「エンゲージメント向上は全員が主役」Wevoxが“チームサクセス”に現場を巻き込む仕掛け

最終更新日 :

Success icon
URLをコピーしました

人的資本経営の重要性が増す中、従業員エンゲージメント向上が大きな課題となっています。測定方法の一つにサーベイがありますが、実施したままになっていませんか? 4,200社以上(※)で利用されているチームサクセスプラットフォーム「Wevox(ウィボックス)」で営業責任者を務める川本さんに、サーベイ結果を組織に還元し“チームサクセス”へとつなげる取り組み例や、Wevoxが提供する“仕掛け”について、お話を伺いました。

※出典:株式会社アトラエ「Wevox公式サイト」(2026年3月12日閲覧)

<お話をうかがった方>
Wevox営業責任者・ビジネスサイド統括 / SMBC Wevox株式会社 取締役副社長
川本 周
新卒で当時未上場の株式会社アトラエ入社。入社後はIT業界に強い求人メディア「Green」のコンサルティング営業を担当。その後、新規事業の組織力向上プラットフォーム「Wevox」へ異動。現在は、Wevox営業責任者/ビジネスサイド統括を担う。通常業務の他に、社内のバリュー刷新や全社コミュニケーションの設計などの自社の組織力向上にも従事。2023年10月より三井住友フィナンシャルグループとの合弁会社であるSMBC Wevox株式会社の取締役副社長に就任。

サーベイだけじゃない、「Wevox」

ーー まずはWevoxがどういうサービスかご紹介ください。

川本: 「チームサクセスプラットフォーム」と称していまして、チームのパフォーマンスを高めていくためのSaaSです

具体的には、エンゲージメントサーベイをはじめとして、組織のカルチャー、個人の特性、相性関係、価値観、あとはスキルセットといった人的資産をデータ化して、データから見えてくる示唆をチームに還元し、パフォーマンスの高いチームをつくるプロセスにつなげていく、そんなことができるサービスです。

2026年におかげさまで10周年を迎えます。現在では4,200社以上に導入いただいていて、業界としては、金融、製造、飲食、IT、あとは学校法人や医療法人、スポーツチーム、自治体と、業種・業態を問わず利用いただいています。

ローンチ当初はエンゲージメントサーベイツールのみだったこともあり、今でも組織診断ツールと捉えられることが多いんですけども、私たちはあくまで、日常的に、自分たちでいいチームをつくっていくために使う「道具」という思いを持っています。

ーー失礼ながら私もサーベイツールのイメージが強いです。今はサーベイ以外にどういった機能を提供していますか?

川本:まずサーベイの結果を日常の行動に活用するためのアナリティクス機能ですね。これにはAIも活用しています。あとはコミュニケーションツールとして「Wevox Board」というデジタルホワイトボードも提供しています。

そのほか、エンゲージメントをどう高めていくかについて、これは学校で習うものではないですし、体系的に学べるツールがあったとしても自分たちの結果と連動させて学べる場がないので、Wevox上で学習できる機能や学び合えるコミュニティを運営しており、それらをWevox内に内包して「チームサクセスプラットフォーム」と呼んでいます。

ーーホワイトボードツールはユニークですね。社内Wikiのように情報を共有できるものでしょうか?

川本:少し違っていて、同期的にデジタル上でホワイトボードが使えるイメージです。ふせんにコメントを書いて貼ったり、スタンプを送ったりできて、このあたりは他のデジタルホワイトボードと同じなんですけど、Wevoxのデータと連動していてグラフや分布図をパッと挿入できるのが特徴です。お客様からも「Wevoxらしさが出ている」とよく言われる機能なんです。

Wevoxをご利用いただいたユーザーさまの声

画像提供:アトラエ

川本:「サーベイ」と言うと、世の中的にはつまらないものとか事務的に送られてくるものと思われているケースが多いので、それを払拭していきたいという強い思いがあります

エンゲージメントは測っているだけでは上がりません。地道ですが、結果を自分たちがどう解釈したのかという対話を繰り返すことで高まっていくものです。そういったプロセスを進めやすくするための機能です。「どう進めたらいいかそもそもわからない」というお客様もいらっしゃるので、すぐに対話を始められるテンプレートもWevox Board内にたくさん用意しています。

ーー まさに「サーベイを実施した後どうする?」への課題感は強いところですよね。他に“実施後”を支援する機能はありますか?

