iPadで使える電子カルテ7選！メリットと注意点、選び方

iPadで使える電子カルテの選び方

iPadで使える電子カルテの選び方にはいくつかのポイントがあります。

なかでも、特に確認しておきたいポイントを4つ紹介します。

レセコン一体型とレセコン連携型

電子カルテとあわせて使う傾向にあるレセコンを、電子カルテとの一体型とするか、別で導入する連携型とするかでシステムが大きく分かれます。

電子カルテによって一体型と連携型のいずれかしかない場合や、プランによって選べる場合があります。運用の想定に合わせて選択しましょう。

	レセコン一体型	レセコン連携型
特徴	レセコンを電子カルテとあわせて導入できる	レセコンを導入企業が自由に選べる
注意点	レセコンの使い勝手も比較が必要	導入中ないし導入予定のレセコンと連携できるかチェック

診療科や規模に適した機能

電子カルテを選ぶ際には、診療科や規模に適した機能があるかチェックしましょう。

たとえば、特定の診療科で用いる機器と連携できるか、特有のシェーマが搭載されているか、グループのクリニックとカルテを共有できるかなどです。

サービス提供会社の導入事例もふまえながら、比較を進めましょう。

セキュリティとコンプライアンスへの対応

iPadで使える電子カルテには、セキュリティ対策と内部統制への対応力が不可欠です。

医療情報は秘匿性の求められるデータが多く、厳しいセキュリティ基準を要件とします。自身で必要とする要件に適合するかぜひ調べておきましょう。

導入後のトレーニングとサポート体制

iPadで使える電子カルテの導入時は、適切なトレーニングとサポート体制が整っているか確認しましょう。

オンプレミス型は比較的サポートが手厚い傾向にある一方、クラウド型のシステムはサービスによりまちまちです。特にITリテラシーの高くない方がいる場合にはサポートの概要を把握しておきましょう。

iPadで使える電子カルテ7選

iPadで使えるおすすめの電子カルテを紹介します。

サービス名	主な機能	対象施設	初期費用	月額料金
エムスリーデジカル	受付、データ連携、カルテ編集、情報管理、処方監査、機器連携など	病院、クリニック	0円	一体型プラン24,800円、ORCA連動型プラン11,800円、レセコン単体プラン14,800円
CLIPLA	受付、データ連携、過去カルテ一覧、情報管理、処方監査、機器連携など	病院、クリニック	要問い合わせ	要問い合わせ
セコムOWEL	訪問スケジュール作成、請求書発行、在宅医療で必要な医療文書の作成など	在宅クリニック、無床診療所	要問い合わせ	要問い合わせ
CLIUS	受付、予約、オンライン診療、患者案内、処方箋など	病院、クリニック	200,000円〜	12,000円
Medicom-CKⅡ	患者情報の一括入力・閲覧、看護必要度・医療区分管理など	中小規模病院	要問い合わせ	要問い合わせ
きりんカルテ	予約や訪問スケジュール管理、画像撮影アプリなど	病院、クリニック	0円(レセコン導入費用300,000円)	レセコン使用料22,800円
ACUSIS Cloud	受付、データ連携、カルテ編集、情報管理、売上・在庫管理など	クリニック	要問い合わせ	98,000円〜

• iPadやスマホで予約から会計までを一元管理
• AI自動学習機能で入力時間を80％^※1削減
• レセコン一体型とORCA連動型を選べる

エムスリーデジカルは、30万人^※1の医師に寄り添ってきたエムスリーグループが提供する、iPadでも使いやすい電子カルテです。充実した検査・医療機器との連携により、各クリニックの診療スタイルに合わせた柔軟な運用を実現します。

また、利用台数に制限がなく、何台導入しても料金は変わりません。導入施設数は1,000以上^※2、連携サービスや機器も90種類以上^※2と豊富で、幅広い診療環境に対応可能です。

※1 エムスリーデジカル「開業医の手間を削減するクラウド電子カルテ / エムスリーデジカル株式会社」2025年10月24日閲覧
※2 エムスリーデジカル「機能 / エムスリーデジカル株式会社」2025年10月24日閲覧

