医療機器業界向けの販売管理システム5選!解決できる課題
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- 医療機器業界における販売管理の課題
- 在庫管理の複雑さ
- 商品マスタ管理の煩雑さ
- コンプライアンスと法規制対応
- 医療機器業界の課題を販売管理システムで解決できる理由
- 複雑な在庫管理への対応
- トレーサビリティの向上
- 業界独自の取引形態への対応
- 医療機器業界向け販売管理システムの選び方
- 業界特有の規制対応能力
- スケーラビリティ機能・コンプライアンス対応
- ユーザーインターフェースの使いやすさ
- 業界に精通したサポート体制
- 医療機器業界向け販売管理システム5選
- 楽商
- アラジンオフィス
- Aptage.MDⅡ- NIC日本インフォメーション株式会社
- Medyus2 - 株式会社メディアス
- A/4 Medical Device - 日本ソフテック
- 医療機器業界向け販売管理システムを活用して業務効率化を図ろう
医療機器業界における販売管理の課題
医療機器業界では、在庫管理や商品マスタ管理の複雑さ、コンプライアンスや法規制への対応など、業界特有の課題を抱えています。
解決すべき課題としては次のようなことが挙げられます。
- 在庫管理の複雑さ
- 商品マスタ管理の煩雑さ
- コンプライアンスと法規制対応
在庫管理の複雑さ
医療機器は種類が多岐にわたり、取り扱う在庫の品目も多いため、在庫管理の複雑さが課題のひとつです。
通常在庫に加えて預託在庫、取置在庫、貸出などさまざまな在庫がありますが、これらの在庫をExcelだけで管理するのは困難です。
処方のために医療機器を移動させると、現在どこに何があるのかをリアルタイムで把握するのは難しくなります。
在庫を正確に把握できないと、必要なときに適切な処置ができなくなり、症状が悪化するといった大きなトラブルにつながる可能性があります。
商品マスタ管理の煩雑さ
商品マスタ管理が煩雑であることが課題のひとつです。医療機器は医薬品と同じように使用期限が設定されています。
そのため、頻繁に商品マスタを更新する必要があります。また、単価改訂された際も同様に更新が必要です。
このような商品マスタの更新や金額訂正を手作業で行っていることが課題となっています。
また、標準化への対応も必要です。「MEDIS-DC」から商品マスタを取り込んで業界標準へ対応しなければならないため、管理がより煩雑になっています。
コンプライアンスと法規制対応
医療機器は、不具合が起きてしまうと人命に直結するため、安全性と有効性を保証する法令が厳格に決められています。その法令を遵守する必要があるため、コンプライアンスと法規制への対応が課題です。
医療機器販売者は「高度管理医療機器等の販売業者」に該当します。販売、貸与するだけでも許可申請が必要となり、販売が認められても法令を遵守して販売を行わなければなりません。
また、医療機器の購入や販売の記録を適切に管理する必要があります。医療機器の不具合による危害の発生や、その拡大を防止するために、6年間の帳簿管理義務が定められています。
違反してしまうと社会的信用を失う可能性があるため、コンプライアンスと法規制への対応も課題として挙げられます。
医療機器業界の課題を販売管理システムで解決できる理由
医療機器業界の課題は販売管理システムで解決できます。その理由は次のとおりです。
- 複雑な在庫管理への対応
- トレーサビリティの向上
- 業界独自の取引形態への対応
それぞれ詳しく解説します。
複雑な在庫管理への対応
販売管理システムを導入することで、医療機器業界で課題となりやすい複雑な在庫管理にも対応できるようになります。
たとえば、医療機器業界の在庫形態は多種多様です。メーカー借入在庫や預託在庫、取置在庫といった異なる在庫形態を区分けして適切な保管ができます。
また、ロットやシリアル、有効期限の管理にも対応可能です。改正された薬事法に対応し、バーコードを使用してロットやシリアル管理することで医療機器の有効期限を把握できます。
そのため、医療機器の有効期限切れによる商品ロスを減少できます。