川本: Wevoxの全体像は「たずねる」「わかる」「はなす」「できる」で構成されています。

「たずねる」はサーベイですね。「わかる」は分析で、ここにはアシスタントのようなAIを組み込んでおり、結果の読み解き方や、気をつけた方がいいところ、良くなっているところなどを出してくれます。

さまざまな「個人」がいる中で、画一的なやり方は効きません。とはいえメンバー全員の人となりを互いに知ろうとすると時間もかかるので、AIが個々人の特性も踏まえて分析を手伝ってくれるイメージです。

Wevox Boardで「はなす」を促進しつつ、「できる」へのアプローチとして学習支援サービスやコミュニティがあります。

画像提供:アトラエ

サーベイは「人事のため」ではなく「全員のため」にある

ーー 従業員の立場からすると、ほとんどの企業で、アンケート回答以外でサーベイツールと接する機会が無いと思います。先ほど紹介いただいた機能は人事や経営層以外も使えますよね。この背景を教えてください。

川本: エンゲージメントを上げるためのサーベイなのに、上げづらくしているものが何かというと、サーベイを「させる側」と「回答させられる側」に分けられるという構造です。これが、間違いです。

そもそも「みんなでいいチームを作っていこう」という話ですよね。それなのに、自分の結果や状態がわからない、自分の意見が適切に取得されているのか分からない、そんな中で「みんなでやっていこう」とだけ言われても難しいじゃないですか。

私たちはさせる側とさせられる側で機能を分けていません。もちろん使用機能の割り振りを決めている企業もありますが、Wevoxとしては、全ての機能を全ユーザーが使える環境下に置いています。

実は施策がうまくいっている企業ほど、させる側、させられる側の権限を分けていません。ですのでWevoxに対して、「サーベイを回答させられるアレね」ではなく、「回答した上で自分のチームの結果がすぐ出てきて、ボードを使っていろんな話ができて、自分に合った学習コンテンツが出てくるよね」というイメージを持っていただいていると伺っています。

ーーなるほど。面白いですね。

川本: 「Wevox」の「v」を「b」と間違われることがよくあるのですが、voiceの「v」なんです。「We」と「voice」、つまり「私たちの声で私たちの職場、組織を良くしていこう」という思いを込めています

私たちはコンサルタントや組織診断代行ではありません。あくまで、自分たちの組織のことは自分たちが一番良く知っていますよね、という前提に立ち、みなさんに使っていただくための「道具」を提供しています。

外部からヒントをもらったとしても、結局実行するのは企業のみなさんです。みなさんが実行しやすくするために技術的に解決ができることは何かに寄り添い、サービスに反映させています

ーー しっかりと成果を出しているお客様はどのような使い方をされていますか?

川本: 見る粒度によりますが、分かりやすいのはエンゲージメントスコアが上がっているかどうかです。

高頻度で実施することを前提とした「パルスサーベイ」がWevoxのコア機能の1つですが、利用企業4,200社中約7割が月に1回以上実施しています。こうした企業は、実施頻度が少ない企業よりエンゲージメントが育まれていることが分かっています。

サーベイ結果の還元も、経営陣だけにとどまっているか、現場の方々も見られる環境にあるかでいうと、後者の方がエンゲージメントが上昇しているケースが多いです。

「見える化」「言える化」「言い合える化」で進める

ーー そうは言っても、現場の方を巻き込んだ施策はハードルが高そうです。なかなかイメージできない方が多いと思うのですが、ヒントになる取り組み事例はありますか?

