[2024年]会計ソフトに使えるIT導入補助金 | 条件や手順、対象サービスおすすめ
目次を閉じる
IT導入補助金とは
IT導入補助金は、日本政府が中小企業および小規模事業者のデジタル化を支援するために設けた制度です。この補助金は、生産性向上や業務効率化を目的としたIT製品の導入費用およびそれに関連した一部の費用を補助します。
対象となるのは会計ソフト、受発注システム、決済システムなどのITツールが中心です。申請には一定の条件があり、審査を通過する必要があります。
IT導入補助金の補助対象
IT導入補助金の補助対象は大きく5つに分かれ、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠があります。それぞれの特徴は次のとおりです。
対象ソフトウェア | その他主な対象 | 補助率(最大) | 補助金額 | 会計ソフト対応 | |
---|---|---|---|---|---|
通常枠 | デジタル化を目的としたソフトウェア全般 | 機能オプション、導入コンサルティング、サポート | 1/2 | 5万円〜450万円 | ◯ |
インボイス枠(インボイス対応類型) | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト | 機能オプション、導入コンサルティング、サポート、ハードウェア | 4/5 | 〜350万円(ハードウェアは別途補助) | ◯ |
インボイス枠(電子取引類型) | 受発注システム | - | 2/3 | 〜350万円 | - |
セキュリティ対策推進枠 | セキュリティ対策のツールおよびサービス | - | 1/2 | 5万円〜100万円 | - |
複数社連携IT導入枠 | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトほか | 機能オプション、導入コンサルティング、サポート、ハードウェア | 4/5 | 〜3,000万円 | △ |
※スペースの都合上、要点のみを記載した表となっています。それぞれの支援枠には詳細な条件が存在しているため、詳しくは「補助対象について | サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト」を参照
このうち、多くの企業で補助を受けやすいのが「通常枠」および「インボイス枠(インボイス対応類型)」といえます。その他の支援枠は工数削減としては使いづらかったり、対象サービスおよび企業が少なかったりするためです。
通常枠
IT導入補助金の通常枠は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の基本的な支援制度です。ソフトウェアや導入コンサルティングなどの費用が対象となり、補助率は1/2以内です。補助額は、導入するソフトウェアが対応する業務プロセスによって異なり5万円以上、450万円以下に決まっています。
具体的な業務プロセスとしては、下記が例にあげられます。
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
- 汎用・自動化・分析ツール
インボイス枠(インボイス対応類型)
IT導入補助金のインボイス枠は、IT導入補助金2023の「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」から刷新された、インボイス制度に対応するためのITツール導入を支援する特別枠です。
対象は会計ソフトや受発注システム、決済ソフト、導入コンサルティング、ハードウェアなどです。補助率は通常枠より高く、補助額が50万円以下の部分については最大で中小企業なら3/4、小規模事業者なら4/5です。通常枠と異なり、ソフトウェアの稼働に必要なハードウェアも補助の対象なのが特徴といえます。
インボイス枠(電子取引類型)
IT導入補助金のインボイス枠(電子取引類型)は、受発注システムの導入を支援する枠です。「インボイス枠(インボイス対応類型)」と異なる点としては、取引関係にある受注社の中小企業や小規模事業者に対して無料でアカウントを提供する場合に利用できる点があります。
補助率は最大2/3で、補助金額は最大350万円です。この枠は、取引のデジタル化を促進し、業務効率の向上とペーパーレス化の実現を目的としています。対象のIT製品が少なめで、「インボイス枠(インボイス対応類型)」より補助金をもらうハードルが高いといえます。
セキュリティ対策推進枠
IT導入補助金のセキュリティ対策推進枠は、中小企業・小規模事業者のサイバーセキュリティ対策を支援する枠です。補助率は最大1/2で、補助金額は5万円以上、100万円以下です。この枠は、増加するサイバー攻撃のリスクから企業を守り、安全なデジタル化推進を目的としています。
複数社連携IT導入枠
IT導入補助金の複数社連携IT導入枠は、複数の中小企業・小規模事業者が連携してITツールを導入する際の支援枠です。補助対象者は商工団体や地域のまちづくりをする企業などが該当します。対象の製品はソフトウェアのほか、ハードウェア、分析にかかる経費と幅広いです。また、補助額が最大3,000万円と高いのが特徴。ただし、対象者がやや限定的で、補助金を受けるためには金額相応の条件が求められます。
会計ソフトには「インボイス枠(インボイス対応類型)」がおすすめ
会計ソフトの導入にはIT導入補助金を活用できます。「インボイス枠(インボイス対応類型)」はインボイス制度への対応補助を目的としており、補助率が最大2/3と高いのが特徴。さらに、補助額50万円以下の場合には中小企業なら3/4、小規模事業者なら4/5を補助してもらえます。
「通常枠」でも会計ソフトの導入は可能なものの、補助率や採択率の観点から「インボイス枠(インボイス対応類型)」の方がおすすめです。
会計ソフトでの「インボイス枠(インボイス対応類型)」の補助対象
IT導入補助金はITツールの導入費用だけでなく、コンサルティングや研修費用も補助対象に含まれます。以下では、会計ソフトにて「インボイス枠(インボイス対応類型)」を利用する場合の補助対象について解説します。
ソフトウェアおよびオプション
会計ソフトの費用のほか、オプション機能やセキュリティ対策の費用に対しても補助対象となります。また、受発注システムや決済サービスについても同様に補助を得られるので、あわせて導入を検討してもよいでしょう。
コンサルティングやサポート
会計ソフトを導入するにあたってのコンサルティングや研修、初期設定、運用サポートは補助対象です。システムの導入に失敗しないためにも、利用を検討してみましょう。システム選定時にあわせて相見積もりするのがおすすめです。
ハードウェア
