クラウド型電子カルテとは - おすすめ比較18選 | メリットや選び方
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- クラウド型の電子カルテとは
- オンプレミス型との比較
- クラウド型電子カルテのメリット
- 導入コストを抑えやすい
- 端末や場所を選ばずに利用できる
- 災害やセキュリティへの対策をしてもらえる
- クラウド型電子カルテのデメリット
- カスタマイズ性が低い
- 通信障害やベンダーの不具合の影響を受けやすい
- トータルコストが割高になることも
- クラウド型電子カルテの選び方
- レセコンの一体型か連携型か
- 周辺システムや機器との連携
- カルテの作成や共有機能
- セキュリティ・サポート体制
- 料金の金額・形態
- 汎用的な電子カルテ12選
- エムスリーデジカル
- CLINICSカルテ
- Medicom-HRf Hybrid Cloud
- Medicom-CKⅡ
- CLIUS
- HOPE Cloud Chart II
- Open-Karte Cloud
- セコム・ユビキタス電子カルテ
- Qualis
- きりんカルテ
- BrainBoxCloud
- MAPs for CLINIC
- 特定の診療科や自由診療に特化した電子カルテ6選
- ACUSIS Cloud
- Dentis
- blanc
- CLIPLA Eye
- homis
- キレイパスコネクト
- クラウド型の電子カルテを比較検討する
クラウド型の電子カルテとは
クラウド型の電子カルテは、患者の情報をクラウド上で管理する、紙カルテを電子化したシステムです。オンプレミス型と比べて、導入コストを抑えやすく定期的にアップデートしてもらえるメリットがあります。
オンプレミス型との比較
オンプレミス型の電子カルテは、医療機関内のサーバーにデータを保存する電子カルテです。クラウド型と比較して、サーバーの保守やアップグレードにコストがかかります。社外へカルテのデータを保管しない点は優れているものの、近年はクラウド型でもセキュリティ対策の整っているサービスが増えています。
クラウド型電子カルテのメリット
クラウド型電子カルテの導入メリットを、オンプレミス型と比べて紹介します。
導入コストを抑えやすい
クラウド型の電子カルテは、専用のサーバーが不要なため初期投資を抑えられます。また、サーバーのメンテナンスやアップグレードはサービス提供会社が管理するため、管理コストも低減されます。これにより、医療機関は経費を抑えての導入が可能です。
端末や場所を選ばずに利用できる
クラウド型の電子カルテは、インターネット経由でアクセスするため場所や端末を選ばずに利用できます。もしセキュリティを強化したい場合にはアクセス制限やVPNの設定をしておけば、特定の環境下でのみのアクセスへ絞り込めます。在宅医療へ対応しやすいのもメリットでしょう。
災害やセキュリティへの対策をしてもらえる
クラウド型の電子カルテは、サービス提供会社が複数のサーバーに分散保存するため、災害時のデータ損失リスクが低減されます。また、セキュリティ対策もサービス提供会社で自主的にしているため、セキュリティ対策にコストを割けない中小企業でも導入しやすいでしょう。
クラウド型電子カルテのデメリット
クラウド型の電子カルテのデメリットを紹介します。メリットとデメリットを照らし合わせ、どのような電子カルテを導入するのか考えましょう。
カスタマイズ性が低い
クラウド型の電子カルテは、一般的に標準化された機能を提供するため、カスタマイズしにくいデメリットがあります。設定の柔軟性に欠けることで、各医療機関に最適化しづらく、一部運用の変更が求められるでしょう。導入に失敗しないためには、導入前に十分な要件定義をして適切なシステムを選定することが重要です。
通信障害やベンダーの不具合の影響を受けやすい
クラウド型のサービスは、インターネット接続が必要なため、障害の影響を受けやすいデメリットがあります。これにより医療情報へのアクセスを制限されたり、情報の正確性を損なわれたりするリスクが生じます。このデメリットに対処するためには、通信環境の整備や不具合の少ないサービスの選定をするとよいでしょう。
トータルコストが割高になることも
クラウド型の電子カルテは、従量課金やサブスクリプションモデルが一般的であり、長期間にわたって利用する場合にはトータルコストが割高になる可能性をはらんでいます。また、カスタマイズや追加機能の導入によって予算を超過することもあるでしょう。予算を超えないためには、契約時に適切なプランを選択し、コスト見積もりしやすい契約条件を整えることが重要です。
クラウド型電子カルテの選び方
クラウド型電子カルテの選び方、導入候補の比較ポイントを紹介します。
レセコンの一体型か連携型か
