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[2024年]定額減税とは - 対応方法をわかりやすく解説 | 給与計算ソフト

最終更新日:(記事の情報は現在から53日前のものです)
2024年6月から定額減税が実施されます。本記事では定額減税についての概要や計算方法について解説していきます。また、給与計算業務の負担を軽減する定額減税に対応した給与計算ソフトも紹介するので、参考にしてください。

【監修者】青山ファースト税理士事務所 代表・税理士 生垣博志

定額減税とは

定額減税とは、2024年の税制改正に伴い、令和6年度分の所得税や住民税を一定額減税する制度です。これは、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するための措置として行われます。この減税によって手取り収入が上がることで家計が豊かになり、消費を増やし、経済を回すという好循環を目的としています。

具体的には、1人当たり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が基本的に減税されます。つまり、4人家族なら16万円の減税です。

定額減税を受ける方法

定額減税を受けるためには原則、申請は必要ありません。会社員は、給与明細を確認すると、毎月の給与から天引きされている税金が減額されています。収入源が複数ある場合でも、令和6年度の確定申告の際に必要な調整が行われます。

自営業者や個人事業主の場合は、所得税については確定申告することで定額減税を受けられます。住民税は普通徴収から減税されます。

年金受給者の場合は、公的年金などの支払者(厚生労働省や共済組合など)が定額減税を行うため、手続きは必要ありません。

定額減税の対象者

定額減税の対象者は、日本国内に住所がある令和6年分所得税の納税者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額(住民税の場合は令和5年分)が1,805万円以下である方です。なお、給与収入のみの方の場合は給与収入が2,000万円以下の方、子どもや特別障害者の方いる場合に所得金額調整控除の適用を受ける場合は2,015万円以下の方が対象です。
 
定額減税は納税者本人だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族も対象です。

同一生計配偶者とは

同一生計配偶者とは、その年の12月31日時点で納税者と生計を一にする配偶者で、年間の合計所得金額が48万円以下、ないし給与所得だけの場合は給与等の収入金額が103万円以下の人を指します。

※青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない、または、白色申告者の事業専従者でない人

扶養親族とは

扶養親族は、その年の12月31日時点で、次の4つの要件すべてに当てはまる人を指します。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が48万円以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと

[所得税]定額減税の計算方法

会社員などの給与所得者については、その主たる給与の支払者のもとで定額減税額の控除が行われます。その際、次のように計算されます。

[月次減税]2024年6月からの給与計算で減税

月次減税は、2024年6月1日において主たる給与の支払いを受ける人が対象です。2024年6月1日以降最初に支払いを受ける給与や賞与の控除前税額(源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計)から月次減税額を控除します。

例えば、控除前税額が36,556円、月次減税額が30,000円の場合、源泉徴収税額は36,556-30,000で6,556円となります。その後は従来の方法で源泉徴収されます。

6月の最初に払う給与の控除前税額から控除しきれない場合は、減税総額が3万円になるまで毎月の所得税から減税されていきます。それでも控除しきれない場合は、年末調整で控除されます。

[年調減税]月次減税で控除しきれない場合は年末調整にて控除

年末調整の対象者で、かつ2024年度中に支払いの確定した給与や賞与をもとに年末調整により計算した年調所得税額がある人は、その年調所得税額から年調減税額を控除します。

なお、年調所得税額から年調減税額を控除した後の金額に102.1%を乗じて、復興特別所得税を含めた年調年税額を計算します。

計算式

  • 給与等の総額 - 給与所得控除額 - 所得控除額等(扶養控除等) = 差引課税給与所得金額
  • 差引課税給与所得金額 × 所得税率 = 算出所得税額
  • 算出所得税額 - 税額控除額(住宅借入金等特別控除額) = 年調所得税額
  • 年調所得税額 - 年調減税額 = 定額減税額控除後の所得税額
  • 定額減税額控除後の所得税額 × 102.1% = 年調年税額

年調年税額計算の流れ 出典:令和6年分所得税の定額減税Q&A 5ページ(令和6年5月15日改訂)

[所得税]給与計算時の注意点

定額減税の給与計算をする際に注意すべきこととして、次の3点が挙げられます。

合計所得金額が1,805万円を超えたら対象外

合計所得が1,805万円(給与収入のみの場合、年収2,000万円)を超える場合は、定額減税の対象外です。ただし、源泉徴収対象の方は6月以降の源泉徴収時点では所得にかかわらず所得税は一度減税され、年末調整または確定申告で調整されます。