トレーサビリティの向上
販売管理システムを導入するとトレーサビリティが向上するため、医療機器や法規制といった複雑な情報を追跡しやすくなります。
たとえば、販売管理システムには、ハンディターミナルを使用したGS1-128と呼ばれる医療材料標準バーコードの読み取り機能があります。バーコードを読み取ることで検品と同時にロット情報を取得し、システムで在庫状況を管理できるため、医療材料が移動しても追跡が可能です。
トレーサビリティの向上により業務効率が高まり、医療従事者の負担を軽減できます。
業界独自の取引形態への対応
販売管理システムを導入することで業界独自の取引形態へ対応できるようになります。たとえば、医療業界は先値引、後値引、同時値引といった複雑な値引き制度があります。
このような値引き制度をExcelで管理すると、データ入力ミスといったヒューマンエラーが発生しやすいですが、システムを導入することで対応可能です。
また、取引形態も預託品やSPD、病院直送、代理店経由などさまざまです。販売管理システムはこのような取引形態にも対応できるため、正確かつ迅速に経営数値を把握でき、より良い経営判断につなげられます。
医療機器業界向け販売管理システムの選び方
医療機器業界向け販売管理システムを選ぶ際は、次の基準を参考にしましょう。
- 業界特有の規制に対応できるか
- 拡張性の高さとコンプライアンス対応が十分か
- ユーザーインターフェースは使いやすいか
- 業界に精通したサポート体制があるか
それぞれ詳しく解説します。
業界特有の規制対応能力
医療機器は一般的な製品とは異なるため、業界特有の規制に対応できるシステムを選ぶ必要があります。特に確認しておかなければならない項目は次のとおりです。
- 償還分類、クラス分類、生物由来製品といった医療業界特有の分類
- ロット管理、有効期限の管理
- メーカー借入在庫、預託在庫、取置在庫などの医療業界特有の在庫形態への対応
- 単価設定・値引管理
また、医療機器業界向けの販売管理システムの中には医療材料に対応しているものがあります。あらかじめ、どのような製品に対応しているかを確認して、取り扱っている医療材料に対応したシステムを導入することが重要です。
スケーラビリティ機能・コンプライアンス対応
スケーラビリティ機能があり、コンプライアンスに対応しているかをシステム導入前に確認しましょう。医療機器業界は、安全性と有効性を保証するための法令が厳格に決められているため、GS1-128といった医療材料標準バーコードを使用しています。
したがって、医療材料標準バーコードを利用した製品の検品が可能かの確認が重要です。
また、コンプライアンスに対応していないシステムを導入してしまうと、コンプライアンス違反となり、医療事故が起きたり信用を失ったりする可能性もあります。
そのため、薬機法で定められた管理要件を満たすシステムを導入することは重要です。
ユーザーインターフェースの使いやすさ
販売管理システムを導入する際はユーザーインターフェースが使いやすいかを確認しておきましょう。販売管理システムは多くの医療従事者が利用しますが、利用者のITリテラシーには個人差があります。
システムをうまく活用できない方が多いとシステムが定着せず、一部の業務を手作業で処理する必要があります。手作業で業務を処理するとヒューマンエラーを招いたり業務の効率化を妨げたりする可能性があります。
したがって、システムを使用するすべての方が直感的に扱える、使いやすいインターフェースのシステムを導入することが重要です。
業界に精通したサポート体制
販売管理システムを導入する前に医療機器業界に精通したサポートが受けられるか確認するのが重要です。医療機器業界は人命にかかわるため、法令を遵守する必要があります。
したがって、サポートが医療業界独自の法令に対応していないと満足なサポートが得られないでしょう。
たとえば、薬機法やGS1-128といった医療材料標準バーコードに対応したサポートがなければ、トラブルがあった場合に対応できません。したがって、業界に精通したサポート体制が整っているかの確認が重要です。
医療機器業界向け販売管理システム5選
