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BOXIL CS責任者が売上高550%増の急成長事業「クラウドサイン」の営業責任者に聞いた - 「働き方改革時代の営業チームのあるべき姿と作り方」【連載1】

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弁護士ドットコムの急成長サービス「クラウドサイン」の事業戦略や組織運営、ビジネスにおけるテクノロジー活用などに迫る特別連載企画。第1回は、クラウドサイン事業部のセールスマネージャー・平皓瑛氏に、働き方改革時代における営業チームのあるべき姿と組織作りについて語ってもらった。

平 皓瑛弁護士ドットコム クラウドサイン事業部
セールスマネージャー
東京工芸大学アニメーション学科卒業後、株式会社アマナを経て、2011年クラウドファンディングサイトを運営するグーパ株式会社を設立、同時期にモバイルゲームのパブリッシングを東南アジアで展開するMagic Box Asia Co., Inc.をタイにて設立。2017年弁護士ドットコム株式会社に入社。「クラウドサイン」のセールスマネージャーとして参画。SDR/BDR/オンラインセールス/フィールドセールスの組織立ち上げと運用によって収益の最大化を目指している。

働き方改革を推進する令和時代のセールス組織

近年、営業力の強化や業務効率化を目的として、「営業を分解し科学する」ことに興味を示す企業が増えてきた。営業活動を管理するツールの活用方法や、効率的な営業データの分析方法などの情報はインターネット上に溢れ、セールスフォース・ドットコムが提唱する営業の分業体制「THE MODEL」を参考に組織改革を行う企業も多い。

しかし、これから営業の組織作り・改革を行う企業の場合、「THE MODEL」のような理想像は理解していても、どのようなプロセスで体制を構築すればよいかわからないケースもあるという。

本記事では、「BOXIL(ボクシル)」カスタマーサクセスチームのマネージャーを務める品川が、クラウドサイン事業部のセールスマネージャー・平皓瑛氏にインタビュー。従来の構造で営業活動を続けている企業が知りたい最新セールスチームの形と、そこに至るまでのプロセスを語ってもらった。

クラウドサインの営業体制と構築プロセス

本題に入る前に、まずは2019年7月現在のクラウドサインの営業体制を解説しておきたい。下の図で示した通り、クラウドサインには、リード創出を目的とするマーケティングと、既存顧客の対応を担うCS(カスタマーサクセス)のほか、インサイド/フィールド/オンラインの3チームで構成される営業組織がある。

営業組織においては、アポ創出(インサイドセールス)の役割を、顧客問い合わせに対応する「SDR」と重要な顧客の新規獲得を進める「BDR」に、クロージング営業の役割を、企業規模などによって「フィールド」と「オンライン」に分割。さらに「SDR」はペイド(コストをかけたもの)担当とオーガニック(自然流入)担当で分かれ、フィールドやオンラインで一定期間進捗がない商談については、失注扱いとして再びSDRに回してリナーチャリングする仕組みだ。

「THE MODEL」を体現した理想的な形と言えるが、クラウドサインはこの営業組織を作り上げるまでに試行錯誤を繰り返してきた。平氏によると、営業組織の構築におけるフェーズは大きく以下の4つに分けられるという。

(1)立ち上げ/約3ヶ月
「THE MODEL」を参考に営業組織をインサイドとフィールドに分割。

(2)本格移行/約6ヶ月〜1年
インサイドとフィールドの2チームで正しいのかを検討。リードチャネル(ペイド/オーガニック)によってインサイドの担当を分ける。

(3)クラウドサイン式の確立/約1年
営業チームの業務を分解し、インサイド(SDR/BDR)とフィールド、オンラインで構成されるクラウドサイン式を確立(現在の形)。

(4)最適化/今後
スタッフが増えていく中で本当に現在の形が正しいのかを検討。

次章以降では、営業組織立ち上げ・改革企業が特に気になるであろう「(1)立ち上げ期」にフォーカスし、クラウドサインと平氏の取り組みにじっくり迫っていく。

脱・非効率。従来の営業体制からの脱却に求められるもの

BOXIL/品川 クラウドサイン様は元々どのような体制で営業活動を行っていたのでしょうか?

クラウドサイン/平氏 私が弁護士ドットコムに入社したのは2017年10月。当時からマーケティングとカスタマーサクセスチームはすでにあり、営業は私を含めた2人でアポ取りから訪問、クロージングまで一貫して行っていました。リードをうまくさばき、受注にもつながっていたのですが、なんとなく「非効率なのではないか? こぼれている案件があるのではないか?」という課題感を持っていました。

その翌月に新しいスタッフが入社し、3人になったタイミングでセールスフォースの「THE MODEL」を参考に役割分担をしました。ここが組織作りのスタートです。

適材適所の役割分担

品川 役割分担はどのように行ったのですか?