クラウド型の電子カルテを選ぶ際には、まずレセコンとの一体型か、外部レセコンとの連携型かを確認しましょう。一体型は、電子カルテを導入すると同時にレセコンが付属するため、レセコンを含めて使いやすかの確認が必要です。一方の連携型は、ORCAをはじめ既存のレセコンと連携できるかを確かめましょう。
周辺システムや機器との連携
電子カルテを導入するときは、レセコン以外の関連システムとの連携も重要です。検査機器やWeb問診システムなどと連携ができるか、スムーズな連携が見込めるかを確認しましょう。電子カルテによっては連携できるシステムの都合上、次に導入するシステムを制限されるため、まだ他システムを導入していない場合にも要チェックです。
カルテの作成や共有機能
クラウド型電子カルテを選ぶ際には、カルテの作成や共有をしやすいか見ておきましょう。たとえばカルテのテンプレート、処方箋のセット、レセコンへの反映など各機能がどのように連携しているのかを確認しておきます。看護師の使い勝手にも影響を与えるので、可能なら看護師にもトライアル版を触ってもらうとよいでしょう。
セキュリティ・サポート体制
クラウド型電子カルテを選ぶ際には、セキュリティ対策やサポート体制も重要なポイントです。個人情報保護やシステムの安全性を確保するための対策が十分になされているか確認しましょう。また、システム運用に慣れていない方が多い医療機関の場合は、導入前後のサポートをどの粒度でしてもらえるかが調べておくと安心です。
料金の金額・形態
機能やサポートだけでなく、料金も綿密に調査しておきましょう。月額固定か従量課金か、サポートやカスタマイズはオプションかなど、契約条件を十分に確認します。また、導入後の追加料金や隠れたコストがないかも、導入前にあらかじめ問い合わせておくのがおすすめです。
汎用的な電子カルテ12選
エムスリーデジカル
エムスリーデジカルは開業医におすすめの電子カルテです。エムスリーデジカルには次のような特徴があります。
- 30万人以上※1の医師に寄り添ってきた知見をもとに開発
- シンプルな画面設計と最新AIによりカルテの入力時間を80%※2削減
- 予約や会計といった医院運営に必要なシステムと連携
※1 エムスリー「m3.com 医師会員数が 30 万⼈を突破」2021年4⽉7⽇発表
※2 エムスリーデジカル「エムスリーデジカル 公式サイト」2024年5月28日閲覧
CLINICSカルテ
CLINICSカルテは予約や問診、レセプト、分析などの機能を連携させたクラウド型の電子カルテです。CLINICSカルテには次のような特徴があります。
- 医院の業務効率化と患者の通院負担軽減を両立
- 院内機器との連携が充実していて開業済みの医院も導入しやすい
- 初期費用0円にくわえ豊富な導入オプション
Medicom-HRf Hybrid Cloud
Medicom-HRf Hybrid Cloudは診察をスピーディにすることを重視し、操作しやすさを追及した電子カルテです。Medicom-HRf Hybrid Cloudには次のような特徴があります。
- 医師一人ひとりに合わせた画面設計を提案
- 診療所の特性に合わせて画面をカスタマイズ
- 170社※の機器とデータをシームレスに連携
※出典:ウィーメックス「Medicom-HRf Hybrid Cloud 公式サイト」2024年5月28日閲覧
Medicom-CKⅡ
Medicom-CKⅡはチーム医療を支えるために、コミュニケーションと使用感を追求した電子カルテです。Medicom-CKⅡには次のような特徴があります。
- オンプレミスとクラウドから選べる導入形態
- 患者一人ひとりの治療経過を年表形式で一画面に表示
- レスポンシブデザインと工夫した見やすい画面で直感的に扱える
CLIUS
CLIUSは外来と在宅、オンライン診療のいずれでも使いやすいクラウド型の電子カルテです。CLIUSには次のような特徴があります。
- 導入企業側で導入の準備をすれば初期費用が0円
- 外来や在宅、オンライン、自由診療に標準対応
- AI機能を搭載しカルテ入力の手間とミスを軽減
HOPE Cloud Chart II
HOPE Cloud Chart IIは必要なサービスを必要なだけ利用できるクラウド電子カルテです。HOPE Cloud Chart IIには次のような特徴があります。
- ユニバーサルデザインにもとづいた使いやすい画面構成と操作性
- 富士通のデータセンターにてデータを保管し、24時間365日体制で監視
- 継続的な機能の追加と定期的な教育動画の配信
Open-Karte Cloud
Open-Karte Cloudは視認性と判読性の高さを追及した、ユーザーに優しい電子カルテです。Open-Karte Cloudには次のような特徴があります。
- シンプルな画面構成で電子カルテをより見やすく
