BOXILが発表した「2026年上半期 BOXIL資料請求数ランキング」において、KDDI株式会社とSupership株式会社が共同運営する「KDDI Message Cast」が、SMS送信サービスカテゴリで総合1位を獲得しました。
電話をかけても出てもらえない、郵送はコストと時間がかかる、メールは埋もれて読まれにくい。電話やメールだけでは顧客に連絡が届きにくい場面がある一方で、なりすましやフィッシングSMSが社会問題化し、「確実に、そして安心して受け取ってもらえるチャネル」を求める企業が増えています。
「KDDI Message Cast」は、KDDIとSupershipが共同運営するSMS・RCS送信サービスです。国内網接続による高い到達率と、キャリアの審査を通った企業だけが公式名・ロゴを表示できる「RCS」への早期対応を強みに、基本のSMS配信を初期費用・月額費用なしの従量課金で導入できる点が支持を集めています。
今回は受賞を記念し、KDDI株式会社 事業創造本部 メディア推進部 サービス企画3グループ グループリーダーの原 真吾氏にお話をうかがいました。

<お話をうかがった方>
KDDI株式会社
事業創造本部 メディア推進部 サービス企画3グループ グループリーダー
原 真吾氏
電話や郵送、メールだけでは届きにくい時代 連絡手段に「携帯電話番号」を

——このたびは総合1位の獲得、おめでとうございます。まずは改めて、「KDDI Message Cast」がどのようなサービスなのか教えてください。
原氏: ありがとうございます。「KDDI Message Cast」は、企業が保有されているお客様の携帯電話番号宛てに、SMSやその進化版である「RCS」を一斉送信できる法人向けのメッセージ配信サービスです。
携帯電話番号を宛先に配信できますので、メールアドレスが分からないお客様への連絡にも活用できます。必要な手続きや設定を経てWebの管理画面からお使いいただけますし、既存システムとAPI連携して自動配信することもできます。基本のSMS配信は初期費用・月額費用が無料で、届いた分だけの従量課金です。オプション等には別途費用がかかります。
——導入企業は、どのような課題を抱えてご相談に来られることが多いのでしょうか。
原氏: お客様と連絡がつかない。これに尽きます。
電話は出ていただけず、折り返し対応の負担も大きい。郵送やDMはコストがかかるうえ、届くまでに時間もかかります。メールは埋もれて読まれにくく、アプリはなかなか入れていただけない。
こうした連絡の難しさがあるなかで、「携帯電話番号宛てなら届きやすい」という点を評価いただいているのだと思います。
金融・インフラ・自治体で進む切り替え 1日350時間の業務削減も
——連絡がつきにくいというのは、多くの企業に共通する実感だと思います。そうした課題は、どのような業種で特に深刻なのでしょうか。
原氏: お客様の携帯電話番号を保有していて、確実に届けたい連絡が定期的に発生する企業様ですね。具体的には、金融・保険、電気やガスといったインフラ、自動車販売、それから自治体・公共機関です。
部門でいえば、カスタマーサービスや契約管理の部署でのご利用が多くなっています。契約の更新や支払い期日のご案内、ご本人確認、災害時の連絡など、まさに「届かないと困る連絡」が多い領域です。
——たしかに、どれも「届かなかったので仕方ない」では済まされない連絡ばかりですね。実際にSMSを活用して、劇的に改善された事例を教えていただけますか。
原氏: 公共分野では、愛知県名古屋市様の事例があります。新型コロナウイルスの陽性者の方へご連絡する際、当初は電話で対応されていました。ところが感染拡大で新規陽性者への電話連絡が追いつかず、電話業務に多大な時間と人員がかかってしまっていました。
これをSMSでのご連絡に切り替えたところ、組織全体で1日あたり350時間の業務削減につながりました。
——1日あたり350時間ですか。桁違いの効果ですね。
原氏: はい。金融・保険の分野では、日本生命保険相互会社様の事例が印象的です。
電話がつながらなかったお客様へSMSで折り返しをご依頼する従来の業務に、KDDI Message Cast for Salesforceを導入されました。送信・履歴管理の効率化や文面などの運用改善に取り組まれ、折り返し率が約8%から約12%へ向上しています。工数についても、月あたり約280時間の削減につながりました。