 3人で営業活動をする中で、クロージングがうまい人、情報を残すのがうまい人など、誰がどのファンクションに適しているかを把握していました。そのため、クロージングやフォローがうまいスタッフにフィールドセールス、こまめにセールスフォースに商談記録を残していたスタッフにインサイドセールスを任せ、それぞれの役割を明確にしました。

明確なKPI設定

品川 立ち上げにあたり注力された点はほかにありますか?

平氏 分業化は目標とセットでないと成立しないので、チームと個人の目標を明確にました。過去の実績がある場合は、それをどう個人の目標に反映させてあげるかが重要です。また、定量的な業績目標だけでなく、能力開発的なスキル目標をセットで話し、キャリアプランを示す必要もあります。

クラウドサインの場合は、インサイドは商談数と率、フィールドは受注数と率をKPIにしました。今でこそより細かなKPIを設定していますが、立ち上げ期は現場を混乱させないためにシンプルに数と率でよいと思います。

このほか、組織を作るにあたり新しい営業組織を構築されている企業を訪問したり、セミナーに参加したりと、徹底的に他社事例を集めてクラウドサイン式に落とし込んでいきました。

インサイドとフィールドの分業を成立させるために

品川 インサイドとフィールドの分業にあたり苦労された点はありますか?

 商談情報の記録です。私が入社したタイミングでは、セールスフォースは導入しているけど情報はほとんど残っていない状態でした。しかし、それでは分業は成立しないので、インサイドがどの情報を残すとフィールドにパスしたときに有用かを徹底的にディスカッションしました。

最初からレコードに1件1件残すのは大変なので、メモ欄に残すところからスタートでもよいと思います。

情報入力を日々の行動レベルまで落とし込む

品川 スタッフは最初から実践してくれましたか?

 最初はうまくいきませんでした。やらない習慣が染み付いているためです。実際、ここでつまづく企業様も多いと思いますが、何度も言い続けて日々の行動レベルまで落とし込むことが重要です。

商談情報が記録されると我々にどんなメリットがあるのかも事前に共有しました。たとえば業種・業界別の受注率や商談率が整理できること。また、データを見る際に一部記録が残っていないと振り分けがフェアじゃなくなり今後の営業活動に悪影響を及ぼすなど、デメリットもしっかりと伝えました。

スタッフ任せにせずマネジメント層もコミット

品川 平さんはスタッフに口酸っぱく言い続けていたわけですね。

 もちろん私も手を動かしていて、このタイミングでインサイドのマネージャーといっしょに過去のデータを整理しました。それは今も実践していて、整合性が取れないデータが出てきた場合には、カスタマーサクセスチームを交えて自ら手を動かしてデータを整理しています。

ちなみに、情報入力が徹底されるまで3ヶ月から半年はかかりました。しかし、情報やデータの質と量は営業活動に直結するため、必ず実行したほうがよいと思います。

組織構築で押さえておくべき人数編成とOKR

品川 営業組織を構築するうえで人数編成はどのように考えていますか?

 ひとりのスタッフが対応できるリード数や商談数は限られるため、インサイドとフィールドの人数はほぼイコールにしています。当然ながら事業計画と並行して採用計画を走らせるのも最低限必要です。

現在の体制においては、フィールドは1日3商談程度、オンラインは1日4、5商談程度行っています。オンラインはリードタイムが短い企業を担当するため、フォローする期間が短く、タスクの蓄積が少なくて済むためです。

オンラインについては、元々インサイドセールスチームだったのですが、クロージングのチームとアポ取りチームでタスクを分けたほうが効率がよいと思って独立させました。

紙で困っている人を助ける

品川 体制の変化とともに目標設定も変化してきたのでしょうか?

 先程お話したとおり、以前は定量的な受注数や率を目標にしていましたが、もっとクラウドサイン式の方法あるよねってことで、最近はOKRを導入しました。

NASAの清掃員の方に「なぜ仕事をしているのか?」と聞いたところ、「月にいくためさ」と答えたという話があります。どのレイヤーのスタッフも同じ目線を持っているのがOKRであることを伝えたうえで、我々の普遍的なミッションである「紙で困っている人を助ける」を実現するため、顧客視点で仕事をするための指標としてOKRを導入しました。

顧客の成功を真に願っていさえすれば、高い売上につながると思っています。

【まとめ】今だからこそわかるセールス体制改革のメリット

以上、働き方改革時代におけるセールス体制の構築にあたり、立ち上げ期に企業が取り組むべき業務や課題について説明してきた。適材適所の役割分担や明確なKPI設定はもちろん、課題に直面してもやりきる力や、マネジメント層のコミット、ビジョンの提示なども重要であることがわかる。

最後に、平氏にセールス体制改革を実現した今だからこそ感じるメリットを聞いてみた。

(1)経営者目線
コストに対する明確な結果がステップごとにわかるようになる。

(2)中間管理職目線
営業というひとつのくくりだと受注率が高い人しかスポットライト浴びないが、そうでない業務も評価されるため、傘下にいるメンバーのスキル・価値向上に大きな影響を及ぼす。

(3)メンバー目線
自分の仕事の意味ややりがいを強く認識でき、工夫することが楽しくなってくる。

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