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BTM(ビジネストラベルマネジメント)とは | メリットや選び方

最終更新日:(記事の情報は現在から714日前のものです)
BTMとは申請・手配・精算という出張業務を規程に沿って一元管理し、業務効率化と経費削減を実現させる仕組み、ビジネストラベルマネジメントです。本記事ではそのメリットや選び方について紹介します。

それではBTMには具体的にどのようなメリットがあり、導入の際にはどのようなポイントに気を配るべきなのでしょうか。BTMで重要となるトラベルマネージャーの存在を解説するとともに、おすすめのサービスも紹介します。

次の記事では、出張管理の現状や課題についてより詳しく解説しているのであわせてチェックするとよいでしょう。

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BTM(Business Travel Management)とは

BTM(Business Travel Management)とは、国内外の出張や赴任などのビジネスで必要な出張関連の業務管理、およびそのためのシステムをさします。航空券の手配、ホテルの予約、タクシーの手配、パスポートの取得、旅行保険への加入など出張にかかわる多方面の作業を管理します。

従来はトラベルマネージャーが担当

1980〜2000年にかけて旅行会社の新たなビジネスモデルとしてアメリカで発展したBTMは、企業内での「トラベルマネージャー制度」を生み出すきっかけともなりました。

出張にかかわる手配を担当するトラベルマネージャーは、社内での完結が必要になったこと、すべてはアウトソーシングできないことなどが要因で誕生しています。そんなトラベルマネージャーの役割をかんたんに確認しておきましょう。

出張規程の策定

ホテルなどの宿泊料金・交通機関のグレードや手当などを出張する地域や役職ごとに上限設定し、出張規程として細かく策定していく業務です。出張者が業務に専念できるよう、適正な判断を行うと同時に、間接費である出張コスト削減の意識を持った、バランスの取れた内容が求められます。

旅行会社・ホテルなどの選定・交渉

旅行会社・ホテルなどの選定・交渉は従来、出張者自身や総務部などが規程の範囲内で行っていた、各種出張手配の業務です。トラベルマネージャーの役割は、提携するサービスベンダーやホテルチェーン、航空会社などの選定や、スケールメリットによるディスカウント交渉になります。

出張の把握と指導・社内連携

出張者の申請・承認状況や出張内容・コストなどを把握し、上長や経理部との社内連携で情報共有します。また、出張中の行動把握や危機管理にも気を配るのもトラベルマネージャーの役割です。

経営層への成果報告・改善

一元管理された出張データを分析し、どのような成果が得られたのかを経営層に報告するとともに、分析結果をもとにした改善計画を策定します。具体的には、分析結果にもとづいた出張規程の見直しや、それに伴ったベンダーと協力した仕組みの改善などが挙げられるでしょう。


日本ではトラベルマネージャーはそれほど有名ではありませんが、近年になってそれに代替されるBTMとよばれる出張管理システムが導入され始めています。

BTMのメリット

BTMの導入によって企業が得られるメリットはおもに4つあります。

コスト削減効果

出張業務が一元管理されるBTMでは出張旅費を可視化できます。そこから費用削減方法を探し出し、PDCAサイクルによる継続的な改善を実現します。まだまだ合理化への取り組みが遅れている出張旅費にメスを入れることで、企業全体での大きなコスト削減効果が期待できるでしょう。

業務効率化

BTMを導入すると、出張管理業務をひとつのシステムで管理できるようになり、効率的に業務を行えるようになります。BTM導入以前はトラベルマネージャーが多くの業務を担わなくてはなりませんでしたが、システムを使えば時間と手間を大幅に削減できます。

リスク管理

出張者自身が手配を行っていた従来の出張では出発後の行動を把握するのは困難でした。

BTMによって旅程を一元管理し、利用状況をリアルタイムに把握することで万一のトラブルが発生した際も安否確認ができ、対策を取りやすくなります。サービスベンダーによっては、世界各地に拠点を持っているためより安心できるでしょう。

ガバナンス強化

出張規程が存在していても、それに対する認識不足による「悪意のない違反」や「規程を悪用した不正」の発生する可能性があります。BTMでは、出張者に応じた適正なプランのみ表示する、特典付プランは除外するなどの機能がありガバナンス強化に大きな効果を発揮します。

BTMの選び方

BTMを選ぶ際には、現時点での課題をもとにシステム利用者のことを考え使ってもらえるかを考慮する必要があるでしょう。

具体的な課題を洗い出す

BTMに最適なサービスベンダーを選定するためにも、まずは出張に関する具体的な課題を洗い出しておく必要があります。

たとえば、申請のフローが煩雑で承認が遅れがちである、精算が複雑で経理の締め切りに間に合わない、スケールメリットを活かしたコスト削減に課題があるなどです。

具体的なコストを試算する

課題を明確にできたら、サービスベンダーと法人契約した場合の具体的なコストを試算し、個別手配の場合との差額を把握しておくのがいいでしょう。

これによって、BTM導入時の具体的なコスト削減目標を明確にできます。導入後の改善サイクルの基準としても効果測定の基準としても、数字的な根拠が必要です。

関係者の理解を得る

BTMの導入効果を最大化するには、システム利用率を向上させていく必要があります。

そのためには、実際の出張者はもちろん、承認者である上司や経理、経営層を含めた関係者全員の理解を得る必要があるでしょう。トラベルマネージャーが企業内のコンセンサスを取り、システム利用を啓蒙していく努力が欠かせません。

BTMで出張を合理化

コスト削減は企業の命題でもあり、あらゆる努力を怠るべきではありません。しかし、単純に出張自体を削減して、ビジネスチャンスを逃すようなことがあっては本末転倒です。

BTMはこうした相反する企業の要求に応え、ビジネスに必要となる出張を快適なものとしつつも、合理的な仕組みで業務効率化し、コスト削減を実現するのです。BTM導入を検討するのであれば、次のポイントに注意するとよいでしょう。

  • 具体的な課題を洗い出す
  • 具体的なコストを試算する
  • 関係者の理解を得る

出張者のパフォーマンスを最大化し、業務改善で生産性を向上させるBTM。この機会に導入を検討してみましょう。

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