——業務が減るだけでなく、お客様の行動そのものが変わったのですね。現場の反応はいかがでしたか。
原氏: オペレーターの方から、「お客様に『日本生命さんからお電話をいただいた』と分かっていただけるようになった」という声をいただきました。
削減した工数や折り返し率はもちろん大切な数字ですが、私たちとしては、お客様に「どこからの連絡なのか」が伝わるようになったこと自体に大きな意味があると考えています。
キャリア品質の到達率とRCSの公式認証 生活者が送信元を確認しやすいメッセージ
——数あるSMS送信サービスのなかで、今回SMS送信サービスカテゴリの資料請求数で総合1位となった理由を、原様ご自身はどう分析されていますか。
原氏: 大きく4つあると考えています。
1つ目は、導入ハードルの低さです。基本のSMS配信は、初期費用も月額費用も、最低保証金額もいただいておりません。届いた分だけの従量課金ですので、「まずは小さく試してみたい」というお客様にも始めていただきやすい料金体系になっています。
2つ目は、通信キャリアであるKDDIの配信基盤を活用している点です。国内網接続による高い到達率に加えて、24時間365日の監視運用体制をそのままお使いいただけます。
3つ目は、社会的な背景です。なりすましやフィッシングが社会問題になるなかで、安心して受け取れる連絡手段へのニーズが高まっています。この流れが、キャリアが提供するサービスへの評価につながっていると見ています。
そしてもう1つ、特長となっているのが、SMSの進化版である「RCS」にいち早く対応している点です。
——RCSについて、初めて聞く方にもわかるように教えていただけますか。従来のSMSとはどう違うのでしょうか。

原氏: RCS(Rich Communication Services)は、テキストだけでなく画像やボタンといったリッチな表現ができる世界標準規格です。そのうえでKDDI Message Castで重要なのは、キャリアの審査を通った企業が、公式の企業名やロゴ、認証済みマークを表示してメッセージを送れるという点です。
受け取った方が企業名や認証情報から送信元を確認しやすくなる。この信頼性が、何よりの違いだと考えています。
——たしかに、知らない番号からのSMSはつい警戒してしまいますが、企業名や認証情報が表示されれば、送信元を見分けやすくなりますね。
原氏: 生活者の方が知らない番号からのメッセージを疑うのは、むしろ健全なことです。だからこそ企業側が、送信元を確認しやすい、認証されたチャネルを活用していくことが重要です。この審査・認証という仕組みそのものが、通信事業者として大切にしている領域だと思っています。
そのほか、国内網接続やキャリアとしてのなりすまし対策にも取り組んでいます。加えて、RCSに対応していない受信環境のお客様には自動でSMSに切り替える「フォールバック機能」も備えています。受信側の回線・端末・設定などの条件を確認しながら、SMSで届けられる範囲を補うことができます。
——受信環境に応じて、配信方法を切り替えてくれるのですね。ほかに、お客様から評価されている機能はありますか。
原氏: どの機能が響くかはお客様の用途によって変わりますので一概には言えませんが、よくご評価いただくのは到達率の高さ、そして「誤配信防止オプション」です。
これは、電話番号の履歴から他人が利用している可能性を判定し、誤配信リスクを抑える有料オプションです。個人情報を扱う業種のお客様ほど、送るべきでない相手に送ってしまうリスクを重く見られますので、現場の運用課題から生まれた仕組みの1つですね。
また、KDDI Message Cast for Salesforceを使ってCRMから直接配信し、お客様からの返信も受け取る双方向SMSのやりとりにも対応しています。
入稿ポータルなら配信機能の開発不要 成果を分ける「送って終わりにしない」運用
——CRM連携というお話が出ましたが、そうなると「導入するには開発が必要なのでは」と身構えてしまう担当者の方も多そうです。実際に始めるには、どのような準備が要るのでしょうか。
原氏: そこはご安心いただける設計になっています。入稿ポータルをご用意していますので、必要な手続きや設定を経て、配信機能を自社で開発せずにお使いいただけます。テンプレート機能や送信予約機能もありますので、画面上の操作だけで配信まで完結します。
