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「強みに特化するのがベンチャー」民泊を手がける楽天LIFULL STAYの成長を見据えた経費精算システム導入

最終更新日:(記事の情報は現在から2615日前のものです)
注目ベンチャーのクラウドサービスを利用するユーザー企業の事例を紹介する連載、第3回は来年の民泊新法の施行に向けて準備を進める楽天LIFULL STAY事業開発シニアマネージャーの尾木 健士郎氏にお話を伺いました。

導入事例情報
インタビュー先
楽天LIFULL STAY
業種
IT/通信/インターネット系
利用規模
11~30人
導入サービス名
Concur Expense

楽天が本格化する民泊事業に参入、市場規模はどこまで伸びる? 

ーーまずは、楽天LIFULL STAYさんの事業を教えて下さい。

楽天LIFULL STAYという会社は、名前のとおり、楽天と「HOME'S」という不動産ポータルを運営しているLIFULLさまとのジョイントベンチャーとして設立しました。私はもともと楽天に在籍しているのですが、楽天とLIFULLの社員がこのジョイントベンチャーに参画しています。

弊社の事業領域は、今後、市場規模が大きくなるだろうと予測されている「民泊」です。現在、国内の民泊の市場規模は2,000億円と言われていますが、国内のホテルや旅館といった宿泊の市場規模は3〜4兆とも言われています。民泊事業の展開を通じて、民泊を含む宿泊市場全体を盛り上げていくことに貢献していきたいと思っています。

楽天LIFULL STAY 事業開発シニアマネージャー 尾木 健士郎氏

また、民泊事業を通じて、多様な宿泊の選択肢を提供し、海外からの観光客のニーズにも応えていくことで、日本の観光産業も盛り上げていければと思っています。そのためにも、腰を据えてビジネスの土台を整えていく必要があり、民泊事業において補完関係を築ける強力なパートナーであるLIFULLさまと手をたずさえてやることになりました。

今、政府で来年の民泊新法施行に向けて準備が進められており、その時に向けて動いているところです。会社は2017年3月に設立し、民泊事業への参入について発表させていただいたのは6月です。

「国内No.1民泊プレイヤーへ」とうたう楽天LIFULL STAYのホームページ

ーーどのような経緯でLIFULLさんと一緒にやることにしたのですか?

楽天の強みは、約9200万の楽天会員数という強固な顧客基盤があり、認知度も高い点です。一方で民泊を手がける場合、特に日本では不動産業界とのつながりがとても重要です。

そこで、2万4千社を超える不動産加盟店ネットワークを持ち、約800万物件の掲載数を誇る不動産・住宅情報サイトを運営されているLIFULLさまと一緒に手をたずさえてやっていきましょう、という流れです。1年ほど前から話をしていました。

LIFULLが運営している物件情報サービス「LIFULL HOME'S」

同社ならではの民泊事業3つの戦略

ーー現在は、どのような業務をされているのですか?

2017年内の活動としては、3つ進めています。1番目は、ウェブサイトとシステム的な部分の開発です。民泊用のマッチングサービスを提供するプラットフォームの開発を進めています。

2番目が、民泊用の物件の獲得営業を進めています。不動産会社に営業をして、年明け以降、民泊新法に基づく新たな民泊マーケットができるので民泊物件の開発をしていきませんか、と進めている状況です。

民泊物件を提供するオーナーさまにはいろいろなタイプの方がいらっしゃいます。通常は、CtoCのイメージが強いかもしれませんが、我々は、個人のみならず法人のオーナーさまに対しても、遊休資産の活用という形で部屋を貸し出してもらえるように提案しています。

近年は賃貸だけだと部屋が埋まる率が下がってきており、今後収益が落ちていく可能性があります。その時に「空室リスクを減らすためにも、賃貸だけでなく民泊のような副業を手がけると収益も上がります」とご説明しています。

3番目は海外の民泊サイトと提携を組むことです。民泊の対象ユーザーとしては、海外からのインバウンドが重要になります。

楽天LIFULL STAYとしては海外ではまだ知名度があるとはいえない状況ですので、インバウンドについては海外のパートナーと協力していく必要があります。我々が獲得した日本国内の民泊物件を提携先のサイトにも提供することで、海外からの旅行客による利用拡大を目指しています。

ーーどういった民泊サイトと提携するのですか?

