同社は2026年版「働きがいのある会社」ランキングにおいて、中規模部門(従業員100-999人)で6位にランクイン。さらに日本におけるベスト100の中で飲食企業としては最高位を獲得し、また通算10度目となるベストカンパニーを受賞するなど、取り組みが成果として結実しています。
人手不足が深刻化する中、従業員エンゲージメントを高く維持し、さらに採用実績にもつながっている背景にある取り組みとは? conettoを提供する株式会社コネット(以下、コネット)と、“conettoをもっとも活用している”ユーザーであるファイブグループの担当者に、conettoの運用で実現するエンゲージメント向上施策について伺いました。
<お話をうかがった方>
株式会社コネット conetto事業部 事業責任者 御宿篤
株式会社ファイブグループ 総務労務部 部長 岩永敏幸
同 総務労務部 係長 菅沼利浩
同 業務推進管理部 郡司麻美
同 経営企画室 式地知美
現場の従業員のために……conettoが生まれたワケ
まずはconettoの事業責任者を務める御宿さんに、conettoがどんなサービスか伺います。
御宿「conettoは従業員データベースとLINEをつなぐツールです。本社や店舗からの連絡、申請手続きなど、従業員との間で発生するコミュニケーションをLINEで完結できます。
LINEグループをつくってやりとりする方も多いですが、従業員の中には個人のLINEアカウントを教えたくないと思う方もいて、強制するのは難しいですよね。conettoは、店舗や企業のLINE公式アカウントと従業員の個人アカウントを接続するので、そうした不安を取り除いた上で、特定の従業員にLINEでメッセージを送ることもできます」
管理画面からは従業員情報、氏名や所属店舗、雇用形態、グレード、給与などの人事情報を閲覧できます。いわば労務管理システムや人事管理システムのようなイメージです。 こうしたシステムでは一般的に、従業員もシステムにログインしてシステム上のマイページなどから操作をしますが、conettoは従業員との接点がすべてLINEなので、わざわざシステムにログインする必要がないそうです。

ファイブグループでconettoの前身となるシステムの開発が始まったのは2019年頃。2020年に事業部を立ち上げて外部への販売を始め、2024年には分社化して子会社として独立したそうです。
御宿「飲食業界はとんでもない人材不足です。外部から採用しようと思ってもなかなか難しい。そのためファイブグループでは、アルバイトからの社員登用や、アルバイトによる紹介などを推進していますが、従業員情報の管理やコミュニケーションの最適化に悩んでいました。既存のツールを調べても良いものがなく、自社開発を始めたという経緯です。 私は開発初期からconettoに関わっており、今のコネット代表と2名で事業部を立ち上げました。今は、飲食業を中心に、サービス業の方々50社ほどに使っていただいています」
conettoを使い倒す勘所
そんな50社の中で、“conettoをもっとも活用している”企業がファイブグループとのこと。ファイブグループは、従業員2,500名のうち2,000名がアルバイトで、正社員もほとんどが店舗勤務です。バックオフィスを担う管理部門に所属しているのは50名ほどと、少数精鋭で組織運営を担っています。 ファイブグループでconettoを活用している3つの部署の方に、事例と運用の実態をお聞きしました。
| 部署 | 紹介する業務内容 |
| 総務労務部 | 入社手続き |
| 業務推進管理部 | 店舗管理業務 |
| 経営企画室 | エンゲージメントサーベイ |
まずは総務労務部の菅沼さんに、入社手続きの進め方を伺います。
菅沼「私は入社手続きや給与計算などの労務業務を担当しています。
店舗では、新しい方が入社するとまず、ファイブグループの公式LINEアカウントと友だちになってもらいます。これでconettoの人事データベースとつながることができるので、その後の手続きをすべてLINEで進めていきます。書類への押印もLINEからURLを開きサインする流れです。
今はもう、入社手続きは完全にオンラインで完結します。あとは情報更新、例えば住所や電話番号など従業員自身の情報に更新があった際も、LINEからマイページを開いてすぐに申請できるんです」
従業員の中には海外出身の方もいます。そうしたLINEを使い慣れていない方は店舗のスタッフがサポートし、登録してもらっているそうです。
conetto開発以前からファイブグループに在籍し、飲食業に10年以上携わってきた経営企画室の式地さんは、次のように付け足します。
式地「飲食業は非常に人の出入りが多い業種です。毎年1,000人入社したら1,000人が退社するような。他の業種ではなかなかない規模ではないでしょうか」
つまり1,000人分の紙の書類に対応していたものがすべてオンラインに置き変わり、しかもLINEで完結するので流れもスムーズになった、ということです。機能のアップデートも継続的に実施しています。
御宿「昨年、conettoに給与明細を配信する機能を追加しました。それまでは外部システムを使用していたので、そのシステムにログインして見てもらう必要があったのですが、今はLINEから直接アクセスできます」
このほか、アルバイト契約の更新手続きもLINEで対応できます。ファイブグループでは半年ごとに更新しているとのことで、半年ごとに1,000名分の契約更新手続きを処理する……と考えると、LINEで完結できるメリットは大きそうです。
続いて、業務推進管理部での事例を郡司さんに伺います。
郡司「私が一番楽になったと感じるのは、引っ越しに伴う情報や書類のやり取りです。
店舗異動があると利便性の問題などから引っ越しを希望する従業員がいるので、ファイブグループでは、そのサポートを行っています。以前は必要な書類をメールで送ったり、紙に印刷して店舗や店長経由で回収したりしていたのですが、メールを見る習慣が無い方もいますしなかなか進みませんでした。
conettoを使うようになってからはもれがなくなり、何より返事が早く来るので劇的にスムーズになりました」
最後に、経営企画室での事例を式地さんに伺いました。式地さんはコーポレートコミュニケーションも担当しており、社内報をはじめ、従業員向けの告知も担いつつ、従業員向けのエンゲージメントサーベイを運用しています。
サーベイは毎月1回、全従業員2,500名を対象に実施しており、回収率はなんと常時90%ほど。conetto以前から別のアンケートツールを使用して実施していたと言いますが、LINEならではでしょうか、回収率の高さが際立ちます。
式地「サーベイは2018年頃から別のアンケートツールを使用して実施していました。質問も適宜更新しているのでまったく同じ聞き方をしているわけではないのですが、徐々に数値が良くなっています」

