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前給制度とは?給料前払いサービス・メリット・注意点 - 人材定着率向上へ

最終更新日:(記事の情報は現在から1284日前のものです)
近年、働いた分の賃金を給料日前の任意の期間に受け取れる「前給制度」を導入する企業や店舗が増えていることをご存じでしょうか?そんな前給制度を利用可能な前払い給与サービスやメリット、注意点、実際に導入している企業の事例を解説していきます。

前給制度とは

前給制度とは、社員が「すでに働いた分の賃金」を給料日前の任意の期間に先払いで受け取れる制度のことをいいます。「前給」と聞くと、まだ働いてない分のお金を受け取る制度だと思っている方も少なくないようですが、本来、給与分が発生していない分の対価を受け取ることは法律上できません。

前給制度は借金ではない

「前給」と「前借り」は同じ意味で表現の違いでしかありません。

前借りという表現はどうしても借金と同じだと勘違いされがちですが、あくまでも「働いた分の賃金を給料日前に受け取る」ことで、けっして借金ではありません。

労働基準法の第17条には「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。(強制貯金)」とあり、法律上前給制度は借金とはみなされないので注意しましょう。

前給制度が利用できるサービス

しかしながら、前給制度を実施するとなると管理にも負担がかかります。そこで、前給制度を手間なく利用可能なサービス、即払いサービスをいくつか紹介します。

本記事で紹介している前給制度を利用可能なサービスについてさらに詳しくチェックしたい方は、こちらから無料でご覧になれます。あわせてご活用ください。

POS+ pay - ポスタス株式会社

  • 給与の一部を給料日前に受け渡し可能
  • キャッシュフロー変更不要
  • 勤怠システムと連携可能

POS+Payは、働いた分の給与の一部を従業員が給料日前に受け取れる給与前払いサービスです。アルバイトやパートが申請した前払い金は給与口座に直接振り込まれるので、経理担当者に余分な負荷はかかりません。福利厚生制度を充実させることに繋がり、求人応募率・定着率の向上が期待できます。前払い金はPOS+Payが立て替えてくれるので、キャッシュフローを変更することなく運用が可能です。導入のための初期費用、月額固定費用はかからないので気軽に利用を始められます。

お給料前払いサービス「CYURICAキュリカ」 - 株式会社ヒューマントラスト

  • 最短で就業当日に給与相当額を受け取れる
  • 全国65,000台以上のATMで利用可能
  • 人材の獲得と人材の定着に効果あり

CYURICAは、総合人材サービスのヒューマントラストが提供している給料日を待たずに給料をATMから引き出せる前払い給与サービスです。

働いた分の給料相当額の一部を最短で就業当日に、駅やコンビニなどの近くのATMから受け取れます。対応ATMは全国で65,000台以上あり、柔軟な支払形態対応により従業員の満足度が向上し、職場定着率の改善に寄与します。

前給 きらぼし銀行

  • 初期導入コストが無料
  • 手間が掛からない運用が可能
  • 最短翌日での受け取りが可能

前給 きらぼし銀行は、東京きらぼしフィナンシャルグループが提供する前給システムで、さまざまな企業や店舗で活用されています。

専用の機材が不要で初期導入コストは無料。社員の基礎データや勤務実績のデータ登録、利用後の給与控除のためのデータ取り込みなど、担当者に負担を掛けない運用が可能で、社員が使っている給与受け取り口座から最短で翌日の受け取りも可能になります。申し込みも携帯電話やスマホ、PCから簡単に行えます。

フレックスチャージ三菱UFJ株式会社

  • 必要な金額を希望日に受け取り可能
  • パソコンや携帯電話から簡単、手軽に利用可能
  • 企業の「経費の支払い」に関する悩みを解決

フレックスチャージ三菱UFJ株式会社の前給システムは、社員がそれぞれ設定された限度額の範囲内で、必要な金額を希望日に指定口座への振込によって受け取れるようにするサービスです。

社員自身の携帯電話やスマホ、PCから簡単、手軽に利用でき、特別なシステム投資は必要なく低コストで導入できるのが特徴です。企業側にとっても経費を仮払いできるため社員への立替の必要がなく、Web上で仮払いもできるので面倒な事務負荷を軽減できます。


