給与計算の業務内容と注意点、効率化の方法 | ソフトはSaaSがおすすめ
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給与計算とは
給与計算とは、従業員に支払う給与の金額を算出する業務を指します。基本給や残業代、各種手当を合計し、所得税や社会保険料などの控除額を差し引いて最終的な手取り額を決定します。
給与計算の業務内容
給与計算の具体的な業務内容を紹介します。
基本給や残業代、各種手当の計算
基本給や残業代、各種手当の概要は次のとおりです。給与計算の際は、まずこれらを足し合わせて総支給額を算出します。
名称 | 概要 | 例 |
---|---|---|
基本給 | 従業員との契約にもとづいて支払われる基本的な賃金 | - |
残業代 | 法定労働時間を超えて働いた時間に対して支払われる賃金 | 時間外労働、休日労働、深夜労働 |
各種手当 | 規定により定められた別途支給される金額 | 通勤手当、住宅手当、家族手当、役職手当 |
控除項目の計算
続いて控除項目の計算をします。控除の金額は給与額や扶養家族によって変動するため、給与計算をするにあたっては事前に家族構成をヒアリングしておく必要があります。
名称 | 概要 | 例 |
---|---|---|
社会保険料 | 従業員の病気や老後に備えて加入する保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険 |
各種税金 | 会社が天引きすることで代理で納める税金 | 所得税、住民税 |
そのほか控除 | - | 労働組合費ほか |
賞与や退職金の計算
時期や従業員によっては臨時で賞与および退職金の計算が発生します。これらのい金額は規定や就業規則にもとづいて計算されます。
名称 | 概要 |
---|---|
賞与 | 会社の業績や個人の成果に応じて支給される一時金 |
退職金 | 従業員が退職する際に支払われる一時金 |
年末調整や法定調書の作成
直接的な給与計算以外に、年末調整や法定調書の作成も担当者の業務に含まれます。これらは法律で定められた期日までに作成が必要なため、漏れのないよう計画したうえでの運用が求められます。
名称 | 概要 |
---|---|
年末調整 | 1年間の給与所得と源泉徴収された所得税を照らし合わせ、過不足を調整する手続き |
法定調書 | 給与支払報告書や源泉徴収票など、税務署に提出する書類 |
給与計算業務の重要性
給与計算は組織と従業員の双方を守る重要な業務です。給与計算が重要なのはなぜか、不適切な対応にはどのようなリスクがあるのかを紹介します。
従業員のモチベーション維持
給与は、従業員にとって生活の基盤となるだけでなく、仕事に対する評価や貢献度を反映するものとして重要な意味を持ちます。正確かつ公正な給与計算は、従業員のモチベーション維持に直結し、企業への信頼感や愛着心を高めることにつながります。
反対に給与計算にミスや遅延があると、従業員の不満や不信感を招きモチベーション低下をまねきかねません。
企業の法令遵守
給与計算は、労働基準法や税法に準拠する必要があり、法令遵守において重要な役割を果たします。法令違反は社会的信用を失墜させ、罰金や制裁を受けるリスクも。
適切な社会保険料の納付は、従業員の将来の年金受給額にも影響を与えるため、企業の社会的責任として正確な処理が求められます。
経営判断の材料
給与計算で得られるデータは、人件費の推移や労働時間の状況などを把握するうえで貴重な情報源となります。これらのデータは、経営者が適切な経営判断を下すための材料として活用できます。たとえば、人件費の削減や生産性の向上など、経営課題の解決に向けた施策を検討する際に、給与計算データは客観的な根拠として役立つでしょう。
給与計算の流れ
給与の計算から支払いまで、一連の業務の流れを紹介します。
1.出勤記録の収集と確認
給与計算の最初のステップはタイムカード、出勤簿、勤怠管理システムなどから出勤記録を収集することです。収集したデータは遅刻、早退、欠勤、残業時間などを確認したうえで、後の計算に用います。勤怠データに誤りや漏れがないかを確認し、修正が必要な場合は速やかに対応します。
2.勤怠データにもとづいた給与計算
正確な勤怠データにもとづいて、給与計算を行います。基本給や残業代、各種手当を合計し、総支給額を算出。その後、所得税、社会保険料、住民税などの控除額を総支給額から差し引いて、最終的な手取り額が決定します。給与計算は、法律で定められた計算方法に従って正確に実施しましょう。
3.給与明細の作成と配布