川本: 「そもそも難しいものですよ」とお話していることが多いかもしれないですね。その上で、時間がかかるものだとお伝えしています。

とにかくまずはパルスサーベイを実施してみることを推奨しています。サーベイ結果を組織に還元すれば、何も思わないなんてことはないので。そして積み重ねていく中で結果が見えてきます。

現場の巻き込みに成功している企業を見ると、「エンゲージメント」という言葉を別の表現に変えているケースが多いです。例えば「体温を計りましょう」とか、「自分たちの気分を大事にしよう」とか。経営層を巻き込む話であれば「人的資本投資をしっかり実施していることを広めよう」といった形で、「エンゲージメント」以外の言葉を社内で活用いただいてるケースが多いように思います。

ーーまずは「可視化」しましょう、そこから「対話」を考えましょう、というステップですよね。

川本: そうですね。これはお客様に教えていただいた言葉ですが、まずは「見える化」をして、次のステップが「言える化」です。見えるものがあると何かしらの思いを持つので、それについて対話するステップですね。最後が「言い合える化」です。ここでポイントなのは、エンゲージメントは適応課題であることです。

組織における課題を2つに分けたときに、技術的問題と適応課題があります。技術的問題は「寒いなら温度を上げればいい」「リラックスしたいなら音楽を聞けばいい」といったように知識や経験で解決できる課題で、組織構造の中でいうと上長の指示で解決できるようなものです。

一方適応課題は、その時々、その状況にいる全員が当事者になって、新しい学習もしながら状態に適応していかないと解決に至らない問題で、人間関係がまさにそうです。互いにただ思うことを主張し合っても進まないので、ある種一体となって適応していかなければなりません。

ですので、「見えている」だけでもダメで、「言っている」だけでもダメで、「言い合える」ことが重要です。この「見える化」「言える化」「言い合える化」のステップをどうつくっていけるか。さらにそれを踏まえて「共創」ができるかが大切だと考えています。

ーー「見える化」はイメージしやすいですが、次の2つのステップは難しいのが現実ではないでしょうか。

川本: 実際に、サーベイを実施していればそれでいい、測っているから大丈夫、あるいは表面的なアピールで実施しているお客様もいらっしゃいます。そういうお客様には大義がないので、表現として適切でないかもしれませんが、「見える化」にとどまっているように思います。

正直、「エンゲージメントは人事や経営が高めてくれるものでしょう」とか、場合によっては「外部のコンサルタントからアドバイスをもらいながらやるものでしょう」みたいな認識の方がまだまだ多いです。その意識を変えていくチャレンジを続けるのが私たちの使命でもあると捉えています。

ーー では「言い合える化」まで行っている組織に特徴はありますか?

川本: たくさんありますよ。例えば、先ほどお話したようにエンゲージメント以外の表現を使って自分たちらしい言葉でアプローチしていたり、チームの活動に能動的に参加する人の割合が高かったり。自分たちごと化している、当事者意識がある、そういったところは共通していると思います。

お客様の事例から言葉を抽出するなら、「日常的になっているかどうか」ではないでしょうか。エンゲージメントが非日常の存在ではなく、日常的に捉えられている、会社や経営・人事のものではなく、現場主体・自分たち主体になっている。これが事象として現れると、「体温」「気分」といった言葉になるのだと思います。

一方で、他者主体、得てして人事や経営が主体になっているケースは失敗しやすいです。やはり現場主体になっていることがポイントですね。

まずは、人事が自分のチームを良くすることから

ーー人事部門で導入を検討されることが多いと思うのですが、全社への浸透が難しいと感じていらっしゃる方が多いように思います。そうした方には何をお伝えしたいですか?

