freee人事労務 導入事例 MBOを機に給与計算を内製化 外部委託費を月10万円削減し、IPOに向けた盤石な管理体制を構築


・IT/通信/インターネット系
・従業員数 51〜100人
・経理・財務
・一般社員・職員
導入前の課題:親会社依存の給与計算。根拠が説明できず社員に募る不信感
―――まずは、freee人事労務導入前の体制と、当時抱えていた課題について教えてください。
導入前はプライム上場企業の子会社であったため、給与計算は親会社側で行っていました。しかし、MBO(経営陣による買収)による独立が決まり、自社の勤務体系に合った給与計算ソフトを新たに導入する必要に迫られました。
当時の一番の課題は、「自分の勤怠からどのように給与が算出されたのか」という説明が不十分だったことです。 特に、業務繁忙期に15〜16連勤した社員に対し、連続勤務に伴う割増計算が給与明細に正しく反映されていないケースがありました。
―――給与の計算ミスは、社員のモチベーションに直結する大きな問題ですね。
はい。社員から問い合わせがあっても、親会社側へ確認する必要があり、具体的な説明を行うまでに約1週間もかかっていました。
その間、経理側からは「決算のために数字を早く確定させてほしい」と急かされ、一方で社員からは「給与計算は適切に行われているのか?」という疑念を抱かせてしまうことになり、板挟みの状態でした。独立にあたり、こうした不信感を払拭できる透明性の高いシステムが必要でした。
定と導入:IPO実績と「freeeシリーズ」の連携力が決め手に
―――システム選定にあたり、どのような基準で比較検討されましたか?
MBOの目的の一つにIPO(新規上場)があったため、上場基準を満たし、かつIPO実績のある給与計算ソフトであることを前提に探しました。 比較検討したのは2社で、最終的にfreee人事労務を選定しました。
―――freee人事労務を選んだ決め手は何でしたか?
勤怠管理システムや会計システムとの親和性が非常に高かった点です。 当社ではfreee勤怠管理Plusと「freee会計」も導入しています。
給与計算に必要な勤怠データの受け渡しや、計算後の給与情報を会計ソフトへ仕訳連携する流れが非常にスムーズに行えることが確認できたのが決定打となりました。
また、freeeはスタートアップ界隈での知名度が高く、freeeを使ってIPOを成功させた企業が多いと聞いていたのも、社内や社員への安心感につながる大きな後押しとなりました。
導入後の効果:給与計算の内製化で月10万円のコスト削減。対応スピードは劇的に向上
―――導入後、業務フローやコスト面でどのような変化がありましたか?
最も大きな成果は、給与計算業務の内製化によるコスト削減です。 以前は給与計算と会計業務を外部委託しており月額40万円かかっていましたが、内製化によって月額20万円まで圧縮できました。単純計算で、給与計算部分だけで月額10万円のコスト削減に成功しています。
―――内製化による業務負担はいかがですか?
現在は担当者3名で運用しており、月間で平均15時間ほどの作業時間です。 外部委託費が削減できただけでなく、イレギュラー対応のスピードが格段に上がりました。 以前は外部委託先への確認に半日〜1日かかっていた事項が、社内で完結するため1時間程度で解決できるようになりました。
例えば、雇用保険加入設定のミスに気付いた際も、社内ですぐにミーティングを開き、再発防止策までスピーディーに決めることができました。また、年末調整業務に関しても、以前は親会社任せで詳細不明でしたが、導入後は数日程度で提出資料作成まで完了しています。
運用の工夫と今後の展望:丁寧な説明で社員の納得感を醸成
―――社員の方々への定着はスムーズでしたか?
給与明細がシンプルで見やすくなり、有給残日数も確認できるようになったため、社員からは好評です。
導入時には、全体定例の時間を借りて、freeeの説明資料を投影しながら丁寧に説明を行いました。特に「なぜ社会保険料や税金がこれだけ引かれているのか」という背景や会社の義務についてもしっかり説明したことで、社員の理解と納得を得ることができたと思います。
―――最後に、freee人事労務の総合評価と、今後の期待について教えてください。
10段階で評価するなら7点です。 費用対効果や連携のスムーズさには非常に満足しています。
残りの3点は、権限管理の細分化や証跡ログの機能強化への期待です。IPO準備におけるIT統制の観点では、「いつ誰が操作したか」のログや細かい権限設定が重要になります。現在は社内運用でカバーしていますが、システム側でより詳細な管理ができるようになると、さらに評価は高まると考えています。
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