バウンスメールとは?メール不達の原因と仕組み、対策について解説
ビジネスで大量のメール配信をしている場合、エラーにより大きな機会損失が生じている可能性があります。
エラーや不達でメールが戻ってくることをバウンスと言い、発生すると一般的には配信失敗の通知メール、すなわちバウンスメールが届きます。しかし、通知を確認できておらず対策を取っていない場合が多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンにおけるバウンスメールの原因を解説するとともに、メール運用上のトラブルを回避するための基本的な対策も紹介します。
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バウンスメールとは
電子メールを送信した際、何らかの理由で送ったメールが正常に送信されず、メールサーバーから不達を知らせる通知メールが届くことがあります。
いわゆるエラーメールや不達メールと呼ばれ、これをバウンスメールと表現します。
特にビジネスシーンではバウンスメールの扱いには注意が必要で、原因を特定せずに放置しておくと、メール配信全体の遅延やシステム障害に陥ってしまう可能性もあります。
バウンスメールの特徴と詳細
「バウンス」の定義
「バウンス(Bounces)」は「跳ね返された」という意味があり、それが転じて「メールを送信できなかった」ことを示す言葉として使われています。
バウンスメッセージの内容
バウンスが発生した際に送信側に送られる通知には「発生日時」と「バウンスが起こったサーバー情報」そして「エラーコードを含むバウンスの理由」が記載されるのが一般的で、送信者はMAILER-DAEMONやPostmaster名義となっています。
これによって送信者は不達の原因をおおまかに把握でき対策が可能になりますが、上述のように何らかの理由で通知が来ないケースもあるため、特にビジネスメールでは注意しなければなりません。
バウンスが発生する3つのタイミング
バウンスメールの種類については後述しますが、メールのバウンスが発生するタイミングはある程度決まっており、大きく分けて以下の3つのパターンに分かれます。
SMTPエラーの場合
相手先のメールサーバーには接続できるものの、SMTPのセッション中に何らかの問題が発生したケースです。ほとんどのバウンスメールの原因がこれに該当します。
宛先のメールサーバーに接続できない場合(接続エラー)
相手方のメールアドレスが存在しない、サーバーに接続できないケースです。ネットワーク障害のために不達になることもあります。
送付完了後のエラーの場合
相手方のメールボックスに送付はされたものの、何らかの理由でバウンスメールが送り返されてくるケースです。
バウンスメールの種類
これら3つのタイミングでエラーが発生した場合にバウンスメールが送付されますが、その原因が一時的なものか永続的なものかによって「ソフトバウンス」と「ハードバウンス」に分類されます。
ソフトバウンス
一時的な問題が原因で起こる送信エラーをソフトバウンスといいます。
あくまでも一時的なエラー応対ですから、時間をおいて再送すれば問題なく送付される可能性が高いです。ただし何度もソフトバウンスが発生する場合は、アドレス自体の削除が推奨されるケースもあります。
ソフトバウンスの主な原因
ソフトバウンス主な原因としては、以下の可能性が考えられます。
メールサイズが大きすぎる
送信したメールサイズが大きすぎる場合、受信側のサーバーが受け取りを拒否し、そのままエラーとなって返ってくることがあります。ただし、テキストのみメールはサイズが小さいため、あまりこういうエラーは発生しません。多くの場合、添付ファイルなど付属データの容量が大きいために受信が拒否されます。
受信側のメールボックスが一杯になっている
相手側のメールボックスが容量を超えてしまっている場合、それ以上新規メールを受信できずエラーとして返ってくるケースがあります。受信側にメールボックスの空き容量を増やしてもらうか、全体の受信容量を増やすかすれば解決します。
メールサーバーがダウンしている
受信先のメールサーバーがダウンしていたり、一時的な不具合状態にある場合もソフトバウンスとなります。サーバーが復旧すれば問題なくメールを送信できますが、復旧しない場合はそれだけメールの送信が遅れてしまいます。
ハードバウンス
一時的なエラーが原因のソフトバウンスに対して、恒久的なエラーをハードバウンスといいます。時間が経過しても解決しないことが多いため、メールアドレスを変更するなどの対処が必要となります。
ハードバウンスの主な原因
ハードバウンスが起こる原因としては、以下の可能性が考えられます。
メールアドレスの間違い
当然のことですが、メールアドレスの一部または全部に誤りがある場合、メールは正しく送信されません。企業のホームページにユーザーがメールアドレスを登録した際などに、綴りを間違ってしまったためにメールが届かないというケースは頻繁にあります。
アドレスが存在していない
すでに存在していないメールアドレスや、はじめから架空のアドレスが登録されていた場合も相手にメールが届くことはありません。通常は受信者が存在しません(Recipient didn't exist)というバウンスメールが返ってきます。
迷惑メールやスパムメールと誤解された
相手方のメールソフトに迷惑メールと判断されてしまい、迷惑メールフォルダに格納されてしまうケースもハードバウンスとなります。
また、送信側のドメイン名が迷惑メール送信者としてブラックリスト入りしている場合もこれに当てはまります。相手側が意図的に迷惑メールに振り分けているケースも含め、メールが読まれることはありません。
バウンスメールを放置するとどうなるか?
