社会保険労務士(社労士)と労務管理士の違いとは?それぞれの業務と仕事内容
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「社会保険労務士(社労士)」と「労務管理士」、一見同じように思えるこの2つの資格にもハッキリとした違いがあります。
社会保険労務士は国家資格、そして労務管理士は民間団体が運営する資格です。では、具体的な業務や仕事内容にどんな違いがあるのでしょうか。本記事では、社労士と労務管理士はそれぞれ何をするのか、2つの資格の業務や仕事内容を紹介します。
労務管理とは
まずは、社労士と労務管理士の2つの資格に共通する労務管理という仕事は、具体的に何をするのかを紹介します。
労務管理は、企業内に存在する管理業務の中でも、とくに従業員の労働に関する業務を行い、人事管理と並んで企業の人材に関わる重要な役割を担っています。
労務管理の具体的な業務内容は、次のとおりです。
・社会保険などの管理:賃金ボーナス・各種手当・退職金・福利厚生などの管理も含む
・労働時間管理:勤務時間・残業時間・休暇の管理など
・安全管理:労災対策の他・パワハラ・セクハラ対策・ストレス対策など
・労働組合対策:労働者の団体交渉への企業側の対応業務など
労務管理の意味と目的、仕事内容について詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。
社会保険労務士(社労士)とは
社労士とは、社会保険労務士法にもとづいた国家資格者で、労働と社会保険に関する業務を行う専門家です。
社会保険労務士の制度を定めた社会保険労務士法は、昭和43年(1968年)に制定された法律で、当時複雑化していた健康保険・労災保険・雇用保険・厚生年金などの、円滑な実施に寄与する専門家の資格制度として誕生しました。
翌年の昭和44年(1969年)から、社会保険労務士試験がスタート。令和4年度(2022年)の合格率は5.3%※で、社会保険労務士試験は、現在では難易度の高い国家資格試験となっています。
※出典:厚生労働省「 第54回社会保険労務士試験の合格者発表」(2023年4月20日閲覧)
社労士になるには
社労士になるには、社会保険労務士試験に合格した後に、全国社会保険労務士会連合会名簿に登録し、都道府県社会保険労務士会に入会しなければなりません。連合会名簿に登録するには、「実務経験が2年以上あること(合格前の勤務も期間も含める)」、もしくは「事務指定講習の修了」が必要です。
社労士の仕事内容
社労士の主な業務内容は、次の3つに分類されます。
第一号業務
健康保険や労災保険、雇用保険などの加入・脱退手続きに関する書類作成・提出代行業務
第二号業務
就業規則や労働者名簿、賃金台帳といった、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成
第三号業務
企業内教育、人材配置、資金調達などの人事労務管理のコンサルティング
これら3つの業務の中でも、とくに第一号と第二号が社労士の主な業務になります。この2つは社労士のみに許された独占業務であり、新規に従業員を雇用した際や退職した際は、必ず第一号と第二号の業務が必要となります。
社労士登録者数は44,504人※(2022年8月31日時点)で、ほとんどは独立・開業しています。
※出典:厚生労働省「 第54回社会保険労務士試験の合格者発表」
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労務管理士とは
労務管理士とは、一般社団法人日本人材育成協会と、一般社団法人日本経営管理協会が運営する民間資格です。社労士とは異なり、労務管理士の主な役割は社内人事であり、仕事内容は社内人事制度の構築・改善となります。労務管理士は、労働基準法や労務管理に関するスペシャリストとも言えます。
労務管理士が、社労士の第一号・第二号業務を行うと社会保険労務士法の違反となり、罰則が科せられます。第三号業務の人事労務管理のコンサルティングに関しては、社労士だけのフィールドではなく、資格を持っていない個人や企業であっても行える業務なので、多くの労務管理士がこの業務を専門的にサポートしています。
社労士と労務管理士の違い
- 社会保険労務士は国家資格、労務管理士は民間資格
- 社労士には社会保険労務士法に定められた独占業務があり、社会保険に関する書類作成や提出代行、労働社会保険法令に基づく帳簿書類作成は、労務管理士は行えない
- 社会保険労務士は主に独立、労務管理士は社内で活躍
社労士と労務管理士の違いを理解して資格取得に挑戦しよう
社労士と労務管理士の違い、それぞれの業務や仕事内容について解説しました。
独立したいという方は社会保険労務士、社内でさらに成長したいという方は労務管理士が向いているといえるでしょう。資格取得を考えている方は2つの違いをしっかりと理解しておきましょう。
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