医療機器業界におすすめの販売管理システムを紹介します。これから導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
楽商は、医療機器メーカーや医療機器卸売業に特化した販売管理システムです。顧客の声を積極的に取り入れて改善を繰り返しているため、最新の医療機器業界の課題を解決しやすいシステムです。
貸出管理やGS1-128バーコード対応といった基本的な機能を備えつつカスタマイズもできます。システムの運用サポートをしつつ細かいカスタマイズに対応してくれるため、顧客の置かれている状況に合わせた運用が可能です。
また、運用形態はオンプレミス版、クラウド版、クラウド対応の3種類から選べます。さらに、楽商はIT導入補助金の支援事業者でもあるため、導入しやすいシステムです。
アラジンオフィスは、医療業界に特化した販売管理システムです。医療機器だけでなく薬品製造・卸業や歯科材料、理化学機器といった業界にも対応しています。
また、ハンディターミナル連携ができるため、入荷予定リストと商品だけで簡単に検品が可能です。さらに、データもシステムで管理できます。
MEDIS-DCからデータを取り込むことで商品マスタの管理が可能です。Excelとの連携機能があるため、単価変更があった際に迅速な対応ができます。
さらにスマートフォンやタブレットに対応しています。在庫照会や対応履歴の照会、販売履歴の照会が可能です。
Aptage.MDⅡ- NIC日本インフォメーション株式会社
Aptage.MDⅡは、医療業界の法規制や特有の商慣習に対応した販売管理システムです。JAHID-DBに対応しており、多様な在庫管理に対応できます。有効期限の管理機能も備えているため、商品ロスの減少が可能です。
GS1-128に対応したハンディターミナルを活用して検品とロット管理を同時に行えます。扱う製品が増えても品番コードを変更する必要がありません。
利用者の業務や職位に応じたアクセス権限を付与できます。商品単価の変更権限を特定の管理者だけに付与するといった設定ができるため、高度なセキュリティ対策が可能です。
Medyus2 - 株式会社メディアス
Medyus2は、医療機器や試薬卸売業における特別な処理が必要な業務に対応した販売管理システムです。
伝票や請求書などの書類を顧客の要望に応じて対応します。また、医療機器の長期貸し出し、短期貸し出しといった複雑化する伝票処理も可能です。
最新の開発環境を整えていることも特徴です。最新の技術を採用し、システムの追加や変更にも柔軟に対応しています。
病院物流管理システムと連携ができるため、正確な分析による経営補助や仕入れた製品の管理を一元化できます。
A/4 Medical Device - 日本ソフテック
A/4 Medical Deviceは、医療機器や医療材料業界のノウハウが蓄積された販売管理システムです。ユーザーインターフェースがわかりやすく、ひと目で確認ができるため、だれにでも扱いやすいシステムです。また、入力の手間も少なくなるように設計されています。
伝票や在庫がリアルタイムで把握できるのが特徴のひとつです。蓄積されたデータを分析して経営判断に活用できます。
さらに導入サポートが充実しています。医療業界のノウハウをもったメンバーが導入からサポートしてくれるため、システムを定着させやすいのが特徴です。
医療機器業界向け販売管理システムを活用して業務効率化を図ろう
医療機器業界向け販売管理システムは複雑化しがちな在庫管理を効率化し、業界独自の取引形態にも対応したシステムです。
医療機器業界では、医療機器の種類が豊富で在庫管理が複雑化したり、商品マスタ管理が煩雑であったりするのが問題視されています。そこで販売管理システムを導入することで、管理の負担を減らして業務を効率化できたり、商品ロスを減少できたりするでしょう。
販売管理システムを導入する際は、必要な機能を備えているだけでなく、業界特有の規制に対応しているか、拡張性の高さやコンプライアンス対応は十分かといった点にも確認する必要があります。
また、ITリテラシーに左右されることのない、直感的に扱えるユーザーインターフェースを備えているシステムを導入するのが重要です。