現在のところ、世界最大級の民泊サイトとなるアメリカの「HomeAway」さんと、台湾最大の「AsiaYo」さん、中国最大の「途家」さんと提携しています。

今後はOTA(Online Travel Agent)と言われるホテルや旅館を扱っているような海外のサイトや旅行代理店も含めて、幅広くどんどん提携先を増やしていこうと考えています。

8月には、中国最大級の民泊プラットフォーム「途家」との連携を発表

ーー御社のサービスの強みと目標を教えてください。

リネンの提供やクリーニングから、外国人への対応方法など、様々なサービスやソリューションを組み合わせながら、ワンストップでの提供できるようにすることを目指しており、それが強みになると考えています。

また、弊社はLIFULLさまと楽天の両者が責任を持って運営している会社であり、民泊新法に則りビジネスを運営していきますので、安心感をご提供できると考えています。

目標については、具体的な数値は公表していませんが、取り扱い物件数でいうと、現状は最大手とされる民泊事業者が日本国内でおよそ5万の部屋を扱っていると言われていますので、我々も来年、再来年にはその程度には到達できると考えています。

少人数の貴重なリソースをどこに向けるか?経費精算システム選定のポイントは?

ーー本題に入ります。経費精算システムで、コンカーの「Concur Expense Standard」を選んだ経緯を教えてください。

今回、2社のジョイントベンチャーという立てつけがあるので、この会社の機能としては強みに特化して、それ以外はリーンにしたいと思っています。現在は、社員が13人ほどいますが、全員何かに特化しています。

楽天からは営業に特化した人、LIFULLさまからは日本の不動産のネットワークを押さえている人などに入ってきてもらっています。要するに、アウトソースできる部分はアウトソースしたい、ということで法務や経理まで、アウトソースしている体制なんです。

アウトソースするという前提の中で、経費精算をどこに頼むかを考えたときにたどり着いたのがコンカーさんでした。

「Concur Expense」のホームページ

ーー「Concur Expense(コンカーエクスペンス)」のどこがよかったですか?

スマホアプリでレシートを撮影し、それが経費精算の申請の際にきちんとクリッピングされるというユーザー体験が素晴らしい点です。バックオフィス系のツールは、一般的にUIが使いづらく、デザインが洗練されていないものも多いです。その中で、コンカーさんのアプリは洗練されているのが好印象でした。

「Concur Expense Standard」PC版(ブラウザ)のホーム画面

「Concur Expense」スマホアプリの画面

あと、経費精算に関してはコンカーさんにお願いしていますが、アカウンティングや財務回りも別の会社に委託しているため、委託先同士で連携する部分が出てきます。その際に、アカウンティングを委託している会社もコンカーさんのことをよくご存じだったので話が早く進んでいきました。

たとえば、シリコンバレーの中で最先端の経費精算の新しいツールがあっても、委託先がまったく知らなければ実務で利用しようという話にはなりません。そういった意味でも、コンカーさんは良いと思いました。

ーー「Concur Expense Standard」の導入はスムーズでしたか?

弊社の場合は人数が少ないため、導入費用が掛からず、セットアップも簡単なStandard版を採用しました。3月に最初の打ち合わせをして、4月に申込書を送ったのですが、4月中にセッティングは終わっていました。我々の方の手が回らずに着手が遅れましたが、それでも実際に使い始めたのは5月です。

導入時に感じたのは、コンカーさんがユーザーサポートに力を入れているという印象です。電話会議を1時間していただき、とてもていねいに説明してもらいました。私は過去に「Concur Expense」を使った経験があり、使い方を把握できているつもりでしたが、電話で直接質問し、明確な回答を受けると安心しますね。導入時に電話会議をするプロセスは、一見非効率に見えて、顧客満足度が高くなると感じました。

ーー「Concur Expense Standard」を導入してどう変わりましたか?

