電製品本体の重量「Weight」を差し引いた、梱包材などの重さがマージンにあたります。

ネット・グロスとマージンの関係

このように、ネット（原価）、グロス（総額）、マージン（手数料）として整理すると、ネット単体やマージン単体がグロスを上回ることはなく、またネットとマージンを合計してもグロスを超えることはありません。

ネットとはグロスからマージンを引いたもの

たとえば原価を知りたい場合は、総額から手数料を引くことになります。

8万円 = 10万円 - 2万円

このような式になり、ネット（原価）が8万円となるのは、グロス（総額10万円）からマージン（手数料2万円）を差し引いた結果であることがわかります。

グロスはネットにマージンを足したもの

同様に総額を知りたい場合は、原価に手数料を足すことになります。

10万円 = 8万円 + 2万円

このような式になり、グロス（総額）が10万円となるのは、ネット（原価8万円）にマージン（手数料2万円）を加えた結果であることがわかります。

ネット建て取引・グロス建て取引の違いに注意

ネット・グロスとマージンの関係については先ほど解説したとおりですが、ネットを基準とするネット建て取引とグロスを基準とするグロス建て取引では、金額が微妙に異なる場合があるため注意が必要です。

従来、広告業界ではグロス建て取引が慣習となってきました。

たとえば、手数料20%となる広告代理店の場合、グロス（総額10万円）に対して20%のマージン（手数料2万円）となるため、ネット（原価）は8万円となります。

しかし、近年はネット建て取引も増えており、同様の例の場合、ネット（原価8万円）に対して20%のマージン（手数料1.6万円）となるため、グロス（総額）は9.6万円となることがわかります。

単にネットやグロスという言葉が使われていても、どちらを基準にするかによって金額が異なる場合があるため、あらためて契約内容などを確認することが大切です。

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