パソコンやタブレットといったハードウェアについても補助を受けられます。ハードウェア単体ではなく、ソフトウェアの導入にあわせてハードウェアも購入する場合にのみ補助してもらえるため注意しましょう。プリンターやスキャナも対象ではあるため、インボイス制度に対応しやすいのがメリットです。
IT導入補助金の対象者
IT導入補助金の主な対象者を要約すると、日本国内で法人登記されていて日本国内で事業を営んでいること、大企業のグループ会社ないしそれに順ずる企業に所属していない中小企業ないし小規模事業者であることです。
中小企業および小規模事業者に含まれる企業は、下表にあてはまる企業です。
業種分類 | 資本金または出資の総額 | 常駐の従業員 |
---|---|---|
1.製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
2.卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
3.サービス業 (ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
4.小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
5.ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
6.ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
7.旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
8.その他の業種(上記以外) | 3億円以下 | 300人以下 |
9.医療法人、社会福祉法人 | 300人以下 | |
10.学校法人 | 300人以下 | |
11.商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | 100人以下 | |
12.中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下 | |
13.特別の法律によって設立された組合又はその連合会 | 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下 | |
14.財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下 | |
15.特定非営利活動法人 | 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下 |
※資本金または出資の総額、常駐の従業員の両方に記載がある業種分類はいずれかに該当する企業が対象。常駐の従業員のみ記載がある業種分類はその基準に該当する企業が対象
そのほか厳密な交付対象者の条件を含め、詳細はインボイス枠(インボイス対応類型) | サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイトを参照してください。
IT導入補助金の申請方法
IT導入補助金の申請の流れは次のとおりです。申請を進めるにあたっては、ITベンダーないしサービス事業者と協力する必要があるため、適宜コミュニケーションを取りながら推進しましょう。
- IT導入補助金の公式ページで交付規定や公募要領を確認
- 「gBizIDプライム」の取得と「SECURITY ACTION」宣言の実施
- 「みらデジ経営チェック」の実施
- IT導入補助事業者・ITツールの選定
- 交付申請
- 交付決定
- ITツールの発注・契約・支払い
- 事業実績報告
- 補助金交付
- 事業実施効果報告
手続きの詳細は新規申請・手続きフロー(中小企業・小規模事業者等のみなさまの手続き) | サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイトに記載があります。導入を進める場合には一度目を通しておきましょう。
IT導入補助金の必要書類
IT導入補助金の申請に必要な書類は次のとおりです。直近に取得した書類を提示するケースが多いため、申請を進める際にあらためて必要な書類は確認しましょう。
【法人の場合】
- 履歴事項全部証明書
- 法人税の納税証明書
【個人事業主の場合】
- 運転免許証、運転経歴証明書、住民票のいずれか
- 所得税の納税証明書
- 確定申告書の控え
IT導入補助金を受けられるおすすめ会計ソフト
IT導入補助金のうち、「インボイス枠(インボイス対応類型)」にて補助を受けられる会計ソフトのおすすめを紹介します。クラウド型の会計ソフトは、法改正に自動で対応してくれるため中小企業にこそ導入してほしいソフトです。
【特典比較表つき】『会計ソフト(財務会計)の資料6選』 はこちら⇒無料ダウンロード
また、一覧で料金・機能を比較したい方にはBOXILが作成した比較表がおすすめです。各社サービスを一覧で比較したい方は、下のリンクよりダウンロードしてください。
【特典比較表つき】『会計ソフト(財務会計)の資料6選』 はこちら⇒無料ダウンロード
※ダウンロード可能な資料数は、BOXILでの掲載状況によって増減する場合があります。
IT導入補助金で会計ソフトを導入しよう
IT導入補助金は会計ソフトの導入や運用にかかる費用、ソフト導入に伴うセキュリティ対策の強化などに活用できます。IT導入補助金にかかわらず会計ソフトの導入を進めたい企業は、次の記事もあわせてチェックするとよいでしょう。IT導入補助金ありきで探すより、結果として効率化され事業にとって嬉しい結果になる可能性も十分にあります。
資料にて会計ソフトを比較したい方には、次のボタンから入手できるサービス資料がおすすめです。比較表もあわせてチェックできるため、稟議を通す際に活用できます。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
- BOXIL Magazineの会員限定記事が読み放題!
- 「SaaS業界レポート」や「選び方ガイド」がダウンロードできる!
- 約800種類のビジネステンプレートが自由に使える!
BOXIL SaaSでは、SaaSやクラウドサービスの口コミを募集しています。あなたの体験が、サービス品質向上や、これから導入検討する企業の参考情報として役立ちます。
BOXIL SaaSへ掲載しませんか?
- リード獲得に強い法人向けSaaS比較・検索サイトNo.1※
- リードの従量課金で、安定的に新規顧客との接点を提供
- 累計1,200社以上の掲載実績があり、初めての比較サイト掲載でも安心
※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ、調査概要:2021年5月期 ブランドのWEB比較印象調査