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KPIツリーとは?作り方やテンプレート、おすすめツールを紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から22日前のものです)
KPIツリーとは、企業や組織が目指す目標を達成するために、何をすべきかわかりやすく整理するためのフレームワークです。KPIツリーの概要や特徴、作り方、作成に便利なツールを紹介します。

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KPIツリーとは?

KPIツリーとは、ビジネスにおける目標達成のために、KGI(重要目標達成指標)から各KPI(重要業績評価指標)を分解し、ツリー状に体系化したフレームワークです。

企業が目指すゴールであるKGIを達成するために、具体的に何をすべきかを視覚的に整理するために使用されます。

KPIツリーは、マーケティングやプロジェクトマネジメント、目標管理など、あらゆるビジネス領域で応用されています。KPIツリーを正しく設計することで、チーム全体が共通の目標のために効率的に業務を遂行できます。

KGIとの違い

KGIは、企業や事業が最終的に達成すべき「ゴール」を示す指標です。たとえば、売上目標や市場シェアの拡大などが該当します。

一方、KPIは設定したゴールを達成するための「途中経過」を測る指標です。KPIは、KGIの達成状況を把握するための目安で、日々の業務の進捗を評価するために活用されます。

KPIツリーは、このようなKGIとKPIの関係を体系的に整理することで、どの業務が重要で、どの指標を重点的に追跡すべきかが明確になります。そのため、業務の優先順位の選定や、効果的なマネジメントが可能です。

ロジックツリーとの違い

KPIツリーとロジックツリーの違いについても、理解しておく必要があります。KPIツリーは、最終的な目標であるKGIを達成するために、具体的な行動指標となるKPIを分解し、階層的に整理する手法です。

一方、ロジックツリーは、問題解決や意思決定をサポートするために、論理的に問題を細分化していくアプローチのことです。

KPIツリーは、KGIを達成するために必要なステップを視覚化し、効率的に目標達成ための指標となりますが、ロジックツリーは発生する問題の分析や、解決策を導くための思考ツールとして使用されます。

KPIツリーを作るメリット

KPIツリーを作るメリットは次のとおりです。

  • KGIとKPIの関係を可視化し、アイデア出しに役立つ
  • ボトルネックを特定する
  • 効果検証がしやすくなる

それぞれ詳しく解説します。

KGIとKPIの関係を可視化し、アイデア出しに役立つ

KPIツリーを作ると、最終目標であるKGIと、それを達成するための中間目標であるKPIの関係がひと目でわかるようになります。

たとえば、売上アップといったKGIがあるとすれば、それを達成するために「客数増加」や「客単価アップ」といったKPIの設定が可能です。KGIとKPIの可視化によって、チームメンバー全員が目標達成に向けた道筋を共有できるようになります。

また、KPIを細分化することで、具体的な施策のアイデアが生まれやすくなります。たとえば、客単価アップといったKPIを設定している場合、「平均購入品数増加」や「高単価商品の販売促進」といった具体的な施策につなげられるでしょう。

KPIツリーはアイデア創出のためのツールでもあるため、チームの創造力を最大限に引き出せる可能性があります。

ボトルネックを特定する

KPIツリーを作成することで、目標達成を阻害している要因であるボトルネックを特定しやすくなります。

KGIからKPIへと目標を分解していくプロセスで、どの部分に問題があるのかが明確になるためです。

たとえば、売上アップといったKGIに対して、「客数」と「客単価」といったKPIを設定して実際にデータを見た場合、客数は順調に増加しているのに売上が伸びていないとしたら、客単価に問題があることがわかります。

このように、KPIツリーを使えば、改善点を素早く見つけ出して、効果的な対策を実行できるため、経営資源を効率的に活用できるようになります。

効果検証がしやすくなる

KPIツリーを作成するメリットの1つが、各施策の効果を検証しやすくなることです。KPIツリーでは、各段階で具体的な数値目標を設定します。

たとえば「平均購入品数を0.2個増やす」といったKPIを設定した場合、施策実施前と実施後の平均購入品数を比較することで、効果の有無を判断できます。

効果検証が簡単にできれば、PDCAサイクルを素早く回せるようになるほか、うまくいかない施策の修正や、効果的な施策へのリソースの追加など、柔軟な経営判断が可能です。

KPIツリーの作り方

KPIツリーの作り方は次のとおりです。

  • 1. KGI(重要目標達成指標)の設定
  • 2. KGIの分解
  • 3. KPIの細分化
  • 4. 指標間の関連性の確認
  • 5. 数値目標と期限の設定
  • 6. ビジュアル化と共有
  • 7. 定期的な見直しと改善

それぞれ詳しく解説します。

1. KGI(重要目標達成指標)の設定

まずは、KGIを設定します。KGIを設定する際は、次のポイントに注意しましょう。

  • 具体的で測定可能な数値目標であること
  • 組織の戦略や方針と合っていること
  • 達成期限が明確であること

KGIは組織全体の目標を表すため、経営陣や部門長レベルで議論して決定しましょう。

2. KGIの分解

KGIが設定できたら、達成するために必要な要素に分解します。

この過程で、KPIが生まれます。たとえば、「年間売上高10億円達成」といったKGIを設定した場合、次のように分解可能です。

  • 顧客数の増加
  • 客単価の向上
  • リピート率の改善

これらの要素がKPIとなるため、それぞれに具体的な数値目標を設定しましょう。

3. KPIの細分化

設定したKPIをさらに細分化して、具体的な行動指標を作ります。たとえば、「顧客数を前年比20%増加」といったKPIを設定した場合、次のように細分化可能です。

  • 新規問い合わせ数の増加(例:ウェブサイトへのアクセス数を30%増加、SNSフォロワー数を50%増加)
  • 商談成約率の向上(例:営業担当者のスキルアップ研修を月1回実施、提案資料のテンプレートを改善)