2024年6月2日以降に就職したら年調減税

月次減税額の控除対象となる基準日在職者は、2024年6月1日現在、給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人です。

そのため、2024年6月2日以後に給与の支払者のもとで勤務することになった人は基準日在職者には該当せず、年調減税で調整します。

扶養家族の数が変わったら年調減税

最初の月次減税事務を行う時点で給与の支払者に提出されている扶養控除等申告書の扶養家族の人数が月次減税の対象となります。

そのため、例えば2024年7月に子どもが生まれて扶養家族の人数が増え、6月と7月で扶養家族の人数が変わっても月次減税額の増額は行わず、年調減税で精算されます。

[個人住民税]定額減税の計算方法

定額減税では、住民税からも1人あたり1万円減税されます。住民税の減税方法は、給与所得者(特別徴収)と個人事業者(普通徴収)で異なります。

特別徴収は6月に徴収せず7月以降で11等分

会社員をはじめとした給与所得者は、2024年6月分の住民税が徴収されません。定額減税後の額を2024年7月から2025年5月までの11か月で均等に徴収します。

普通徴収は6月から控除を開始

個人事業者の場合、定額減税前の年税額をもとに算出した第1期分(2024年6月分)の税額から控除されます。第1期分から控除しきれない場合は、第2期分(2024年8月分)以降の税額から順次控除し徴収します。

定額減税で給与計算担当者がすべきこと

定額減税は、基本的に個人で申請をする必要はありません。給与所得者の場合、通常、所得税と住民税は給料から天引きされて納付されています。そのため、今回の定額減税でも源泉徴収額から減税分を控除する作業は、会社の給与計算事務を行う担当者が対応します。

ここからは、定額減税で給与計算担当者がすべき手順について確認していきましょう。

1.控除対象者を確認

まずは、控除対象者を確認します。定額減税額は、配偶者や扶養家族の人数によって変わります。そのため、扶養控除等申請書や配偶者控除等申告書を確認し、従業員の家族を把握しておきましょう。

2.各人別控除事績簿の作成

従業員ごとの定額減税の適用状況を記録、管理するため「各人別控除事績簿」を作成します。この帳簿には、従業員の氏名、同一生計配偶者と扶養親族の人数、月次減税額、実際に適用された控除額などを記録します。各人別控除事績簿の様式は国税庁ホームページにありますので参考にしてください。

3.月次減税額の計算

月次減税額は、納税者本人と同一生計配偶者と扶養親族の人数を足して、3万円をかけると計算できます。

4.給与明細へ控除額を記載

2024年6月1日以降に最初に支払われる給与等にかかる控除前税額から順次減税額を控除します。そのため、6月の最初に支払う報酬が賞与の場合は、その賞与から先に月次減税額を控除します。

その際、給与明細書に実際に控除した月次減税額の金額を「定額減税額(所得税)☓☓☓円」「定額減税☓☓☓円」のように記載します。

5.納付書を記載

月次減税額の控除によって納付すべき税額がなくなった場合でも納付書(所得税徴収高計算書)の提出は必要です。納付すべき税額がある場合に準じて所轄税務署に提出しましょう。e-Taxでも提出可能です。

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定額減税に対応した給与計算ソフト8選

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定額減税に対応した給与計算を進めよう

定額減税は給与所得者にとってはうれしい制度です。しかし、給与計算の担当者にとっては制度のより深い理解が必要になるうえ、業務や手間が増えます。従業員の数が多ければそれだけ負担になるでしょう。そのため、定額減税に対応した給与計算ソフトの活用をおすすめします。

定額減税に対応した給与計算ソフトのうち最適なサービスを選ぶには、ニーズや予算に合わせて、複数のシステムを比較検討することが大切です。下のボタンからはBOXILが厳選したサービスの資料を無料でダウンロードできます。ぜひサービス選定の参考にしてください。

本記事で紹介しきれなかったサービスについては下の記事にて解説しています。より多くのサービスから検討したい方はあわせてチェックしましょう。

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監修者

監修

青山ファースト税理士事務所 代表・税理士

生垣 博志

【監修者プロフィール】
東京都港区青山で税理士として独立して9年目。医師やスタートアップ企業の支援を得意とする。
税理士事務所のほかにも2社、法人を経営。自らの経営経験を生かし、実効性のあるアドバイスを経営者の方々にできるよう心がけている。
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