バウンスメールの発生する頻度はそこまで高くないため、単に「メールが届かなかっただけ」と放置してしまう人も少なくありません。しかし、バウンスメールに対して何度もメール送信を繰り返したり、放置したりしていると思わぬトラブルを招く可能性もあります。
スパムメールと判断され接続を拒否される可能性
送信側に悪意がなかったとしても、受信側のサーバーが迷惑メールだと認識してしまい、サーバー接続を拒絶される可能性があります。
はじめはソフトバウンスだったとしても、然るべき対策をとらずに送信を続けているとハードバウンスに変わってしまう可能性があるということです。
メール配信の遅延
メールの不達が続くことにより、必要なメールの配信が遅延してしまうケースもあります。
特に重要なメールが届かないことによりビジネス上のトラブルが発生する可能性は少なくありません。また、もし相手方に迷惑メールとしてブロックされてしまうと、解除するのに相応の時間が掛かってしまいます。
有効なアドレスの把握ができなくなる
メールマーケティングを行っている場合、有効なアドレスの把握が難しくなります。
基本的にバウンス率はそれほど高くはありませんが、そのなかに有望なリードがいる場合は機会損失となりますから、確実に相手に届くようにアドレスの見直しや情報の更新を行いましょう。
バウンスを減らすための対策は
バウンスメールの原因について説明したところで、実際にバウンスメールの発生を抑えるための対策について説明します。
システム上のエラーは専門家に任せる必要がありますが、以下のようにだれにでもできる基本的な対策をすることでバウンス率を抑えることが可能です。
定期的にリストを整理する
定期的にメール配信リストを整理し、不正なアドレスや反応のない宛先はリストから削除しておきましょう。リストをアップデートし続けることで高いメール到達率が実現できます。重複や無効なアドレスをリストから排除しましょう。
また、メールの開封率が下がったりクリックされなくなったりしたアドレスについても、メールの内容や送信のタイミングを調整するなどして開封率を上げる工夫をしましょう。
配信状況をモニタリングする
配信状況をモニタリングし、ソフトバウンスなのかハードバウンスなのかを把握しましょう。ソフトバウンスであれば時間をあけて再送し、ハードバウンスは個別に処理するなど適切な対策をとれる体制作りが重要となります。
バウンス率は企業の評判に関わるため常に配信状況を確認し、リストをクリーンに保つようにしましょう。
適切なファイル管理をする
送信するファイル(データ)の容量にも気を使いましょう。
特に添付ファイルの容量が大きすぎるためにバウンスが発生するケースは多いですから、zipファイルに圧縮したり、ファイルを分割したりなど、確実に届くような工夫が必要です。送信したつもりが、いつの間にか戻ってきていたというケースは少なくありません。
メール管理ソフトを活用する
自社に適したメール管理ソフトを使うことで、不要なアドレスをリストから削除し、配信状況を詳細にモニタリングしやすくなります。エラーの種類に応じて適切な管理をしてくれるソフトはたくさんありますから、ぜひ積極的にメールマーケティングに取り入れてみましょう。
バウンスメール対策になるメールリレーサービスは以下の記事で紹介しています。
バウンスメールを減らし高い反応率を得る
バウンスメールの原因と対策について説明してきました。
ソフトバウンスは時間を空けて再送することで正常に送信させる可能性がありますが、ハードバウンスは然るべき対処をしなければメール届くことはありません。放置せずに適切に処理する必要があります。
送信先が多ければ多いほど、どうしてもバウンス率は増えてしまいますが、その情報を活かすことで効率的なメールマーケティングが可能になります。ぜひ定期的にバウンスメールをチェックして、高いメール到達率を維持してください。
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