- 専任スタッフが定期訪問し運用提案と操作レクチャーを実施
- 必要な情報を一画面に表示できるアシストビュー機能
セコム・ユビキタス電子カルテ
セコム・ユビキタス電子カルテはセコムグループが提供するセキュリティの信頼度が高いクラウド型電子カルテです。セコム・ユビキタス電子カルテには次のような特徴があります。
- セコムグループのセキュリティ対策で機密情報を保護
- 一人の患者を統一患者IDで管理し、複数の施設間でカルテを共有
- ネットワーク構築や運用提案、研修などをサポート
Qualis
Qualisは無床クリニック向けの電子カルテです。Qualisには次のような特徴があります。
- カスタマイズ性が高くシンプルな運用から複雑な運用にまで対応
- 200種以上※の医療機器やシステムとの連携実績あり
- 専門オペレーターによる電話サポートやインストラクターによる訪問教育
※出典:ビー・エム・エル「Qualis 公式サイト」2024年5月28日閲覧
きりんカルテ - きりんカルテシステム株式会社
きりんカルテは紙カルテのような書き心地の電子カルテです。きりんカルテには次のような特徴があります。
- 手書きの文字をテキストへ自動で変換
- スマートフォンで撮影した写真をそのままカルテにアップロード
- 在宅医療や自由診療にも対応
BrainBoxCloud
BrainBoxCloudは機能性と操作性の高いクラウド電子カルテです。BrainBoxCloudには次のような特徴があります。
- 1ユーザーに対して1つの仮想サーバーを構築し、セキュアな環境を提供
- AIが数値データを分析し、待ち時間の予測や再来院率の可視化を実現
- 薬歴や患者情報、出来事を見やすく一画面に配置
MAPs for CLINIC
MAPs for CLINICはストレスフリーの操作性を追及したクラウド電子カルテです。MAPs for CLINICには次のような特徴があります。
- パーツや箇所単位で強調色や文字サイズを設定可能
- 外部機器や検査センターと連携
- 初期費用は0円、月額料金は1接続あたりの追加型
特定の診療科や自由診療に特化した電子カルテ6選
ACUSIS Cloud - 株式会社プロ・フィールド
ACUSIS Cloudは皮膚科や婦人科、形成外科などにおすすめのクラウド電子カルテです。ACUSIS Cloudには次のような特徴があります。
- レセプトやWeb予約、診察券アプリなどの機能を搭載
- 手書き機能つきで画像のうえからでも描写できる
- 化粧品や薬の在庫管理ができ、発注アラートも出せる
Dentis
Dentisは歯科医院向けのクラウド電子カルテです。Dentisには次のような特徴があります。
- Web予約やオンライン診療、キャッシュレス決済などを搭載
- 予約受付からカルテの作成、レセプト出力までをシームレスに連携
- スタッフやユニットの空き状況をカレンダーにて一目で把握
blanc
blancは一般病院と精神科病院向けのクラウド型電子カルテです。blancには次のような特徴があります。
- 遠隔診療や訪問医療、看護、介護などにも対応
- 東日本と西日本それぞれでデータを保管し災害や障害に強い
- 保守対象機器にトラブルが発生した際には技術員の派遣が可能
CLIPLA Eye
CLIPLA Eyeは眼科向けのクラウド電子カルテです。CLIPLA Eyeには次のような特徴があります。
- コンタクトレンズの処方が数クリックで完了
- 入力した情報をレセコンに転送するだけで会計業務が完了
- 診察中や会計待ちなど患者のステータスを一目で把握できる
homis
homisは在宅医療に特化したクラウド型の電子カルテです。homisには次のような特徴があります。
- AI活用とカルテ自動引用により書類作成の負担を削減
- オーダリングチェック機能でミスやエラーを警告
- 院内外との情報共有を推進
キレイパスコネクト
キレイパスコネクトは自由診療クリニックにおすすめの電子カルテです。キレイパスコネクト には次のような特徴があります。
- 電子カルテや会計のほか、予約とWeb問診、デジタル診察券などをまとめて提供
- 待ち時間カットやキャッシュレス決済にて患者の満足度を向上
- 紙カルテや既存の電子カルテからの移行を伴走支援
クラウド型の電子カルテを比較検討する
クラウド型電子カルテを選ぶ際には、トータルコストやセキュリティ、トラブル発生時の対応などに注目しましょう。クラウド型電子カルテ自体は多いため、使い勝手を見比べたり他機能の有無で比較したりするのがおすすめです。クラウド型電子カルテは無料プランや無料トライアルを提供している傾向にあるため、導入前に試験運用しましょう。
クラウド型電子カルテのうち最適なサービスを選ぶには、ニーズに合わせて、複数のシステムを比較検討することが大切です。