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド
対象施設	病院、クリニック
レセコンのタイプ	一体型・分離型
主な機能	受付、データ連携、カルテ編集、情報管理、処方監査、機器連携など
初期費用	0円
月額料金	一体型プラン24,800円、ORCA連動型プラン11,800円、レセコン単体プラン14,800円

• 医師とスタッフで同一患者のカルテを同時編集
• iPadで訪問診療も可能
• 複数診療科向け、眼科向け、産婦人科向けなども提供

CLIPLAはiPadでもパソコンでも見やすい画面が特徴の電子カルテです。診療でよく使う検査や薬剤、診療行為、傷病名などをあらかじめ「セット登録」することで、診察時にはボタンひとつでまとめて入力可能です。ルーチン化された診療業務を大幅に効率化できます。

さらに、同じ患者のカルテを医師やスタッフが同時に閲覧できるため、チームでの情報共有がスムーズになります。外来だけでなく、訪問診療でも活用しやすい設計が魅力です。

CLIPLAは、日々の診療をシンプルかつスピーディーに進めたいクリニックに最適な電子カルテです。

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド
対象施設	病院、クリニック
レセコンのタイプ	分離型
主な機能	受付、データ連携、過去カルテ一覧、情報管理、処方監査、機器連携など
初期費用	要問い合わせ
月額料金	要問い合わせ

• 在宅クリニックや無床診療所に特化
• パソコンやタブレット、スマートフォンに対応
• セコムのデータセンターにてデータを管理

セコムOWELは幅広いデバイスに対応した電子カルテです。誰でも直感的に操作できる設計で、導入がスムーズなところが特徴です。複雑な操作を避けたい、コストを抑えて使いやすいシステムを求める医療機関に適しています。

セコムならではの高度なセキュリティ対策を備えており、大切な患者情報を安全・安心に管理可能です。

訪問スケジュールの作成や、介護費用を含めた月次のまとめ請求といった機能により、訪問診療に必要な業務を一貫してサポートします。

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド
対象施設	在宅クリニック、無床診療所
レセコンのタイプ	分離型
主な機能	訪問スケジュール作成、請求書発行、在宅医療で必要な医療文書の作成など
初期費用	要問い合わせ
月額料金	要問い合わせ

• 予約から問診、診療、経営分析までをトータルで管理
• 外来や在宅、オンライン診療に標準対応
• グループクリニック間で患者の情報を共有するオプション

CLIUSはiPadから院内業務をワンストップでこなせる電子カルテです。予約管理から診察、院内の業務フローまでを一元化できる点が特徴です。パソコン1台でのオンライン診療から、複数拠点をもつ大規模医院まで、幅広い規模での導入実績があります。

AI機能を搭載しており、日々の操作も直感的でスムーズに進められるところも魅力です。セットアップ時には専任スタッフが直接訪問し丁寧にサポートもできるため、安心して運用を始められます。

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド
対象施設	病院、クリニック
レセコンのタイプ	分離型
主な機能	受付、予約、オンライン診療、患者案内、処方箋など
初期費用	200,000円〜
月額費用	12,000円

• 記録やオーダーの入力画面構成が共通で、すぐに操作をマスター可能
• 患者の治療情報を一画面にまとめて表示
• 一括入力対応でカルテ記入の手間を省略

Medicom-CKⅡは中小規模の病院に強いiPadで使える電子カルテです。中小規模病院に特化し、必要な機能に絞って効率的な運用を実現します。画面は誰でも直感的に操作できるシンプルなデザインで、初めてでも迷わず使えます。

患者の治療状況は年表形式で一画面に表示され、経過の把握や情報共有がスムーズです。さらに、看護必要度や患者情報の入力・閲覧を一括で管理できるため、日々の業務負担を軽減できます。

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド、オンプレミス
対象施設	中小規模病院
レセコンのタイプ	分離型
主な機能	患者情報の一括入力・閲覧、看護必要度・医療区分管理など
初期費用	要問い合わせ
月額料金	要問い合わせ