川本: 前段からいくと、まずは、「人事の皆さんが自分たちのエンゲージメントを育めていますか?」と言いたいです。「現場が動いてくれない」とおっしゃる方が多いんですけど、じゃあ、人事の方は自分たちのチームでエンゲージメントをちゃんと育めていますか?という話で。人事部門自身が実践しているケースはうまくいきます。説得力がありますし、巻き込み力もあるので。

それと実は、Wevoxへの問い合わせの半分くらいが現場の方からなんです。「部門長としてこの部門を良くしていきたいと思っているし、この部門にいて良かったとメンバーにも思ってもらいたいので、自分たちだけで使いたいです」というケースですね。Wevoxは人事だけでなく、現場のためのソリューションだと考えているので、始めたいと思ったときにすぐ始められる設計を大事にしています。

人事はどうしても全体最適を考えがちで、どう一斉に実行するかを決め打ちで検討しますが、これは難しいです。サービスを提供する側としては変わっているかもしれませんが、「ちょっとずつでいいですよ」という話をよくしています。明日から、一歩踏み出せるサイズでいいのでやりましょう、と。

組織づくりを当たり前の「自分ごと」に

ーー最後に、Wevoxが目指す将来像について教えてください。

川本: Wevoxを始めた10年前は、組織診断の機能を「1社に1台」持てるようになったことがイノベーションでした。元々は内製でがんばったり、外部コンサルタントに外注したりするのが当たり前だったところへ技術が追いついて、「1社に1台」を実現できたのが最初の一歩です。そこから、「1チームに1台」へと軽量化、高速化してきたのがこの10年でした。ここから10年先は、AIの進化もあって、どれだけ「1人に1台」にしていけるかが大事だと思っています

やはりまだ組織づくりは「人事がやること」「難しい」「面白くない」と思われがちです。そこにカウンターパンチを打ちたいと思っています。そのため日常的に使うものであること、UXが優れていることが大事と考え、Wevoxではデザインにも徹底的にこだわっています。とにかく簡単で楽しいものだという認識をみんなと一緒に作っていけるといいですね。

ただ、一方で、プロダクトだけで解決できるとは思っていません。ある種私たちが矛盾を抱えているところで、どれだけプロダクトが便利になっても、最終的に結果を出せるかどうかはお客様次第です。だから、プロダクトを使う側のリテラシーも高めていく必要があります。

実はこの10年で、プロダクトを優れた道具にするチームと、道具を扱う人のスキルを高めるチームとを並行で動かしてきて、先日、一つのプラットフォームとして合流させました。やはり道具のアップデートだけでなく、世の中全体の人と組織のアップデートをつなげていきたい、そんな動きを今後も続けたいと考えています。

ーー「1人に1台」が実現すると、従業員全員が常に自分のことをきちんと見ながらも、楽しく働けるようになる、そんなイメージでしょうか?

川本: そうですね。楽しい方が良くないですか?(笑) 「楽しい」という言葉にもそれぞれの捉え方があるとは思いますが、エンゲージメントの定義にある言葉を使うと、振り返ったら、熱意を持って、活力がみなぎる状態で、気づいたら時間を忘れて没頭していた、となる方が人生として楽しいと思っています。

少なくともビジネスシーンはそれと真逆なイメージで捉えられがちです。なので、そういう世の中をWevoxで変えていきたいです。

画像提供:アトラエ

Wevoxの画面デザインには「ワクワク」が体現されていると感じます。エンゲージメントサーベイの結果というとマイナス面ばかりに目がいき、重苦しい空気になることも多い中、前向きに組織と向き合う企業を後押ししてくれるように思いました。

エンゲージメント向上は人事や経営だけで考えるものではなく、全員が自分ごととして取り組むものというメッセージは、組織変革へ向けた大きなヒントとなりそうです。

従業員満足度調査選び方ガイド

従業員満足度調査選び方ガイド

記事をシェア

Success icon
URLをコピーしました
BOXIL掲載のお知らせ

貴社のサービスをBOXILに掲載しませんか?

見込み客獲得や認知度向上をしたいサービスをお持ちの方は是非ご掲載ください。

スクロールトップボタン

TOPへ