給与計算が完了したら、従業員に給与明細を作成し配布します。給与明細には総支給額、各控除項目の金額、手取り額などが記載され、従業員が自身の給与の内訳を把握できるようにしましょう。給与明細は、紙媒体で配布する場合と、Web上で確認できる電子明細で配布する場合があります。
4.銀行振込による給与支払い
給与支払日は、就業規則で定められた日に行われます。一般的には月末締め翌月払いが多く、銀行口座に給与を振り込みます。給与支払いの際は振込先の口座情報に誤りがないか、金額が正しいかなどを確認し、確実に従業員に給与が支払われるようにしましょう。
給与計算業務の注意点
給与計算業務の注意点について解説します。これらのポイントを押さえておくことで、給与計算にまつわるトラブルを防ぎ、コンプライアンスを強化できるでしょう。
法改正への対応
給与計算に関わる法律や税制は頻繁に改正されるため、常に最新の情報にアンテナを張り、改正内容を把握しておく必要があります。法改正への対応を怠ると給与計算に誤りが生じ、従業員に不利益を与えたり、企業が罰則を受けたりする可能性もあります。法改正の内容によっては、給与計算システムの改修や従業員への周知が必要な場合もあるでしょう。
個人情報の取り扱い
給与計算では氏名、住所、生年月日、銀行口座情報など多くの個人情報を扱います。これらの個人情報は、プライバシーに関わる重要な情報であり、厳重な管理が求められます。個人情報保護法にもとづいて情報の収集、利用、保管、廃棄などは適切に行いましょう。また情報漏えいや不正利用を防ぐため、セキュリティ対策の徹底が欠かせません。
ミスや不正防止
給与計算では、わずかなミスが生活に大きな影響を与える可能性があるため、正確性が求められます。計算ミスや入力ミスを防ぐため、ダブルチェック体制を敷いたり、システムによる自動計算を活用したりするなどの対策が必要です。また、従業員による不正行為を防ぐため、勤怠管理システムと連携したり、内部監査を実施したりすることも有効です。
システムのセキュリティ対策
給与計算システムは、個人情報や企業秘密を扱うためセキュリティ対策が不可欠です。不正アクセスや情報漏えいを防ぐため、アクセス権限の設定、パスワード管理、ウイルス対策ソフトの導入など多層的なセキュリティ対策を講じましょう。また、定期的なシステムのアップデートやぜい弱性のチェックも重要です。
給与計算の効率化にはSaaSが便利
SaaS(Software as a Service)は、クラウド上で提供されるソフトウェアのことで、業務を効率化するためのツールとして注目されています。SaaSの給与計算ソフトは、従来のインストール型の給与計算ソフトと異なり、インターネット環境があればどこからでも利用でき、常に最新の機能へアップデートされます。
給与計算業務に使うSaaSの比較ポイント
給与計算業務に適したSaaSを選ぶには、次のポイントを比較検討することが重要です。
比較項目 | 注目ポイント |
---|---|
機能 | 勤怠管理との連携、年末調整、社会保険手続き、電子明細発行、マイナンバー管理などの機能が搭載されているか |
操作性 | 直感的に操作できるか。入力項目がわかりやすいか。マニュアルやサポート体制が充実しているか |
拡張性 | 将来的な従業員数の増加や新たな制度導入に対応できる柔軟性があるか |
セキュリティ | 個人情報保護の体制が整っているか。データのバックアップ機能があるか。セキュリティ認証を取得しているか |
費用 | 初期費用や月額費用はいくらか。従業員数に応じた料金体系か。無料トライアル期間があるか |
サポート体制 | 電話、メール、チャットなど問い合わせ方法が複数あるか。対応時間が適切か。専門知識を持った担当者が対応してくれるか |
導入実績 | 自社に近い業種や規模で導入されているか |
ユーザーレビュー | 口コミや評判をふまえて大きな懸念点が見つからないか |
これらの比較ポイントを参考に、ニーズに合ったSaaSを選ぶことで、給与計算業務の効率化を図り、より戦略的な人事戦略に注力できます。なお給与計算ソフトの比較はこちらにて実施しているため、あわせてチェックしてみてください。
SaaS活用で給与計算業務の品質と効率を高めよう
給与計算は、企業にとって欠かせない業務ですが、その複雑さから担当者の負担が大きくなりがちです。SaaSを活用することで、これらの課題を解決し、給与計算業務の品質向上と効率化を実現できます。本記事で紹介したSaaS選びのポイントを参考に、最適なサービスを選び、より生産性の高い働き方を目指しましょう。
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