組織が立ち上がって3か月間ほどは、私が経費精算の承認を手作業で行っていました。私が各スタッフに今月の経費をエクセルで提出してもらって、それを私がとりまとめて、銀行振込で手配していました。

「Concur Expense Standard」を導入することで、月あたり数時間という単位で業務時間を削減できており、心理的な負担も非常に少なくなっています。その時からすでに人も増えていますし、当時のまま手作業で行っていたら、今ごろは絶対に業務が回っていなかったでしょう。

私は「Concur Expense」を使った経験がありましたが、メンバーの中には初めて使う人もいました。たとえばある営業社員は、「営業の際に発生する諸経費を、領収書の写真を撮るだけで、その日のうちに登録できるというのは非常に便利」と言っています。

レシートの写真を撮れば自動的に経費が登録される

具体的には、月に20〜30件の経費精算をするなら、トータルで2、3時間は作業時間がかかります。営業先から帰社して作業する場合は、移動時間もこれに加算されます。「Concur Expense Standard」を導入して、これが30分くらいで済むようになりましたので、そのぶん本業に集中できるのはありがたいところです。

スマホアプリで経費処理が行える

ーー特にここが便利だ! と感じたポイントを教えてください。

細かい部分ですが、経費項目を自分でカスタマイズできる点です。我々は毎月中国や台湾、アメリカといった提携先に出張に行っています。同じ経費でも国内と海外で税率が異なりますが、項目を細かく分けることで、海外出張の経費精算も問題なくカバーできます。

経費の承認がいつでもどこでもできるのも便利ですね。申請したスタッフに対してロスタイムが発生しません。申請されるとすぐに通知が来るので、その場で承認できます。申請したスタッフも承認する側にとっても、いろんな意味でストレスフリーですよね。

いつでもどこでも処理できるのでストレスがない

ーー最後に、使ってみて、コンカーに対して今後の要望がありましたら教えてください。

繰り返しの経費の申請が、AIとかサジェスチョン機能とかを改善することによって、より自動化できないかなと思っています。たとえば、交通費として、ある駅から駅までの電車代、というのがあるとします。今はお気に入りにいれる必要があるのですが、それさえしなくてもサジェストしてくれるととても楽になりそうです。

記事中で紹介したサービス

Concur Expense - 株式会社コンカー

Concur Expense
Concur Expense
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ボクシルSaaSのデータを元に表示しています
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  • 経費支出の見える化でキャッシュフローを健全に
  • 生産性を上げる経費申請の確認・承認フロー
  • 不正経費の防止
  • 電子帳簿保存法に対応し領収書の電子化を実現
  • Standard版は初期費用ゼロ円、簡単ウィザードでセットアップも簡単

コンカーのConcur Expenseは、経費の精算管理を自動化するサービスです。スマホアプリから経費の精算や申請、承認が可能で、面倒な作業が不要になります。乗り換え検索や交通系ICカードとも連携し、e文書法にも対応。レポート機能が充実しているので、現状の把握も手軽に行えます。

インタビュー後記

グローバルで見ると、日本では民泊がほとんど進んでいません。「民泊はグレーゾーンのビジネスだ」というネガティブなイメージも生まれつつあるのですが、これに歯止めをかけるべく「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が2018年に施行されることになりました。春ごろから民泊事業者の事前登録も始まります。すでに宿泊施設が足りないという状況になっている中、2020年にはオリンピックも控えているので、民泊の需要増加が見込まれています。

楽天LIFULL STAYは、民泊新法のもと、楽天の顧客基盤や認知度、LIFULLの不動産ネットワークを武器に、一気にビジネスを進めるようです。すでに、アメリカ、中国、台湾と、2017年7月に来日した人数の1位、3位、4位の国で展開する、それぞれの地域で最大の民泊サイトと提携するというのは、さすがのビジネス力です。

筆者も民泊の情報はウォッチしていますが、日本ではトラブルが起こったという話もよく耳にします。こういった環境をきちんとしたビジネスで整理できれば、巨大なマーケットが生まれることは間違いありません。来年の動きから目を離せません。

まだ13人規模の楽天LIFULL STAYが利用している経費精算・管理サービスの「Concur Expense Standard」。尾木さんからは高評価なコメントが続いたので、筆者が経営している会社でも導入を検討したくなりました。やはり経営者としては、バックオフィスにはなるべく手間をかけないようにしたいものです。

117_新選び方ガイド:経費精算システム導入ガイド_20240902.pptx.pdf
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