KPIを細分化して、具体的な行動レベルに落とし込むことで、チームメンバーが何をすべきかを明確にできます。

4. 指標間の関連性の確認

KPIツリーを作成する際は、各指標間の関連性の確認が重要です。具体的には、上位の指標達成のために、下位の指標が適切かつ矛盾なく設定されているかをチェックします。

たとえば「客単価の向上」といったKPIに対して「低価格商品の販売促進」といった行動指標は矛盾が生じる可能性があります。このような不整合がないか、慎重な確認が必要です。

5. 数値目標と期限の設定

それぞれのKPIと行動指標に対して、具体的な数値目標と達成期限を設定します。これにより、進捗管理が容易になり、チームメンバーの意識も高まります。

数値目標は、過去のデータや業界のベンチマークを参考にしつつ、チャレンジングかつ現実的な水準に設定することが大切です。また、短期・中期・長期の目標をバランスよく設定することで、持続的な成長を促します。

6. ビジュアル化と共有

次に、作成したKPIツリーを、図や表でビジュアル化します。ビジュアル化することで、全体像が把握しやすくなり、チーム内で共有しやすくなるためです。

ビジュアル化には、ExcelやPowerPointも使用できますが、専用のオンラインツールを活用するのも効果的です。

7. 定期的な見直しと改善

作成したKPIツリーは、定期的に見直し、必要に応じて改善することが重要です。たとえば、四半期ごとに進捗を確認し、各指標の達成状況やKPI・行動指標の妥当性、外部環境の影響、課題などをチェックします。

これにより、KPIツリーを常に最適な状態に保ち、組織の成長を促せるでしょう。

KPIツリーを作成する際のポイント

KPIツリーを作成する際のポイントは次のとおりです。

  • 四則演算できる構成にする
  • 定性的な指標は入れない
  • 遅行指標と先行指標を意識する

それぞれ詳しく解説します。

四則演算できる構成にする

KPIツリーを作成する際は、各指標を四則演算できる構成にすることが重要です。上位の指標と下位の指標の関係が明確になり、目標達成のプロセスが論理的に説明できるようになります。

たとえば、売上高といったKPIは、顧客数と客単価の掛け算で、顧客数といったKPIは、新規顧客数と既存顧客数の足し算で表現できます。

各指標間の関係を数学的に説明できる構成にすれば、目標達成に向けた行動指標も明確になるでしょう。

また、四則演算できる構成にすることで、各指標の影響度が把握しやすくなります。たとえば、顧客数を10%増やすことと、客単価を10%上げることが、売上高にどの程度影響するかを具体的に計算できるため、リソースの配分や優先順位を決定しやすくなるでしょう。

定性的な指標は入れない

KPIツリーを作成する際は、定量的な指標のみを使用し、定性的な指標は避けることが重要です。定性的な指標、つまり数値で表現できない曖昧な指標を含めてしまうと、目標の達成度を正確に測定できないためです。

定量的な指標を使用することで、数値表現によって目標を明確にできるほか、目標に対する進捗状況を把握しやすくなります。また、具体的な数値目標があることで、チームのモチベーションも維持しやすくなるでしょう。

遅行指標と先行指標を意識する

KPIツリーを作成する際は、遅行指標と先行指標のバランスを意識することが重要です。遅行指標は結果を表す指標で、先行指標は将来の結果に影響を与える活動や要因を示す指標のことです。

遅行指標の例としては、売上高や利益率、市場シェアなどが挙げられます。これらは重要であるものの、施策の結果を示すもので、将来の成果を直接コントロールできません。

一方、先行指標の例としては、顧客訪問回数や商品開発サイクル、従業員満足度などがあります。これらは将来の業績に影響を与える要因となり、日々の活動レベルでコントロールが可能です。

効果的なKPIツリーを作成する場合は、KPIの上位層に遅行指標を設定し、目標達成のための主要な要因に対して先行指標を設定しましょう。

KPIツリー作成ツール3選

KPIツリーの作成やビジュアル化には、専用のツールを使用することがおすすめです。

Excel(Smart Art)

Excelに搭載されているSmart Art機能は、KPIツリー作成に活用できます。Excelの上段のメニューバーから図の挿入を選択すれば、複数パターンでのKPIツリーの制作が可能です。業務管理に関連するファイルやシート内にKPIツリーを作成できることがメリットです。

Miro

Miroは、チームの共同作業に使用できるオンラインワークスペースです。標準機能として、KPIツリーテンプレートを使用でき、ビジネスの目標設定や計画に活用できます。また、スマートダイアグラム機能を活用すれば、KPIツリーの作成や計画の効率化も可能。複数メンバーが同時にテンプレートを編集できたり、アイデアを共有できたりするなど、使い勝手の良いツールです。

KPI Master

KPI Masterは、KPIツリーの作成に特化したツールです。ワークプレイスの大きさに制限が設けられていないため、思考の整理やボトルネックの特定がしやすいのが特徴。また、演算機能が搭載されており、特定のKPIを変更すると、関連するKPIが自動更新される点も魅力です。さらに、ツール上でコメントや吹き出しでのコミュニケーションが可能なため、情報共有も簡単に行えます。

KPIツリーを使用して効果的な目標設定を

ビジネスシーンにおける目標設定や目標実現のための行動指標の設定において、KPIツリーは重要な役割を果たします。また、KPIツリーの作成は、パソコンに搭載された一般的なツールや、専用のオンラインツールを使用するといいでしょう。

本記事を参考に、適切なKPIツリーを作成して、現実的かつ効果的な目標設定を行いましょう。

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