• タブレットと電子ペンで手書き入力が可能
• 手書き文字は自動でテキストに変換され、コピーや訂正も簡単
• 予約管理や訪問スケジュール、画像撮影アプリなど実務に役立つ機能を搭載

きりんカルテは、タブレット端末と電子ペンを活用できる電子カルテです。紙カルテの書きやすさをそのままに、電子カルテの利便性を活かした運用が特徴です。手書き入力はテキスト化されるため、コピー＆ペーストや訂正が容易で、作業効率を高めます。

予約や訪問スケジュールの管理、画像撮影アプリなど日常業務で使いやすい機能が充実しており、院内業務全体をスムーズにサポートします。

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド
対象施設	病院、クリニック
レセコンのタイプ	一体型・分離型
主な機能	予約や訪問スケジュール管理、画像撮影アプリなど
初期費用	0円(レセコン導入費用300,000円)
月額費用	レセコン使用料22,800円

• ワコム社の手書き機能「E-toile」を採用し、画像やシェーマの上から直接描写可能
• 手書き入力が瞬時に診療録に反映され、語句や文章入力補助で作業時間を大幅に短縮
• 記録内容はクラウドで安全に保管される

ACUSIS Cloudは、クリニックに特化した電子カルテです。紙カルテの手間をなくし、タブレット上で直感的に記録できる運用を実現します。描写した内容はすぐに診療録に反映されるため、入力漏れや転記の手間を削減できます。

クリニック業務のほか、売上や在庫管理などの業務機能も統合された電子カルテです。

詳細・料金

項目	内容
導入形態	クラウド
対象施設	クリニック
レセコンのタイプ	分離型
主な機能	受付、データ連携、カルテ編集、情報管理、売上・在庫管理など
初期費用	要問い合わせ
月額費用	98,000円〜

iPadで使える電子カルテのメリット

iPadで使える電子カルテには、多くのメリットがあります。主なメリットを紹介します。

データ入力が簡単になる

電子カルテを導入することで、患者情報をタッチスクリーンや音声認識にて入力できます。さらにテンプレートやセット機能により、情報の誤りを防ぎデータの正確性を確保する点もメリットです。

これにより、診療時間の効率化や医療ミスの軽減に期待がもてます。

看護師をはじめとした関係者が閲覧しやすい

iPadで使える電子カルテは、持ち運びやすいため移動の多い看護師にも使いやすい点がメリットです。

同時閲覧ができるケースも多く、運用の自由度がより増すでしょう。

診察の自由度が上がる

iPadで使える電子カルテは、携帯性に優れており医療施設内外で業務を遂行できます。そのためベッドサイドでの診察や訪問診療が可能です。

これにより、診療の迅速化や医療判断の精度向上が見込めます。

iPadで使える電子カルテの注意点

iPadで使える電子カルテはメリットが多い反面、気をつけたい点もあります。中でも主な注意点を紹介します。

セキュリティの確保とプライバシーへの配慮

iPadで使える電子カルテは、気軽に携帯できるがゆえセキュリティ対策とプライバシー確保が課題です。
多くの関係者が閲覧しやすくiPadの持ち運びも増えるため、運用時のルールについてはあらかじめ定めておきましょう。

IPアドレスやデバイス単位でのアクセス制限を課すのも有効です。

医療従事者のトレーニングと運用の課題

iPadで使える電子カルテの導入には、医療従事者のトレーニングと運用に課題があります。新しいシステムの導入にあたっては一定教育が必要です。

またiPadでのシステム導入となると、普段パソコンを使っている場合はiPad自体への慣れも求められます。システム運用における問題点を把握し、使いやすいようレクチャーしましょう。

iPadで使える電子カルテを導入しよう

iPadで使える電子カルテを選ぶ際には、ニーズや予算に合わせて複数のシステムを比較し、最適なサービスを選定しましょう。

無料プランや無料トライアルを提供しているサービスも多いため、導入前には活用したいところです。

iPadで使える電子カルテを選ぶ際には、業務を効率化し、患者に安心してもらえるようなシステムかチェックしましょう。

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