またこちらの記事では、PaymeとCYURICAを含め、主要な前払い給与サービスについて比較しています。

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前給制度のメリットと注意点

続いて前給制度の具体的なメリットと注意点についてです。お金に関わる制度ですから、利用する目的と導入にあたって注意すべき点をしっかりと把握しておく必要があります。

従業員の意欲・環境改善

前給制度によって、社員は自分の都合に合わせてお金を自由に受け取れるようになるため、労働意欲や従業員満足度が向上し、企業への忠誠度のアップも期待できます。

特に社員やアルバイトがすぐに辞めてしまうのが悩みだった企業でも、この制度の導入によって人材の定着率が向上した事例は少なくありません。

現代の求職ニーズに適応できる

一般社員に比べて固定収入が少ないアルバイトは、高収入かつ自由なシフトで、すぐにお金がもらえる企業を探す傾向にあります。そのため、前給制度によってアルバイトをうまく惹きつけられれば、求人効果や従業員満足度の向上も期待できます。

仕事の内容や充実度も重要ですが、現代の求職ニーズに照らせば、やはり金銭面での待遇はアルバイトにとっては非常に大きな要素となるのは間違いありません。


こちらの記事でも給与前払いシステムのメリットやサービスについて紹介しています。

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前給制度利用の注意点

企業側の注意点

提携銀行や企業によって申請期間が異なることを伝えておく

従業員が急な出費に対応できるようになる点が前給制度の最大のメリットといえます。

ただし、本来の給料日前にお金を受け取れる制度ではあるものの、企業や提携銀行によって振込日や前給制度の申請期間が異なります。そのため、そういった情報もあわせて従業員に伝えておかなくてはなりません。

給料日には差額が支給されることも伝えておく

上述のように、前給制度は借金とは明確に異なり、実際に働いた分の賃金を給料日前に受け取れるだけなので、だれでも安心して使えるメリットがあるため、従業員の満足度向上につながります。

しかし、それでも必要なときに必要な分を受け取れる制度というわけではなく、あくまでも応急処置として位置づけられており、当然給料日には差額の給与のみ支給される点も注意点として伝えておきましょう。

従業員側の注意点

手数料が高い

前給制度でお金を引き出す際にかかる手数料は金額によって若干異なりますが、おおよそ768円となります。この金額自体が高いか安いかは、人によって捉え方が違ってきますが、一般的なローン(借入れ)と比べて負担額が多くなる点は注意しましょう。

たとえば、利用者が1万円を前給制度で利用する場合と、同じ1万円をローン会社から借入れする場合を考てみましょう。(※借入れは金利18%、前給は手数料768円として計算します。)

すると、前給の場合は「10,000円(元金)×(利率)÷12か月=768円(手数料)」となり、利率は0.90となります。

一方、借入の場合は「10,000円(元金)×0.18(利率)÷12か月=150円」となり、前給よりも1か月の負担額は少ない計算となるのです。

つまり、前給制度は利息が掛からず手数料以外にリスクはないものの、1か月の実質負担額はローン会社からの借入れよりも多くなります。これは一般的なローンよりも手数料相当分が割高になるということですから、利用する際はその注意が必要となります。

前給制度の導入企業事例

現在、身近な企業の多くが前給制度を採用しており、この傾向はさらに顕著になることが予想されます。そこで最後に、正社員やアルバイト・パートにかかわらず前給制度を利用している企業の例を紹介しておきます。

大手飲食会社M社

有名ファーストフードチェーンを展開するM社では、7営業日以上働いていれば給料日に支給される額の最大50%までを受け取れる前給制度を導入しています。

同社では非常に多くのパートやアルバイトスタッフが働いていますが、たとえ正社員ではなくても同制度を利用でき、さらに最短で翌日に振り込まれるため、多くのスタッフにとって仕事へのモチベーションの一端になっているようです。

大手居酒屋チェーン経営会社M社

学生スタッフが多い居酒屋チェーンを経営しているM社では、国内の全店舗で前給制度を導入しています。給与日まで待たなくても働いた分のお金をもらえるということで、学生のアルバイトを中心に喜ばれており、結果として人材の定着に成功しています。

スマホから簡単に前給を申請でき、同じく最短で翌日に振り込まれる点を魅力に感じる人が多いようです。

前給制度を活用して人材の定着を

前給制度は基本的にだれでも利用できる便利な制度であり、本記事でおすすめした「前払いで給料を受け取れるサービス」などを利用すれば、企業側も手間なく運用ができます。

特に人材の定着率向上や社員のモチベーションアップを狙っている企業は、前給制度を積極的に導入して労働環境の改善を図ってみてはいかがでしょうか。

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