御宿「ファイブグループはアルバイト従業員の力強さが魅力の会社です。それぞれの店舗で、ぱっと見アルバイトか社員かわからないくらい、みなさんが力を発揮してくださっています。
サーベイのスコアが低い方やモチベーション低下のアラートが出ている方などがいたらフォローする方法を考えますし、逆にモチベーションが高い方は社員登用の説明会を案内するなどして、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを本部から取れるよう工夫しています」

サーベイのスコアとともに、リファラルやアルバイトから社員登用される人数も増加し、2025年には約60名に到達。conettoを「使い倒す」取り組みが働きやすい職場づくりに生かされているのかもしれません。
コミュニケーションは「従業員のため」
お話の中で印象的だったのは、徹底した従業員目線で追求した「使いやすさ」です。
式地「誰でも使えるように意識しています。アルバイトには高校生もいるので、高校生でも使えるようにというイメージです。例えば小さなことですが、LINEを開いた際に表示されるメニューを入れ替えたり、チャットbotの設定を追加したり、言葉を変更したり。コネットがグループ会社なので、時には機能開発を相談したり(笑)」
御宿「LINEのメニューは管理者が自由に設定できます。企業さんによっていろいろで、就業規則を並べるところがあれば、ミッションを掲載してメッセージ性を高める運用をされている企業もあります」
式地「conettoがあって良かったと一番最初に実感したのはコロナ禍でした。LINEでつながっていたからこそ、休業補償など重要な連絡をアルバイトも含む全従業員に直接届けることができたんです。従来なら店舗経由で連絡するしかなかったので、conettoを使っていて良かったと心から思いました」
conetto活用で育むサービス業の未来
最後に今後の展望を伺いました。まずは店舗管理業務を担当する郡司さん。
郡司「私のもとには、店長さんから自店舗のスタッフ情報を一覧で見たいなどさまざまな要望が寄せられるので、各店舗向けのページの改修を行っています。店舗の声をしっかりと聞き、働きやすい環境を実現していきたいです」
続いて総務部のお二人。
菅沼「conettoを5年ほど使う中で、安定稼働ができるようになったと感じています。効率化などこれまで行ってきたことは守りの側面が強かったので、今後は、組織の意思決定を担う存在になりたいと思っています」
部長の岩永さんはいかがでしょうか。
岩永「いいこと言うなと思って菅沼さんの話を聞いていました(笑)。私個人の思いとして、今の社会は孤独を感じやすいように思います。そうした方々もconettoでつながることで、ミッション「”楽しい”でつながる世界をつくる」を実現できると考えています。そのためにも、ファイブグループ自身が率先してミッションを体現できる会社になりたいです」

式地「ファイブグループはこの10年で10倍に成長し、従業員数も10倍に増えています。そんな中でも変わらずに楽しく働いていただけているのは、conettoのおかげだと思います。conettoを通してできたつながりを大切にして、「”楽しい”でつながる世界をつくる」を実現していきたいです」
最後にconettoが今後実現したいことを御宿さんに伺いました。
御宿「機能の土台はできたと考えているので、次は、使う部分を強化していきたいと考えています。
ユーザー企業のITへの習熟度はさまざまで、使いこなしていただくのが難しいと感じる部分もあります。例えば溜まったデータの利用です。サーベイ結果から必要な対応をサジェストしたり、次につながるアクションを提案したりですね。AIも活用しながら、意思決定を促進するツールにしていきたいです。
もう一つはナレッジマネジメントで、情報アクセスを良くしたいと考えています。ファイブグループでも社内ポータルサイトを運用していて、従業員のみなさんにお得な情報なども案内しているのですが、現場のアルバイトの方まで全員に見てもらうのは簡単ではありません。
こうした散らばってしまっている情報にもLINEからアクセスしやすくしたいと考えています。機能開発をしっかりと進めているので、数年とは言わず、もっと早く実装できる見込みです」
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お話を伺って改めて痛感したのは、さまざまなバックグラウンドの方が所属し、短期間で入れ替わっていく中で、「定着」を促進し続ける難しさです。
現場をよく知る企業が開発しているからこそ提供できている機能はもちろんのこと、やはり、ツールをどう使うかが重要です。従業員が迷わずこんな情報・機能を使えたら、「楽しい」が伝播するのではないか。それなら、本部からはこんなアプローチができるのではないか。従業員目線で最適なコミュニケーションを追求し続けるファイブグループの姿勢が伺えました。
conettoサービスサイト:https://conetto.me/ex
ファイブグループ公式サイト:https://five-group.co.jp/