もちろん、既存システムと連携させたいというご要望にはAPI連携で対応できます。
——送ったあとの効果は、どのように把握できるのでしょうか。
原氏: SMSの配信履歴を管理できるようになっています。短縮URLを使えば、クリック数の計測も可能です。
そして、ここが実は一番大事なところなのですが、私たちはお客様に「送って終わりにしないでください」とお伝えしています。
——それはなぜでしょうか。
原氏: SMSは送信して完了、と捉えられがちなのですが、配信結果やURLのクリック数などのデータを見て、文面やタイミングを改善していただくことで成果は変わってきます。データが取れる仕組みをご用意しているのは、そのためです。
もう1つのコツは、用途の整理です。最初からあれもこれもと広げるのではなく、まずは「確実に届けたい連絡」から始めていただく。そこで手応えを得られたら、徐々に用途を広げていく。この進め方をおすすめしています。
一方通行の通知で終わらせない AI時代に電話番号1つでつながる双方向の基盤へ
——現場の課題を丁寧に吸い上げて機能に反映されているのが伝わってきます。サービスをつくるうえで、チームとして大切にされている考え方は何でしょうか。
原氏: 「確実に届き、安心して受け取れること」です。メッセージは信頼がなければ読まれませんから。
送る企業側の効率だけでなく、受け取る生活者が安心できることを最も重視しています。機能開発の優先順位も、お客様の利用実態と社会的要請の2軸で判断しています。なりすましやフィッシング対策のように社会から強く求められるものは、優先度を上げて取り組んでいます。
——KDDIという大きな組織のなかで、そうした判断をスピーディーに進めるのは難しさもありそうですね。
原氏: 私たちのチームは、安心安全を絶対に守るというキャリア品質へのこだわりと、インターネットサービスとして磨き込むスピード感の両方を持ち寄っているのが特徴です。どちらか一方に振れてしまってはいけません。品質を守りながら、必要な機能は素早く出していく。この両立を大切にしています。
——今後、特に力を入れていきたい領域はどこでしょうか。
原氏: 1つはRCSの本格普及です。世界標準の規格であり、国内でも利用環境が広がりつつあります。画像付きのリッチカードなどを使った表現を活用することで、メッセージの役割そのものが変わってきます。企業の公式メッセージが、認証済みの安心なチャネルでリッチに届く。それを当たり前の世界にしたいと考えています。
私たちはこれを「通知から対話への進化」と呼んでいます。
——一方通行のお知らせではなく、やりとりが生まれる場になっていくということですね。
原氏: そうです。もう1つが、AIエージェントの受け皿になることです。
今後、問い合わせ対応や案内業務をAIが担うようになると、そのAIと生活者をつなぐ双方向のチャネルが必要になります。RCSはその受け皿になると見ています。
フィッシングの増加によって認証されたチャネルへの移行が進み、AIの普及によって双方向性が求められる。この2つの流れが重なる場所に、RCSがあると考えています。
——最終的に目指されている姿はどのようなものですか。
原氏: 電話番号1つで、企業と生活者が安心して双方向につながるコミュニケーション基盤です。通知を送るだけの道具で終わらせるのではなく、電話番号をお客様との関係を育てていくための基盤にしていきたいですね。
——最後に、導入を検討されている企業のご担当者様へメッセージをお願いします。
原氏: お客様に連絡が届かないというのは、業種を問わず本当に多くの企業が抱えている課題です。電話がつながらず折り返し対応に追われている方、DMの郵送コストに悩まれている方、メールの開封率が落ちて重要な連絡が届きにくくなっている方には、ぜひ解決策としてご検討いただきたいです。
基本のSMS配信は初期費用・月額費用なしで、必要な分だけお使いいただけます。まずは届けたい連絡を1つ決めて、小さく試してみてください。キャリアならではの品質とサポートで、皆様の顧客コミュニケーションをしっかりと支えます。
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